ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風

登録日:2013/11/26 (火) 17:44:28
更新日:2019/09/27 Fri 10:41:07
所要時間:約 5 分で読めます




このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!


黄金の風とは荒木飛呂彦のロマンホラー漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第5部。
スタンド(幽波紋)シリーズ第3弾。

第4部から2年後のイタリア・ネアポリスを舞台に、巨大なギャング組織「パッショーネ」の内部抗争を描く。
作中時間経過は推定僅か1週間足らずという、まさに風のように駆け抜けた外伝的な位置づけにあたる作品。

ちなみに舞台がイタリアなため、PARTではなくPARTE(パルテ)、JOJOではなくイタリア語風にGIOGIOと書く(イタリア語で発音するとJOJOはヨーヨーになってしまうため)。


主人公が何とあの宿敵DIOの息子という衝撃の設定で、(本編では)最後まで「ジョジョ」と呼ばれない。
コンセプトは『群像劇』、テーマは『運命の悲しさ』。

これは荒木先生が編集から『君の作品には悲しみが足りない』という指摘を受けたことがきっかけであり、
ジョジョは5部以降、『運命は決められており、切り拓くことすらあらかじめ決まったもの』という観念が支配的になる。
ただ、それでも『最初から決まりきったことだから諦めよう』というのではなく、
『真実に向かおうとする意志』を捨てずに生きていこうという『人間讃歌』が根底には流れており、
本作も多大な犠牲を払うことになるがラストは爽やかな後読感がある。

絵的にはキャラデザ・スタンド・背景の描き込みの細かさがこの部でひとつのピークを迎え、
非常にゴージャスかつスタイリッシュな雰囲気。これ以降マッチョな登場人物が激減したりもする。

バトル描写の過激さも歴代随一で、ギャングの抗争にふさわしい血なまぐさくバイオレンスな死闘が全編にわたって繰り広げられる。
目的のためならどんな犠牲も厭わない裏社会の住人が発現したものらしく、
スタンドも戦闘・殺傷能力に特化したものが多く、攻撃されていると気付いたときには
既に壊滅寸前・王手をかけられている、といったスリリングな展開もざら。

鳴り物入りで現れても最後はマヌケに取り乱してギャグ漫画のようにぶっとばされる敵が多かった従来とは一線を画し、
信念と覚悟を併せ持ったカッコイイ敵が多いのが印象的。個別のキャラ人気もかなり高い。

本作から体にまとうスーツ型のスタンドが登場する。

単行本では47巻の途中~63巻に収録されている。
なお、『ジョジョの奇妙な冒険』としての単行本刊行は63巻で終了し、次回作以降はシリーズ毎に単行本が刊行されるようになった。


ノベライズとしてParte5の中途を題材にした小説作品の『ジョジョの奇妙な冒険II ゴールデンハート/ゴールデンリング』と、Parte5の後日談を描いた『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』がある(両作共に別著者の作品であり、繋がりは無い)。

またゲーム化もされPS2で『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』が発売された。


2018年10月~2019年7月までTVアニメ版が放送。TVアニメは本作を以て第4シーズンを迎えた。
海外展開での混乱を避けるためか外国語表記は「JOJO's Bizzarre Adventure Golden Wind」と英語になっており、「GIOGIO」ではない。*1
ただし、予告で表示されるエンブレム等はしっかり「GIOGIO」表記になっている。
今回も第3部・第4部で見られた原作を補完するアニメオリジナルのシーンが要所に挿入されており、特にホルマジオの回想における暗殺チームの総登場は大きく話題を呼んだ。
しかし、総集編を3回放送したことにより放送枠で最終回の放送は出来なくなり、別の枠で最終回を放送することになった。

OP:
Fighting Gold/Coda
裏切り者のレクイエム/ハセガワダイスケ

ED:
Freek'n You/Jodeci
Modern Crusader/Enigma


【ストーリー】

ディオの息子ジョルノ・ジョバァーナは、ふとしたイザコザからギャング団「パッショーネ」の一員であるブチャラティと交戦する。
交戦中、ブチャラティが麻薬を垂れ流す自身の組織に不信を抱いていることをジョルノは見抜いた。そしてジョルノはブチャラティに対し組織を乗っ取り自らギャングスターになる野望を告白する。
ブチャラティは交戦中に感じたジョルノの気高き『覚悟』と黄金のような『夢』に賭けることを決め、「パッショーネ」の入団試験を受けさせるのであった……


【キャラクター】

ギャング組織「パッショーネ」

☆ブチャラティチーム(護衛チーム)

ネアポリスの下っ端ギャングだったが、ジョルノの加入を契機にリーダーのブチャラティが幹部へ昇進、『ボスの娘』を護衛せよという命がけの任務を負う。
タイプは違うが全員が若くてシャレオツなイケメンで構成されており、これはアイドルグループを参考にしたからとのこと。
過去に抜き差しならない事情から闇の世界で生きていかなくてはならなくなった彼らだが、奇妙な冒険を通し、見失った希望と正義に目覚めていく。

主人公。コロネ頭。15歳。
DIOの息子という異例の設定(肉体上の血筋では一応ジョナサンの息子・ジョセフの叔父にあたる)。幼いころに自分の心を救ってくれた名も知れぬギャングに憧れ、
汚職でまともに機能していない政治家や警察に代わって影から秩序をもたらす『仁の心を持ったギャング・スター』として街を浄化することを夢見る。
基本はサポート役で大人しいが、実際はジョースター一族の人徳と爆発力・DIOの冷酷さと場を支配する魔性のカリスマを併せ持つ歴代最強級のジョジョ。
スタンド能力は殴った物に生命を与える「ゴールド・エクスペリエンス」。後に『』に選ばれ……
息をするような自然さで爽やかにウソがつける危険人物。

もう一人の主人公。おかっぱ頭。20歳。
麻薬の取引現場を目撃し重傷を負った父を守るために組織に入った過去を持つ。
しかし、自身が忠誠を誓った組織もまた麻薬ビジネスに手を伸ばしたことを知り、それ以降は絶望から死んだように生きてきた。
当初は刺客としてジョルノを襲ったが、彼の黄金のような夢に賛同し、影の同志となる。
他人に厳しく接するが根は良い人で、仲間だけでなく周囲の人からも絶大な信頼を寄せられ、自らの命を犠牲にしてでも任務を遂行する覚悟を併せ持つ。
初登場時の変態にしか見えないキモ顔は黒歴史
スタンド能力は殴った物体にジッパーをひっつけ、自由に分離・接合させる「スティッキィ・フィンガーズ」。
汗をなめることで相手のウソを見抜く特技を持つ危険人物。

元汚職警官という異色の経歴を持つギャング。20歳。
過去の出来事から他人を信用せず、単に上からの命令を遂行する兵隊として死に場所を求め続けるニヒルな男。
最後までジョルノに心を開かなかったが、信頼を置ける人間には自身を犠牲にしても従う義理堅さを持ち、その胸の内には警官だった頃の正義の心がくすぶっている。
スタンド能力は過去を再現させる「ムーディー・ブルース」。
気に入らない新入りに自身の特製ティーを飲ませようとする危険人物。

チームのムードメーカーで腋臭のラッキーマン。射撃に天性の資質を持つ。18歳。
極めて前向きな性格で、逆境に置いても必ず自分は助かると考えるタフな男。
だが、数字の『4』絡みの事件でギャングに落ちぶれたという経歴から『4』が絡むと途端に弱気になるという弱点がある。
スタンド能力は撃った弾丸の軌道を操作する6人で1チームの「セックス・ピストルズ」。上記の理由から4番は存在しない。
観光地のど真ん中で発砲して開き直る危険人物。

無邪気で少年らしい性格。17歳。2桁の掛け算もまともに解けないほどのド低脳腐れ脳ミソだが、
戦闘では機転が効き、仲間のために我が身を省みない熱さとガッツを見せる。
スタンド能力はプロペラ戦闘機型の「エアロスミス」。二酸化炭素を探知するレーダーを持ち、その索敵機能は大いにチームに貢献した。しかしラストバトルでは……。
バカにされるとキレてナイフを振り回す危険人物。

IQ152の天才でチームのブレイン。16歳。若年ながらチーム内ではリーダーのブチャラティに次ぐ古参メンバーである。
参謀格のポストがジョルノと被る・ジョジョ恒例の能力が強すぎて使いどころがないなど、本編では不遇な扱いだった。
このような経緯からか、公式二次創作では出番が増えたり主人公になったりする。
スタンド能力は殺人ウイルスをばらまく「パープル・ヘイズ」。
丁寧な物腰をしているが、突発的にキレて凶暴性をむき出しにする悪癖のある危険人物。

謎に包まれたボスの娘。15歳。ボスの秘密を探る暗殺チームに狙われているため、ブチャラティチームが護衛を引き受けることになった。
複雑な境遇や、慣れぬ環境に放り込まれた反動から初めは高飛車な態度をとっていたが、
命をかけてまで自分を守ろうとする姿を見続けたことで精神的に成長してスタンド能力が覚醒する。
後の空条徐倫やルーシー・スティール、広瀬康穂らに続くジョジョにおける『タフで行動的な美少女』系キャラクターの草分け的存在。
スタンド能力は物を柔らかくする「スパイス・ガール」。


■暗殺チーム

麻薬の利権と粛清された仲間の復讐を目的に組織を裏切った反逆のスタンド使いたち。
トリッシュを利用してボスの秘密を探ろうとする。目的達成のためなら手段は選ばない冷酷な殺し屋だが、
彼らなりの誇りと美学を供に明日なき道を行く姿に敬意を示すファンは多い。

暗殺チーム一番の刺客。 「しょ~がねえ~なぁ~っ」 。
スタンド能力は切りつけた相手を小さくする「リトル・フィート」。

鏡の中に世界なんて……ありました。最期がかなり悲惨な人。
スタンド能力は鏡の中に世界を作り出す「マン・イン・ザ・ミラー」。

俺たちの兄貴。やってることは虐殺そのものだが、世界三大兄貴の最有力候補に挙がるほどカッコいい。
スタンド能力は自他を急激に老化させる「ザ・グレイトフル・デッド」。

兄貴の子分。今作では貴重なヘタレ枠だが、とある出来事で成長。能力は地味にチート。
スタンド能力は釣り竿型の「ビーチ・ボーイ」。

ディモールト・ド変態。
スタンド能力はその変態っぷりに見合った自動操縦タイプの「ベイビィ・フェイス」。

変な事にキレる変人。余りの変人ぶりに外国版の翻訳に苦労したそうな。
スタンド能力はスーツのような極低温スタンド「ホワイト・アルバム」。

暗殺チームのリーダー。実は根は良い人。
スタンド能力は鉄を操り暗殺・拷問向きの「メタリカ」。

  • ソルベ
  • ジェラート
できてるんじゃあないかって感じのコンビだった。
2年前ボスの正体を掴もうと独自に動くも、見せしめとして無残に殺された。
ソルベは生きたまま足から輪切り&ホルマリン漬けにされ、ジェラートはそれを見せつけられたショックのあまり猿轡を飲んで死亡した。

■ボス親衛隊

ブチャラティ達を始末するために刺客として放たれたボス直属の部下。

最初に現れた親衛隊の二人。いつも一緒にいる。
スタンド能力はそれぞれ憑りついて嘘つきにする「トーキング・ヘッド」と潜水するサメのような「クラッシュ」。

  • カルネ

親衛隊の切札。最低のゲスその1。
スタンド能力は残酷無比なカビをバラ撒く「グリーン・ディ」。

いつもチョコラータと一緒にいる。最低のゲスその2。
スタンド能力はあらゆる物をドロ状にする「オアシス」。


■それ以外のメンバー

  • 涙目のルカ
パッショーネの一員で空港をシメている。過去の傷跡の後遺症から常に涙目で、マイスコップを持ち歩いている。
そのスコップを自分の頭にブッこまれるという謎の変死を遂げる。

ネアポリスを統括するパッショーネの幹部であり、ブチャラティの上司。
パッショーネ入団を望むジョルノに入団試験を与える。
スタンドは影に潜む「ブラック・サバス」。

パッショーネのメンバーの一人。ポルポの隠し遺産を強奪するためにブチャチームに襲い掛かる。地味にブチャチームを最も追い詰めた大した奴。
スタンド能力はコンドームみてーに物を潰す「ソフト・マシーン」。

パッショーネのメンバーの一人。ポルポの遺産を強奪して幹部になるために、相方のズッケェロ共々ブチャチームに襲い掛かる。
スタンド能力は物体を固定する「クラフト・ワーク」。

  • ペリーコロさん
組織の幹部の一人。小柄で斜視の入った老人。
スタンド能力は持たないが、組織に忠実な人物でメンバーからの信頼も厚い。

ボスがブチャラティ達に与えた、独自のスタンド能力と甲羅に鍵状のくぼみを持つ亀。
同じくボスからの指令で手に入れた鍵をくぼみにハメこむと、背中に部屋を作り出すスタンドが発動するようになっている。

「パッショーネ」のボスからの電話を受けて行動する気弱な少年。
しかしその正体はボスの最大の隠れ蓑


□その他

康一くんにDIOの息子の細胞サンプルの採取を依頼する。
康一くんの回想と電話越しのシーン以外は登場しない。

承太郎に依頼されてジョルノを探すためにイタリアを訪れたところから物語は始まる。
ヘブンズ・ドアーの能力を受けてイタリア語がペラペラになっている。
これまでのジョセフや承太郎のような、前の部からの橋渡し役だが序盤でフェードアウトした。

  • 名も知れぬギャングの男
自分の命を救ってくれた幼いジョルノに恩返しをし、
結果的にジョルノが「ギャング・スター」に憧れるきっかけを作った男。

  • ドナテラ・ウナ
トリッシュの母。故人。
15年前にディアボロと付き合っていたが、トリッシュが生まれる前に別れてしまい、本編開始以前に亡くなるまで娘と2人で暮らしていた。

  • アバッキオの同僚
アバッキオの行動が原因で殉職した、彼の警官時代の同僚。
物語が進んだのち、何故かアバッキオの前に姿を現す。

かつてのジョースターエジプトツアー御一行の一人。第3部終了後独自に弓と矢の追跡調査を行っており、調査の中でパッショーネについて触れてしまい、ディアボロと交戦。再起不能になってしまった……が?
スタンドは言わずと知れた「シルバー・チャリオッツ

前日譚にあたるエピローグにのみ登場する、一般人(彫刻家)のスタンド使い。
彼のスタンド「ローリング・ストーン(ズ)」は、この第5部のメインテーマを象徴するものとなっている。




To Be Continued
Part6


追記・修正は月・水・金

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