登録日:2012/09/25(火) 22:06:19
更新日:2024/11/16 Sat 14:34:25
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『ジョジョの奇妙な冒険 Part2
戦闘潮流』とは、
荒木飛呂彦のロマンホラー漫画『
ジョジョの奇妙な冒険』の第2部。
サブタイトルは
『ジョセフ・ジョースター ―その誇り高き血統』。
【あらすじ】
ジョナサンの死後、単身アメリカに渡り石油王となったスピードワゴンは、科学や医療などの総合研究機関
「SPW財団」を設立し、
石仮面や
吸血鬼の謎について調査していた。
ある時、石仮面と関わりがあるとされるメキシコの遺跡を探索していたスピードワゴンは、1人の男が埋め込まれた奇妙な石柱と無数の石仮面を発見する。
調査を進めるうち、男たちが微弱ながら生体活動を行っていることが判明。
これにディオ以上の恐怖を感じたスピードワゴンは、チベットの波紋使い達の長となったストレイツォを呼び寄せ、柱の破壊を依頼する。
しかし、波紋法でも止めることの出来ない老いに恐怖を感じ、密かに不老不死の
吸血鬼への憧れを持っていたストレイツォは、遺跡の石仮面を見て突如乱心。
自分の弟子と財団の調査員を殺害し、最後に残ったスピードワゴンをも手に掛け、彼の血を用いて
吸血鬼と化す。
一方、ニューヨークには一人の青年の姿があった。
名前はジョセフ・ジョースター。彼こそがジョナサンの孫であり、正義の心と波紋の力を受け継いだ2代目JOJOだった。
スピードワゴンの死、そしてストレイツォの襲来を機に彼の運命は大きく動き出し、
やがては吸血鬼をも超越する究極の生命体『柱の男』との戦いに巻き込まれてゆく。
【用語】
◆スピードワゴン財団
石油を掘り当て巨万の富を得たスピードワゴンが設立した財団。
医療や化学技術の研究が目的だが、石仮面や
吸血鬼といった超常現象の調査も密かに行われている。
◆柱の男
2千年もの眠りから目覚め現代に復活した謎の生命体。
吸血鬼を遥かに超越するパワーを持ち、他の生物に触れただけで相手を捕食してしまうという特徴を持つが、
吸血鬼同様太陽の力に弱い。
サンタナを除き、それぞれ『流法(モード)』と呼ばれる独自の戦闘スタイルを持つ。
◆エイジャの
赤石
柱の男達が追い求める宝石で、彼らが太陽を克服するための鍵であるとされる。
浴びた光を結晶内で数億回にも渡り
反射させ、増幅した光のエネルギーを一点に集中して放射するという特性を持つ。
【登場人物】
波紋戦士達
◆
ジョセフ・ジョースター
ジョナサンの孫で、本作の主人公。
ジョナサンにそっくりな外見をしており波紋の才能も受け継いでいるが、
紳士的なジョナサンとは正反対の軟派な性格。
トリックや小道具を駆使した、相手の裏をかく頭脳戦を得意とする。
◆
シーザー・A・ツェペリ
ジョセフと共に戦う波紋戦士。
ジョナサンの師匠である
ウィル・A・ツェペリの孫。
キザな性格だが女性には優しく、特に師であるリサリサを女神のように慕っている。
シャボン玉に波紋を込める独自のスタイルで戦う。
◆
リサリサ
ジョセフとシーザーの波紋の師範。
波紋の達人である謎多き美女。
波紋伝導率を高めた特殊なマフラーで戦う。
名前の由来は「リサリサ&カルト・ジャム」のリサリサ。
◆メッシーナ
◆ロギンズ
リサリサの屋敷の召使いにして、ジョセフ達の師範代の波紋使い。
名前の由来は「ロギンス&メッシーナ」。ちなみにメッシーナは「ポコ」の初代メンバー。
作中では不遇なロギンズだが現実では映画『フットルース』『トップガン』の主題歌「フットルース」「デンジャー・ゾーン」が人気で彼の方が有名である。
柱の男たち
◆
カーズ
柱の男達のリーダー。
かつてその天才的な頭脳で石仮面を作り出した。
流法は『光』。両腕から生やした光輝く刃『輝彩滑刀(きさいかっとう)』で戦う。
名前の由来はロックバンド、「The Cars」から……他3人と比べるとマイナーとか言ってはいけない。
◆
エシディシ
柱の男の一人。
カーズとは盟友であり、対等の立場で接している。
流法は『炎』。500度にまで上昇した自らの血液で相手を焼き尽くす技『怪焔王(かいえんのう)』を使う。
名前の由来は言わずと知れたロックバンド、「AC/DC」。
◆
ワムウ
柱の男の一人。
カーズやエシディシよりも階級は下だが『戦闘の天才』と評される実力者で2人も一目置いている。
流法は『風』。両腕の回転によって真空波を起こす「神砂嵐(かみずなあらし)」が
必殺技。
名前の由来はジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジシーのコンビミュージシャン、「Wham!」。
◆
サンタナ
柱の男の一人。
ナチスの実験に利用され、他の3人よりも先に目覚める。
4人の中で最も地位が低く、流法も持っていない。
名前すら与えてもらっておらず、サンタナという名前はシュトロハイムが名付けた。
名前の由来はロックバンド、「サンタナ」。特にリーダーのカルロス・サンタナが由来だろう。
その他の登場人物
◆
ルドル・フォン・シュトロハイム
ナチスドイツの軍人。階級は少佐。
超能力やオカルトをも取り入れようとする軍の研究の一環として、『柱の男』の一人であるサンタナを目覚めさせる。
冷酷な男だが義侠心と愛国心は非常に高く、「ドイツの○○は世界一ィ!」が口癖。
◆
スモーキー・ブラウン
ニューヨークの街でスリをやっていた黒人の少年。
悪徳警官に脅されていた所をジョセフに助けられ、彼の友人となる。
名前の由来はスモーキー・ロビンソン。ジェームス・ブラウンもかも。
◆スージーQ
リサリサの屋敷の召使いの少女。
天然ボケの明るい性格。
名前の由来は「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」の「スージーQ」もしくはスージー・クアトロ。
◆
ストレイツォ
かつてジョナサンと共に戦った波紋使い。
波紋法による同年代のスピードワゴンと違い中年くらいの肉体を保っていたが、不老不死に憧れ、
吸血鬼と化す。
◆
エリナ・ジョースター
ジョナサンの妻にしてジョセフの祖母。
厳格な老婦人でジョセフを厳しくしつけるが、心優しい淑女な一面はそのままである。
◆ドノヴァン
シュトロハイムの部下。スタンド使いだといわれてもおかしくなさそうな男。
名前の由来は同名のミュージシャン。
◆鋼線(ワイアード)のベック
カーズの部屋の門番を務める
吸血鬼。体毛をとげ状に変化させて攻撃してくる。
「~ズラ」が口癖だが
「オーノーだズラ」と言ったのは彼ではなくジョセフである。
名前の由来はジェフ・ベックと、彼のアルバム「ワイアード」。
【余談】
- 『波紋編』の最終作にして、主人公が全編通して『JOJO』と呼ばれる最後の作品。
第3部『スターダストクルセイダース』以降、戦闘のメインは新要素『スタンド』となり、『JOJO』という呼び名も序盤でわずかに触れられる程度になる。
- 主人公であるジョセフが頭脳戦を得意とする策士タイプなこともあり、この部からバトルにおいて「純粋な力ではなく駆け引きや能力の相性が勝負を決する」というジョジョの醍醐味と言える要素が強くなって行く。
- その一方で、冷静に読むとジョセフだけが活躍している印象も否めず(名のあるボス格は全てジョセフが倒している)、団体戦を描く漫画としてはまだ発展途上だったといえよう。
- 第5部『黄金の風』までの「ジョジョ」はジャンプ掲載時に冒頭のキャッチコピーが使われていた。
読者から「2部を意識したコピーなのですか?」と質問があったこともあるが、これは作者ではなく編集が適当に付けたものであり、偶然一致したとのこと。
次にお前は『この項目を追記・修正してやるぜッ!』と言うッ!
アニヲタ「この項目を追記・修正してやるぜッ!…ハッ」
- サンタナを除く闇の一族は、荒木の『人間讃歌』が逆に仇になった感もある。人間を超越した存在なのにやたらと人間臭くなりすぎて、魅力的なキャラにはなったけど人類の天敵という桁違いの脅威は感じにくくなってしまった -- 名無しさん (2014-01-11 07:28:28)
- 確かに。 -- 名無しさん (2014-01-11 10:58:10)
- エイジャの赤石を巡る丁々発止はちょっと『ルパン三世 』っぽい。 -- 名無しさん (2014-02-21 20:16:49)
- ジョセフがあまりに金星上げすぎたな。シリーズ最強のスペックを誇る敵相手によくあれだけ立ち回れたもんだわ。 -- 名無しさん (2014-04-15 03:05:02)
- 戦闘潮流って、結局何なんだろう -- 名無しさん (2016-04-22 18:27:27)
- ジョセフの事でしょ -- 名無しさん (2017-04-03 02:11:30)
- いや波紋の事だと思う -- 名無しさん (2019-06-06 01:33:57)
- ワムウとエシディシのデフォルトカラーって青なんだな。黄と赤のイメージが強かったので意外 -- 名無しさん (2024-03-01 19:27:04)
最終更新:2024年11月16日 14:34