登録日:2010/06/18(金) 01:08:50
更新日:2024/11/21 Thu 00:31:48
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『
ポケットモンスター ルビー・サファイア』(
Pokémon Ruby / Sapphire)とは、
ゲームボーイアドバンス(以下GBA)用のゲームソフト。
日本では2002年11月21日に発売された。
■概要
あの『
ポケットモンスター金・銀』に次ぐ待望の『
ポケモンシリーズ』第三作品目である。
ちなみに日本語版ロゴの下に書かれている英語表記が「pocket monster」から「Pokémon」になったのもこの作品。
新・ポケモン、はじまる。
見たこともないポケモン。
謎が深まるストーリー。
2対2のバトル。
新しい冒険が、ここから始まる。
ゲームボーイアドバンス
ポケットモンスター ルビー
ポケットモンスター サファイア
本作の開発は2000年の『
クリスタルバージョン』の発売時から始まっており、2001年3月7日に本作の発売決定が告知された。また2001年当時本作は 「ポケットモンスター
ゲームボーイアドバンス版(仮)」と呼ばれていた。
他のシリーズと比べて最初のパートナーによる難易度の差異は少なめ。
ハードが当時の最新機種であるGBAに移ったためグラフィック面の性能が大幅に向上しシリーズ初の完全カラー化に成功。
他にも
という新しい遊び方が追加される等システム面が大きく向上している。
また、
個体値と
努力値の仕様が第二
世代以前から大幅に変更され、後の世代でもお馴染みの仕様となった。
その関係で特攻と特防がシステム的にも完全分離し(第二世代では第一世代と互換性を保つ関係上、個体値に関しては「特殊」のままだった)、新しくキトサンが登場した。
ただ本作では技の物理・特殊はまだタイプごとで統一されている。
冒険の舞台は九州地方(
沖縄県含む)をモチーフとした
ホウエン地方。
このホウエン地方は前作までの
カントー・
ジョウト地方からかなり遠い場所にあるという事になっており、前作までのポケモンも生息していないものが多数いる。
本作と同じ第三世代の作品群で、カントー地方が舞台である
FRLGと同じポケモンも生息しているが、
風土が違うためか覚えるわざ・わざを覚えるレベル・野生ポケモンの持ち物といったものが異なっている。
このことはワンナップ著の公式
攻略本でも取り上げられている。
預かりシステムの管理人は
マサキの友人であるマユミ。
また、
ボックスに1500匹のポケモンを預けられるGC用ゲームソフト 『ポケモンボックス ルビー&サファイア』には、彼女の姉であるアズサが登場している。
本作で
主人公と敵対するのは前作の
ロケット団のようなマフィア的存在が悪の組織でなく、
海を増やすのが目的の
アクア団と大地を増やすのが目的の
マグマ団という環境保護団体となっている。
詳しくは
マグマ団/アクア団を参照。
また、『ルビー』ではマグマ団が、『サファイア』ではアクア団が主に敵対組織として登場(片方は味方として登場)し、
バージョンごとに微妙にストーリーが異なるのも特徴(どちらも大筋は変わらないが)。
その様々な変更点から、あらゆるポケモンシリーズでも高い評価を得る…と思いきや、発売前後は主に第二世代作品までのファンからの評価があまり良くなかった。
その理由の最たる物としては、
過去作品との互換性が一切無くなり通信が出来なくなったという事であろう。
これは努力値・個体値の仕様と通信の内部仕様が変わったため。
ちなみに通信の仕様はそもそもGBAとGBは繋ぐことが出来ない。その為もし努力値などの仕様が前作から変わらなかったとしても互換切りは発生していただろう。
このため『ルビー・サファイア』には登場しない過去作のポケモンの入手はしばらくお預けとなった。
前作までのパートナー達との交流が完全に途絶える事で多くのトレーナーが悲しみに暮れたとか…
ただ、
バグポケが通信で送られてくる心配がないという面も少なからずあると思われる。
しかしいずれ集結させることを見越して、過去作のポケモンも内部データ上では存在しており、後に発売されるFRLGや『
ポケモンコロシアム』との通信で入手可能となっている。
技術面で実現が困難なのでどうしようもない話とはいえ、思い入れはそれよりも遙かに強いものであり、新たに育て直しになる事や、続編を売る為の鬼畜商法とも取れる点から、納得がいかないファンは少なくなかった。
また他にも問題点として
- 金銀のようにクリア後に他地方に行けず、ストーリーが金銀と比べてボリューム不足(サントラのブックレットによれば行く方法は秘密、という扱い)
- 他シリーズと比べて海が多めで、波乗り移動が面倒になりややストレス
- オダマキ博士の子供であるライバルの扱いが微妙(ライバルというより先輩)
- 時間システムの劣化(夜にならない)
- 個体値・努力値の仕様が変わり、更に性格の要素も加わったため、仕様を理解している人としていない人との差が広まった
等が挙げられる。
本作はちょうどインターネットが本格的に普及し始めた時期に発売された事もあり、良くも悪くもプレイヤーの意見が可視化されるようになったとも言える。
また第一世代の頃にポケモンを始めたプレイヤーの多くが年齢を重ねてポケモンを離れていったこともあって、当初はこのままポケモンそのものが展開終了になるのではないかという危機感まであった。
一方で、対戦環境は第二世代のような耐久偏重や第四世代のような火力偏重になっておらず、非常にバランスが良いと言われている(
アブソル等のバランス取りは難しいが…)。
そして戦闘中のテンポの良さも当時はシリーズ中ナンバーワンと言われている。
タイプごとで物理と特殊が決まっていた関係で、後の世代と比べて使う技が全然違うのも見所かもしれない、
また、マップが自然豊かであり全体的なギミックも当時としては斬新。その他、
BGMの評価も高めで、全体的に金管楽器と打楽器を中心とした楽曲が多い。
「ひみつきち」の地味な楽しさや、『クリスタル』では
モバイルアダプタGBが無いと遊べなかった「バトルタワー」がオフで実装されたのも評価が高い。
加えてそれまで非常に煩雑……というか面倒だった育成システムを大幅に簡略化して廃人の敷居を大きく下げ、育成に個性を出せるようになったのも評価できる。
まあそれら込みでも育成時間という点を除けば歴代で一番育成が困難な環境だったりするが。
このような理由から、発売後から時が経つに連れて評価は安定した物になっていった。
総合的に見て、金・銀に続く後継タイトルとしての役目は十二分に果たしたと思われる。
ちなみにシリーズのお約束に近いがやはり増殖バグの系統は存在している。当時のあまりにもあんまりな仕様から使いたくなった人はそれなりに多いと思われる。
■ポケットモンスター エメラルド
グラードンとカイオーガが激突するとき、
天空を切り裂き、レックウザが目を覚ます。
2004年9月に発売されたマイナーチェンジ版。
FRLGと同様にワイヤレスアダプタにも対応している。ちなみにFRLGの教え技も全て本作でも教えて貰うことが出来る。
ストーリーが
アクア団と
マグマ団の両方に敵対する形に変更され、一部
ジムリーダーや演出(ムービー)等も変更されている。
なお、何故か
マグマ団のカガリがいなくなっている。
そして何よりバトルタワーが
バトルフロンティアという様々なルールで遊ぶ事の出来る施設に変更され、
個体値判定の出来る人物や努力値を下げる
きのみが追加される等、やりこみ派の人間に非常に優しい仕様となった。
かわらずのいしによる性格遺伝・シンクロによる性格固定というこれまた後の世代でお馴染みの仕様が可能になったのも『エメラルド』から。
そのため、主に廃人達から非常に高い評価を得た。
しかし本作では固定シンボルにはシンクロは無効であり、後年の厳選のやりやすさからみたらあり得ないレベルの
鬼畜仕様だが……
ちなみに『エメラルド』は対戦の奥深さ・そのやりこみの楽しさなどから、第三世代の作品群の中でも最高クラスの評価とされている。
2022年現在でも中古販売価格はかなり高い。
また、実はGBAの第三世代で唯一「徘徊ポケモンが低個体値にしかならないバグ」が修正されているソフトでもある。
ようするに無限のチケット無しでマトモな個体値のラティ兄妹が入手可能。厳選自体は面倒だが。
ちなみに『ルビー・サファイア』に存在していた増殖バグは修正されたが新しい増殖バグが存在していたりする。金銀のコピーバグより遥かにお手軽である。
それに加えてとある致命的なバグがやはり存在しており、『エメラルド』でも任意コード実行が可能だったりする。
■リメイク
『
ハートゴールド・ソウルシルバー』以降、日本でのポケモン新作は
土曜日発売がお約束と考えられていた中、土曜日ではない11月21日が選ばれた理由は…この記事を最初から読めばもう分かるだろう。
■余談
本作は
- ちょいワルトレーナー(ぼうそうぞく/スキンヘッズ等)、(トレーナーとしての)けんきゅういんが一切登場しない
- 町と道路を繋ぐゲートが存在しない
- 新手の600族が2種登場する
- マニア系トレーナーの登場数が歴代最多(いせきマニア、オカルトマニア、かいじゅうマニア、こんちゅうマニア、ポケモンコレクター)を誇る
作品だったりする。
●時系列の謎
本作は時系列上どこに位置しているのか明確でなく、度々プレイヤーの間で考察されてきた。
以降の本編作品で断片的に推測できる要素が出てきているものの、どれも決定的なものではない。
そんな中で最も有力な説は、FRLGとほぼ同時に進行しているというもの。
そしてリメイク発表の2014年5月7日、金銀からシナリオやキャラクター設定を担当する松宮稔展氏が
であることをTwitter上で明かしている(このツイートは現在は見られない)。
つまり、書き換えると
赤緑青ピカ(FRLG)≒RSE(ORAS)→金銀クリスタル(HGSS)≒DPt→BW→BW2≒XY
となる。
(厳密には、リメイク前の初代と金銀については今の世界観から外れている)
また、そのツイートの直後に
(´-`).。oO(てへ、海野さんと焼酎飲んでて、ニアイコール、まちがえちゃった!
とつぶやいている。
追記・修正はホウエン地方からお願いします。
- 3.11の震災がなければもっと早くリメイク来てたんだろうか。少なくともBWのマイナーチェンジより早いよりは先だと思ってた。 -- 名無しさん (2014-08-22 13:25:12)
- そろそろポケモンはやめようかと思ったけどYouTubeでCMのBGM聞いて懐かしくなって購入決定した -- 名無しさん (2014-10-10 09:59:36)
- そう言えば一応リメイク元からポケモン持ってこれるんだよな。手間がかかるが -- 名無しさん (2014-10-26 00:57:45)
- 時間軸はどうやらプラチナとBWよりも過去で確定みたい。FRLG~HGSSの間ぐらい? -- 名無しさん (2014-11-22 21:59:26)
- 発売されたの12年前なのね。 -- 名無しさん (2014-11-23 12:47:53)
- ゲームボーイ 引き継がれない・・・か。 ゲームボーイを投げたこともなかった。 -- 名無しさん (2014-11-23 13:52:22)
- 最初のパートナーによる難易度の差異は少なめってアチャモ選ぶときついぞ。後半は海だしジムリや悪の組織と相性悪いしグラカイも不利。 -- 名無しさん (2014-11-24 23:33:32)
- ミズゴロウ -- 名無しさん (2014-12-05 17:11:47)
- なんだかんだ炎格闘あると便利、これまでのチコリータ、ヒトカゲみたいな不遇御三家よりアチャモはずっといい -- 名無しさん (2014-12-06 01:33:34)
- 後半は、ね 前半で夢想させれば十分いける 今エメラルド2本目をキモリでやってるけど、こっちの方がきつい -- 名無しさん (2015-01-02 20:33:25)
- リメイクはもはや別物といってもいいくらいだけどな。 -- 名無しさん (2015-07-15 21:33:36)
- MAX510の努力値と性格が導入された今の仕様が出来上がった作品だけど、技の物理・特殊の分類はタイプ毎のまんまだったのが残念。技の一つ一つに設定する容量がなかったのかな? -- 名無しさん (2015-10-28 19:19:13)
- ↑わかるわかる。今プレイしても十分面白いけど、技の物理と特殊がタイプ毎に決まってるから窮屈だよね。しかも複合タイプのポケモンに限って、物理と特殊の両方のタイプを持ってるから育成に悩む。 -- 名無しさん (2015-11-03 22:48:19)
- 種族値とタイプがまったく噛み合ってないポケモンも多かったよな。物理ゲンガー、三色拳フーディン、シャドボ唯一王なんてのも当時ならでは -- 名無しさん (2016-07-14 04:21:23)
- 初めて買って遊んだポケモンでキモリ選んだから最初以外ほぼ苦戦したな -- 名無しさん (2016-10-25 23:34:13)
- エメラルドリメイク作ってくれぇ!そして中国四国に行けるようにして -- 名無しさん (2017-05-13 02:16:51)
- 中国四国に行けるよりも中国四国地方が舞台(多分正確には瀬戸内だけだろうが)のが出そう。もしくは外国の波に乗って中国(香港辺りが有力か)そのものが舞台になるか。 -- 名無しさん (2017-05-13 03:14:26)
- 荒らしコメ削除 -- 名無しさん (2018-03-29 15:37:50)
- ↑×2 中国四国は同人ゲームで作られたからできないとか噂で聞いた。 -- 名無しさん (2019-02-12 08:57:56)
- 金銀までのファンからの評価はあまり良くなかったって言うけどどこ情報?そんな話聞いたことないぞ。むしろポケモン世代にとっては金銀に次いで評価されてる作品。 -- 名無しさん (2019-11-26 06:15:13)
- ↑2 中国・四国地方、東北地方は同人ゲームで作られたけど、何気に本家並みにクオリティが高いって言われてるよな。東北が舞台の同人ゲームの動画をyoutubeで見たけど一瞬新作かと思ったんだよな。 -- 名無しさん (2020-11-11 23:39:15)
- ドードリオ、サイドン、ラフレシア、キュウコン、ギャラドス、ライチュウorマルマインでカントー統一とかやったな。通信環境があればフーディンもアリ。御三家は抜くので何でもいいがアチャモを選べばひのこのみ追加効果があるから進めやすいのと、パパ戦が楽になるよ。 -- 名無しさん (2021-08-07 11:22:05)
- 良作なのか名作なのか不遇の名作なのかはっきりしろ -- 名無しさん (2021-10-25 00:25:01)
- ↑良作と名作と不遇の名作は全部成立すると思う。良作名作なのは言わずもがなだけど、発売直後の評判がイマイチだったって点で名作の中でも不遇って意味だろうし -- 名無しさん (2022-11-07 18:51:21)
- 第三と第四はシステム的には殆ど延長線上なんだけど物理特殊区分がタイプ決定なのと完全分離の違いでそういう意味では環境が割りと異なるのが面白いよね -- 名無しさん (2022-11-07 19:16:49)
- ルビサファはポケモン世代ならご存知の通り普通に名作。評価が今一どころかひみつきち等の新要素が面白すぎて一番嵌ったという人も多い。むしろ不評なのは中より外の方で、GBA専用だから親にハード+ソフトで1万4千出して買って貰えない子が多かったのが大きい。過去作との互換がないのも慣れれば気にならなかったし。 -- 名無しさん (2022-12-18 18:01:09)
- オープンワールドではないけどルビサファのホウエン地方はフエンタウンやルネシティ、サイユウシティ以外は街と道路を繋ぐゲートがないから何気にほぼ全てのフィールドが繋がってるんだよな。 -- 名無しさん (2023-01-02 12:10:06)
- ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2023-01-02 21:30:14)
- コメントをログ化しました -- (名無しさん) 2023-04-28 10:12:51
- 金銀時代の好きだったポケモンが軒並み使えなくて、そのくせバトルタワーの相手トレーナーはこっちが入手できない金銀赤緑のポケモンを普通に使ってくるのが気に入らなかった…ような記憶があるんだけどバトルタワーの相手トレーナーって使ってきたっけ? -- (名無しさん) 2024-05-15 19:49:21
最終更新:2024年11月21日 00:31