父親(遊戯王)

登録日:2025/05/08 Thu 10:18:45
更新日:2025/05/31 Sat 09:26:57NEW!
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高橋和希原作の漫画遊☆戯☆王』に登場する父親キャラは多い。
ここではそんな父親たちの事を語るとしよう。


【概要】

人間は最初の人や特殊な出生等の事情でもない限り、父親と母親の交配により生まれてくる。
つまりどんな人間でも両親というものは存在するのである。
なので遊戯王のキャラクターたちにも父親は存在する。

…なのだが、遊戯王のコンセプトの一つに「武藤双六以外のオトナは悪人」というものがあり、そんなオトナの代表格である父親達は作者自ら「ロクデナシ親父の品評会」と称するほど酷いヤツラばかりである。(反面、母親達は僅かな例外を除きモブに等しい無個性色がかなり強め。)
また文庫版コミックスでは彼ら父親は息子との関係を「槍」に例えて表現されている。
なお、原作者が槍に例えた父親は無印に登場した一部のみであり、あとはすべて執筆者が独自につけたものに過ぎない
紹介文の先頭に付けられたのが原作者が書いたもの、それ以外は紹介文の後に付けられているため、それで区別していただきたい。

とはいえ個人個人を見てみるとそうなった理由があったり、良き父だが間が悪かっただけという人物も多い。
だがアカン方の父親がぶっ飛んでいる事もあってそう見られないのもなかなか面白い。


GX以降も遊戯王シリーズに登場人物する父親もエキセントリックな人物が多く、ZEXALでは子供を縛り付ける母親も登場する(とはいえ彼女にも言い分はあり、ロクデナシというほどではない)。


【そんな父親達】

・武藤遊戯の父親

主人公《武藤遊戯》の父……なのだが、影も形もない。
死去している訳ではなく、あくまで「単身赴任」しているという設定。(母親は数回だが登場している)
元々はゲームマスターたる父がラスボスの予定だったが、闇遊戯と別れた後でないと遊戯の自立には繋がらない、ということであえなくボツとなった。
本編では、祖父の双六が父親代わりとなっている。
双六の息子で遊戯の父という事もあり、どういう髪型をしているのか非常に気になるところである。
下の父たちに倣って槍で例えるなら「槍になるはずだった父親」と呼ぶべきかもしれない。


城之内克也の父親

CV稲田徹(東映版)、(DMでは未登場)

「槍を持たない父親」
常日頃から仕事もせず飲んだくれているようで、克也に対しては暴力を繰り返しているような描写もある。
ゴツそうな安全靴を履きながらも外に出ず、あちこちに借金を作り何もしていない彼を見て、克也は高校生、それもアルバイト禁止の童実野高校に通いながら特例許可を得て(因みに杏子は無許可で*1あちこちでアルバイトして生活費と学費を賄っている。
昔はまともだったのか息子の克也からは複雑な感情を抱かれており、単行本5巻に収録された『遊闘42:100万円をゲットせよ!』*2では、最後のゲームに挑む前の克也も「賞金を手に入れたら、今までのことは水に流してまたやり直そうぜ」と関係改善に前向きだったのだが、紆余曲折あって*3改善には至らず、後に安全靴を履いているヤツを見て「イヤなヤツを思い出させる」とまで吐き捨てている。
妹であり母方に引き取られた川井静香*4の父親でもあるが、どうにも彼女からも嫌われているらしく、城之内宛に送られたビデオレターでは「お父さんには内緒にしてね」と懇願していた。
流石に「飲んだくれの暴力親父」というのが2000年代前半の放送倫理に引っかかるためかアニメDMでは全く登場せず、言及すらされない。*5


・海馬剛三郎

CV:石塚運昇(東映版)、小村哲生(DM)

「槍を向ける父親」
ご存知海馬瀬人海馬モクバの父親、ただし彼は養父。
この項目を見ればわかるように、それなりに褒めどころも持っている他の親たちと異なり、(東映版以外では)擁護点が全くないトップクラスのクソ親。

軍事企業海馬コーポレーション社長で、経営者としては優秀だった模様。チェスの名手でもある。
瀬人にチェスで負けたことで彼ら兄弟を養子としたが、その後は自らの後継者とするべく瀬人に碌な睡眠すら取らせない虐待同然の英才教育を施した。
ただし瀬人はイカサマ*6で勝利しており、それを見抜いたうえで自らにイカサマを仕掛ける度胸(イカサマ自体は早々に見破っていたらしい)と胆力を見込み、アニメ版と違い後を継がせる気だったのは本当である。
大企業経営者の跡継ぎになったならそれに相応しいように厳しく教育されること自体は当然と言え、その点に関してはモクバに楽をさせたいと思うあまりに自分に無頓着過ぎた瀬人の詰めの甘さと言えなくもないものの、剛三郎の教育「方針」はまだしも教育「手段」が常軌を逸していたのは事実である。
おまけに瀬人がゲーム産業用に開発したバーチャルシステムも彼に無断で軍事シミュレータ――戦争の道具として売り捌くなど人格は冷酷非情。
この所業によって瀬人は『父』としての剛三郎を見限り、次第に『巨大な敵』に育った瀬人に全てを奪われた。
……が、彼は敗者の習わしと称しビルから飛び降り自らの命を断つ行動に出る。そのせいで息子の攻撃性は多方面に向かうこととなった…*7

アニメDMでのオリジナルエピソード「乃亜編」では実の息子である海馬乃亜が登場。
彼にも英才教育を施しつつも剛三郎なりに優しさを向けており、乃亜自身も彼の期待に応えようと努力を重ねていたのだが交通事故で夭折、
簡単に死なれては困るという理由で開発中だった軍事用シミュレーターに意識をコピーし電子上の存在として蘇生させたが次第に人間の心を失っていく彼を見捨てるなど身勝手な愛し方をしており、当初は乃亜の更なる成長の為の競争相手ないし噛ませ犬と思われた瀬人も実際には乃亜の『器』(新しい体)として引き取っただけだった。
それを聞いた杏子には「とてもまともな人間の考える事じゃない」、闇遊戯からは「海馬が憎むのも尤も」と怒りや不快感を通り越して完全にドン引きしていた。


また当初は義理と言えども父である剛三郎に一定の親愛を持っていた瀬人が次第に彼を憎むようになって行った過程も補強されている。
剛三郎は「KCの社長は世界に君臨する王でなければならない」「KCは軍需産業により世界を支配する」という強固な思想を持っており、瀬人に再三に渡ってこれを押し付けると共に「恵まれない子供達が心置きなく遊べる遊園地『海馬ランド』を立ち上げたい」「ゲームは疲れた心に安らぎを与えてくれる」という彼の夢や理想を一切認めず、あまつさえ海馬兄弟が所持していたゲーム*8を一時全て没収するという手に出た。
更にバーチャルシミュレーターを無断利用した件で激怒した瀬人から「あれはゲームを楽しむための平和的な技術だった」と抗議されるも「下らん、ゲームなど男子一生の仕事に非ず!」と吐き捨て社長室から摘まみ出し、それ以降彼は社を乗っ取る事を決意したと共に剛三郎を父と呼ぶことはなくなったと語られている。
剛三郎が何故ここまでアミューズメント産業を蔑視していたのかまでは語られておらず不明。
10万ドルもの賞金付き大会を含め何度も世界大会を制覇している名チェスプレイヤーなので剛三郎自身下手なゲーマーより余程「ゲーム」をやりこんでいる筈であり、またそれ故に現代より遥かに認知度が低かった当時ですら「プロゲーマー」に理解がある方が自然に思える立場だが、
それでもゲームはあくまで「遊び」と捉えていたのか、「兵器=他人を屈服させる実力=兵器産業は一番『強い』職業」という単純な図式を妄信していたのか……。

こちらではデータ上の人格のコピーとはいえ本人も登場。瀬人とはデュエルで決着をつけることとなる。
なお、アニメDMではチェスの勝負は手加減をしていたことを示唆している。
DMでの瀬人はイカサマではなく、剛三郎の戦術を徹底研究しており、自らに挑んできた瀬人を見て「いい目をしている」と言った所から自らに声をかけた度胸と上述の目的で乃亜に瓜二つな容姿を見て引き取るつもりだったようでもある。
また、死因も自殺ではなく瀬人に株主総会で負けた後、失意のうちでの病死となっている。

「ドーマ編」ではさすがに回想以外では登場しないものの、KCが開発した兵器が実際に戦争で使われた描写があり*9、それによってKCを憎んだドーマ三銃士のアメルダによって瀬人が目の仇にされているほか、「KCグランプリ編」では軍需産業時代のシュレイダー社との因縁が続いてしまったことで、会社の命運を賭けたイベントの妨害を食らうなど負の遺産を残し続けている。
どれも企業として活動した結果なのでこればっかりは剛三郎本人には非はないものの、両者とも剛三郎を憎んでいる瀬人にとってはお門違いもいいところである。

東映版では死亡しておらず、なんなら海馬コーポレーション*10社長として現役であった。
作中では海外出張しており、日本の本社を瀬人に任せる形であったのだが、海馬ランド完成前後に帰国。
業績悪化などを理由に瀬人を重役から降ろそうとするが、逆に会社を乗っ取られていることに驚愕して気絶(あるいはショック死?)して以降出番はない。
こちらでも、虐待レベルの英才教育をしていたらしいが他の作品とは違って瀬人に慕われる程の人格とゲームの腕前を持つ教育係*11をつけたり、瀬人を降ろそうとした理由も正当性のあるものため、他メディアよりはマシである。
もっとも東映版瀬人は彼よりも件の教育係である大門の方を父親として尊敬してそうである

また良く良く見てみればベクトルは違えど城之内の父親と同じような存在である。
瀬人が本来なら眼中に入れるはずもない凡骨にこだわる理由はやはりシンパシー故なのだろうか。

なお海馬兄弟の実の両親は既に亡くなっており、その人となりが語られることはない。
ただし彼らの遺産は親戚連中が食い荒らしたとの事であり、両親間はともかく親族との関係は良くなかったようだ。


花咲友也の父親


「槍を捨てた父親」
息子の事は愛している事は事実だが、彼のために高額なゾンバイアグッズを多数買い揃えてあげたり、挙げ句には不良にお金を渡して息子にヒーローごっこをさせようとするなど、別方向に過激である。
善人なのは間違いないが、優しさと甘さを混同しがちな部分と、息子に対してお金や物品でしか解決を図れなかったのは危険と言えるだろうか。
それでも遊戯のお陰で救われることとなった。
アニメシリーズでは友也が登場していないため、父親も登場せず。


梶木漁太の父親

CV:岩崎征実

例外中の例外。最も――延いては唯一の良き父。
海の男・梶木漁太が慕うほど、優しく、大きな父親であった。
またとある嵐の日に船を失い「他の漁師の船を借りるしか無い」状況だったのだが、逆に言えば彼らに船を貸してくれる友好関係があったと思われる。
……が、彼は海に消え、取り残された息子は、父親に似た《伝説のフィッシャーマン》に依存するまでとなってしまう。
しかし漁太はそのせいで敗北を喫してしまった事もあり、いつまでも父親に甘えてられないと《伝説のフィッシャーマン》を城之内に譲り、自立することとなった。
海に自信を持ち、海を恐れ、それでも好漢たり得る漁太を育て上げたこともあり、良き父親と言えるだろう。
「ロクデナシ」ではないためか槍の例えには出てこない。
彼だけ持ってるのは槍じゃなくて銛だし
敢えて例えるなら「槍を託す父親」と言ったところか。


・Mr.クラウン


「槍を持たせる父親」
御伽龍児の父親。顔を仮面で覆ったピエロのような格好をしている。
過去に双六との闇のゲームで敗れ、その罰ゲームによって大きく老いて醜い顔と化したために仮面で隠しているようだ。
その素顔はきちんと描写されていないが、見せられた龍児の顔が引きつる程に衝撃的な模様。

双六とその孫にあたる遊戯への復讐心の為に息子の龍児をゲームのプロに育て上げ、復讐の道具として扱う。*12
龍児がDDDで遊戯に敗北した際は「復讐を遂げられなかったお前に生きる価値などありはせんわ!!」と激昂して吐き捨てるなど、親として最低のタブーを犯してしまうまでに歪んでいた。

龍児が遊戯に敗れた後、改心したフリをして千年パズルの鎖で遊戯の首を絞め、遊戯を隠し部屋に引きずりこんで自らゲームを挑もうとする。
…だが、その前に自分が組み立てていた千年パズルの底知れない闇の力に怯え、近くにあった蝋燭の燭台を倒してしまった事で店が炎に包まれる程の大火事に。
クラウンの体にも炎が燃え移り、危うく焼かれるところだったが遊戯のアドバイスで火が消えたので大事には至らず。
憎んでいたはずの遊戯に助けられた事に戸惑いつつも、部屋に入って来た龍児達に助けられ店を脱出した。

脱出後には燃え盛る炎に包まれた店を龍児と共に見ており、
龍児は「この炎は父さんの復讐心の炎なんだよ」と言われ「わしが……わしが間違っておったのだ……」と詫び、涙する。
消防隊が店内へ突入する際には「中に少年(遊戯と城之内)が……助けてやっておくれ……」と頼むが、
直後に城之内と抱きかかえられた遊戯が店から現れ、話の幕が引かれるのであった。

最終的には恨みも捨てて息子や武藤家と和解。その後はDDD(およびDDM)を使った話が描かれなかったため登場せず、御伽家そのものがどうなったかは長らく不明だったが
原作の後日談に当たるDSODでは親子で移動式カフェを営むなど、楽しく仲良くやっているようだ。

流石に放送倫理的にヤバすぎたのかアニメDMでは全く登場しないどころか言及すらされず、御伽の復讐の理由もDDMとペガサス絡みによるものと異なる。
なお、千年パズルを奪われた上で砕かれるという話自体はグールズに拾われ洗脳されたバンデット・キースがアニメオリジナルエピソードにて行っている(燃え盛る炎の中、遊戯が砕かれた千年パズルを完成させるシーンもあり)。


イシズマリクの父

CV:安崎求

「槍を刺す父親」
墓守の伝統を重んじる厳格な性格。
…であるが厳格過ぎる上に過度の懲罰主義であり、ルールを破った者に対するそれは拷問に近い。
それでも息子のマリクに対してはまだ愛情を持っていたのか、彼からは慕われており、激痛を伴う儀式を持ってもマリクは「誰を恨めば良い!」と父親に直接怒りをぶつけることはなかった。
そんなマリクが闇人格を生み出し、やがて父を殺すようになったのは、養子のリシドに対する厳しすぎるにも程がある言動の数々のせいだろう。
どうにもリシドに対しては「マリクに対しての見せしめ」程度にしか思ってなかったらしい。

ただ書き方としては単純な悪人ではないようにも思え、アニメオリジナルでは愛していた妻(イシズとマリクの母親)の死*13以降人格が変わったかのような描写もされている。
実際、原作においてマリクの行動理由は父の復讐であり、決して厳格なだけの父であったわけではないと思われる。


・アクナムカノン

CV:コビヤマ洋一

「槍を残す父親」
古代エジプト時代のファラオにして、アテムの父親。
先代の王としては理想的だったが、戦乱の王としては優しすぎたが為に、民が犠牲になることに心身を痛め早死にした。
ただその犠牲に対して何もしていない事で後に様々な問題を起こした事もあり、それを責める厳しい意見もある*14
故に、善人寄りの人物であるのは間違いないが、良き父親、良き王と言えるかは微妙という評価の人である。

一方、アテムを各所で助けた精霊「ハサン」の正体は魂をかけて彼が息子の為に残した力となっており、いい意味での「槍」も残している。


・アクナディン

CV:上別府仁資

「槍となった父親」
アクナムカノンの弟であり、六神官の1人セトの父親。
「弟」というだけで王になれなかった事を悔しがっているが、それでも兄のために汚れ役を買って出たり、また王に相応しいのは自分ではなく息子という思いを持つなど本質的には家族思い。
……であるが負の感情に目をつけられたゾークによりその精神は邪悪に染められ、最終的に息子の心すら支配しようとしてしまう。
記憶編では自らの命と引き換えにセトの心を支配するもキサラの分身である『白き龍』によって浄化され、本当の歴史ではアテムともども千年錘に封じられセトが王になったことも知らず三千年もの間アテムへの復讐とゾーク復活の機会を窺っていた。
とまあ、息子のために行動し上述の結末に堕ちた哀れな人物でもあるのだが、初代遊戯王を一言でいうと「だいたいこいつ(とゾーク)のせい」となってしまうほどの諸悪の根源である人物でもある。
小説版『光のピラミッド』や漫画『GX』でも遺恨を残してしまっている。


獏良了の父


原作では出てこなかったがDSODにて登場した。
子どもたちを囲っているシャーディーの元に突如現れ、必死の願いで千年リングを得ようとする。
だがシャーディーに渡されたリングに耐えきることはできなかったが、それをひっそり見ていた息子によって…。

と、作中の言動を見るに彼も欲に目が眩んだだけの男に見える。
しかし、裏設定ではあるが了には亡くなった妹の「天音」がいる。
要するに娘を亡くしている為に、彼女を生き返すかどうにかしたくてこのような暴走に出たのだと推測されている。

その後生死は不明だが、作中で良く出てくる美術館の所有者は彼であるらしく、おそらくは生存している。
息子が暴走しがちな上に館長が急死したりもして胃が持たなさそうではある。

アニメDMでは獏良の父が千年リングを手に入れた事情が異なっており、
なんでもエジプト旅行へ行った際に怪しい露天商から《セブンアームズ・デーモン》なる名前はセブン(7)なのに、攻撃力と守備力は666という謎のモンスターカードと共に売りつけられたとか。
…そんな物を旅行のお土産として息子の了に渡すとは、別の意味でトンデモない親父である。

文庫版より後に登場したため作者からの言及もないが、上述の父親の例に当てはめるなら『槍を欲した父親』だろうか。


ペガサス・J・クロフォード

CV:高杉Jay二郎

王国編で海馬や遊戯たちの前に立ちはだかったI2社長。
生涯独身であったが、『遊戯王R』の設定では天馬月行天馬夜行の兄弟をはじめとした孤児を引き取り、後継者候補「ペガサス・ミニオン」として育てていた義理の父。年齢的に父親というより兄に近いが……
少なくとも王国編ではお世辞にも善人とは言えない人物だったが、彼なりに寵児たちには愛情と期待を注いでいたらしく、孤児たちからは『様付け』で呼ばれる程に敬意を払われていたり見ず知らずの他人を犠牲にしたり、デュエルで負けた途端泣きじゃくりながら遊戯達を責めるなどドン引きするぐらい慕われていた。
ただ、最も期待を寄せていた夜行はペガサスの手腕のみならず手段を選ばない性格まで引き継いでしまったが。
槍を残さなかった父親」と呼ぶべきか。

余談だがゲーム「真DM2」では我々の世界で言う「トマス・スタンリー(ダービー卿)」としてペガサスのそっくりさんが登場しているのだが、息子を「リチャード3世*15」に人質に取られていたので白薔薇派として活動していたのだが、赤薔薇ルートのプレイヤーにデュエルで負けたことによって赤薔薇派に転向。
その際、リチャードに「息子がどうなってもいいのか」と詰められるが、
「息子なんてまた作ればいいのデース」

プレイヤーとしては助かるのだが、父親としては屑すぎる。
もっとも、離反したタイミングとしては白薔薇派のローゼンクロイツの面々はセトを除いて全滅している状態であり、赤薔薇派に寝返ったのは戦局を見てであり、貴族としては何も間違っていないのである。

・ペガサスの父(本名不明)

CV:(台詞無し)

そのペガサスの父親はアメリカのラスベガスのカジノを経営する大富豪。
人物像こそ語られないが幼い息子を連れて毎晩、社交界に繰り出したり、友人の資産家と交流をしていたりとまともな父親であったと思われる。
ペガサスがシンディアと出会ったのは十四年前であり、現代でも存命しているかは言及されていない。


ディーヴァ達を世話していた男


劇場版に登場。厳密には父親ではないが父親代わりの存在なのでここで明記する。
ディーヴァ以外にもセラやマニ、他にも数人の子供達の世話をしていたが、彼らに物乞いをさせ、成果がなければ怒鳴り散らすなど、奴隷同然にしか見ていなかった。
それでも子供達は互いに支え合っていたが、彼らの笑い声すらも男にとっては煩わしいものであった。
だがある日シャーディーがディーヴァ達の前に現れ、子供達全員を連れて行ってしまう。
そんな彼を見て男は恐怖のままに暴力を振るおうとするが、シャーディーから「あなたには相応しい次元が待っている」と言われ、フェードアウト。
恐らくコイツが送られた場所では、子供達に与えてきたものと同じものが待っているだろう



【アニメオリジナル】


ダーツ

CV:絵麻緒ゆう

バトルシティ編の後のアニメオリジナル『ドーマ編』のキャラクターにしてラスボス。
一万年前はアトランティスの王として国を治め、妻子にも恵まれていた。
父としても王としても良き人物だったが、資源として利用されていた『オレイカルコス』の副作用によって民達や妻イオレは怪物化し、自身もオレイカルコスの神に取り憑かれ『世界をリセットする』という歪んだ使命を持つようになった。
父アイアンハートからオレイカルコスを捨てるように説得されるものの、オレイカルコスの神と同化したダーツは聞き入れず父と娘クリスを神を復活させるための生贄にしようとし、アイアンハートとクリスはダーツから逃げ延びる(この時彼らを囲んでいたオレイカルコス・ソルジャーとダーツは二人を攻撃せずわざと逃がしているように見えるが、高い能力を持つ二人との戦闘を避けたのか父と娘を攻撃することに躊躇いがあったからかは不明)。その後、デュエルモンスターズの精霊とともに立ち上がった彼らと戦いを繰り広げた。
さらに一万年後の現代、名もなきファラオに協力しようとした彼らを邪魔者とみなし、雷で消滅させてしまう。
ファラオによってオレイカルコスの神から解放されたのち、父と娘と和解しともに妻が待つ死後の世界へ旅立つ。
槍で例えるなら『槍を持ってしまった父親』と言ったところか。


・シュレイダー家当主(本名不明)

CV:蓮岳大

ヨーロッパの歴史ある軍事企業『シュレイダー社』の(名目上の)社長。
兵器産業だった頃の、当時ヨーロッパにまで手を伸ばしていた海馬コーポレーション社長海馬剛三郎と彼の息子(瀬人)とは社交界で交流があり表面上は親しく接していたが、
古い貴族の当主にして老舗兵器産業社長としての強いプライドは、勢いがあるとはいえ彼からすれば田舎の成り上がりでしかない海馬コーポレーションの後塵を拝するという現実を決して認めることができなかった。
次期社長としてかつての栄光を取り戻すべき長男ジークフリード・フォン・シュレイダーには英才教育を加えるが、次男レオンハルトには目をかけなかった。
そのためレオンは自由にデュエルモンスターズを楽しむ日々を送れたが、彼には全く関心を向けなかったということでもある。
回想でレオンをジークから遠ざけたのは母親だが、父親から何かしたという描写もない。 虐待だの歪んだ思想の押し付けだのといった親が目立つ中、レオンに対しては虐待してすらなかったようである。
デュエルモンスターズという生き甲斐を自力で見つけデュエリストとして(副次的にハッカーかつクラッカーとしても)大成しつつあったことも幸いしていたのだろうが、両親から期待されないどころか意識さえされていないネグレクトも同然の身だったレオンが歪まなかったのは奇跡に近いと言える。
……が、やはり両親の眼中に全く無かったことは彼の心中で大きなしこりになっていたようで、それを突かれたことで後にジークの陰謀の片棒を担いでしまう。

結局KCに対する対抗心に反して社の業績は低迷、対抗心が空回るばかりの現実を前に精神を病み一線を退いたとのことで現在はジークフリードが社の事実上の代表*16である。
ジークフリードも彼の思想に強く影響されたようで、当初は瀬人とのツーショット写真を机に飾っていた程度には親しみを持っていたらしいものの、彼もまた次第に瀬人への対抗心、延いては憎悪を募らせて行ってしまう。
Mr.クラウンに次ぐもう一人の「一方には槍を持たせる父親」にして「一方には槍を持たせない父親」といったところか。



【後続作品の父親たち】


・プロフェッサーコブラ

CV:高塚正也

アカデミア姉妹校であるウエスト校から来た特別講師の元軍人。その特徴的な頭とリアルファイトもできるムキムキ具合から本田レベル100とも称されている。
戦場で拾った赤子にリックという名前を付け養子にして大事にしていた養父であるが、交通事故で彼を喪う。
そのことをユベルに付け込まれてしまい、生徒からデュエルエナジーを集めることでユベルを復活させることに手を貸してしまう。
利用されるだけ利用され、最期はリックの幻影に惑わされ高所から落下していった。
十代の純粋…悪く言えば身勝手なスタンスを真っ向非難し、後の覇王化の一因になった人物。

これまで自分の子供に迷惑をかける親が多かった遊戯王界隈だが、彼は逆に子供に深い愛情を注いでいたがゆえに手駒にされ周囲に災厄を振りまいた。
槍で例えるなら「槍を取った父親」といったところか。

不動博士(本名不明)

CV:細見大輔

遊戯王5D's』主人公・不動遊星の父親。永久機関「モーメント」の発明及びそれに深く関連する「遊星粒子」の発見者。
全世界のエネルギー問題を解決させるほどの半永久クリーンエネルギー機関、モーメントを発明した非凡な科学者にして、後にその危険性に気付いて研究を中止しようとしたが、開発を推し進めようとしていた研究チームから追放されてしまう。
それでも無理矢理にでも開発を止めるべく、制御装置の機能を持つ 5枚のカード を持ち出そうとするが、結局危惧していたモーメントの暴走は止められず(実際には邪心に取り付かれたかつての助手ルドガーによる意図的なもの)、凄まじい規模の大爆発「ゼロ・リバース」が発生、多数の市民や妻(遊星の母)諸共死亡した。
当時生まれて間もない頃だった遊星も居合わせていたのだが、彼が最後に為したのは我が子を脱出カプセルに詰めて逃がすことであった。その為、遊星との関係性は良し悪し以前に「ほぼ無し」。
ただ、遊星は自分の父親がしでかしたことのせいで自分の仲間達を含め多くの人間の人並の幸福を奪ってしまったことには強い自責の念を覚えてしまっており、複雑な気持ちも少なからずある模様。
とはいえ決して目先の利益に囚われず、夢のクリーンエネルギー完成間近で危険性に気付いて踏み止まれる冷静さを持ち合わせていた点で、少なくとも科学者としては非常に出来た人物だったと言える。
遊星には父親らしい事は全くできなかった(というかやりようが無かった)が、死後もその魂は旧モーメントで漂っており、霊魂の形で遊星の前に度々現れては彼に励ましの言葉を贈っているなど、生きていれば良き父となれていたことだろう。
初代の槍に準えられた父親たちに則るなら、「槍を奪われた父親」といったところか。

因みに容姿は少し髪が長いのと黄色のメッシュが無い以外ほぼ「大人になった遊星」といった具合に瓜二つ。髪型もほぼ同じ。

・十六夜英雄

CV:岩下政之→稲田徹

『遊戯王5D's』のヒロイン、十六夜アキの父親。ネオ童実野シティの議員でもある。
かつてはアキとデュエルなどをしていたが、アキが超能力に目覚めると恐怖から距離を置くようになってしまった。のちに遊星と親しくなったアキ会い和解した。
槍を手放してしまった父親」と呼ぶべきか。

ちなみに2代目担当の稲田氏は城之内の父を演じていた他、『特捜戦隊デカレンジャー』にてアキ役の木下あゆ美が演じたデカイエロー/礼紋茉莉花の上司デカマスター/ドギー・クルーガー役でもあり、ある意味では声優ネタである。

・九十九一馬

CV:三上市朗
遊戯王ZEXAL』の主人公、九十九遊馬とその姉、九十九明里の父親。
職業は冒険家のようだが、かつては大学で教師として教鞭を取っていた時期もあったようで、チャーリーも教え子の一人。
しょっちゅう妻の九十九未来と共に冒険に出かけており、殆どの場合家を空けている。
主人公の父親では珍しい事に息子・遊馬とはよく触れ合っており、遊馬にかっとビングと「皇の鍵」とエクシーズが入っていない癖にエクシーズサポートや用途不明のカードで構成された紙束を受け継いだのも彼から。
その親子愛の深さは明里が「自分も男に生まれたかった」とボヤく程。(明里へのフォローは母親である未来や祖母に任せているため、無関心というわけではない。「男の子は男が、女の子は女に」と両分を弁えているだけである)
まだ幼い遊馬を冒険に同行させてロッククライミングさせたりもしたけど

かつて妻と共に雪山のクレパスに落ち死にかけた際、アストラル世界らしき光景を見る。
そこでアストラルらしき人物と出会い、皇の鍵を受け取った。
後にVが(ZEXAL無印の時系列から)5年前にフェイカーが一馬を招いたと語っていた為、かなり前々から異世界について調べていた模様。

本編では皇の鍵の中にある飛行船の中で立体映像として、息子たちとコミュニケーションを取る。
WDC編にてVが「アストラル世界にいる」と語っており、実際にアストラル世界で妻の未来とともに遊馬に《虹クリボー》を通じてサポートしたり、エリファスとのデュエルを見届けていた。
…が、ドン・サウザンドが封印された経緯や現在の遊馬の動向を明らかに予測して行動したり、挙句の果てに崩壊しつつある人間界を守る為トロンとオーバーレイ(物理)したりと謎も多い。
また、明里に「遊馬にデュエルさせるな」という言葉を残したのも彼であり、本編開始前から大体の事情を知っていた可能性が高い。
最終回では妻と共に人間界に帰還したが、直ぐに冒険に出ており、結局上記の謎は明かされないままであった。

やや軽率な一面もあったが、遊馬に「かっとビング」を教え、直接・間接問わず多数の人間を成長させたという点では中々の好人物。
非があるとすれば偉大すぎて遊馬が彼に依存しがちなくらいだった…程度だろう。
というより、アニメシリーズは愚か、遊戯王という作品の父親の中では問題を起こしておらず、純粋に息子や世界のために行動していた数少ないを通り越してほぼ唯一の良心といえる*17
上記の例に倣うなら「槍を捨てさせた父親」とでもいうべきか。

・バイロン・アークライト(トロン)

CV:根本泰彦(トロン時は國立幸)
下記のDr.フェイカーに並ぶ『遊戯王ZEXAL』(無印)のラスボス。
VIVの三兄弟の父親。
かつては親友であるフェイカーや息子のVと共に異世界の研究をしていたが、行き詰っていた所にフェイカーが招いた一馬と協力し、とうとう異世界へと繋がるゲートを見つける。
しかしフェイカーの裏切りに遭い、一馬共々異世界へ飛ばされ行方不明になる。
一馬はアストラル世界に留まったが、バイロンは次元の狭間を彷徨い続けた挙句、身体共に幼児退行を引き起こしトロンと化してしまうのだった。
人間界に生還した頃には殆どの感情を失い、フェイカーへの復讐心のみが残っている。

父親としての出番は僅かだったが、息子達からは慕われていた上、本人も研究が進展しない事に焦るフェイカーに優しく接する等、不幸な事態さえなければ寧ろ遊戯王界でも屈指の良き父親になれていた可能性が高い。
槍を刺された父親」とでもいうべきか。トロンに変貌してからは自分が息子みたいになってるけど

Dr.フェイカー

CV:小川真司
遊戯王ZEXAL』(無印)のラスボス。
異世界科学エネルギーの研究者。天城カイト天城ハルトの父。
詳しくは該当項目を参照。

・ベクターの父親

ベクターの前世の父親。
侵略で自国を広げてきた王だったが隣国との戦争中に病に伏せ、妻の後押しで後を継いだ息子が戦争を中止し和平を結んだ事に激怒。
息子を「呪いの王子」と蔑みながら殺そうとし、彼を庇った妻を殺した直後に自らも病によって死んでしまう。
それらのショックで放心した王子の前にドン・サウザンドが現れ、彼を狂気の王子として洗脳し、父同様の暴君に変えた。
ベクターに関しては彼が元凶と言ってもよく、「槍を刺そうとした父親」あるいは「子を槍に変えた父親」と呼ぶべきだろう。

・榊遊勝


遊戯王ARC-V』の主人公・榊遊矢の父親でプロデュエリストで、遊勝塾の教師をしていた。
人を笑顔にすることをモットーにした「エンタメデュエル」の先駆者でもあり、その華麗なデュエルで多くの人々を魅了していた。しかし物語開始の3年前、プロデュエリスト・ストロング石島との対戦直前に突如失踪し行方不明となる。それにより「敵前逃亡したデュエリスト」という汚名を着せられ、息子である遊矢も「臆病者の息子」として周囲からいじめられる事になる。
だが、赤馬零児を初め多くのファンの間では今でも偉大なデュエリストとして尊敬されており、遊矢も父のようなエンタメデュエリストになることを夢見ている。
エクシーズ次元篇にて上記の大戦の直前にエクシーズ次元や融合次元に渡り、次元戦争を止めるために奮闘していたことが判明した。
エクシーズ次元では瑠璃やアレン、サヤカなどのエクシーズ次元の子供たちにエンタメデュエルを教えたり
*18、エドの改心のきっかけを与えたり、(あくまで融合次元からのスパイだったはずの)デニスなんかは純粋に彼に憧れたりと先達として仕事していたり、融合次元では体調不良ながらも明日香などのアカデミアに不満を持つ者たちのまとめ役や指導を行うなど、結果を除けばいい事をしている。
しかし終盤で零王から「彼は君の息子であって、君の息子では無い」と言われ、さらに零王とのデュエルに臨む遊矢にズァークの片鱗が見えだした事で「ズァークが再びデュエルの世界に戻る為に選ばれ、悪魔の復活に加担していたのでは?」という疑念に駆られてしまった。
その後、ズァーク復活を阻止するべく行動するが、ユーゴユーリに吸収された上に、説得とズァーク復活を兼ねたユーリとのデュエルも善戦するものの敗れてしまう。そして、父がカードにされたショックが遊矢をズァークとして覚醒させる大きな刺激になってしまった。

善人であること、正義感もある人格者であり実力者であるのは間違いないのだが、上記の失踪の経緯を見ればわかるように、やや先走りしがちな面が多く見られ、他人に相談せず行動を起こす悪癖がある。
エクシーズ次元ではレジスタンス結成のきっかけを与えたりしてたものの、不可抗力で融合次元に飛ばされてしまった結果、エクシーズ次元の生徒からは悪感情を持たれたり、融合次元での生徒は四人がかりでもユーリに(相手が悪いとはいえ)返り討ちにあいカード化されたりと、成果そのものは芳しくない。
遊矢にいい意味でも悪い意味で大きく影響をあたえているのだが、後者の悪い意味での影響(遊矢が遊勝に抱く憧れが半ば依存と化しており、エクシーズ次元での悪評を聞いた時はモチベーション低下につながったり、そもそも遊矢のエンタメデュエルが独りよがりと言われがちなのも、遊勝から適切な指導を受けておらず、上っ面だけを真似ているせいである)がストーリーの関係上多く見られてしまっており、結果としてやること為す事が裏目に出てしまうこともあり、ある意味「戦犯」に近い扱いを視聴者から受けやすい。
ただし、遊矢のモチーフは遊戯であるため、彼のモチーフにはアクナムカノンが入っている可能性もあり、「善人だがよい父ではない」というキャラクターは意図的な可能性もある。
ぶっちゃけARC―Vのストーリー自体がやることが裏目に出るか、状況が改善しないということの繰り返しをやっていた
子を槍に変えてしまった父親」。

漫画版でも原作アニメと同じエンタメデュエルの発祥であるプロデュエリストであったが、本編より少し未来(数十年後)の人物となっており、元研究者という設定で下記の零王と一緒にソリッドヴィジョンの質量化の研究をしており、それをエンターテイメント方向に進化させるべく、エンタメデュエルやペンデュラム召喚の生みの親となった。
しかし、その研究に使われていた《G・O・D》は作中の黒幕と言える存在であり、軍事利用等を恐れた彼は力に取り憑かれて、力を引き出そうとする零王の手から《G・O・D》を奪取したが、もはや力の制御は出来ず、遊矢を含めた4人の息子*19を《G・O・D》が観測された最初の時代(本編)に送り出す、一世一代の大魔術「ワールドイリュージョン」を起こし、滅びる未来を変えようとしていた。
こちらでの遊矢はアニメ版では見られた落ち込む癖が全くなく*20、いい影響を息子たちに与えている。

ちなみに漫画版の嫁はアニメ版とは異なる人物であると思われる描写がある。遊矢の見た目は完全に父親成分しかないことになる

・赤馬零王


遊戯王ARC-V』のキャラクター、赤馬零児の実父。
零児が経営している「レオ・コーポレーション」の創設者にして先代社長。
3年前に突如会社や家族を放り出して、異次元の世界である融合次元に渡り、デュエルアカデミアの総責任『プロフェッサー』となる。そして鍛え上げたデュエル戦士達をエクシーズ次元に送り込み、現地の住民達をカードの中に封印させていった。
当然これらの行いによって、エクシーズ次元の住人達や息子の零児からは激しく憎まれている。
本人もその事は自覚していた為か、零児が協力する際には「共に戦ってくれるのか!?」と驚愕とも歓喜とも取れる反応をしていた。

その目的は4つの次元が分割される前の本来の世界「一つの世界」にいた愛娘「レイを蘇らせるためだった。
元いた次元の出来事を解決するために尽力しており、レイが犠牲になったのは元の次元の民度のせい純粋な悲劇ではあるのだが、スタンダード次元で出来た妻や息子を一切顧みることはなく*21、融合次元のアカデミアを侵攻部隊とし、作中で起きた出来事の大半は「大体こいつのせい」となっており、ズァーク復活を恐れていながら手元にいたユーリは制御せず、遊矢を過度に警戒・対策するというややダブルスタンダードな傾向も見られ、作中での遊矢を諌める言動が「お前がいうな」状態になっている。
結果、遊矢は精神的に追い詰められ、ズァーク復活の原因となっている。

アークファイブにおけるズァークと並ぶすべての原因と言える人物だが、3年前に失踪する前は良き父親だったらしく、妻の日美香が冷酷になったのも彼の裏切り故の結果とも取れる。
実際、すべてが終わった最終章では猛省し責任も自覚しており、根は善人であることは示唆されている。

槍を集める父親」というところか。息子もランサーズという槍を集めてたし

漫画版でも《G・O・D》の力に取り憑かれた狂気の研究者になっていたものの、零児を世界の危機から避難させたり、回想シーンでは天才児で孤立しがちな息子のメンタルケアやユーモアを交えた交流を欠かさず、アニメ版と違って零児は父親のことを尊敬し、遊矢とのラストデュエルも互いの父親の信念をかけたものとなっているなどハゲ頭以外面影がない事もあって「(アニメ版と比較して)誰だこいつ」と思えるくらいには真っ当な父親である。

・鴻上聖

CV:菅生隆之
遊戯王VRAINSに登場する父親。
リボルバーこと鴻上了見の父親である。元・SOLテクノロジー社の研究者
イグニスを抹殺する事を目的に行動しており、ハノイの騎士に命令を出している。

実はイグニス達を作ったのも彼であり、ある意味ではイグニスの父親でもある。


槍の例えを使うならば「自らの槍に刺された父親」だろうか。

【父親以外】

武藤双六

CV:青野武(東映版)、宮澤正(DM以降の作品)

厳密には遊戯の祖父であるが、誰かの父であることには変わりない。
遊戯の父本人が登場しない為に彼が父親代わりとなっているが、孫思いの良き爺さんである。
彼が何かトラブルにあった事を察して大金を仕込ませたり、その遊戯がゲーマーとして腕を挙げたのなら魂のデッキをそのまま譲ったりと基本的には優しく接する。
ホプキンス教授との友情の証を大事にしていたりと、絆を大切にする一面もある。
……が、かつては腕利きのギャンブラーであり、悪人とは言え眼の前で人間が犠牲になっても意に介したりしないほか、若き日のMr.クラウンに酷いことをしていたりする。
またその気質は年老いた今でも残っており、ある意味では孫の覚醒を期待していた節もあったりする。

孫から祖父に対する感情も本物であり基本的には良好な家族関係と言えるだろう。


・アーサー・ホプキンス

CV:小高三良

レベッカ・ホプキンスの祖父。
彼自身は原作でも「双六に青眼の白龍を渡した親友」として写真でのみ登場していたが、アニメDMで自身の名前と、孫娘のレベッカがいる事が明らかになった。
つまり実質アニオリのキャラなので、オトナは悪人原則に当てはまらない。
アメリカ人の考古学者であるが人情味溢れる温和な性格であると同時に界隈でも有名なカードコレクター。
孫娘レベッカの事は非常に可愛がっているが、締めるところはしっかりと締める、こちらも良き祖父と言えるだろう。


【余談】

作者の高橋氏と父親の関係は良好であり、息子の漫画の商品だからとカードダスを買った父に「その年でカードを買うのはやめてくれ」と恥ずかしがっていた。




追記・修正は良き父になってからお願いします。


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最終更新:2025年05月31日 09:26

*1 本格的にカードゲーム漫画になる以前のエピソードの大半が省略されているテレビ東京版アニメでも言及されている。

*2 城之内がバラエティ番組に参加して賞金の100万円を手に入れるべく奮闘するエピソード

*3 番組の主催者であるプロデューサーは『城之内が絶対に失敗するイカサマ』を仕込んでいたのだが、闇遊戯がプロデューサーにゲームを挑むことでイカサマの阻止に成功し、城之内も最後のゲームをクリアして『賞金100万円の小切手』を手に入れることができたまでは良かったのだが、罰ゲームによって暴走したプロデューサーが醜態をテレビを介して日本中に晒したことでテレビ局は倒産、『城之内が苦労して手に入れた100万円の小切手も単なる紙切れと化してしまう』という水の泡オチとなった

*4 名字が違うのは既に離婚しているため

*5 アニメDMでは、たまに城之内が自宅にいるシーンが映されるのだが、どこかをほっつき歩いているのか一切姿を現さない。

*6 完全に運が絡まず、盤面だけで勝負するチェスのイカサマとはなんぞや?と思うかもしれないが、文庫版の後書きにて語られている。要約するとモクバを使って剛三郎の手を固定化させ、どうあがいても引き分けか自身の負けかに追い込ませた

*7 剛三郎の自殺を見て瀬人はほくそ笑んでいるが、内心では「敗北=死」というトラウマを植え付けられ、さらに『敵』がいなくなったことで心の中に空虚を抱えてしまった

*8 孤児院出身ということもあろうが、囲碁・将棋・チェス・バックギャモンとアナログゲームばかりである。

*9 しかも両陣営に提供していた

*10 本作では最初からゲーム産業の会社。そもそも元軍事産業であったという設定が出てくる前の作品だった

*11 DMでも参謀などを兼ねた側近である大門をつけられているが、メンタルケア等とは無縁の関係性であった

*12 遊戯との前哨戦に負けた龍児を怒りながらムチで叩き、自らの醜い顔を見せた直後に気弱になって謝るという、どこか歪んだ愛情も持ち合わせている。

*13 マリクを産むと同時に死んでしまった。

*14 とはいえ得体も知れない物を生み出すために村ひとつを滅ぼしたなどと公表すれば民達からの不信を招きかねない上に、ほとんどの住民がいなくなってしまった村に償いなどできるかも分からず彼の立場ではどうにもできなかったという見方もある

*15 真DMに登場したヘイシーンの子孫に当たる

*16 「父の名を社長に据えたまま」と言及されているので、ジークフリードは社長代理かそれに準ずる地位と思われる。

*17 不動博士は故人であり、遊星への呪いと化している節もあるため

*18 瑠璃からユートに、ユートから遊矢に「デュエルでみんなに笑顔を」という理念を受け継ぐことになる

*19 「ファントム」と呼ばれる漫画版の遊矢シリーズは全員実の兄弟という設定であり、遊矢が末っ子ポジションだったらしい

*20 記憶喪失になっているのもあるが

*21 遊矢や柚子達のせいで判りにくいが、零児はスタンダード次元で生まれた実の息子であり、れっきとした日美香との子供である