マグネットパワー(キン肉マン)

登録日:2025/09/10 Wed 21:35:00
更新日:2025/09/11 Thu 03:53:18NEW!
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「マグネットパワー(プラス)!」
「マグネットパワー(マイナス)!」


「「クロースボンバー!」」


マグネットパワーとは「キン肉マン」シリーズに登場する現象・能力である。
初出は『夢の超人タッグ編』。

【概要】

名前の通り「磁力」がモチーフになったパワー*1で、作中ではスパークのような形で描写される。
正体は肉世界の地球が持つエネルギーであり、超人が持つ「超人パワー」と近しい性質を持つ。
ほとんどの者は存在すら知らないが、完璧超人界には古来より秘奥義としてこれを地球から取り出して利用する方法が伝えられていた。
後述するが、万能すぎるあまり「インチキ・忌まわしい」とまで呼ばれている強力無比な力であり、特に『完璧超人始祖編』では物語のキーワードとして扱われている。

惑星の持つエネルギーであるため、その量はほぼ無尽蔵。
ただし引き出して利用するためには「アポロン・ウインドウ」と呼ばれる鍵穴状の穴を空けて地球から引き出す必要がある。
このアポロン・ウインドウが最大の弱点でもあり、鍵をかけるなどで塞がれると利用できなくなってしまう。

電力や磁力に近しい性質を持ち、「金属を引き寄せたり反発することでの豪快なアクション」「2人でプラスとマイナスのマグネットパワーを使うことでの変幻自在のツープラトン」「電撃による属性攻撃や固形化による凶器生成」など極めて汎用性は高いが、電磁力に近い性質から、電機や磁力への対策がそのままマグネットパワーへの対策ともなる。
シンプルに超人に付与するだけでもパワー(超人強度)を底上げでき、これにより強化された完璧超人は通常の超人の20倍のパワーを有する。
が、これも自ら練り上げた技と体を以て闘うことを信条とする超人たちにはよく思われておらず、当然頼り切れば技のキレを損なう。「禁断の力」「ドーピング」と揶揄される。

【マグネットパワーを用いる技・戦術】

相手の首めがけてラリアットを前後から叩き込むツープラトン技だが、相手を挟み込んでプラスのマグネットパワーとマイナスのマグネットパワーを照射することで身動きを封じ、引き寄せ効果でラリアットそのものの速度と衝撃も高まる。
回避も受け身も困難な上、ウォーズマンは一撃で失明、キン肉マンも左腕切断の重傷という大ダメージを受けた凶悪な技。

  • 磁気嵐クラッシュ
一人が地上でベアハッグ、もう一人が空中でパイルドライバーを極めた後、マグネットパワーで引き寄せて相手の脳天同士を激突させる。
クロス・ボンバーが「横方向」にマグネットパワーを利用する技なら、こちらは「縦方向」に利用する技。

  • 磁気嵐スープレックス、磁気嵐ドライバー
マグネットパワーで相手を吸い寄せ、固定して確実に技を成功させる。

  • ソード・ボンバー、アイアンバット・スクィーズ
マグネットパワーで腕に鉄製の物を吸着させ、ラリアットの殺傷力を高める。

  • マッスル・ドッキング封じ
二人のマグネットパワー使いが異極のマグネットパワーを放出することで反発力を生み出し、マッスル・ドッキングの完成を阻む。
マグネットパワーは体全体から出るので、キン肉バスター/ドライバーに極められていても難なく使えるのが強み。

  • 完璧超人秘奥義 サンダーサーベル
マグネットパワーで作り出した雷雲から落ちてきた雷をマグネットパワーで半固形化させ、武器にする。
天候を利用する技なので凶器扱いにならず、無尽蔵に投げつけられる飛び道具というだけでもプロレスでは十分インチキな技。

  • 衝撃吸収
磁力の反発する力を利用しての防御法。
自分だけ使えるクッションを生み出しているようなものなので、地味だがこれも立派にインチキな技。

  • 傀儡(アバター)生成
砂鉄などをマグネットパワーで固めて意思なき傀儡人形を作り、強引に2対1(タッグ戦なら4対2)へ持って行く。
マグネットパワーの使い手の技量によっては、言動や癖などまで含めて本物そっくりの人形を作り出すことすら可能。

  • 地球大逆転
二人の超人がお互いの足の裏を合わせ、その中心を軸に空中で回転しながらマグネットパワーを発することにより、地球の自転を逆回転させ、時間を巻き戻してしまう
良くも悪くも旧シリーズにおけるマグネットパワーを象徴する使用法であり、ゆで理論の極北の一つとしても名高い。

  • 超人の蘇生・強化
超人パワーに限りなく近いという性質から、使い方次第では超人の生死さえ左右できる。
超人墓場では「禁断の石臼(モルティエ・デ・ピレ)」という道具で地球からマグネットパワーを引き出して加工することで死んだ超人を蘇らせていた。
キン肉サダハルがネメシスに転生した際にも「落雷と激しい力の奔流の中で徐々に姿が変わっていく」という描写がなされており、マグネットパワーによるものという説が有力。
一方でこれを逆用して超人のパワーを星に流し込むことも可能で、寿命を迎えた星を再生させることもできるという。
また、刻の神はマグネットパワーと超人製造装置を利用して、無から超人を創造することさえ可能としている。
こうした世界の均衡さえ容易に破壊できる使用法のため、一貫して「封印すべきもの」「厳格に管理すべきもの」と扱われているのである。

【使用者】

ネプチューンマンともども、初めてマグネットパワーの脅威を世間に見せつけた完璧超人。
その力で夢の超人タッグ編のラスボスとして猛威を振るった。
実はマグネットパワーの権威のサイコマンの直弟子で、直接マグネットパワーを伝授されていたほどの有望株であった。
しかし慢心し破門されたため、サイコマンに比べると大幅に劣る使い方しかできない。

マグネットパワーに加えてダイヤモンドパワーも操る強豪完璧超人。
マグネットパワーの応用にも長けているが、無くても十分に強力。
人狼煙からの復活後は存在そのものを忘れたかのように使用を控えていたが、対パピヨンマン戦においてついに解禁。
マグネットパワーの危険性を再確認した上で、今後は自分が「唯一無二のマグネットパワーの番人」となる決意を固める。

完璧超人始祖・拾式(テンス)で、マグネットパワーのそもそもの発見者。
強力なパワーを持つマグネットパワーの存在を同志に披露するものの、よそから力を借りてくる発想含めて猛反対を受ける。
唯一賛同したザ・マンの後押しで研究を続けるものの、それが一枚岩だった始祖に亀裂を生むことになってしまった。
億年をかけて研究してきただけはあり、マグネットパワーの応用力は他の追随を許さない。

  • パイレートマン
オメガ・ケンタウリの六鎗客のひとりである強豪超人。
かつてオメガの民の先祖がサイコマンを参考に研究したマグネットパワーを使用する。
ただその当時の研究は未完のまま始祖に破壊されてしまったため、効力は最低限で「手品もどき」の力しか発揮できない。
そのため実戦での使用は視野に入れておらず、あくまで地力での戦いをよしとする。

  • 刻の神
時間超人編のラスボスとされる神。
かつてザ・マンが作り出して破棄された「超人製造法」を再現し、マグネットパワーを使って配下の時間超人を次々と生み出している。

  • ファナティック
刻の神直属の「五大刻」に所属する時間超人。
サイコマンとそっくりの姿を持ち、同様にマグネットパワーを自在に使いこなす。


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最終更新:2025年09月11日 03:53

*1 つまり「磁力そのもの」ではない。