松永久秀(戦国武将)

登録日:2009/06/01 Mon 22:51:28
更新日:2025/04/04 Fri 17:19:18
所要時間:約 11 分で読めます





戦国時代の武将。
1510?-1577

素性不詳ながら、父親を暗殺されて四国に撤退した三好長慶に祐筆(代筆係)として仕える内に頭角を現し、
長慶の成長と畿内勢力拡大に功績を認められて弾正忠をいただく。
(当時よくある勝手に自称したものではなく、ちゃんと朝廷から受けている官位。)

武将としては大和一国を平定、領民からの信頼も高かったと伝えられ、茶道や連歌の教養もある名将。
その上優雅な立ち振る舞いをする美男子だったとも言われている。
弟・長頼も三好軍団の名将で*1、丹波方面を任されて守護大名に婿入りしている。

久秀の正室も三好家の女性で、いわば徒手空拳から一国一城を得て畿内の覇者・三好家のロイヤルファミリーに成り上がった、
戦国を代表する出世頭兄弟…なのだが、


●奈良東大寺を焼き払う

●将軍足利義輝を暗殺する

●主君一族に牙を剥く

など謀略の限りを尽くしたことでも有名。
この三つは天下三大悪事として信長からの紹介時に使われた程。

ちなみに小ネタであるがセックスに付いての指南書を書いており、「相手のことを考えたプレイをすること。自分だけ気持ちよくなっちゃダメ」(超訳)等、現在でも通用する物も多かったり。

弟たちと嫡子を相次いで失い心身を傷めた三好長慶の亡き後、長老格の三人衆と権力争いを繰り広げるが、上洛する信長に対し大名物『九十九髪茄子茶入』を献上し降伏。大和一国を安堵された。
その後足利義昭の信長包囲網に呼応し謀反を起こすが、1573年武田信玄死亡で勝算がなくなったのか再び降伏する。

更に石山合戦の際には上杉謙信上洛の噂が流れ、一向衆と結び城攻め中に寝返り領地の城に籠城する。

2度目の謀反であったのにもかかわらず“あの信長”が「降伏し不平不満があるなら言ってみよ」という主旨の書状を送ったとも言われているが久秀はこれを拒否、
キレた信長に大軍を送り込まれている。


追い詰められて尚、信長から「『古天明平蜘蛛茶釜』を献上すれば助命はする」と言われたのにもかかわらずこれも拒否。
更には当時一国一城余裕で買えるとも言われた茶器の中でも最高峰の価値を持つ大名物『古天明平蜘蛛』に火薬を詰め爆死を遂げたと言われている。
が、現在では爆死という説は疑問視されている。
そもそも平蜘蛛釜は現存しているという説もあり、実際に静岡の美術館に真偽は不明だが平蜘蛛釜と伝わる茶釜が展示されていたりする。
ただ、爆死の真偽はともかく、織田に攻め込まれて最期を遂げたというのは確かなようである。

後世では悪行の限りを尽くしたとして北条早雲、斎藤道三と並ぶ戦国三大梟雄と呼ばれているが、
三好家の実権をさらうことには成功しているし、信長への謀反に関しては信玄や謙信の上洛が成功していれば領主として最善手であった、とする説もある。
足利義輝暗殺事件も、主導者は三好一党と久秀の息子の久通であり、久秀本人は事件に参加していないどころかそもそも京にいなかったりする。*2
当時の方針としては三好政権立て直しのため、地方大名とのコネ作りが活発な義輝から、傀儡化しやすい義栄に将軍位をすげ替えることではあったにせよ、
後の足利義昭に「義輝の命を取るつもりはない」という誓詞も出しているところから、義輝の暗殺には消極的だった節もある。
謀反人として有名な久秀ではあるが、明確に謀反を起こしたのは信長に対する一回だけである。
自身が治める大和では民衆の心をつかむため善政を敷いたとされており、今でも名君として慕われているという。

東大寺焼き払いは三好方の仕業とも出火の原因は様々な説があるが、三好三人衆の陣から小火騒ぎになり燃えた後、自分がやったと喧伝したともいう。

最近は久秀の悪名を晴らすことを目的に据えた研究も進んでおり、実は三好家の大忠臣だったという研究成果が出ている。
嘘の様な話だが、確実な史料では東大寺焼き討ちも足利義輝暗殺も久秀は主犯ではなく、
三好長慶・義興親子にはむしろ忠実に仕えており、その後も三好宗家に忠実だったのだという。

以下松永久秀の有名なコピペ

全盛期の松永久秀
  • 3ヶ月5謀反は当たり前、3ヶ月8謀反も
  • 寝返りを頻発
  • 久秀にとっての攻め滅ぼしは毒殺のしそこない
  • 主君殺しも日常茶飯
  • 9日目10000人差、家中全員負傷の状況から1人で寝返り
  • 大仏も余裕で焼く
  • 1年目で謀反が特技
  • 仕官しただけで相手当主が泣いて謝った、心臓発作を起こす当主も
  • 寝返り成功でも納得いかなければ相手主君殺して帰ってきてた
  • あまりに謀反しすぎるから出陣でも謀反扱い
  • その出陣でも謀反
  • 三好長慶を一睨みしただけで長慶の弟たちがあの世に飛んでいく
  • 戦の無い日でも2謀反
  • を使わずに手刀で暗殺してたことも
  • 仕官してから反旗を翻す方が早かった
  • 織田信長のヤジに流暢な大和言葉で反論しながら謀反
  • グッとガッツポーズしただけで5人くらい不審死した
  • 石山戦争が始まったきっかけにも少し絡んでる
  • 大和の深い位置から京の将軍御所も襲撃してた
  • 久秀に暗殺されたことにまだ気づいていない大名も多い
  • 久秀が挙兵した時点で主君死亡の可能性あり
  • 2日連続謀反は「今日は茶が飲みたい」という暗号
  • 自慢の茶釜に火薬を詰め込んで自爆というファンサービス


ゲームでの松永久秀

●『戦国BASARA』シリーズ

戦国BASARA2~英雄外伝~」から登場。
CV:藤原啓治

NPCとして出てきており、主に火薬(松永の最期の話を参照。つまり自爆)とを使う。
徒歩と緊急回避による移動により戦い辛いが、慣れればそこまで強くはない。
プレイヤーの操作するキャラを卿(けい)と呼び、欲望のままにしたいことをすれば良い、と発言する。

通常モードでは倒すと伝承よろしく自爆して欠片も残さず消える。
基本的に東大寺にひきこもってお宝を愛でていて、彼がアクティブになるのはどうしても欲しいお宝がある時くらい。
一部では闇ひろしだのサーシェスだのと言われている。
『3』より、プレイヤーキャラクターに昇格した。

アニメでは政宗の六爪や武田の鎧を欲して動きだし、伊達の兵を人質にする。
片倉小十郎(ヤクザ)の穿月(?)に貫かれ死亡した。

……と思われたが、二期で悠々と登場。信長の頭蓋骨を持っていこうとするが真田幸村に阻まれる。



●『戦国無双』シリーズ

戦国無双2」にて護衛武将として初登場。タイプはもちろん「爆忍」である。

「戦国無双chronicle」にも登場するが、彼の謀反は戦後イベントの文章だけで片付けられるのみ。
彼の活躍は金ヶ崎で朽木元綱を説得して退路を確保するイベント一つだけである。

に刺した餅のエピソードが信長のイベントに存在し、有岡城の戦いが外伝シナリオとして収録された謀反仲間の荒木村重と比べて、かなり不遇。
(ちなみに今作における両者の謀反の黒幕は毛利元就である)

「戦国無双4」で遂にPC化。(CV:石井康嗣)
通称「乱世の大悪党」で人を食ったような性格とふてぶてしい見た目の自信家で、時折芝居がかった喋り方をする。
また天文から自分の運命を読み取ることができ、自分の運命が誰かに干渉されることを極端に嫌う。
花輪君のような髪型と蜘蛛を意識した衣装や攻撃エフェクトが特徴。一人称は吾輩。
武器はショーテルのような曲刀でもちろん爆弾も使う。(ちなみに氏康や爆忍が使う丸型ではなく筒状)
攻撃の出が遅い為、最初は使いづらいが相手の動きを遅くする特殊技を使いこなせるようになれば強力。
後述の理由で柳生宗矩と行動することが多い。

作中では織田の章で登場し第2話「信長上洛戦」から本格的に物語に絡んでくる。使用可能になるのは第3話「六条合戦」から。
裏で三好三人衆の襲撃を手引きしたり浅井長政の離反を煽るなど織田の章におけるトリックスターである。前述の「六条合戦」の黒幕も彼。
しかし信長は久秀の策略・人物像をちゃんと見透かしており、それを承知で撤退の先導役などを任せている。

間接的ではあるが史実通り何度か反逆するもその都度信長に許され、そこで死ぬはずであった自分の運命を歪められたとして信長を恨むようになる。
そして第7話「紀州征伐」にて散々弄ばれた自分の運命を取り戻すべく最後の反逆にでる。
戦後、信長が信貴山城に乗り込み「許す。タダで許されるのが嫌ならその茶釜でも貰ってやろう」と言われるも、それを拒否。
「茶釜も吾輩の運命も吾輩のもの」と絶叫し、茶釜に仕込んだ爆薬で自爆した。
(この時、至近距離で爆発したにもかかわらず信長はおろか彼を庇って間に入った光秀すら無傷である)
久秀の自爆は長政の離反・長篠の戦い・一揆衆への粛清を通して信長の創る天下に疑問を抱き始めていた光秀にとって、ある答えを見出す切っ掛けとなった。

自らを悪党と言いながらも民に無償で炊き出しをしていたり戦場を離れると善人である。
だがそれを見つかった場合大抵「を入れている」だの悪だくみをしている風にふるまう。勿論実際はそんなことはなく、すぐに弁解するが。
要するに悪人というより偽悪者
また史実通り恐妻家だったらしく、主人公に同行する動機も「それを黙っててくれ」というものである。

過去作の猛将伝に相当する戦国無双4-Ⅱでは反逆の章の主人公を務める。
信長を罠に嵌めようとしては見破られ、またその度に許されてしまうというのがお決まりの流れ。最終的には前作と同じく信貴山城にて自爆するが…?

OROCHIシリーズでは無双OROCHI3でサイドストーリーに登場。一般人を装い名義で初登場を果たす。
悪人面+怪しすぎる武器を持ったおっさんの上に「民」と書かれている姿はシュール極まりなくユーザーからは「お前のような民がいるか!」と盛大に突っ込まれた。
特別友好は司馬懿と法正。特に法正とはノリノリで悪党トークを楽しんでいる。

●『仁王』シリーズ

CV:千葉繁
1作目「仁王」から登場。既に物故(死亡)しており、信貴山城の妖怪を討滅した主人公ウィリアムの前に亡霊として現れる。
現世と黄泉の狭間にある“隠世の茶室”に居着いており、ウィリアムをそこへと招待し茶を振る舞う。
次作「仁王2」では生きている頃の姿もちょっとだけ見れる。サブミッションを開放するとボスとして対戦することも可能。足利義輝から奪った二刀を使いこなすが、それだけでなく様々な爆弾や守護霊・糸繰が繰り出す蜘蛛の糸などによる搦め手も駆使してくる。奇声を挙げながら猛ダッシュで掴み掛かり、爆弾をゼロ距離で叩きつけてくる大技は必見

戦国乙女シリーズ

CV:小野大輔
パチスロ版から登場。足利ヨシテルに仕える幕臣であったが、反旗を翻した。
水色の長い髪と顔の右半分を覆う異形の仮面が特徴。

●信長の野望シリーズ

梟雄の代表格。知謀と政治に優れ、統率も高めという優秀な武将だが、殆どの作品で義理が最低値であるためすぐ裏切る。
配下にした場合は褒美や家宝などの餌を絶やさないようにして忠誠心を保ちたいところ。
しかし近年の作品では「実は梟雄ではなかったのでは?」という研究成果が少しずつ反映されてきており、
最上位クラスだった知謀が若干低下した代わりに他のステータスが上昇するなど能力値の傾向に変動が生じている。
2022年発売の「新生」ではついに足利将軍家を忠臣として支えていくという架空イベントが実装された。
新生でも野心(旧作で言う義理)は相変わらず最低なものの三好長慶に対しては親愛感情を抱いており、彼が大名をしている場合は親愛補正で裏切らない。
近年の忠臣説と昔のギリワンを上手く融合させた秀逸な調整となっている。


ゲーム以外



その他

ニコニコ動画内のみだが信長の野望シリーズでは義理が1のためよく『ギリワン』という呼ばれ方をする。
ステータスは高いがすぐに裏切るため取り扱いには非常に注意を。


なお余談だが、天守閣の付いた城を最初に作ったのは久秀である。
その高い防御性や索敵性、更には便利な倉庫役として、戦国~江戸後期に到るまでの築城は天守閣構造が基本となった。

また、昔の主君・三好家と戦争をしていた時はクリスマスを理由に休戦を申し込み、これを成功させている。

(久秀の手紙や三好長慶の手記に残されている。三好は実はクリスマスについてあまり理解していなかったようだ)

他にも、柳生石舟斎こと柳生宗厳の一族を庇護したり、集めた名物茶器を夜遅くまで鑑賞した為に評定(現代の会議)に度々遅刻したり、
奥さんのにマジビビリした等、人間味溢れた人物でもあった。


追記・修正は爆死してからお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 戦国時代
  • 戦国武将
  • 人物
  • 策士
  • 奈良県
  • 爆死
  • 芸術は爆発だ!
  • 下剋上
  • 大悪党
  • 純粋にして究極の悪
  • 戦国三大梟雄
  • 爆弾正
  • ボンバーマン
  • 義理ワン
  • 引きこもり
  • 骨董マニア
  • 窃盗犯
  • 文化人
  • セックス指南書
  • ギリワン
  • ヅラ
  • カリスマ
  • お前には何もやらん!
  • 松永久秀
  • イケメン
  • 裏切り
  • クリスマス
  • 松永弾正忠久秀
最終更新:2025年04月04日 17:19

*1 長慶に近侍していた久秀より武功者の長頼の方が出世が早かった説もある。

*2 とはいえ、久通が独断で京に軍を動かすことに特に対応しておらず、義輝暗殺事件後も父子仲が悪くなった気配も薄いという点から、これで本当に無関与というのも「有能で誠実な久秀」像にはひどく不自然な話なのだが。