イェーガー(遊戯王5D's)

登録日:2025/07/26 Sat 19:31:49
更新日:2025/07/27 Sun 10:10:28NEW!
所要時間:約 4 分で読めます





アニメ『遊戯王5D's』の登場人物。

CV:柳原哲也(アメリカザリガニ)



【概要】

ネオ童実野シティ治安維持局特別調査室室長。自称「ゴドウィン長官の懐刀」
登場当初はゴドウィン長官の側近のような立場であった一方で、その背後組織である「イリアステル」からゴドウィンを密かに監視する役割も担っている。

成人男性にしては非常に低い身長、やたら甲高い声、「ヒッヒッヒッ」という笑い声が特徴の男。
尖った耳やカールした横髪、顔に施されたメイクといったさながら道化師の様な風貌の持ち主であり、実際劇中では何度もピエロと呼ばれている。

初期は時折顔を見せる程度で然程出番はなかったが、WRGP編に入ってから本格的に主人公達と深く関わる様になる。

【人物】

シティにおいてはかなりのお偉いさん(事実上のNo.2)であるが、誰に対しても敬語で話す礼儀正しい部分もある。
とは言えその発言内容は正論や嫌味も多く、慇懃無礼と言っても過言ではなかったが。
何処か他人を見下した態度をはじめ、道化師らしい見た目に違わず言動も他人を煙に巻くようなおちょくったものが多い。
あまり仕事熱心ではないようで、仕事中にゲームで興じていたり、機密情報をゲームセンターに仕込む事で仕事中と誤魔化しながら遊んでいたりする。
ただし決して悪人ではなく、人情家としての顔や肝の据わった一面も持つ。

非常に危機回避能力が高く、服には常に逃亡用のバルーンを仕込んでいる。
道化師らしく手品もお手の物で、ショッピングモールで逃げる際には瞬時に自身のホログラムを使った囮を用意する離れ業を見せた。
ただし泥棒に入っておきながら堂々とその場にあった食べ物に手を付け、指紋を残してしまう大ポカをやらかした事もあり、全体的に詰めが甘い。

現在の地位は本人曰く「ゴドウィン長官に胡麻をすりまくって出世した」との事。
だがあのゴドウィンが単なるゴマすりが得意なだけのヤツを副官につけるわけがないというのが視聴者の総意であり、実際実務能力は高い。
特に物語終盤で組織のトップとして判断を求められる場面では常に冷静かつ即断即決を通しており、人命を助けるためなら自身を危険に晒す事も厭わない覚悟を見せている。
要は「やる時はやる男」であり、英雄ではないが為政者としては非常に優秀な人物。


【劇中の活躍】

フォーチュンカップ編~ダークシグナー編

前述の通りゴドウィンの腰巾着のような立場で登場する。
ダークシグナー編ではゴドウィンを通じて何が起ころうとしているのか断片的に知っていた様で、その過程でクロウと邂逅。
デュエルを行うもネオ童実野シティが闇に飲まれ始めた事で中断し、決着はお預けとなった。

WRGP編~アーククレイドル編

ゴドウィンがいなくなった事で治安維持局副長官に就任。
イリアステルからは新たな長官としてイリアステル三皇帝の一人・プラシドが送り込まれ、今度は彼の命令で動く様になる。
遊星が開発したプログラムを盗む事を命じられる等、その扱いは副長官というより都合の良いパシリであり、この頃からサボり癖が顕著になっていく。

しかし次第にイリアステルからきな臭い何かを感じたイェーガーは単身逃亡。
その事を知った不動遊星達からも追いかけられるが、道化師らしいトリックや言動で逃げまくる。
クロウ・ホーガンとデュエルし、なんとも嫌らしい戦法で苦しめるものの、最終的には追い詰められてしまう。

だが、イェーガーには妻と息子という家族がいた。顔はイェーガーそっくりである
彼は彼なりに良い父親だったらしく、その家族を守るために逃亡を選んだのである。
その事に絆されたクロウはわざと敗北を選ぶものの、イェーガー自身もその事から遊星達が信頼に足る人物だと知り、協力関係になる。

ちなみに当初はクロウを「サテライトのドブネズミ」等と呼ぶなど選民意識もあったが、実際のところイェーガー本人も極貧の幼少期であった。
サーカス団の生まれであったが集客力に乏しく、カップラーメンですらご馳走と言える有り様。
その事からカップラーメンが好きなのだが、実はこれ、遊星達にも共通することである。
その境遇にはキングとなったのに未だにカップラーメン大好きなジャック・アトラス思わず大号泣する程シンパシーを感じている。
時系列は前後するが実際にイェーガーが尻尾を掴まれたのもカップラーメン絡みのことであった。

結局遊星達が知っている以上の情報は持っておらず、あわや骨折り損のくたびれ儲けになる所であったが、ゲームセンターに隠した機密情報からイリアステルに繋がる手がかりを提供する事に成功する。
しかしその結果、イリアステルによる未来改変でイリアステルが治安維持局長官の地位から外れ、「チーム・ニューワールド」としてWRGPに出場する未来に書き換えられる。*1
更にWRGPの試合中にプラシドが起こしたゴースト騒動によってWRGP自体を中止にしようとする気運が高まる事態に発展する。
もし本当に中止になれば、遊星達がイリアステルと接触するチャンスが無くなってしまう。

そこでイェーガーは一つの大きな決断を下す。
イェーガーは家族の安全が確保出来たこと、そして何より逃げては何の解決にもならない事を自覚し、治安維持局に戻り長官に就任
その権力を駆使してWRGPの開催続行を宣言し、遊星達がイリアステルと戦う道筋を作った。
その後も治安維持局の長官として遊星達を大いにサポートしなんか最終決戦ではミゾグチ、実況のおっさんの3人でコメディリリーフと化しながらも最終的にイリアステルの野望を食い止める事に成功した。

最終決戦の後は治安維持局を解体し、市長制となったネオ童実野シティの市長に就任した。
(しかも就任演説で「市民の皆さんに選ばれた」と語っている事から、しっかり選挙を行った上で当選した事が伺える。)


【その他作品にて】

遊戯王ARC-Vではシンクロ次元で使われている紙幣に彼の顔が書かれている。
また後に本人も登場。飛行機よりデュエルを観戦しており、高級シャンパンを飲みつつも手元にはカップうどんが置かれている為、相変わらずのカップ麺好きらしい。

漫画版では代々からレクスを崇拝する一族であり、彼に忠誠を誓う。
コミカル成分がかなり排除されており何処か不気味さを感じさせる。

ゲーム作品では遊☆戯☆王タッグフォースシリーズDUEL TERMINALには登場しているが、現在のところリンクスには実装されていない。
タッグフォースの台詞は勝っても負けても飄々としているが、仲間を責め立てたりしない紳士的なものとなっている。



【デュエルについて】

シンクロ召喚が多い5D'sの世界では珍しい「アンチシンクロデッキ」。
「宮廷」シリーズをはじめとする多数の永続罠で相手の動きを封じ込め、自身はトリッキーな「ジェスター」モンスターを使いこなすという「らしい」戦い方をする。
相手の過去のデュエル履歴からセットカードを推測する等、アニメのデュエリストとしては珍しくテキストやデータベースの確認も怠らない。
その実力はセキュリティ隊員を何度も軽くあしらってきたクロウの【BF】デッキと互角に渡り合う程で、クロウに「治安維持局にもお前のようなヤツがいたとは」と賞賛されている。

なおシンクロ召喚メタとしては自負があるらしく、タッグフォースシリーズでシンクロ召喚をする際にちょっと嫌そうにするという特徴がある。


《不協和音》
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、
お互いのプレイヤーはシンクロ召喚できない。
発動後3回目の自分のエンドフェイズ時にこのカードを墓地へ送る。

シンクロ封じの永続罠。
アニメのメイン召喚法かつ当時猛威を振るっていたシンクロ召喚を完全に封殺することで話題となったカード。
クロウが苦戦した理由の大体がこのカードのせいであり、イェーガーが相手を調査してメタを貼る「嫌らしい」人物というのがよく分かる一枚と言えるだろう。

《ジェスター・コンフィ》
効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
(1):「ジェスター・コンフィ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
(3):このカードの(2)の方法で特殊召喚した場合、
次の相手エンドフェイズに相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。
その相手の表側表示モンスターと表側表示のこのカードを持ち主の手札に戻す。

緩んだ笑みを浮かべよだれを垂らす、どこか不気味な顔つきの道化師。
発動タイミングは遅いが、自身と相手のモンスターをバウンスできる。
アニメでは戦闘を封じる永続罠の《レイト・ペナルティ》と組み合わせ、延々とクロウのカードをバウンスし続けるというコンボを用いていた。

なお、現実においてはバウンス効果よりも専らその出しやすさに着目されている。
手札にさえあれば召喚権を使わずに出すことができる為、シンクロメタを好む彼のカードでありながらシンクロのレベル調整やリンクの頭数確保に使える点がとても便利。
レベル1なので《金華猫》や《ワン・フォー・ワン》と合わせられる点も優秀。

《ジェスター・ロード》
効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、
お互いの魔法&罠カードゾーンに存在するカード1枚につき、
このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

ボールを使ってジャグリングを披露する痩躯の道化師。
イェーガーのエースモンスターにしてメインアタッカー。

邪魔なモンスターは《ジェスター・コンフィ》で諸共に退かし、相手の展開は各種妨害カードで抑え込みつつ、大量に用意した魔法・罠で打点を上げるという戦法が主な勝ち筋。
作中でも3000~4000の高火力を安定して叩き出し、満足にシンクロ召喚ができないクロウに圧倒的火力で優位に立つ姿がよく見られていた。



【余談】

CVを務めた柳原氏及び彼が属しているアメリカザリガニは、本職はお笑いコンビ。
かつて週刊少年ジャンプで連載されていた遊戯王の関連コーナーで相方の平井氏が出演していた縁があった。
本職の声優でないにも関わらず声質・演技共に全く違和感が無く、同じくお笑い芸人で劇場版パラドックスを演じた田村敦氏と並んでハマり役と評価が高い。
ちなみにその劇場版にもコンビ揃って出演している。


追記・修正は、同じ顔をした家族達を愛してからお願いします。


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最終更新:2025年07月27日 10:10

*1 イェーガーは当時シグナー達と一緒にいたため、未来改変による記憶改ざんに巻き込まれずに済んだ。