E6・E8系新幹線電車

登録日:2025/10/02 Thu 13:05:29
更新日:2025/10/03 Fri 09:42:39NEW!
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E6系・E8系はJR東日本の新幹線電車である。どちらも在来線を改軌したミニ新幹線用の車両であり、E/H5系との併結運転を想定した設計の所謂「姉妹形式」と解釈できるため、本項目で両者を解説する。

開発経緯

1995年に製造が開始されたE3系は2010年まで、秋田新幹線の開業や山形新幹線の延伸、1990~1995年製造の400系の置き換えなどを目的に製造され、秋田・山形新幹線双方のミニ新幹線用車両として活躍した。
そのE3系も老朽化やE5系のデビューに伴う東北新幹線の高速化に伴い、新形式での置き換えが必要となったため、秋田新幹線、山形新幹線それぞれの走行区間の運用に合わせた性能を考慮し、2010年にE6系、2023年にE8系の量産先行車が製造された。

E6系

車両概説

2010~2013年に製造された、秋田新幹線用2代目車両。
7両編成24本が製造されたが、2022年3月に発生した地震の被害に遭ったZ9編成は廃車となっている。同編成は被災当時併結していたH5系の転用例と同じように、15~17号車を仙台の新幹線総合車両センター内の訓練設備「TEC-BASE」に転用された。
E3系R編成では初期車の製造当初は5両編成、のちの増結後および後期車では6両編成であったが、320km/h運転に伴うノーズの延長に伴う先頭車両の定員減少を理由に、本形式では7両編成となっている。
最高速度は320km/h運転で、E/H5系と併結時にその性能を発揮する。
JR東日本の車両としては初めて奥山清行によってデザインされた鉄道車両である。彼は新幹線電車でも後述するE8系のほか、E/W7系のデザイン、E3系L編成の新外観デザインも手掛けている。
外観はE3系R編成の塗装パターンを引き継がず、車体上部(先頭ノーズ上部および屋根部分)は「茜色」、車体下部は「飛雲ホワイト」を使用し、アクセントとしてアローシルバーの帯を採用している。
ロゴマークはアラビア数字の6と小野小町をイメージしたものが採用されている。
内装はE5系と同じく「ゆとり」「やさしさ」「あなたの」をテーマとしており、さらに沿線をイメージし、グリーン車は田沢湖をイメージした青系のカーペットや座席、普通車は稲穂をイメージした黄色い座席や床の模様が特徴である。


運用

2013年3月のダイヤ改正より東京~秋田間で営業運転開始。盛岡以南はE5系と併結運用を行う。2013年のデビュー当時はE3系からの移行期間といってもよい扱いで、E6系専用運用は東北新幹線内で「はやぶさ」と併結する「スーパーこまち」、E3系でも運用しうる運用は東北新幹線内で「はやて」と併結する「こまち」として列車名が分けられ、料金も異なっていた。なお、「スーパーこまち」時代は最高速度300km/hでの運行が行われた。
2014年3月に秋田新幹線の全運用がE6系化され、「スーパー」をつけての運用の区別化は終了(料金は「はやぶさ」準拠に完全移行)、320km/h走行が開始された。
2025年10月時点では東京~秋田間の「こまち」のみならず、東京~盛岡間でE5系と併結しての「はやぶさ」「やまびこ」、同じく東京~郡山間の「なすの」で運用される。
回送列車や非常時を除き、盛岡以南での単独運用は原則として行われないが、パンデミックの影響で外出が自粛されていたため、2022~2023年にはE6系単独で東京~盛岡間を走行する運用が存在した。

E8系

車両概説

2023年製造開始、2025年10月現在増備中で、7両編成15本の陣容となる予定。当初はもう2本が増備される計画であったが、情勢よりその増備に見合う需要がないと判断され、置き換え前の山形に配置されたE3系と同じ15本が製造されることとなった。
山形新幹線3代目車両。400系の登場から33年ぶりとなる山形新幹線専用形式である。
最高運転速度はE5・E6系のデビュー当初と同じ300km/hであり、今後の高速化の予定は想定されていない。もっとも、本形式が制限なく高速運転を行うのは宇都宮~福島間の約145kmであり、「つばさ」のほとんどが途中郡山にも停車するため、320km/h走行の余地がないためと判断されている。300km/h走行は「何が何でも実現する」というかつての目標だった時代から、「区間が短いなら無理に出す必要もない」と妥協の選択肢に入る時代に変わった。
なお、この結果ノーズ長を短くすることができ、E6系よりも定員を増やすことができた。
車両塗装はE3系L編成の新塗装をベースに配色が決まっており、車体上部は県の鳥のオシドリをイメージした紫、下部は蔵王の雪をイメージした白、その間は紅花イエローが挟まる。なお、このカラーリングがアイコンとなると判断され、1990年代中盤以降おなじみとなった、新幹線電車でのロゴマークが設置されていない。JRグループでは、300系以来でありこちらも33年ぶり。
内装はグリーン車、普通車ともに最上川がモチーフとなっているが、グリーン車は月山をイメージして寒色系、普通車は紅花をイメージして暖色系と色味が異なる。

運用

東京~山形・新庄間の「つばさ」のほか、東京~郡山間の「なすの」で運用。
後述する不具合発生後、E5系に連結される形で一時的に東京~仙台間の「やまびこ」にも充当されていた。
なお、2020年の導入計画発表当初にE8系は17本導入される予定であったが、当時在籍していたE3系はL編成が13本、R編成が2本で、R編成を置き換えて東京~盛岡間の「やまびこ」でも使用するとファンの間で予想されていた。

不具合

本形式は2024~2025年に不具合が発生した。

  • E6系は2024年9月に古川~仙台間でE5系と併結走行中、2025年3月に上野~大宮間でH5系と併結走行中に分離するトラブルが発生した。幸いにもどちらも緊急停止がなされたものの、一時的に東北新幹線系統での併結運転が取りやめられた。

  • E8系は2025年6月の試運転中に、加速不能になるトラブルが発生した。当該はG11編成で、2024年11月以降導入のG8~G10編成でも補助電源装置への不具合が判明し、同年7月末までE8系の単独運用が取りやめられた。 原因は高気温条件下において補助電源装置の半導体が故障したためとされている。

関連作品

E6系は営業運転開始直後の2013年4月に発売された「連結!E6系スーパーこまち&トミカアーチ踏切セット」にて初登場。同セットではE6系車両と駅、トンネル、踏切のついた周回線路が入っているセットであった。
同年2013年12月にはプラレールをさらにデフォルメした変わり種「E5&E6系自動連結セット」が発売。
2014年8月に車両のみのセットで「E5系新幹線&E6系新幹線連結セット」が発売、同年11月にはトイザらス限定の「E5系新幹線&E6系新幹線自動のりかえ駅セット」も発売。
2016年には笛を模したコントローラーによる遠隔操作を行える「笛コンE6系こまちレールセット」を発売。
単品は2017年2月より発売開始。品番はS-14。2022年には廉価・エントリーモデルのESシリーズでも品番ES-03で発売。
E8系は営業運転開始直前の2024年3月に発売された「連結!E8系つばさ&トミカアーチ踏切セット」にて初登場。こちらのセットは上述のE6系のほぼ同名のセットと類似しているが、当時新発売された「S字レール」収録の都合上、レイアウトが変更されている。アーチ踏切も入っているのだが遮断桿が車両の進入により昇降する仕様ではなく手動で動かす安物に変わってしまったのが惜しい。
なおこちらはいまだ単品では販売されていない。
両形式とも2025年4月に編成間併結システムを変更した「ガチャっと連結セット」が発売された。なおどちらも併結相手はE5系である。なお、E8系はプラレールでも登場して早々に新併結システムへの移行が行われることとなったが、現状E5系・E6系の単品は旧来の併結システムを採用しているため、単品では旧併結システムが続投する可能性はある。

E6系は初期より登場しており、無印シリーズ、「Z」、「CW」を通してすべてで射撃系の武装をしている共通点がみられるほか、アニメ版では3作品とも「主人公の相方的な立ち位置にいるクールキャラ」が運転士(正パイロット)に選出されており、いわゆる2号メカや戦隊ブルー的なポジションにシンカリオンE6が配薬されるのが恒例であった赤いけど
E8系はデビュー直後に放送開始された「CW」で初登場。「CW」では数少ない飛行戦闘が可能なシンカリオンとして期待されていたものの、運転士候補はなかなかのくせ者で…?
詳細はこちらのリンクを参照。

E6系が登場している。トイザらスで販売された限定セット「つないでかんたん」では、E5系と併結可能なパーツがついた特別仕様となっている。
E8系は未登場だが、本玩具ブランドが縮小傾向にあるため、登場する可能性は低い。

E6系はKATO、TOMIXの新幹線車種を扱う大手2社双方から発売。細かいバリエーション展開はTOMIXが勝るが、大半は限定生産品で現在だと入手困難orかなり高額。
E8系もTOMIXから年末予定でアナウンス済、KATOはすでに発売している。
どちらも「発売元が同じものであればE5・H5系と連結可能」のため、持っていれば17両で走らせることもできる。
サードパーティーからはE6系向けの方向幕ステッカーも出ているが、有名どころの商品はほぼ「スーパーこまち」「こまち」の差分がほとんど(あとは「団体」くらい)。そのため17両で運転する列車の「やまびこ」や「なすの」の再現は、パソコンや専用紙でステッカーを自作した方がいいかも。

2013年ジャンプ42号、192巻の第3話「レモンの田舎に泊まろう」にて登場。
夏休みの宿題のために擬宝珠檸檬大原部長の父型の親戚が住む秋田へと向かうことになり、二人がその道中で乗車。
なお、大原部長は連載初期は秋田出身、途中で蒲田出身や能登出身に設定が変更され、かなり久々に秋田要素が拾われた*1
テレビアニメ終了後であるため、先代のような無茶はされなかったが……。

E6系がモチーフの角館あけひが登場。
H5系がモチーフのさいかとは親友関係にある。

最新作『桃太郎電鉄2』にてE7系に代わってE8系が新幹線車両に採用されている。
東日本編にはピッタリだが、残念ながら(?)西日本編でもそのままで、縁もゆかりも無い関西や九州、沖縄を走行する様子が見られる。


追記・修正はつばさ・こまちの両方を使って奥羽本線を縦断してからお願いします。

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最終更新:2025年10月03日 09:42

*1 「戦時中に日本海側に疎開していた」旨で首都圏出身と日本海側出身との設定の統一を図ったらしきエピソードが存在するため、一応は全部が「部長が幼少期を過ごした地域」であるものと思われる。ただし近年のエピソードでは部長の生年月日そのものも割とあいまいというか「秋本先生のネタ優先のため、可変」と明言されていた。