銀牙-流れ星 銀-

登録日:2011/10/22(土) 23:37:25
更新日:2025/02/15 Sat 09:16:20
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『銀牙 ―流れ星 銀―』週刊少年ジャンプに連載されていた漫画。作者は漫画の巨匠・高橋よしひろ。
その終了から10年余りを経て週刊漫画ゴラクに移籍し、続編に『銀牙伝説ウィード』を連載したことで長期シリーズ化する。
更に『銀牙伝説WEEDオリオン』『銀牙~THE LAST WARS~』『銀牙伝説ノア』と連綿し、2024年現在は『~銀牙伝説~ レクイエム』を連載中。
それ以外にも本編の過去を描いた『銀牙伝説リキ』、人気キャラの赤目をメインに据えた『銀牙伝説赤目』など外伝・スピンオフを多数執筆しており、
シリーズ全てを合わせると150巻(電子書籍換算)を優に超える一大サーガとなっている。

本作序盤は大輔の視点を中心に物語が進んでいたが、次第に犬同士の会話シーンが増え、完全に銀メインでのストーリー展開となった。
後半の八犬士編は当時のジャンプらしい“とにかく必殺技を乱発しあって戦う”バトル漫画となったが、人気は低迷してしまった。
続編の銀牙伝説ウィード、オリオンにおいても、八犬士編はほとんど“無かったこと”扱いされている。

【赤カブト編】

秋田県東成瀬村。冬はスキー場へのレジャー客で賑わう小さな村だが、その裏では巨熊・赤カブトが着々と勢力を増していた。
母犬・富士と父犬・リキの間に生まれた銀は、老マタギ・竹田五兵衛によって最強の猟犬“熊犬”と宿命づけられ、厳しい訓練を受けながら育てられる。
富士の飼い主・大輔と友情を育みながらも熊との戦いを続ける銀。
やがて銀は、山中にて打倒赤カブトを掲げる野犬軍団に遭遇し、戦士としての資質を認められる。

彼らのボスは、銀がまだ幼き頃に生死不明となった父・リキに瓜二つだった。ボスは言う。
「全国から“犬(おとこ)”を集めよ」
村を脅かす赤カブトを倒す為、安らぎを捨て銀は旅立つ。

【登場人物】

■主要キャラ

●銀
主人公。虎毛の秋田犬。
幼いながらも天性の運動能力に加え、ずば抜けた勇気と他者を引き付けるカリスマ性を持つ。
熊犬の燃える血か、戦士として高い資質を持ち、自分より大きな者に立ち向かう“流れ星”。
身体は犬の中でも大きいほうではないが、素早い動きは天下一品。
戦いの経験を積んでいくうちに、知恵を働かせる戦い方も目立つようになる。

●大輔
人間の主人公。銀の親友。
熊退治にかける情熱を持ち、自ら銀と共にトレーニングをする。
小学6年生ながらも小遣いを貯めてスノーモービルやハンティングボウを購入したり、
70㎏以上はあるじっ様を担いで歩いたなど、その成果は如実に出ていた。
彼を含めた人間たちは、物語が銀中心になっていく上でフェードアウトしてしまい、出番は数少なくなるが、
漫画ゴラクに移籍した続編『ウィード』以後には大人に成長した姿で、しばしば登場。
銀以外の犬たちにも支援を仰げる人間として認められており、人間側の理解者のポジションを担っている。

●竹田五兵衛
病んでもなお赤カブト討伐に執念を燃やす老マタギ。通称・竹田のじっ様。
齢70近いがかなりの巨漢で、仕留めた熊を一人で担いで帰る事も。
犬の教育は超スパルタ。時代遅れの村田銃を愛用している。

●秀俊先生
猟犬ジョンを連れて熊狩りに来た医師。強力な最新ライフルを愛用し、世界中でライオンや人喰い、ゾウですら倒してきた実力者。
昔ながらのマタギのやり方ではなく、スマートな近代流のハンティングを用いる。
赤カブトに殺された村長の血縁者である。大輔にハンティングボウを教える。
続編でも大輔と行動を共にするシーンが見られる。

●リキ
銀の父の秋田犬。知性・武勇に優れた、じっ様が絶大な信頼を置く熊犬。
父犬も優秀だった。熊犬独自の技「抜刀牙」を持つ。

●ジョン
ジャーマン・シェパード。秀俊先生の優秀なパートナー。
ピューマを噛み殺したという逸話もある。知性は高いがプライドも高く、短気でやたら喧嘩っ早い。
最初は銀とソリが合わなかったが、やがてお互いを認めあってゆく。

■奥羽軍団

ボスを中心とし、No.2に司令官・スナイパー、その下に12の班がある。
銀が所属したのはベンを小隊長とした1班である。

●ボス
奥羽軍団首魁。秋田犬。戦闘力は単独で熊と互角に戦うほどで、並みの犬では牙をかすらせることすらできない。
凄まじいカリスマ性を持ち、聴衆は演説に涙する。
配下を4分し、秋田を発たせて東西南北へ向かわせた。

●ベン
奥羽軍団第1班小隊長。グレートデン。
ボスの信頼が厚い、実質No.3。打たれ強く、膂力に優れる、奥羽でも名だたる戦士。
ほとんどの犬が人間に捨てられたり、悲惨な扱いを受けていた過去を持つ中で、
彼は主人にとても可愛がられており、主人と再会した時の反応でもそれがうかがえる。
恐らくだがボスと出会った後自らの意思で人間の主人の元を去り、部下になったのだと思われる。

●スミス
3班小隊長。銀の親友。隊長ながらク○リンとかウソ○プのような三枚目的な役回り。
普段は軽いが、やる時にはやる男である。

●クロス
サルーキ。奥羽軍団唯一、漢として認められた犬。本作の実質ヒロインであり一行の姉さん的存在。
熊と遭遇し、決死の覚悟で戦うも飼い主に見捨てられ、仲間を皆殺しにされた悲惨な過去を持つ。
高い脚力を武器とする。

●スナイパー
奥羽軍団司令官。ドーベルマン。
実力は高いのだが奸物であり、彼の目的は「ボスを退けて自分が犬たちの主、総大将になること」。
赤カブトについても、自分に対して害しなければどうでも良いのである。
そのために急速に力を付けつつあるベンと、ボスとの親子疑惑がある銀を始末するべく策を巡らす逆臣。

ハイエナ
スナイパー配下。スナイパーに見捨てられた後はベンの配下になる。
臆病な気質だが終盤である者を命がけで救う。

●グレート
2班隊長。九州での仲間集めの際には頑迷なベムを動かす程の男気を見せる。

●テリー
5班小隊長。マスチフ。隻眼で如月と同等以上の戦闘力を持つ。
意図しない所で間接的にある親子を引き離している。

●モス
“霞岳の閻魔大王”。マスチフ。「ベンの2倍はある」と言われる巨漢。
直情型で破格のパワーを武器に戦う。
その膂力は自分より身体のでかい猪一頭の首根っこを抑え、止めを刺してしまうほど。
子供好き(自分の息子のジャガーだけではなく、よその子供でも好き)という、意外な面も持つ。

●赤虎,中虎,黒虎
“魔犬・甲斐の三兄弟”。甲斐犬。幼い頃人間に山に捨てられていた三つ子。
中虎は耳が欠けており、黒虎は隻眼。
気性が荒く、闇雲に突っ込んで失敗することもしばしば。
生まれたばかりの頃に飢えた貂に襲われたところをベンに助けられて以来恩義を感じている。

●赤目
伊賀忍犬総帥。紀州犬。秘伝書を巡り甲賀忍犬と争いを続けている。
様々な忍術と脚力を活かした機動戦を得意とする他、知謀に長け、医療知識も持つ万能犬。
その跳躍力は人間がムササビと思わず勘違いしてしまうほどである。

●黒邪鬼
甲賀忍犬総帥。鎌を武器に戦い、赤目を苦しめた。
闘争心強化のために部下に共食いを奨励している。息子がいる。

●ウィルソン
元サーカス犬。コリー。サーカス芸で右に出る者は居なかった。
巡業の関係で地理に詳しい。黒邪鬼に妻子を殺された過去を持つ。

●紅桜
元闘犬横綱。土佐犬。通称“海坊主”は千切れた両耳と、海を渡ったエピソードが所以。
闘牛を軽く倒すことが出来る程の強さで公式で最強の犬

●武蔵
現闘犬横綱。土佐犬。
格上の紅桜がいるため相対的に影が薄い。

●ビル
山賊。ドーベルマン。
仲間と認めた者に対しては非常に情が熱い一方、卑劣漢を憎む。

●ベム
“薩摩の大将”。ボクサー。
人間に塩酸をかけられたことで頭部が溶解した醜悪な容貌を持つ。
迫害によって心を閉ざしており顔を見た者を問答無用で殺傷する。

●如月,卯月,葉月,水無月
如月をリーダーとし、陸奥を支配する“四天王”。
如月のみシベリアンハスキーと判明している。
敵に罠をかけて味方に引き込む頭脳派で、真心を理解する度量も持っている。

●白狼
“北見の白狼”。荒い気性で羆を相手にしていた猛者。
奥羽軍団が北海道に現れないのを見かねて自ら参戦を申し出た。

●オリバー
ダックスフント。チンピラからクロスを救った。
掘った穴を利用する戦術を得意とする。
小柄ながら牙と足は強靭。

■熊達

双子峠を本拠地とし熊害事件を起こし続けた。
その強さは行政も手を焼くほどで実質的にお手上げという状況だった。

●赤カブト
“双子峠の魔王”。じっ様の銃弾で脳を撃たれ、成長が止まらなくなった巨熊。
種別は不明で赤毛なので恐らく純粋なツキノワグマではない。
その体は他の熊との比率から見るに10mはある。
戦闘力は言わずもがな、そのくせ決して脳筋ではなく、高い知性とずる賢さも備える暴君。
雌熊に子供を産ませまくり、牙城を築いて三点にマダラ・モサ・ケサガケの幹部を置く。

●マダラ
熊軍幹部。宮城からの逃亡熊。
逃亡した奥羽山脈で赤カブトの縄張り争いに敗れるも、殺されずに餌場を与えられ部下となる。
体に斑状の模様がある。

●モサ
熊軍幹部。片腕のモサと呼ばれる通り、隻腕が特徴。
やはり赤カブトの軍団に下る。

●ケサガケ
熊軍幹部。マダラ、モサより一段格上。

●三本銛の羆
かつて船に忍び込み、乗船者を皆殺しにした伝説的羆。
「三本銛」とは戦った漁師が背中に刺した3本の銛に由来する。

【八犬士編】

赤カブトを倒し、犬達の楽園となっていた奥羽。
だがそこに謎の狼が現れ、クロスとその子供達を連れ去って行ってしまう。
北海道、四国、九州……。盟友達の元にも狼の牙は振り下ろされる。
銀は仲間の為、死地に赴くのだった。

■宮殿

かつて狼達を統べていた正当な皇帝の子孫である霊魔を将とした集団。
国自体は霊魔の父の世代に黒狼族に乗っ取られる。

●烈牙
烈の八犬士。どんな小さい旋風でも竜巻に変える能力を持つ。
幼い頃に両親を無くしたが実は……。

●百鬼牙
乱の八犬士。蛇に見立てた鎧を着けた異形の狼。
一度も外界を見たことがない。

●襲牙
襲の八犬士。幼い頃に抜刀牙修得のため前片足を削って手槍とされた。
殺した者をコレクションするのが趣味。

●雷牙
斬の八犬士。3体に分身して攻撃する。
なぜ分身するのかはその体に謎がある。

●水牙
砕の八犬士。水中戦を得意とする。
その水中戦では泳ぎが得意な銀をも圧倒した。

●武痕牙
撃の八犬士。“鉄人武痕牙”。中国河南省生まれ。
中国拳法を使い、牙を使わず前足で戦う。
鋼のような体を持ち、凄まじい強さを誇る。

●風牙
絶の八犬士。かつて黄金戦士と呼ばれた程の戦士。
脱走した後は自らを追っ手から救ったリキに抜刀牙を教える。

●氷魔
滅の八犬士。霊魔の息子であり、烈牙からは若と呼ばれる。
霧を引き起こして、その中から攻撃する。

●呪
宮殿側の抜刀牙の師範。
そのためすべての抜刀牙の返し技を知っている。
兄弟共に髪を武器とする。

●霊魔
宮殿の長。
実力は本物で風牙を一蹴した。

■帝国

霊魔の祖先達が治めていた狼達の国。
活火山が近くにあり、辺りに溶岩の川がある。
帝国を知っている霊魔曰わくかなり地形が変わっているようだ。

●千竜牙(サウザンドドラゴン)
帝国門番。帝国前に巨大な狼の像を作っている。…どんな知能持ってんだお前は。
1000匹の部下を自在に統率することができる。

●呪牙
帝国側の抜刀牙の師範。
初代皇帝の頃から生きている怪物。
呪の兄である。

●ガイア
帝国皇帝。
八犬士が束になっても勝てない絶大な戦闘力と、卑劣な戦法で全てを蹂躙する最強の狼。





追記・修正抜刀牙!

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最終更新:2025年02月15日 09:16