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人外教室の人間嫌い教師

登録日:2026/06/07 Sun 22:03:02
更新日:2026/06/29 Mon 17:49:00
所要時間:約 8 分で読めます




ニンゲン(・・・・)なんてきらいだ。
自分勝手で他人の事などお構いなし。善意は悪意に利用され、正直者が馬鹿を見る。

──これはニンゲン嫌いな俺と、ニンゲンに憧れたヒトならざる者たちが贈る物語。



『人外教室の人間嫌い教師』とは、MF文庫Jより刊行されたライトノベル。全5巻。
作者はにじさんじ所属のVTuber、来栖夏芽。イラスト及びキャラクター原案は泉彩が担当。
漫画版は紅野あつが手掛ける。


概要

ジャンルはヒューマンドラマ。主人公・人間零の心及び教師としてのリハビリ物語であり、タイトルやイラストから連想されるような学園ハーレムラブコメのような要素はほぼ無い。
「ヒトマ先生、私たちに人間を教えてくれますか……?」なんて副題つけるから誤解されるんだ。
また、人外の生徒たちは一癖も二癖もあるものの、基本的にみんないい子たちばかりなのだが、
そのほとんどが「そりゃこんな思想・性格にもなるわ」「あっ、これ教師がちゃんと支えてやらなきゃダメなやつだ」と思わせるに十分なほどに暗い、もしくは重たい背景の持ち主であり、嘗めてかかると確実にメンタルにジャブを食らう作品である。

原作小説では一巻で一年が経過するペースで話が進むが、これは作者の夏芽氏が、本作が長期連載されるとは思っていなかったため。
漫画化・アニメ化がなされているが、漫画版は原作2巻までの内容で連載終了(全4巻)。アニメ版は1クール13話に原作3巻までの内容を詰め込んだ結果、一部のエピソードが省かれることになってしまった。


あらすじ

かつて教師として働いていたが、諸事情により重度の人間不信を煩い、2年間実家でニート生活に身を落とした主人公・人間零。
しかし自身は30手前、更に実父も来年定年を迎えるということで危機感を持ち、再就職を考えるのだが、ネットの求人でふと目についた私立不知火高校に応募してみたところ、なんとトントン拍子で就職が決まる。

豊かな自然に囲まれた現地で癒されながら働こう。そんな風に考えていたヒトマだったが、なんとそこは様々な人外が人間になるために通う不思議な学校であった。


主な登場キャラクター

教師陣

  • 人間(ひとま)(れい)
CV:増田俊樹

主人公。社会科担当教師。名前がややこしいのでもっぱらカタカナで「ヒトマ」と表記されている。ニンゲン嫌いになった経緯については下記の折り畳みを参照。
生徒のことを第一に考える良き教師だが、ゲームヲタクで平日でも徹夜しちゃう程度にはクズ(自覚あり)。ついでに2年間ニート生活していた弊害により運動不足なのか、30代始めにしてもう体にガタが出始めている。
とにかく生徒に振り回されっぱなしで三枚目感が強いが、行動力は高くやる時はしっかり主人公やってるのでそこは安心してほしい。


  • シラヌイ

不知火高校の創設者にして理事長。不死鳥であり様々な力を持つ。
入学希望の意思確認や生徒の半人化など多忙の身であるため、姿を見せることは滅多にない。
学校を作ったのは最初は気まぐれだったが、「寿命のあるものたちが頑張っている姿を観るのが楽しいから」という理由で今日に至っている。
痴女衣装その1。


  • 烏丸(からすま)四郎(しろう)

校長。モノクルと立派なヒゲ、そしてずんぐりむっくりな二頭身ボディが特徴的なおじさま。シラヌイの要望により語尾に「~なのねん」とつけている。
正体はイケメンの烏天狗であり、断片的ながら1ヶ月先の未来を視ることが可能。
養護教諭の烏丸ハルカは娘にあたる。


  • 星野(ほしの)(さとる)
CV:石井真

数学科教師兼ヒトマの指導係。メガネをかけていて猫背なのが特徴。
非常に落ち着いていてのびのびとした性格の持ち主。
れっきとしたニンゲン。


  • 早乙女(さおとめ)(ゆき)

理科担当教師。ヒトマから内心で「天使」「雪ちゃん先生」と評されるほどの可愛さの持ち主。だが人妻(悟の嫁)だ。
実は本校のOBで元雪女。雪山で遭難した悟を見つけて一目惚れした。
また、その頃の名残で日本酒を4本カラにするレベルのザル。


  • 春名(はるな)未来(みらい)
CV:井上ほの花

ヒトマのかつての生徒。原作3巻から新任の教師として不知火高校に入ってきた。
実はヒトマがニンゲン嫌いになった原因の一人なのだが、彼女もまた被害者である。


生徒

シラヌイの力により半人状態となった人外たち。明らかに国外から入学している者もいるが、言語及び名前は日本基準で統一されている。
上級・中級・初級の3つのクラスに別れ、初級クラスの生徒はニンゲンとしては幼稚園児~小学生ぐらいの精神・知能しかない。中にはうっかり四足歩行をやってしまう者もいるという。
結界の力により在学中の生徒の肉体的な時間は止まっており、退学にならなければ卒業するまで何年でも在学可能。卒業後は18歳ぐらいの健康的なニンゲンの女性として残りの人生を生きていくことになる。


  • 羽根田(はねだ)トバリ
CV:田辺留依
ニンゲンになりたい理由:音楽をしたいから。

鳥(百舌鳥)娘。上級クラス。
見たまんまのギャルだが、成績は優秀で学年トップ。だが一番卒業に近い身ながら毎年留年しているという謎の生徒。
ヒトマをからかうことが多い一方で、彼を試すかのような言動も見せるが…?

  • 右左美(うさみ)(すい)
CV:長縄まりあ
ニンゲンになりたい理由:ニンゲンに恩返しがしたいから。

ウサギ娘。上級クラス。語尾に「~なの」とつける。
他の生徒に比べて見た目が幼く、袖が余ってしまっている。
かわいらしい見た目に反して辛辣な態度を取りがちで、他者に厳しく自分にはもっと厳しい。
第一印象はあまりよろしくない生徒だが、アニメスタッフからは気に入られているようでDVD&Blu-rayの宣伝を一手に任されている。


  • 水月(みなつき)鏡花(きょうか)
CV:雨宮天
ニンゲンになりたい理由:ダンスをしたいから。

人魚娘。上級クラス。ド天然なお嬢様。「Tomorrow is another day(明日は明日の風が吹く)」を座右の銘とする豪胆さと、作者から「作中キャラでいちばん」と明言されるほどの巨乳の持ち主。
あのポセイドンの子孫で、本来は海を管理する立場になるはずだったが、気まぐれでニンゲンを見に行ったことで「船上で魅力的にダンスを披露するニンゲン」を発見し憧れるようになった。
しかしおとぎ話の人魚姫と同じく制限時間付きであり、卒業できないままそれを超過した場合は泡となって消える運命にある。


  • 尾々守(おおがみ)一咲(いさき)
CV:大西沙織
ニンゲンになりたい理由:中途半端な存在じゃなくなりたいから。

人狼娘。上級クラス。引っ込み思案な眼鏡っ娘。
満月の日だけニンゲンになってしまう*1という、一般的に知られる人狼とは真逆の存在であり、それが原因で同族からいじめられた過去を持つ。
鏡花とカリンがデカすぎるので目立たないが、この子も十分デカい。


  • いさき
CV:大西沙織

満月の日にのみ表に出てくる、一咲のもう一つの人格。
内向的な一咲とは正反対の外交的な性格で、ヒトマも初見では「知らないギャルがいる…」「俺の知ってる尾々守はこんなに目のやり場に困らん!!」と困惑したほど。
だがその一方で「一咲ちゃんがこれまで苦しんできたのは自分のせい」だと強い負い目を感じていたりもする。


  • 龍崎(りゅうざき)カリン
CV:沼倉愛美
ニンゲンになりたい理由:恋を知りたいから。

ドラゴン娘。原作2巻から上級クラスに進級。高飛車なお嬢様だが数千年生きているらしく烏丸校長より年上の可能性がある。
とある理由でヒトマにぞっこんであり、新学期早々にプロポーズを決めた。もちろん断られたがその後も熱烈なアタックを続けている。
過去の経験から「自分は強すぎるから愛されない」というコンプレックスを持つ。


  • 根津(ねづ)万智(まち)
CV:福圓美里
ニンゲンになりたい理由:おいしいモノがいっぱい食べたいから。

ネズミ娘。原作2巻から上級クラスに進級。語尾に「~っちゅ」とつける。
腹ペコキャラでしょっちゅう何かを食べている。そして一度食べたものは忘れない。
基本的にはギャグ担当の賑やかし要員だが、例によって背景は暗く下記の千結以外の家族は野生動物時代に全滅している模様。
小動物でしかも害獣だから仕方無いとは言え、自然って残酷だね…。


  • 黒澤(くろさわ)寧々子(ねねこ)
CV:上田麗奈
ニンゲンになりたい理由:頼まれたから。

黒猫娘。原作2巻から上級クラスに進級。無口無表情で考えがまるで読めず、昼間はほとんど寝ている。猫だが万智のことは捕食対象として見てはいない。
下記のアリスが暇潰しで拾ったペットだったのだが、アリスのそばにいすぎた影響で魔力を持つようになり、このままでは「猫又」=怪物化してしまうため、それを避けるためにアリスの指示で入学した。
名前に反して経歴に全然「安寧」が無い…。


  • 根津(ねづ)千結(ちゆ)

万智の妹。初級クラス。
ニンゲンが捨てたガムテープに絡まって死にかけた過去があり、そんな自分を守ってくれた万智をヒーローだと述べるなど姉妹仲はとても良好。
上記の通り万智にとっては唯一残された家族にして希望である。
CVが表記されていないのはアニメだとOP映像にしか出ていないから。これには作者も残念がっていた。


  • 若葉(わかば)(あおい)
CV:石川由依
ニンゲンになりたい理由:自分の美しさを知らしめたいから。

エルフ娘。原作3巻から上級クラスに進級。
「王子」の通称を持つ宝塚的なナルシストで、自分のブロマイドまで持っている。


  • 小此鬼(おこのぎ)マキ
CV:堀江由衣
ニンゲンになりたい理由:嘘をつきたくないから。

娘。原作3巻から上級クラスに進級。何かしら嘘をついては即座に「嘘だよー」と暴露するとぼけた性格。
曰く、声が色つきで見えるらしく、それで相手が嘘をついているか否かを判別できるという。


その他

  • 零の母

読んで字のごとく。ヒトマのことは「零ちゃん」と呼ぶ。実家で2年間ニートした一人息子を優しく叱った良き母。
ヒトマの年齢から推測するに、50代は確実だと思われるが、うっすらほうれい線が見えるぐらいでそんな歳には見えない。


  • 木崎(きざき)彗子(せいこ)

右左美が恩返ししたいニンゲン。76歳の老婆であり、右左美の口癖は彼女の幼い頃の口癖がうつったのだという。
なかなかに波乱万丈な人生を送ってきたようで、現在は入院生活中。


  • アリス・メーデイア
CV:関根明良

魔女。寧々子の飼い主。シラヌイのことは大好きだが烏丸校長とは犬猿の仲。
なお、本作の魔女・魔法使いはニンゲンとは別種族扱いである。
痴女衣装その2。




用語

  • 私立不知火高校
本編の舞台となる学校で、全寮制の女子高。
昔は共学だったが管理が面倒くさくなり、シラヌイの「楽しそうで華やかだから」という理由で女子高になったそう。
幻想郷山内東村などと同じく外界から隔離されており、関係者は下記の指輪を身に付けなければ視認も出入りもできない。

「ニンゲンになりたい人外がニンゲンになるための学び舎」というのが基本方針。
「ニンゲンになりたい人外を助ける」という組織的な活動自体は平安時代から行っていた模様。
具体的には、ニンゲンとして生きていくのに必要な一般常識・義務教育の学習、振る舞い方の指導、人として不自然でないレベルの知能訓練などがカリキュラムとして組まれており、この学舎でニンゲンとしてのロールプレイをしながら生活することで人の社会で生きていく術を学ぶことになる。
またシラヌイの力により人としての姿を与えてもらい、卒業すればその肉体を使い続けられるため、変身能力や妖術が使えない妖怪でもここを卒業することでニンゲンになれる。
学年は年齢ではなく成績単位で設定されており、ここでの生活を通して得点を貯めることで進級、一定ラインに到達すれば卒業となる。
制服は好きなものを着ていいが、人外の力を校内で行使するのは減点対象となる。
また学校の性質上ここの在学生は「人前に出られるだけの能力を持たない妖怪」であるため、許可のない外出はできない。

職員寮もあるのだが、なんと1LDKで家賃は水道代・光熱費込みで月2万。電波も電気も通っており教師も生徒も普通にスマホを使っている*2

  • 指輪
教師及び卒業生に支給される特殊な指輪。在学生には外出許可を貰った時のみ一時的に貸し出される。
シラヌイの結界と同じ効力が付与されており、教師はこれを身につけずに結界から出ると学校内での記憶をすべて失ってしまう。
卒業生も人外だった頃の記憶をすべて失うが、指輪を身に付けている間だけその時を思い出せる。



追記・修正は不知火高校に就職してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ニンゲンになりたい!/

最終更新:2026年06月29日 17:49

*1 彼女の母親によると、先祖にニンゲンの血が混じっていて稀にそういう体質の子が生まれるらしい。

*2 流石に制約は設けられており、強めなフィルターがかけられている他、送信受信内容も学校にチェックされている。