パピヨンマン(キン肉マン)

登録日:2024/12/15 Sun 00:47:30
更新日:2025/07/19 Sat 10:13:59NEW!
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同じ蝶でもお前はこうして一度捕まれば 羽根をもがれてそれで終い

しかし私の強靭な羽根は誰にももげぬ お前のような命儚き蝶ではない

私は永遠の時を生きる蝶である──っ!


パピヨンマンとは、漫画『キン肉マン』に登場する超人。

  • 戦績
vsキン肉マン マリポーサ○(トゥルーダウンダウンスカイミッション)
vsネプチューンマン●(クロス・ボンバー)


●概要

下天した刻の神から全宇宙を滅ぼす使命を与えられた時間超人、その中でも大幹部クラスで神以外には不可能とされてきた超人強度1億パワーを誇る五大刻(ごたいこく)の一人。
燦然の刻(さんぜんのこく)の二つ名を持つの化身超人であり、口癖は「リラリラ」

他の時間超人と同じく他属性の超人、彼らの言う所の「旧式超人」を見下す尊大な性格だが一定の実力や気概を示した相手は素直に認める度量もある。
五大刻の中でも冷静で隙の少ない試合運びを特徴とする強豪。

5人の中では最初に戦い、飛翔の神と再契約したマリポーサすら圧倒したことで「五大刻は全員1億パワー」という衝撃の事実を示した超人。
デザイン変更やキャラの変化が目立つ五大刻の中では一番手のためか初期から描写が安定している。

●活躍

他の五大刻と共に、レバノン・バールベック遺跡に眠るマグネット・パワーから試作品の実験体として生み出したエル・ドミノスの戦いぶりを見、敗れたとはいえ量産された時間超人が「旧式超人」相手には十分戦力になると判断し遺跡を占拠。
五大刻はエネルギー吸収により地球の崩壊を加速させると共に手駒を増やそうと画策しており、それを止めようとするキン肉マン マリポーサがパピヨンマンと対戦することに。

先の試合で手負いだったとはいえマリキータマンを一撃でKOし「エル・ドミノスとは格が違う」と認めさせるという、当初からただならぬ強さを感じさせた。
自身と同じく「蝶」の名を冠するマリポーサとの試合で見せたその実力はマリポーサと同レベルかそれ以上の空中殺法に加えてパワーの差により殆どダメージを受けない、というまさに圧倒的なもの。
偽の奥義とはいえ、かつてのフェイバリットであるマリポーサ式マッスル・リベンジャーすらノーダメージで腕を組んで余裕の態度を見せており、絶望感を与えるのに十分だった。
エル・ドミノスが空中戦に長けたエル・カイトとパワーファイターのドミネーターというメンバー構成だったので、全てにおいて彼らを上回る幹部格であることを分かりやすく演出するのにパピヨンマンは適役だったといえる。

満身創痍となりこのままでは勝ち目がないと判断したマリポーサは、「二度と邪悪神には利用されない」という誓いを曲げて飛翔の神と再契約することを決断。
神の1億パワーを取り戻したことでパピヨンマンにもダメージを与えられるようになり、先程とは違い有効打となったマッスル・リベンジャーからフィニッシャーの「アステカセメタリー」に繋げ逆転勝利かと思われたが、羽根の空気抵抗力で技の勢いを殺され破られてしまう。
そしてパピヨンマン自身も1億パワーであることを明かすと共に、「超人だけでなく、刻の神以外の神も旧式に過ぎない」という罵倒と共にマリポーサと飛翔の神を圧倒する。わざわざ顔を出しているせいで飛翔の神自身もダメージを受けることにツッコまれたりもした*1
自前の1億パワーと借り物のそれとでは質が違うのか、「1億のパワーは伊達なのではない!」という言葉と共に放たれたマリポーサの超人ロケットを「伊達なのだよ」と簡単に受け止めた。

最後は胃の腑を焦がしてまで無理矢理発動させたモクテスマ・ディフェンスで抵抗を試みるマリポーサだが、パピヨンマンの「トゥルーダウンダウンスカイミッション」であえなくKOされる。
「ダメージを受ける前に飛翔の神の力を借りていればもっと善戦できたのでは?」とも思えるが、彼ら時間超人は体内時計を進めダメージの回復を早める『超回復』能力を持つので元々長期戦を得意としている。
パピヨンマンはその超回復を使わずマリポーサに圧勝しているので、マリポーサは神の力を借りてもなおパピヨンマンの全力を引き出せなかったというのが実際の所だろう。

とはいえ、マリポーサが勝利のため己のダメージを顧みず戦った執念や、本来パピヨンマンが見せるつもりのなかったフェイバリットを引き出した実力は認めている様子。
試合後は時間超人に歯向う者への見せしめとしてゼブラ・マリキータマン共々マリポーサを処刑しようとするが、キング・ザ・100tが盾となっている間にバイクマンが救出したことで失敗。

100tをボコボコにしその重さにもかかわらず宙吊りにしていたが、そこに新たな挑戦者として現れたネプチューンマンと対戦することになる。
様子見で出された必殺の喧嘩ボンバーを軽く受け止めるなど、ネプチューンマンの怪力を警戒しつつも相変わらずの圧倒的な超人強度もあってか余裕綽々の態度を取っていたものの、戦いの中でホモ臭い構図で背後から密着されながらマスクマンであることを看破された辺りから、パピヨンマンにそれまでの余裕綽々な態度から一転して妙に苛立った様子を見せ始める。
マスクマン特効の地獄の三重刑は途中で切り返したものの、続けてネプチューンマンは五大刻が利用しようと解き放っていたエネルギーを利用してマグネット・パワーを復活させて迫る。

マグネット・パワーなしでもフェニックスリヴァイアサンといった神の力の持ち主とも渡り合ってきたネプチューンマンはマグネット・パワーを解禁したことで1億パワー状態のマリポーサをも凌ぐ大攻勢を見せるが、それに対してパピヨンマンも自身の特殊能力を駆使して抵抗。
サンダー・サーベルをも凌がれたネプチューンマンは、ここでマグネット・パワーを利用して古代リングに張り巡らせていた磁力場を利用して威力を増大させた、喧嘩ボンバーと並ぶ必殺技であるダブルレッグ・スープレックスを炸裂させるがパピヨンマンは超回復で立ち上がると反撃へ。

パピヨンマンはネプチューンマンの怪力と磁力場を封じるべく、両方の影響を受けない空中にてダウンダウンスカイミッションで可能な限りネプチューンマンを絞め上げて酸欠状態にまで追い込む。
そして、威力を相当に軽減されるだろうが失神状態なら十分にトドメになるとして最大奥義トゥルー・ダウンダウンスカイミッションに移行し炸裂。

……が、これがネプチューンマンの最後の大仕掛けであり、奇しくも同志であるネメシス戦で五大刻のファナティックがやったような磁力で石のリングの鉱物を操作することにより技の衝撃を緩和+狸寝入り戦法(気絶したフリ)によってダメージを最小限に抑えると共に古代リングをもパピヨンマンの手で破壊させる為の策であった。
最後はパピヨンマンが得意とするアバターを生み出す戦法にヒントを得たネプチューンマンがマグネット・パワーを利用してビッグ・ザ・武道をアバターとして作り出し…?


クロース・ボンバー!!

復活したヘル・ミッショネルズのマグネット・パワーにより動きを封じられ技を避けられなくなったパピヨンマンはクロス・ボンバーをクリーンヒットさせられて、予告通りにマスクを狩られてしまう。
その下から現れた素顔は…アゲハ蝶の幼虫そのものという、端正な肉体とはまるで釣り合わないものだった。

五大刻は完全ではない。パピヨンマンは、肩書にもある「燦然」とは程遠いその醜い顔を見られたくないがためマスクをしていたのだ。
勝鬨を挙げるネプチューンマンは、余りの快勝もあってかマスクを奪った直後は悪行超人時代のように「コレクション魂に火が点きそうじゃねえか!」と不穏当なことを言っていたものの、すぐ後に「今の私にはこんなもの要らぬ」として、パピヨンマンの醜い素顔を隠す形でマスクをかけてやる。
何れにせよ、ここまで先のパピヨンマン自身の試合も含めて圧倒的な超人強度と特殊能力により連勝を重ねてきた五大刻の中では初めての黒星となり、これについては同志の筈の宵闇の刻・エンデマンから「この蝶々野郎」などと罵倒されてしまうことにもなった。*2

ちなみに「羽化に失敗して頭部が幼虫のままの蝶」というのは蛹化不全という現実でも見られる奇形であり、昆虫学者によって人為的に作られたこともある。
パピヨンマンの素顔も刻の神による摂理を捻じ曲げた進化の弊害だろうか……。

現時点では倒れ伏した後のパピヨンマンの享受は不明であるが、これから先に五大刻や時間超人自体の秘密が明かされていく中で匂わせられていた部分も開示されるだろうか?

●必殺技


  • パピヨンメテオフォール
相手の胸板を掴み空中へ投げ飛ばした後、自身も上昇して頭部が裂けるほどの強烈な頭突きを加える。
マリポーサ式マッスル・リベンジャーのセットアップと似ているが、タフなマリキータマンを一撃で倒したことから威力は遥かに上。

  • シュメッターリングキャメルロック
フライングクロスチョップと見せかけて相手の両腕と両足をクロスさせ、鎌固めのように反り上げる関節技。

  • パピヨンザファール

  • バタフライエフェクト
パピヨンザファールからの派生技。一度回避された竜巻を再度復活させる。

なお元々の「バタフライ・エフェクト」とは力学における概念で「僅かな変化を与えると、その後の状態も大きく変わる」という現象。
「蝶の小さな羽ばたきが、巡り巡って大きな竜巻を起こす」という例えからこの名前が付いている。
そこから派生して、個々人の行動が予期せぬ結果を生み出す可能性を示唆する言葉としても使われる。

  • パピヨンワンポジションシュート
空中に吹き飛ばした相手をパワーボムの体勢に捉え、右手を相手の左大腿裏を掴み、相手の左手を自分の脇に通す。
自身の左手と左大腿で相手の首を固定し急降下、頭部をリングに叩きつける。

  • ダウンダウンスカイミッション
両腕と巨大な羽根により、空中で相手の四肢をクラッチ、首締めと背骨折りを狙った大型関節技へ繋げる。
羽根のパワーはマリポーサ曰く意思が宿ってるのかと思えるほど強大で、素の90万パワー状態はおろか飛翔の神の1億パワーを借りた状態ですら結局引き剝がせなかった。
さらに二度目に使った際は羽根をさらに伸ばすことで、摩擦による発火・飛翔の神が吐き出す炎のどちらも封じるという徹底ぶり。
そのためマリポーサは飛翔の神の炎を体の表面ではなく内部に吐き出させそこから全身に広げるという自爆同然の荒業で対抗せざるを得なかった。
続く、自身との戦いを前に圧倒的なフィジカルを発揮し出していたネプチューンマン戦でもフィニッシュに繋げる前の搦め手として使用され、怪力超人を全身の血の気が引いた酸欠状態にまで追い込んだ筈であったが……。

  • ホイールスピンヘッドショット
上記の技の体勢から高速回転しながら急降下、リングコーナーの鉄柱に相手の頭部をぶつける。
ダウンダウンスカイミッションにモクテスマディフェンスで対抗されたため解放せざるを得なかったパピヨンマンだが、ただでは逃がさなかった。

  • バタフライスケールスアバター
羽根から放出した鱗粉を固めて分身を作り出す。
ただのデコイではなくパピヨンマン自身の意思で操れるため、シングルマッチでありながらツープラトンを仕掛けることすら可能
鱗粉の質量どうなってんだとかツッコんではいけない

耐久力自体はさほど高くなくアステカ・ヘッドバットで徐々に頭部が削られていたが、パピヨンマンはあえて自分の手でトドメを刺そうと途中で分身を消し去った。
その気になればアバターと二人がかりで嬲っているだけで勝利することもできたのかもしれない。

  • バタフライアバターフォビア
アバターとのツープラトン。
空中にいる上下逆さ体勢の相手の脇に本体と分身がそれぞれ片腕を通し落下、背面をリングに叩きつける。

  • スウォーム・オブ・バタフライドライバー
アバターとのツープラトン。
本体が正面からツームストンパイルドライバー、アバターが背面からパイルドライバーを仕掛ける。

  • キラータービュランス
背中の羽根を広げ空気抵抗力を生み出すことで相手の落下技の勢いを減衰させる。
これによりアステカセメタリーを破り、下記の技に繋げた。

  • バタフライ・デッドレコニング
空中にいる逆さ状態の相手の両四肢をクラッチ、ツームストンパイルドライバーにより脳天をリングに叩きつける。

  • トゥルーダウンダウンスカイミッション
前述のダウンダウンスカイミッションの完成形に当たる、パピヨンマンの最大奥義となるフェイバリットホールド。
ダウンダウンスカイミッションの体勢から体を反転させ急降下していき、全身をクラッチしたまま強烈にリングに叩きつける。
実力者であるマリポーサを一撃で仕留めた他、ネプチューンマンの策に嵌められる形になったとはいえ、頑丈な磁力場で守られた古代リングに大穴を空けて半壊させる程の威力を誇る。

マスクの下の素顔から、この技の体勢は「羽化不全の蝶が飛び立とうとして落下する」時の姿勢がモチーフなのではないかと考察する声も。

  • サンクションズドライバー
両腕で右脚、両足で上半身を固めて繰り出す変形パイルドライバー。

アバターとのツープラトン。
本来の使い手であるネプチューンマンに対し、心身共にダメージを与えるために使用した。
しかし付け焼刃のため技の精度もパワーも劣るようでネプチューン・マスクを剥がすことはできず、挙げ句に怪力で振り回されアバターを消されてしまった。

  • ウィングスライサー
背中の羽根を鋭い刃物に変え、相手を切り裂く。

  • エルドラードクラッチ
相手をコルバタに捕らえそのまま回転し、首と片腕を絞め上げる。

  • ヴァンパイア・ウィングシャット
ブリッジの体勢で両足で首、羽根で胴を押さえ両腕で相手の両腕を引っ張り上げる。

  • ツインズレッグ・ラリアート
アバターとのツープラトン。レッグラリアート版クロス・ボンバーなのだが、パピヨンマンの焦りを誘発した上である程度は技の予測(※自分への反抗意識ならクロス・ボンバーかそれに類する技を使うだろう。)までしていたネプチューンマンには仁王立ちで受け止められてしまった。


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最終更新:2025年07月19日 10:13

*1 後に飛翔の神の口内に炎を灯すことでマリポーサのモクテスマ・ディフェンスに協力できるメリットがあることが判明した。チャッカマンか。

*2 これまでの強敵である完璧超人始祖超神は敗れた者が同朋から詰られたりすることは(某憤怒の神除いて)ほぼなかったため、それに比べて五大刻はどこか冷淡な様子が窺える。