味噌カツ

登録日:2010/05/24 Mon 22:46:08
更新日:2024/12/01 Sun 06:45:47
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カラッと揚げられたわらじとんかつ


それを代々受け継がれて来た秘伝の味噌ダレの海の中へ


頬張ればたちまち僕らを天国(ヘブン)に誘う


味噌カツ

味噌カツとは主に中部地方で食される郷土料理の一つ。
串カツまたはトンカツをうっかりどて鍋(もつを豆味噌で煮込んだ料理)に落としたとか、
お客さんが何気なくどて鍋に入れて食べたなど誕生のきっかけは諸説あるがいずれもどて鍋が関わっていることは間違いない。


カツに味噌から作った甘辛いタレをかける、とてもシンプルなもの。
味噌ダレは八丁味噌を始めとする赤味噌で作るのがメイン。
多少の地域差もあり、三重ではあっさり、名古屋ではこってりと言った感じ。
三重発祥とも言われているが、実際は店主が名乗っているだけで真偽は定かではない。東海地区の郷土料理と言うのが正確。

味噌カツを見て「名古屋人は何にでも味噌をかけて食べる食文化」と誤解する人が多いが、実際には違う。
「つけてみそかけてみそ」「献立いろいろみそ」というマヨネーズ的に使える調味料はあるが、主に田楽など「そもそも味噌味で食べるもの」に使うものである。
東京そば大阪たこ焼きを挙げて「東京は何でも醤油味で食べる」「大阪は何でもソース味で食べる」と言うようなものだろう。
名古屋名物で味噌を使うのは、味噌煮込みうどん、味噌おでん、そして味噌カツの三種のみである。まあ何にでもつけてみそぶっかけて食べる人もいるんだけど
そしておでんはそもそも発祥が味噌田楽、要するに味噌の方が始まり。味噌味のうどんは各地方に「田舎うどん」として存在する。

ちなみに東京には味噌をかけるのではなく、ロース肉で包んで揚げる味噌カツを提供する店が存在する。
また「かつに味噌は合わない」「まずい」との意見が出る事があるが、中部地区以外で提供している味噌カツは味噌自体がまずい*1事が多い。
なお味噌カツと言えば名物「矢場とん」という風潮もあるが、地元民からすると矢場とんは「観光客が行く店」であり、味の傾向も独特である。

シンプルだけに奥が深いのが味噌カツのポイント。

カツ(衣)、肉、味噌をそれぞれどういう具合でチョイスするのがベストかは、食す人間の好みに大きく左右される。
スタンダードな豚ロースに細かい衣で甘めの味噌で食すもよし、ヒレ肉を使い豪快な粗衣で辛みのある味噌で食すもよし、あるいは串カツ、ミルフィーユカツ…

自分の舌に一番合った味噌カツを求めて探求するのも、味噌カツの楽しみの一つである。
市販品で済まさず、自分好みの味噌をブレンドして作るのも良い。すりごまや薬味で味の幅は無限に広がる。

追記、修正は味噌カツを月一回は食べてからおねがいします。

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最終更新:2024年12月01日 06:45

*1 というか味噌カツに適してない味噌を使っている、提供者の味覚センスの問題