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ヤックル

登録日:2026/02/04 (Wed) 00:15:45
更新日:2026/03/19 Thu 21:36:33
所要時間:約 4 分で読めます




目が覚めてたらヤックルに礼を言いな。ずっとお前を守っていたんだ。


…どうしてヤックルの名を?


自分からいろいろ話してくれた。お前のこともふるさとの森のことも。


ヤックルはスタジオジブリシリーズに登場するキャラクターである。


【概要】

現在は絶滅したとされる「アカシシ」と呼ばれる有蹄類の一種で、オオカモシカとも呼ばれる。
『もののけ姫』に登場した個体がとりわけ有名だが、初出は宮崎監督の漫画作品『シュナの旅』で、他のジブリ系列の作品にも登場している。
直接の関連性は不明だが、漫画版の『風の谷のナウシカ』にもよく似た姿のヤギの仲間が登場している。

その名の通り赤褐色の毛並みと正面から見るとV字型のように後方へ伸びた凸凹状の大きな角を持つカモシカやレイヨウ(アンテロープ)のような見た目をした大型の偶蹄類*1

にも匹敵する脚力を持ち*2、かつカモシカらしく山岳地帯も跳ねるように移動する。
温和で人にも馴れやすく力も強いため、各作品では少数民族の間で飼いならされ乗り物や農耕用に役立てられている。
また、『シュナの旅』では毛を織って衣服にしている描写もある。
ただし、ほとんど僻地でしか見られないため、人の多い地域では珍しがられ否応なく目立ち注目を集める。

デザインにあたっては複数の動物の特徴を掛け合わせて生まれたと語られている。
半分家畜化されているという点ではトナカイやヤクにも通ずるものもある。


【各作品での活躍】

  • シュナの旅
種族名として扱われており、シュナの暮らす山間の小国で飼われている。
ただし貧しい土地なため中々仔を生まず、数は少ない。
そのうちの一頭がシュナの旅に同行。
途中人狩りからテアとその妹を逃がすためシュナとは離れ離れになる。
その後は流れ着いた村で姉妹と暮らしていたが、記憶喪失となり帰ってきたシュナがやがて記憶を取り戻したのを機に3人と1頭で再び故郷を目指す。
本作のみで描写された生態としては、テアの婿選びの条件としてヤックルを乗りこなすこととされたときにシュナ以外が乗ると角で振り落とすという行動に出ている。

こちらでは個体名となっており、単にヤックルと話題にすると、ここでの個体のことを指す場合が多い。
アシタカにとっては家族同然の相棒。
彼らの故郷のエミシの村にも他のアカシシが飼われているのが確認でき、ジコ坊が古文書の一節*3から引用したようにエミシの生活と深く関わっていることが窺える。
ちなみにエミシより西の土地では見られない獣らしい*4

呪いを解く旅に出るアシタカに、ただ一頭供として同行し忠実に付き従う*5
モロ達山の主クラスの獣には及ばないため言葉こそ話せないが、手綱を解かれてもアシタカの近くから決して離れず、また踏み入るべきでない場所を弁えるなど、かなり賢い。
コミュニケーション(または親愛表現)をとろうとする時は顔をすり寄せるような仕草をするなど、情緒豊かな描写も多々ある。
また人見知りしない性格なためか、アシタカ以外の者を乗せて運んだり、いつの間にかコダマ達が集まってきても恐れたり嫌がったりする様子を特に見せなかった。
最初はアシタカが殺されそうになったうえ自分も危うく食べられそうになったため警戒していたサン山犬達とも、致命傷を負ったアシタカを助けるため協力するうちに良好な関係へと変わっていった。
特にサンに対しては、アシタカを介抱している間に獣の言葉を聞ける彼女に自分達の身の上を語っていたようで、これによりアシタカの人となりを知ったためか彼が一命を取り留めた後の彼女の態度はかなり柔らかくなっていた*6
ちなみに例の口移しのシーンもバッチリ眺めている

終盤に侍に包囲されたタタラ場の危機を知らせに向かう途中、矢で後足を射られ負傷。
止む無く男衆に預けられ、モロの子(弟)に後を託して下山する。
その後、シシ神が遺した力により傷が癒えるとアシタカ達を迎えに現れ、最後はアシタカと共にタタラ場に留まり暮らすことになる。

  • ゲド戦記
アレンが乗り物代わりに引き連れている。
ただし、角がないデザインなため、カモシカというよりかはラマやグアナコに似ている。
本作の監督の宮崎吾朗もあくまで「あれはヤックルみたいなものです」と答えている。


【性別について】

ヤックルの性別については作中で明言されておらずよく議論になるが、ヤックルらレイヨウ類は雌雄どちらも角を持つが、オスの角の方が成長すると湾曲するように発達するので、この性質に合致するヤックルの性別はオスだろうという声が大きい。
一方でその健気な仕草からサンやカヤに次ぐアシタカのヒロインと評されるのもファンからの共通認識である。

【余談】

  • その勇敢さと愛らしさから人気もあり、写真左下のようなぬいぐるみなどグッズも多数展開されている。
撮影: albireo

  • 実は制作陣が作画に苦労したキャラクターの一つとされている。
    というのも、先述の通り元々は『シュナの旅』で架空の生物の方が扱いやすいだろうという考えのもとデザインされたのだが、いざ『もののけ姫』で映像化すると、逆にどの生物の動きに寄せるのか、人を乗せて動く際の動きなどのリアリティを出すため試行錯誤することとなった。

  • 終盤で彼(?)が矢で射られ負傷する展開は、何かと残虐シーンも少なくない今作において「特にショッキングだ」と語る視聴者も一定数いる。
    何と『呪術廻戦』にて「こんなに(へこ)んだのはヤックルの(けつ)に矢がブッ刺さった時以来だよ。」と引き合いに出されたほどである。いい人生送ってるな……
    ちなみにこの台詞が飛び出したエピソードが掲載された2021年41号(9月27日号)の約1ヶ月前には金曜ロードショーでの放映があったが、まさかそれを観た感想をぶち込んできたのだろうか

  • 愛知県長久手市のジブリパークでは、『魔女の谷』のメリーゴーランドで山犬兄弟と並ぶ形で乗り物の一つになっている。
    東海地方のローカル番組『また会えたね!ジブリパーク』のゲストとしてサン役の石田ゆり子が出演した際は、三頭との再会を懐かしむと同時に、「あなた達いつからこんなところで働いてたの?」とユーモラスなコメントで視聴者の笑いを誘った。


追記・修正はヤックルを乗りこなしてからお願いします。



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最終更新:2026年03月19日 21:36
添付ファイル

*1 ここで言うシシはシカを指す古語で、現実のニホンカモシカもアオシシと呼ぶことがある。一方、アカシカという大型のシカの仲間も実在するので少しややこしい。

*2 重装備の騎馬武者相手だったとはいえ、軍馬をも置き去りにしてしまうほど。

*3 曰く「アカシシに跨がり、石の矢尻を使う勇壮なる蝦夷の一族有り」

*4 エボシが「見慣れぬシシ」と言っている。一方でジコ坊から「アカシシに乗った若者」と言われてすぐわかる程度にはアカシシの名で知られているようではある。

*5 こうした立ち位置からか、二次創作で会話する際は丁寧語や従者口調で喋らされることが多い。

*6 また、アシタカが寝たきりで身体が鈍っていた一方、ヤックルの方は特にやつれた様子もなかったため、サンが看病と並行して世話もしてくれていたものと思われる。