登録日:2025/09/08 Mon 12:42:57
更新日:2025/09/08 Mon 14:14:20NEW!
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MADE IN DREAM. 21世紀の夢の超特急をカタチにしたら、こうなりました。
E5系はJR東日本、H5系はJR北海道の所有する新幹線電車である。この2形式はほぼ共通設計で開発・製造されているため、本項目では同時に解説する。
概要
導入経緯
2000年、東北新幹線は八戸延伸を2年後に控え、さらに将来延伸が約束された新青森までの延伸および、そこから先の北海道新幹線開業時に一つの課題があった。
航空便との競合に対し、距離延伸に伴う所要時間増の観点から、現状の最高275km/h運転から更なるスピードアップが求められていた。
JR東日本は同年の中期経営構想「ニューフロンティア21」で新幹線の360km/h運転の構想を出し、八戸延伸まで1年を切った2002年4月に「新幹線高速化プロジェクト」を立ち上げ、E5系開発に向けた具体的な動きが進んだ。
2005年に登場した、本形式のベースとなる形式のE954・E955形試験車「FASTEC360」での高速走行試験の結果より、「現状の騒音や乗り心地、費用対効果から、スピードアップは320km/hまでの引き上げが妥当」という判断となり、2009年にE5系量産先行車が登場、2010年12月の新青森延伸を挟み、2011年3月5日より「はやぶさ」として運行を開始した。
車両概説
アルミ合金によるダブルスキン構造車体と、21世紀の新幹線ではもはやおなじみの車体を採用し、先頭形状はFASTEC360Sのアローラインをベースとした15mのロングノーズが目立つ。下り方先頭車には、E3・E6・E8系との併結に対応した分割・併合装置を搭載。
前照灯・後部灯は400系、E2系と同じく全面窓の上に、内側が前照灯4つ、外側が後部灯2つとなっている。
外観塗装はE2系から始まる塗分けを引き継いだ最後の形式であるが、色は境界線はE5系がE2系10両編成と同じつつじピンク、H5系は彩香パープルを採用し、上半分が常盤グリーン、下半分が飛雲ホワイトとまるで異なる。境界線以外はFASTEC360のカラーデザインをおおむね踏襲したものであり、営業用車両として緑と白のツートン塗装は、登場当初の200系を想起させる。
ロゴはE5系が鳥のハヤブサをモチーフにしたロゴが描かれ、H5系は北海道の地図とシロハヤブサをかけ合わせたようなデザインのロゴが描かれている。
最高速度は320km/h。上り3パーミルでの均衡速度は360km/hとされている。
JR東日本の設計した新幹線電車では初めて車体傾斜機能を営業運転用車両に搭載している。
なお、10パーミル上りでの均衡速度は非公表であるが、東海道・山陽新幹線向けの500系やN700系が345km/h前後なのに対し、E5・H5系は一説では計算上で321km/hとされており、頭一つ追いつかない。
東北新幹線は東海道・山陽新幹線に比べてかなり直線的にルートが選定されており、中高速域での加減速性能をそこまで必要としないため、ぎりぎりの性能で十分高速運転できる。
9号車はグリーン車、10号車は新幹線では初めてグリーン車を超える上級席として「グランクラス」を連結。2+1の配列のシートが6列並ぶ。このグランクラスは上越・北陸新幹線向けのE7・W7系にも採用されている。
E5・H5系の内装差異
E5・H5系は外観では帯とロゴ以外はほぼ大差ない外観をしているが、内装は異なる箇所が散見される。
わかりやすいところでは、以下の個所が目立つ。
- 普通車の床に雪の結晶の模様、グリーン車は流氷風の模様のカーペット、グランクラスは湖や海の水面をイメージした模様のカーペットに変更されている。
- 乗降ドアの車内側が普通車はベージュ色から緑色に、グリーン車、グランクラスは赤色から赤紫色になっている
- カーテンには縄文土器やアイヌ文様がちりばめられている
H5系では内装に道南杉を使用することが計画されていたが、H5系製造当時のJR北海道の情勢上、渡島総合振興局がアピールすることがかなわず、立ち消えとなった。
H5系で採用されたLED照明や、全席へのコンセント配置は2015年度以降増備のE5系U29編成以降にも反映されており、内装仕様からU28編成以前を前期車、U29編成以降を後期車と呼ぶ場合もある。
運用
E5・H5系ともに、東北・北海道新幹線東京~新函館北斗駅間で運用。2025年9月時点でE5系は東北新幹線のほとんどの運用に充当されているが、所属編成数の少ないH5系は1日に数往復程度の運用しかない。
本形式の性能をフルに生かす320km/h運転は宇都宮~盛岡間のみで、基本的に「はやぶさ」のみ320km/h運転を行う。
2020年10月より盛岡~新青森間の320km/h走行へ向けた対応工事が進行中であり、2027年をめどに完成予定のため、近い将来、本州区間はほぼ全域にわたって本領を発揮できるようになる。
廃車
H5系のH2編成は、2022年3月に発生した地震により脱線し、廃車となった。しかし、被害は比較的軽微に抑えられたため、4~7号車を除く6両は2025年4月より改造の上、乗務員訓練用機械「H296ふくろう」として使用されている。
現状代替車両は導入されていない。
今後の予定
- インドの高速鉄道は、JR東日本の新幹線をベースに開発が予定されている。その中で、E5系を1編成インドでの試験走行のために譲渡することが計画されている。本来はE5系ベースの車両が導入されることとなっていたが導入の遅れからE10系ベースの車両が導入されることとなった。次世代形式となるE10系は2030年営業運転開始のため、新型車両による置き換えの予定は2025年時点ではまだ遠いため、「E5系でE5系を置き換える」事態が発生する可能性があり得る。
余談
- E5系デビューに向けて、2010年に東北新幹線最優等列車の名称公募が行われた。かつての在来線で青森へと駆け抜けた「はつかり」や「みちのく」、E2系時代の名称を引き継ぐ「はやて」といった列車名が有望視され、E5系のデザインから初音ミクを想起した人々による「はつね」といった票も人気を集めた中、以外にも九州方面の列車での使用歴があった「はやぶさ」が採用された。それから8年、シンカリオンではアニメ第1作においてH5はやぶさのパイロットが設定された際、その初音ミクの派生キャラクターである「発音ミク」が登場、この当時の名称公募を思い出した人も少なくなかったようだ。
関連作品
本形式群は2010年代以降の日本の新幹線を代表する形式として、プラレールでは商品化に恵まれている。往年の500系の比ではないレベルといっていいだろう。
E5系は2011年3月にライトギミックのついた先頭車両のみ販売したシリーズの「テコロジー」で初商品化。
2011年4月発売のオールインワンセット「連結!E5系『はやぶさ』&トミカ駅前ロータリーセット」に収録されたのが編成単位での初めての商品化。ただし、連結!と銘打ちながらセットにはE5系しか車両が入っていない。なお、このセットは2011年の日本おもちゃ大賞ボーイズトイ部門で優秀賞を受賞。
2012年には当時の一部列車の組み合わせで存在した「E5系&E3系0番台連結セット」で車両のみでの販売を開始。
2013年12月発売の「E5系&E6系自動連結セット」というプラレール車両をさらにショーティーにした変わり種も。
動力が3代目のものに切り替わった2014年6月より単品化、品番はS-03で発売。前任は2012年に引退済みの300系であり、それぞれの路線の3代目かつ、大幅なスピードアップに貢献した車両同士の交代劇であった。
2014年11月には「E5系新幹線・E6系新幹線自動乗換駅セット」で2度目のオールインワンセット入りを果たす。
2018年には速度可変ギミックのついたバージョンで「レーンがクロス!E5系新幹線 はやぶさベーシックセット」が発売された。なお、2019年3月よりはS-16で「レールで速度チェンジ!E5系はやぶさ」として車両が単品販売、E5系の単品がが2種類発売される事態となった。
2021年12月には品番はS-40でH5系がギミック付きの「レールで往復!H5系はやぶさ」が発売され、ついに本形式群だけで車両の通常ラインナップが3種類埋まった。
2022年7月には企画は同一ながら、廉価版のESシリーズでもES-02でE5系が商品化。
2023年11月にはリモコン操作により運転が楽しめる「キミが運転!グリップマスコンE5系新幹線はやぶさDXセット」が発売。
2025年4月には連結機構を変更した「ガチャッと連結セット」として、E6系と同梱したもの、E8系と同梱したものの2種類のセットが発売された。
2015年からシリーズを重ね販売されている、タカラトミー発売のロボット玩具シリーズ。シリーズ開始当初よりJR東日本が監修に入っていることもあり、企画当初のプロジェクト名は「Project E5」だった。テレビアニメシリーズではいずれも、E5系から変形するものは主人公が操縦、H5系から変形するものは女性キャラが操縦する法則がある。
初代テーマソング『チェンジ!シンカリオン』でも明確にE5の武装が歌詞で歌われており、
主役メカに相当するシンカリオンはE5・
ガインやのぞみ、ウエストに相当する役を務める車両であると言って差し支えないだろう。
ただ、アニメ1stだと『チェンジ!』をN700やリュウジのテーマとして使っているシーンが結構…
1975年に公開されたオリジナル版とは異なり、本作の舞台は東北新幹線となり、爆弾が仕掛けられた車両も2025年時点で主力車両のE5系に変更されている。なお、一部2022年の地震で廃車にされたH5系のH2編成を使用して撮影したシーンも存在する。
それもそのはず。本作は現代リメイクではなく「50年経ったのちに新たに起きた事件」を描く、『続・新幹線大爆破』とでも言った方が正確な作品なので、そもそも0系のひかり号を登場させようがないのだ。
E5系が新登場した車両としては後期に発売開始。東海道・山陽新幹線系は100系・300系を除いて各世代が発売される中、東北新幹線系はE5系のみの発売であった。トイザらスから発売された「つないでかんたん」シリーズでは、E6系との連結を再現可能な連結パーツ付属の特別仕様で販売。
H5系がモチーフの
木古内さいかが登場する。
名前の由来はそのままラインカラーから。
尚E5系の方は不在。みやびなど同様、実車デザインの事情からキャラとしての差別化が難しいからか。
追記・修正は320km/h走行中のはやぶさ号の中からお願いします。
最終更新:2025年09月08日 14:14