へんげのどうくつ

登録日:2011/12/10 Sat 23:23:23
更新日:2025/10/07 Tue 15:21:38
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おおむかしから この なまえで

よばれて いるが… この なまえで

よばれている わけを しっている

ひとは もう そんざいしない。

へんげのどうくつとは、『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』のナナシマにある6の島北端に位置する外れの島の洞窟で、
エメラルド』では殿堂入り後に103番道路(カイナシティ側から徒歩で赴ける東エリア)に人知れず出現する洞窟である。

カントー地方のナナシマとホウエン地方の2ヶ所に存在しており、その名の通り、出現するポケモンがランダムで変わる奇妙な洞窟である。




























……というのは嘘です。そうだったら良かったのに。


実はこの洞窟、それっぽく意味ありげな名前ではあるが実は何もなく(アイテムの一つすら落ちていない)、出現ポケモンもLv10台前後のズバットだけである。
洞窟内部の構造もFRLGとエメラルドで共通(いわゆるコピペだがマップチップだけは異なっている)。

一応ズバット(素早さ+1)だけしか出現しないのを利用して、努力値稼ぎに利用できなくもない。
(ただしファイアレッド・リーフグリーンなら1番道路に出るポッポ(素早さ+1)・コラッタ(素早さ+1)で十分なので、へんげのどうくつに行く理由は全く無かったりする)

作中における周辺住民や付近のトレーナーで洞窟の存在について触れる者はまるでおらず、唯一触れているのはFRLGで登場するロケット団の男性下っ端くらい。
彼は珍しいポケモンを求めてやって来たようだが、ズバットしか出なかったためか期待はずれだったようである。その後、憂さ晴らしでバトルを仕掛けてくるが蹴散らしてやろう。
勝利後に再度話しかけると「なー、お前珍しいポケモン見なかった?」とフランク気味に聞いてくる。知らんがな
なお、この男性下っ端はロケット団倉庫にいる男性幹部を倒すと他の団員達と同じく姿を消してしまうので、会いたい場合はその前に赴くように。

エメラルドでは殿堂入り前だと103番道路の東エリアに赴いても洞窟の入口は無い。
しかしルビー・サファイアには無かった陸地が、いかにも怪しい岩場へと続くかのように僅かに増えているのが確認できる。
殿堂入りすると、この岩場の中央に入口が開き、そこからへんげのどうくつに入れるようになる。



どのように変化する予定だったのか?


本来は、一時期特定店舗で実施されていた無線通信サービス「ジョイスポット」により、
ゲーム内で受信できる「ふしぎなカード」で出現ポケモンを変更出来るイベントがあったらしいが、
なんやかんやでボツになってしまったらしい。
(ジョイスポットについての当時の資料→http://dengekionline.com/data/news/2004/9/1/577df7d8afda2bb7974b5e130f2aebc4.html

誤解されがちだがカードeリーダー+とは全く関係ない
(ソース→http://www2u.biglobe.ne.jp/~kakeru/pokemon_a/q_a.htm#11
誤解が広まってしまった理由は、ゲームが発売されたばかりで公式からの発表がなかった頃、ユーザー間で勝手に憶測がなされ、
後年になって情報が出揃ってもその憶測が修正されなかったためと考えられる。
(当時の憶測の一例→http://no2.pic.bz/bbs/?no=1&action=old&log=022&view=tt&thread=2141
データ解析のできる人でこれなのだから、一般人が真相を知ることは到底無理だろう)
ちなみに記載がある通りふしぎなカードそのものの配信はジョイスポットで行われていた。
また、このジョイスポットの仕組みは要するに「一般発売されていない特殊なGBA用カートリッジ」を利用した代物である。
理論上ではあるが現代でももし入手さえ出きれば一応配信は受け取れる仕組みであったりする。

これはDLCによる後付けのようなタイプではなく、ソフト内にフラグとプログラムだけは入っているため任意コードを用いれば本来想定されていた出現ポケモンの変更を行うことは可能。


どんなポケモンが登場する予定だったのか?


出現するはずだったポケモン達はメリープ・エイパム・クヌギダマ・ツボツボ・ヒメグマ・デルビル・オドシシ・ドーブルの8種類。
いずれもポケモンコロシアムにて先行解禁され、ファイアレッド・リーフグリーン双方だと生息地不明となっている貴重なポケモン達で、これらの内1種類をズバットの代わりに出現させられる仕様になっている。
エメラルドではいずれもサファリゾーンの拡張エリアや、バトルフロンティア内のアトリエのあなで出現・入手可能となったため、仮に実装されていてもエメラルドではあまり旨味は無かっただろう(というか、実装されなかったためエメラルドで補完されたと言うべきか)。

ツボツボの「きのみジュース」は第3世代だとFRLGの野生のツボツボだけが所持しているため、ここでしか手に入らず、解禁も補完もされなかったため入手不可能に。
…とはいえ没アイテム含めて呼び出せる任意コードを使っているなら、その時点で直接入手は容易だろうが。使い道については考慮しないものとする

なお、そんな彼らを倒す事で得られる努力値は以下の通り。
メリープ(特攻+1)・エイパム(素早さ+1)・クヌギダマ(防御+1)・ツボツボ(防御・特防+1)・ヒメグマ(攻撃+1)・デルビル(特攻+1)・オドシシ(攻撃+1)・ドーブル(素早さ+1)

出現ポケモンを自由に調整できていたならメリープかデルビルのどちらかで特攻の努力値稼ぎが安定したり*1、地味に稼ぎ辛い防御努力値をクヌギダマで振る*2などの応用が可能だっただろう。
HPだけ・特防だけを単体で得られる種族は出現しないが、HPは遺跡の谷にある水上(てんのあな付近の狭い水辺)でウパー(HP+1・FR限定)・マリル(HP+2・LG限定)を狩ればよく
特防はファイアレッド・リーフグリーンであればマサラタウンや19番水道などの水上でメノクラゲ(特防+1)狩りすればいいだけなので問題なし。
素早さについてもエイパムやドーブルを出さずとも従来のズバット(素早さ+1)や、前述した1番道路にてポッポ&コラッタ(素早さ+1)を相手にすれば問題ない。
……こうして見るとファイアレッド・リーフグリーンは特定のポケモンしか現れない=努力値稼ぎが捗るマップが中々に多い。

ファイアレッド・リーフグリーンは6のしまからへんげのどうくつまでが絶妙に遠いため大変不便であるが
エメラルドの場合は最寄りのカイナシティから野生ポケモンに出会う事なく徒歩でも自転車でも楽々アクセス可能なため、想定されていた方法から利用できなかったのが非常に悔やまれる。


「形だけ作っておいて一切使わず没にする」というのは第3世代ではよくある事だったが、開発者の方々には良い落としどころを見つけた上で実行してほしかったものである。

余談だが、FRLG・エメラルド対応のカードe+は発売されていて、読み込ませるとトレーナータワー(FRLG)・トレーナーヒル(エメラルド)を拡張することができる。


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最終更新:2025年10月07日 15:21

*1 ファイアレッドならセキチクシティの池の水上でコダック(特攻+1)狩りが出来る。リーフグリーンの場合、ポケモンタワーでゴース(特攻+1)&ゴースト(特攻+2)狩りが出来るが、時折カラカラ(防御+1)が現れるのが地味に邪魔。

*2 こちらもファイアレッド・リーフグリーンなら21番道路の草むらにてモンジャラ(防御+1)で振れる。