動物と会話できる能力

登録日:2019/12/12 Thu 21:58:09
更新日:2025/03/10 Mon 15:45:11
所要時間:約 7 分で読めます





「動物と会話できる能力」とは、様々なフィクションで登場する能力である。

概要

動物さんとお話できたらいいな」という子供の頃の素朴な夢をそのまま実現したような能力。
があるため、登場頻度はそれなりに多い。

ハイファンタジー系作品においては、「動物を従えて自由に使役する能力」のように扱われることが多い。

ただ、直接戦闘においてはやや活躍の場面が乏しい傾向にあり、不遇気味なところもある。
理由としては、以下のようなものがあるだろうか。

  • ①攻撃力はあくまで「動物の能力」依存
もちろん動物は筋力や感覚能力など優れた能力を持っているが、それでも牙と爪だけでは鍛えられ武装した人間の戦士と比べて劇的というほど強いわけではない。
ファンタジー界隈の超人たちと比べたらなおのことである。
また、「基本物理攻撃しかできない」都合上、物理攻撃の通用しない相手には非常に弱い。

  • ②能力を行使できる場所が限定される
自然の中ならともかく、町中や建物の中では十分な攻撃力を発揮できない。
有利に戦えるフィールドが限定されがちである。

  • ③あくまで「お願い」する立場である都合上、無茶はさせられない
「問答無用に命令を聞かせられる」能力ならともかく、「会話できる」だけでは動物たちに命を捨てさせるような無茶な命令はしにくい。
能力者自身が動物好きであるため、人間の仲間からの動物を死なせるような命令は拒否してしまうパターンもある。
また、場合によっては動物に「報酬」を支払う必要がある場合もあり、この意味でもなかなか思い切った運用法はしづらい。

ついでに言うと、動物の知能を勘案した描写をされる作品では、
「動物の知能レベルでは難しすぎて理解できないのでお願いできない」という制約が描かれることもある。


反面、「情報収集」という一点においては非常に強力。
人間よりも遥かに数が多く、機動力においても上回り、小さなところにも入り込める動物から情報を聞き出せるアドバンテージは極めて強い。
「動物しか知らない情報」を得られるのもポイント。
そのためどちらかというと直接戦闘よりは裏方で活躍する能力と言える。


フィクションのみと思われがちだが、『天才!志村どうぶつ園』に出演していたアメリカ人のハイジ・ライトのように、実在する能力者もいたりする。
彼女までいかずとも、、鳥などを長く飼っている人なら、ペットと意思疎通ができるという人も少なくないのではないだろうか。



なお、以下のパターンについては除外する。
  • ①会話できるのは特定の個体のみ
魔女の宅急便』の「キキ」と「ジジ」のように、動物の中でも特定の個体とだけコミュニケーションが成立するパターン。
「能力」というよりは、その特定の動物とのが重要になることが多いのでここでは取り上げない。

  • ②動物側が特殊
アニメ版『ポケットモンスター』のニャースや『ONE PIECE』のトニートニー・チョッパーのように、「動物側が人間の言葉を話せる」というパターン。
通訳のように他の動物の言葉を訳して人間側とコミュニケーションを成立させてくれることもあるが、「動物と会話する能力」というよりは「人間と会話できる能力」なので取り上げない。人間も動物の一種と見れば別に間違いではないが


代表的な動物と会話できる能力者

  • ソロモン王
ソロモン72柱」で有名なだが、不思議な指輪の力であらゆる動物と会話できたと伝えられている。全部後付け設定だが
また、コンラート・ローレンツの動物行動学の教科書のタイトルにもなっている。
ローレンツは「魔法の指輪などなくても動物と会話することは可能だ」という思いを込めてこのタイトルを付けた。

  • 聞き耳頭巾(昔話)
日本全国にある昔話。「おじいさんがどんな動物の言葉でもわかるようになる聞き耳頭巾と言う道具を手に入れて幸せになる」というお話だが、派生形が非常に多い。
頭巾を手に入れる経路からして、狐から手に入れた、氏神から手に入れた、竜宮城で貰ったなど様々。
また肝心の「頭巾で何をするか?」ということも種々語られており特に定まったお話の形がないに等しい。
ただ、基本形としては「正直爺さんが恩返しに魔法のアイテムを貰って幸せになる」という典型的な報恩譚ではある。

  • ドリトル先生(ドリトル先生シリーズ)
イギリスの児童文学の主人公。元々は人間の医者だったが、動物の言葉を話せるようになったのを契機に獣医になった人。
「特殊能力」でも「マジックアイテム」でもなく、 純粋な学習 で動物と会話できる能力を身に着けた、という実は結構レアな努力家。
そのため、会話できるのはドリトル先生自身が言葉を覚えている動物に限る。哺乳類や鳥類ならほぼ問題ないが、魚類には難儀した模様。
また、「人間の言葉で話しかけても勝手に動物語に翻訳してくれる」というパターンが多い他作品と異なり、ドリトル先生の方から動物に話しかける場合も動物語で話しかけないといけない。
そのため、知らない人から見るとドリトル先生が動物と会話している場面は非常に滑稽に見える。

なお、アメリカのコメディ映画「ドクタードリトル」は本作から名前こそ借りているが全くの別人。
こっちの動物と会話できる能力は生まれついての超能力である。また当人がリアリストであるため、能力に目覚めた(正確には思い出した)際は自分がおかしくなったとしか思っていなかった。

さらに言うと日本の漫画作品「獣医ドリトル」に至ってはリアル寄りの劇画であるためこのような奇想天外な能力は一切登場しない。
主人公が「鳥取」という名字の獣医なので読みかえて「ドリトル」というあだ名で呼ばれているだけである。

バトルフィーバー隊の陽気な野生児も、加入する前はアフリカで野生動物の保護をしており、それゆえか動物と会話ができるようになった。
OPで果物をかじりながら子象を連れて町を歩くシーンもインパクトが大きく、基地にゾウハムスター等の動物を持ち込んだりしたこともある。

元・宇宙飛行士たる宿命の戦士も、バイオ粒子を浴びた影響で動物と会話ができるようになっている。
それゆえか、犬や猿や鳩を連絡員として新帝国ギアの動向を探るようにしている。
バイオマンには企画段階で没になった設定としてメンバーが昔話のヒーロー達の末裔であるというものがあり、郷の能力はその名残。彼は桃太郎の末裔の予定だった。

動物のお医者さんにしてネオ・シャーマンの走先生も動物やパワーアニマルと会話できる。
といっても、動物の心に呼びかけ、その言葉に耳を傾けたうえで語りかける程度のものだが、第1話ではオルグの脅威に怯えるサーカスの象を落ち着かせている。またガオライオンとは普通に意思疎通しており、『ゴーカイジャー』出演時とかになると「会話」を通り越して「(遠くにいる状態での)テレパシー」に近い形でもできているようにも見える。まあ10年一緒にヒーローやってたらね。
実は意外と?走先生以外の初期メンバーがパワーアニマルと言語で意思疎通しているシーンは少なく(パワーアニマル側が人間の姿を取ることで人間流のコミュニケーションを行ったことはある)*1、どうやら戦士たるガオレンジャーの基準でもガオの巫女でない人物*2が可能なのは珍しいようだ。

個性「生き物ボイス」によりあらゆる動物とコミュニケーションが可能。ある程度の使役もできる。ただし当人は人間相手だとコミュ障気味
屋外であれば戦力を現地調達でき、上記の通り情報収集にも長ける。
虫とも会話可能だが本人は虫が大の苦手であるため、「個性」とは無関係に虫とは会話不可だった。
「会話」が条件であるため、爆音を放ち並の声量の声は優に掻き消してしまうヒーロー兼教師「プレゼント・マイク」との相性は最悪レベル。
しかし期末試験のマイク戦で虫嫌いを克服し勝利。

なお、動物に指示を出す時の口調はかなりおどろおどろしい。
例えるなら信者達に命令を下すカルト教団の教祖

100%当人の才覚 により、ネコ語、ネズミ語、 ゴキブリなどを話せる。
ゴキブリとは種族を越えた信頼関係を築いており、人類初の「名誉ゴキブリ市民」に認定された。
また、それだけでなく バイキン とすら出会って数分で言語を習得し会話したことがあったり、宇宙人ともコミュニケーション可能だったりと会話できる対象の範疇は非常に広い。

アニメオリジナルエピソードに登場する、悪魔の実ヒソヒソの実」によりどんな動物とも会話できるようになった少女。実の名前の由来は上記聞き耳頭巾からだろうか。
なにぶん「偉大なる航路」に入る前の初期のオリジナルエピソードに登場した能力であるため、「チョッパーの下位互換じゃね?」「ある程度見聞色の覇気で代用できない?」などと、よく言われる}……まぁ普通の人間が食べても動物と話せるようにはならないヒトヒトの実と違って、こっちは普通の人間にも効果があるし、見聞きだけでなく相互のコミュニケーションが取れると言う点で、見聞色の覇気との差別点もあるが。

海洋生物限定で会話する能力を持つ。基本的には人魚族の専売特許のようだが、ジンベエは魚人族ながらこの能力を使っている。
なお、海王類については人魚族であっても会話は不可能だが……?

テレパシーにより、動物とも話せる。 その辺を歩いている子犬の残忍な本心を知ってしまったりすることもあるが
ただし、小さすぎるためか虫の心を読むことはできない。エスパーだから仕方ないね
このため楠雄は虫が大の苦手である。

見た目はただのヘッドホンだが、身に着けると動物と話せるようになる。
実は意外と登場回数が多い(ただし初登場エピソードはてんとう虫コミックス未収録)。
また、食べる事であらゆる言語を理解できるようになるほんやくコンニャクも、
動物の言葉を翻訳可能であることが明言されている(こちらはてんとう虫コミックス+6巻に収録された『ペタリ甲板』を参照)。

森で暮らす狩人で動物と会話できる能力を持つ。
ゲーム内では彼女をパーティーに入れていると、動物に話しかけた際にその内容を翻訳してくれるようになる。

レイトン教授の助手。動物から手がかりやナゾを得ることがある。

  • ノル(フォーチュン・クエスト)
主人公パーティのメンバーの巨人族。小動物と会話できる温厚な男。

元気いっぱいの5歳児。
動物を人間とほとんど変わらない姿及び言葉で認識しており、そこから発生するギャップ(一見可愛い猫ちゃんが実は飼い主の美女に擦り寄る変態オヤジなど)が定番ネタのひとつになっている。
母親も昔は同じ能力を持っていたようだが真相不明。

動物や虫と話せる能力があり、カラスに吊り下げられて空を飛んで移動できるのはこの能力のたまもの。
また、虫に協力を仰ぐことにより、白山坊をスズメバチので麻痺させた後にジガバチに蛾の卵を注射してもらい、
白山坊の内臓を蛾の幼虫に食い尽くさせて殺すという作戦をとったことがある。

動物といっしょに育ったことで動物と会話することができる。
この能力は彼の父かと思われた獣人バルカン由来のものかとも思われたが、結局は不明のまま終わった。
また、彼の妻のヂェーンもターちゃんと暮らすうちに動物と会話できるようになったが、
同じくらいターちゃんと付き合いの長いペドロやアナベベができなかったことからするに素の天才であるからのもよう。

動物や植物と会話することができ、アオイが主役のイベントでは情報収集に役立てていた。
極度の人見知りのアオイも動物や植物と話す時には普通に話しており、寂しさを紛らわせるためにそれらに話しかけたりもするが、
その能力を知らない他人からすればただの奇行であり、実際上記のイベントで主人公が「植物に訊こう」と提案した際には周囲に(主人公の)正気を疑われた。
なお、この能力は「森を護る」役目を負ったアオイのようなエルフに備わる標準技能らしく、他にも同じ能力を持つエルフがいることも示唆されている。

シリーズの主要登場人物である少女。
生物学者の母親と彫刻家の父親が作り託した、胸から下げるペンダントに由来する異種会話能力を持つ。
あらゆる動物種と会話でき、幻獣等の超生物とも意思疎通が可能。
話が通じるからといって願いを聞いて貰えるわけではないが、接触によりその種族の特長・能力を手に入れることもできる。
元々体が弱かった彼女はこれで力を手に入れ、様々な動物と友達になった。
その中には「飼育され、いずれ肉にされる牧畜」等もおり、彼等との交流も彼女の精神成長の一助となったという。
その影響か、割と容赦なく敵を叩き潰し、また肉も野菜も残さず食べる、誰もが驚くほどの大食漢である。
なお、問題児シリーズでは異種族と会話する能力=恩恵が多くあり、主要人物の黒ウサギも多くの動物・幻獣と話せるが、
例外なく全ての動物と意思疎通できる恩恵は少なく、超希少であるという。

ヘビの言語「パーセルタング」を理解する事が出来る能力「パーセルマウス」を持つ者たち。
単純な会話の他、ある程度命令を聞かせることもできる。またバジリスクのような怪物もヘビの範疇に含まれる模様。
パーセルタングは、映画版ではエコーのかかった人の言葉ではない囁き声(サ行の音が多い)の様に描写されている。

用語として出て来たのは「秘密の部屋」からだが、「賢者の石」の序盤にて動物園でハリーがヘビと会話し、
そのままうっかりヘビをダドリーにけしかけてしまったのもパーセルマウスによるものとされる。
魔法の知識に疎いハリーはヘビと会話できる者など魔法界には大勢居ると考えていたため特技とは露ほども思っていなかったが、
実際にはパーセルマウスは魔法界広しといえどもかなり希少で、劇中に登場したのは現代ではハリーとヴォルデモートの2名のみだった。
スリザリン寮の創始者であるサラザール・スリザリンもパーセルマウスだったとされ、このためスリザリンはヘビをシンボルとしている。
お陰でハリーはサラザールの子孫、延いてはマグル出身者連続襲撃事件の黒幕と疑われる羽目になった。
またヴォルデモート含めサラザールの子孫にはパーセルマウスが代々受け継がれている模様。

なおパーセルタングはあくまで言語であるため、教わりさえすればパーセルマウスでなくても話しかけるだけなら可能。
実際に劇中ではロンがハリーが言っていたのを真似てパーセルタングを使い、パーセルタングで命じる事でのみ開錠できるドアを開けた事がある。

その他

彼女自身は上記のキャラ達のような能力者ではないが、一般人でありながら他のキャラには持っていない「動物と会話できる能力」を持っている(自らのペットと意思疎通ができる、であれば『シンデレラガールズ』初出のアイドルを中心に何人かいるが、「そのへん不問で会話可能」はさすがに響のみ)。
厳密には、『SP』~『2』にはこういった設定は描かれておらずアニマス以降に描かれてきた設定だが、ハム蔵*3など多数のペットに囲まれて暮らしてきた影響なのか、言語や種族の壁を超えて様々な動物たちと意思疎通している描写が多々見られる。
例えば『ミリオンライブ!シアターデイズ』のコミュイベントでは決定的瞬間こそ描かれなかったものの動物園所属の動物と普通に会話したと判断できる発言をするものがある。

ちなみに、現実にも「アニマルコミュニケーター*4」という概念が存在しており、響はそういった素質を持ったアイドルと言える。

  • 動物会話スキル(Fateシリーズ)
動物と話せるの自体が描写されたやつがギャグ回を含んでも皆無という難点はあるが、一部のサーヴァントはこのスキルを保有している。『GO』のキャラクタープロフィールでもはっきりと「口頭で意思疎通可能」と説明されており、まさに本項目の内容を身に着けていることになる。
ランク表示ではかなり格落ちする(ゲーム内プロフィールではC)ゴールデンですら「本人の性格によるものがあるにせよ、基本的に意気投合が可能」、それより低いDの牛若丸(設定のみならシトナイなども同ランク)でも「牛若丸側がフィーリングで判読しているだけで、意思疎通自体はちゃんとできている*5」「互いの感情や簡単な意志を伝える事が出来る」と、大半のサーヴァントはそもそも本スキルを持っていないことを考えればかなり破格の語学力である。

もともとの出自が非人間の動物であるヘシアン・ロボに至ってはAランク。ここまでくると「人間を除いた自分より格下の生物に命令を下すことが可能」と説明されるレベル。その反面同じく非人間の動物出身の紅閻魔が明らかに普通のスズメと会話しているのに持っていないなど、必ずしも「動物出身なら持ってる」ものではない様子(おそらく自分と同族ではない動物とも話せないとダメと思われる)。

FGOでは宝具ゲージのチャージスキル。要するにイベ版ゴールデンがおススメ交換キャラに挙げられる理由のひとつである。
もともとゲーム上かなり強力な効果ゆえか、設定上持っていてもスキルとしては持っていないメンバーも多い。


追記・修正は動物と話しながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 動物と会話できる能力
  • 会話能力
  • 特殊能力
  • マジックアイテム
  • ソロモンの指輪
  • ドリトル先生
  • コミュ障には使えない能力
  • 動物操作
  • 翻訳
  • 動物語
  • アニマルコミュニケーター
最終更新:2025年03月10日 15:45

*1 ガオベアーとガオポーラー、ガオゴッド。他のパワーアニマルにも可能なのかは不明

*2 テトムはさすがに普通に「会話」で意思疎通できる模様

*3 そのハム蔵も、アニマス以降の作品ではハムスターでありながら響と会話したり他の人に的確な指示を出すなど、ハムスターらしからぬ描写が散見されるようになった。

*4 動物たちの表情や仕草等を把握して、飼い主などの人間たちに動物の代わりに伝える役割を持つ職業の事。著名人では『天才!志村どうぶつ園』のハイジ・ライト女氏あたりが代表的だろう。

*5 ただし一部バージョンでは明らかにタヌキ語を喋っている。