E6・E8系新幹線電車

登録日:2025/10/02 Thu 13:05:29
更新日:2025/10/17 Fri 19:05:28
所要時間:約7分で終点さ到着するっす




E6系・E8系はJR東日本の新幹線電車である。


概要

老朽化したE3系の置き換えおよび東北新幹線区間における更なる高速化を目的に開発された。
E6系が秋田新幹線用、E8系が山形新幹線向けの車両で、デザイン担当は両方とも奥山清行。
両形式ともE5系(H5系)との併結運用を行う。

登場時期に10年程度の差があるが、E8系はE6系をベースに開発されたことからここではまとめて解説する。
決して単独記事にしたら文字数が1000字に満たなさそうだからではない


E6系

2010年に量産先行車が登場。
編成番号はZで、量産先行車は落成当初S12編成を名乗っていた。
2006年に落成した高速試験車E955形をベースに開発されており、特徴でもある前頭部のノーズ(その長さ13m!)はE955形から引き継がれたもの。
このノーズで先頭車の座席定員が少なくなったため、編成は従来のE3系の6両から7両になっている。
また、新幹線電車では初めて百の位に「6」を採用した形式でもある*1

塗装は車体上部が茜色、下部は飛雲ホワイトを使用し、アクセントとしてアローシルバーの帯を採用。ロゴマークはアラビア数字の「6」とおじゃる丸やかつしか署の婦警じゃない方の「小野小町」をイメージしたものとなった。
登場当初は「JAPAN RED」というキャッチコピーの下、800系とかE926形とかは完全にスルーして「赤い新幹線」を全面的に押し出すプロモーションが行われた。
これもあってか、リオオリンピック閉会時のムービーにも日本の新幹線代表として登場している。

内装はグリーン車・普通車共に2+2列だが、普通車のシートピッチは980mmに統一された。内装のカラーリングはグリーン車が田沢湖をイメージした青系、普通車は稲穂をイメージした黄色系となっている。
2018年以降はインバウンド対応として普通車の奇数号車の東京寄りとグリーン車のデッキスペースに荷物置場が設置された。

E5系と同様の空気ばね式車体傾斜システムを導入しており、半径4000mでの曲線区間において320km/hでの走行が可能。

2012年から量産車が登場し、2013年3月16日のダイヤ改正で運行を開始。
当初はE3系との区別から「スーパーこまち」の列車名で案内され、最高速度も300km/hに抑えられていた。
その後投入が完了した2014年3月改正から320km/h運転を開始し、列車案内も「こまち」となった。

24編成が導入されたが、Z9編成は2022年3月に発生した福島県沖地震の影響で脱線し廃車となっており、被害の軽微だった3両が新幹線総合車両センター内の訓練設備「TEC-BASE」に転用されている。
ちなみにこの編成、2018年に試験的に山形新幹線を走行した実績がある。

2014年鉄道友の会ローレル賞受賞。

E8系

2023年に量産先行車が登場。
JR東日本の新幹線では量産先行車に「S」の編成番号を付けるのが恒例となっていたが、本形式では量産車と同じ「G」が付番されている。

冒頭でも記した通りE6系ベースだが、走行距離が短いこともあってか最高速度は300km/hに抑えられ、ノーズについてもE6系よりも短くその全長は9m。
塗装は車体上部が山形県の県鳥をイメージしたおしどりパープル、下部は雪をイメージした蔵王ビアンコ、その間に紅花イエローの帯を巻いており、ロゴマークは存在しない。
E6系ほどのインパクトはないがこれもなかなか個性的なカラーリングで、前述した車体形状と相まって「なすび」とも呼ばれている。

内装はグリーン車、普通車ともに(ry。通路を最上川に見立て、グリーン車は「最上川と月山」をイメージした寒色系、普通車は「最上川と紅」をイメージした暖色系となっている。
ミニ新幹線車両では初めて、全座席に電源コンセントが設置されている。

本形式は運行距離が短いことから車体傾斜装置はついていないが、雪の多い区間を走行することから台車部着雪防止ヒーターが装備された。

2024年3月16日のダイヤ改正から営業運転を開始。
本形式の導入は当初17編成を予定していたが、最終的には2編成削られ15編成に留まった。これはコロナ禍の影響で、輸送人員が戻らないと判断されたもの。

2025年6月に落成して試運転中だったG11編成が故障し立ち往生。
原因はSIVの不具合と報じられ調査が必要なことからE8系の単独使用を取りやめ、山形新幹線自体も1カ月ほど福島折り返しでの運行を余儀なくされた。
その後の調査の結果SIV内部にある半導体素子の損傷が判明。
これはG7編成以降で採用された半導体素子が制御基板との組み合わせによって従来の補助電源装置より大きな制御電流が流れたことにより周囲温度が上昇、夏場の気温上昇もあって保護素子が誤作動したことが理由としている。
その後対策を実施したのち、同年8月より通常運行に戻った*2

関連作品

E6系は2013年4月発売の「連結!E6系スーパーこまち&トミカアーチ踏切セット」にて初登場。
同年2013年12月には「E5&E6系自動連結セット」が発売。
2014年8月に車両のみのセットで「E5系新幹線&E6系新幹線連結セット」が発売、同年11月にはトイザらス限定の「E5系新幹線&E6系新幹線自動のりかえ駅セット」も発売。
2016年には笛を模したコントローラーによる遠隔操作を行える「笛コンE6系こまちレールセット」を発売。
単品は2017年2月より発売開始。品番はS-14。

E8系は2024年3月に発売された「連結!E8系つばさ&トミカアーチ踏切セット」にて初登場。
なおこちらはいまだ単品では販売されていない。

…これらセットのもう一つの目玉である「トミカアーチ踏切」、E6系の方は車両の通過に連動して動作するリアルな造形のものだったが、E8系の方はコストカットなのかギミックが手動で汎用の土台を使う別物になってしまった。
旧版は再録もされていないので地味にレア品になりつつある。

両形式とも2025年4月に編成間併結システムを変更した「ガチャっと連結セット」が発売された。なおどちらも併結相手はE5系である。

E6系は初期より登場しており、「無印」「Z」「CW」を通してすべてで射撃系の武装をしている共通点がみられる。
E8系はデビュー直後に放送開始された「CW」で初登場。「CW」では数少ない飛行戦闘が可能なシンカリオンとして期待されていたものの、運転士候補はなかなかのくせ者で…?
詳細はこちらのリンクを参照。

E6系が登場している。トイザらスで販売された限定セット「つないでかんたん」では、E5系と併結可能なパーツがついた特別仕様となっている。

両形式ともはKATO、TOMIXの2社から発売。細かいバリエーション展開はTOMIXが勝るが、大半は限定生産品で現在だと入手困難orかなり高額。
E8系もTOMIXから年末予定でアナウンス済、KATOはすでに発売している。

2013年ジャンプ42号、192巻の第3話「レモンの田舎に泊まろう」にて登場。
夏休みの宿題のために擬宝珠檸檬大原部長の父型の親戚が住む秋田へと向かうことになり、二人がその道中で乗車。

E6系がモチーフの角館あけひが登場。
H5系がモチーフのさいかとは親友関係にある。

最新作『桃太郎電鉄2』にてE7系に代わってE8系が新幹線車両に採用されている。
東日本編にはピッタリだが、残念ながら(?)西日本編でもそのままで、縁もゆかりも無い関西や九州、沖縄を走行する様子が見られる。


追記・修正はつばさ・こまちの両方を使って奥羽本線を縦断してからお願いします。

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最終更新:2025年10月17日 19:05

*1 これ以外ではE1系が計画当初「600系」の名称で開発されていた。

*2 但し臨時列車はその後も運休が続き、代走として719系の快速が設定されている。