登録日:2010/08/18 Wed 16:28:58
更新日:2025/10/29 Wed 10:57:13
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『
ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』(
Pokémon FireRed & LeafGreen)は、2004年1月29日に発売された
ゲームボーイアドバンス(以下GBA)用の
ゲームソフト。
【概要】
今や世界的に有名な『
ポケットモンスター』シリーズ、その始まりであるゲームボーイ用ソフト『
ポケットモンスター 赤・緑』をGBAでリメイクしたもの。
タイトルからも分かる通り、
ファイアレッドが赤、
リーフグリーンが緑に相当する。
海外では初代はRedとBlueが発売されていたが、本作は海外でもFireRedとLeafGreenである。
ストーリーはリメイク前とほぼ同等で、冒険の舞台はお馴染み
カントー地方。
【追加・変更要素】
システム周りは『ルビー・サファイア』を基本に作られており、リメイク前には無かったポケモンごとの「
特性」が追加され、わざマシンと
ひでんマシンも変更。
更に
努力値等のシステムも同等に変更されている。
時計機能は搭載されていない。その関係で本作だけで
ポケルスが付くことはないものの、ホウエン地方からポケルス付きのポケモンを持ち込むことは可能。
ポケルスを他のポケモンに移す事もできないが、ポケルスが日数経過で消える事もない。
追加要素としては「
ナナシマ」と呼ばれる七つ島から構成される新マップがある。
ストーリーには関係しないものの、クリア後には金銀の一部ポケモンの捕獲が可能となっている。
タマゴ厳選もここで可能。
あの
ファイヤーの生息地はナナシマに変更されている。
ただ、出現するポケモンが変化するという「
へんげのどうくつ」や、ルビサファで入れた「開かずの扉」は、
実質的に没イベント扱いである(後に発売されたエメラルドも同様)。
ちなみに、7のしまにある「アスカナいせき」は「
七草」のアナグラムであり、7つある石室もそれぞれ春の七草のアナグラムになっている。
本作ではストーリーをクリア(殿堂入り)し、一定の条件を満たす事で入手できるぜんこく図鑑まではリメイク前の151種以外のポケモンは一切出現せず、他のソフトから連れてくる事すら出来ない。
第二世代以降で新たに
進化可能になったポケモン(ゴルバット、ラッキー等)も一定の条件を満たすまで、進化しようとする度に強制的に進化キャンセルが起きる。
また、一部出現ポケモンの出現率や出現場所も変わっており、ポケモンが覚える技やそのタイプも変更されている。
オーキド博士や
ジムリーダーなど主要な人物の噂を登録しておける「ボイスチェッカー」や、
屋外にて戦ったことのあるトレーナーと再戦できる「バトルサーチャー」など、魅力的な新アイテムもいくつか追加されている。
他のシリーズには実装されなかったが「おしえテレビ」が登場したのも、この作品。テレビのおにいさんもコレが初出である。
 
本作『FRLG』では、第一世代でわざマシン技になっていた技の一部が技教え人を通して習得が可能に。
「メガトンパンチ」「メガトンキック」「いわなだれ」「でんじは」「だいばくはつ」「すてみタックル」「つるぎのまい」等々……初代こと第一世代を遊んでいたプレイヤーには懐かしく思える技ばかり。
これらの技を教えてくれるNPCはカントー各地やナナシマにおり、出会って話しかければ教えてくれる。
教えてもらうのに対価は不要だが、これらの教え技の利用は使い捨てのわざマシン同様にそれぞれ一度だけ。
一度教われば、そのデータでは二度と教えてもらえない(教わる前に事前警告有り)。なのでポケモンに覚えさせる場合はよく考えてから決めよう。
本作の教え技は後に発売された『エメラルド』でも受け継がれており、「いわなだれ」や「つるぎのまい」等、大半の技はBPと引換に何度でも教われるようになった。
ただし「だいばくはつ」や「すてみタックル」のように、『エメラルド』側でもNPCから一度だけしか教えてもらえない技も一部存在する。
- 過去作との互換性および入手できなかったポケモン達の解禁
『ルビー・サファイア』等の他のGBAシリーズやGC作品『
ポケモンコロシアム』『ポケモンボックス ルビー&サファイア』等との通信も可能。
ただし、これらのソフトと通信する場合はぜんこく図鑑を入手し、殿堂入り後のストーリーもきちんと終わらせる必要がある。
また、このイベント後、
四天王の手持ちが強化される。
また第三世代は第二世代以前との互換性が断絶された世代であり、『ルビー・サファイア』だと第一世代と第二世代のポケモンの多くが入手不可能となっていたが、
本作の発売によってそれらのポケモン達の多くが解禁・入手可能となった事でトレーナー達は歓喜した。
特に第一世代のポケモン達は
幻のポケモンであるミュウを除き、全て解禁となった。
…というか、始めからこれを買わせるために互換性を無くしたのではないかとも言われたりする。
まぁ互換性があったらあったで、
バグだらけの初代とデータをやりとりするハメになる訳で、
さらに言えばそもそもGBとGBAは根本的にハードとして異なる関係で通信自体が出来ないので互換切りは当然なわけなのだが……
そもそも、ありとあらゆる方法を駆使して、本作から
第九世代までの
一方通行の経路が繋がっている時点で(いい意味で)おかしい。
なお、本作に現れる第二世代のポケモンは約2ヶ月前に発売された『ポケモンコロシアム』側の顔を立てるためか、一部の種族しか捕獲できないようになっている。
クヌギダマ系統やデルビル系統など野生出現すらしないポケモン達をGBA版だけで入手したいプレイヤーは既に持っているプレイヤーから分けて貰うか『エメラルド』の発売まで待つ事となった。
付属品としてワイヤレスアダプタが同梱されており、GBA同士で無線通信が可能に。
本作での導入がきっかけとなり、『エメラルド』でもワイヤレスアダプタ対応、第四世代以降もすべてワイヤレス対応となった。
通信範囲はせいぜい互いの顔が見える程度の距離だが、ケーブルなしで通信できるため、屋外で遊ぶ際などに便利。
チャットなど通信限定の機能もある。
◆欠点
- ぜんこく図鑑を導入しない限り、第二世代以降のポケモン達の入手や通信制限がかかる
上記の追加・変更要素でもいくつか記述したが、本作はとにかく入手・通信制限が多い。
ポケモンの入手面に関しては「当時は150種類(厳密には151種類)しかいなかった」のを反映してか、第二世代および第三世代のポケモン達は最初は
存在しないものとして扱われているが、
殿堂入り後かつ一定の条件を満たすとオーキド博士が「カントー地方にはいない新種が続々発見されている」と急に宣い始め、
ポケモン図鑑をぜんこく図鑑にバージョンアップしてくれる。
…つまりはこのぜんこく図鑑が導入されない限りは他ROMから第二世代以降のポケモン達を連れてくる事ができず、なつき進化が用意されているゴルバットやラッキーは永遠になつき進化が行えないのである。
なお、当時はポケモンのタマゴも存在しなかったという設定も踏襲しているからか、ぜんこく図鑑入手後までタマゴを通信交換で入手する事も出来ない。
そのため、タマゴを持ってきて孵化し、好きなポケモンと最序盤から旅をするという従来の遊び方も不可能。
それだけではなく本作にはカントー地方(ファイアレッド・リーフグリーン)以外の地方との通信制限もかかっている。
本作は殿堂入り後かつぜんこく図鑑導入後に殿堂入り後のストーリーも終わらせないと、ホウエン地方が舞台の『ルビー・サファイア』『ポケモンボックス』やオーレ地方が舞台の『ポケモンコロシアム』等との通信が一切不可。
何故これらの作品との通信が最初出来ないのかは前述した151種類までという制限にひっかかるというのもあるだろうが、1のしまのポケモンネットワークセンターのイベントと絡める必要があったからではないかと思われる。
なお、この「カントー以外との通信制限」であるが、逆に言うと双方のロムで全国図鑑さえ持ってれば「既に他の地方と通信交換可能なFRLGから別のFRLGに第二世代のポケモンやホウエンポケモンを渡す」という二度手間な輸出ならば問題なくできる。
第二世代以降のポケモンにいち早く技教えを利用したい時や(仕様上強制的にダメ個体とは言え)ネットワークマシン完成と同時にサイレント徘徊を始める三犬の性格を厳選したい場合などには活用可能。
ここまで色々と述べて来た「ぜんこく図鑑」だが、これを導入するのにも些か…というか割と手間がかかる。
以下に導入条件3つを記す。
- ポケモンリーグで殿堂入りを果たす- 要するに一度エンディングを見れば良いだけ。簡単。
- なお、ぜんこく図鑑入手の条件を満たさずにポケモンリーグで殿堂入りするとマサラタウンへ戻った際にオーキド博士が現れる。
 この時、以下の条件2つも満たしていれば研究所でぜんこく図鑑にしてもらえるが、満たしていない場合は単に会話するだけで終わる。
 
- グレンじま経由で行くナナシマイベントを最後まで終わらせる- 一度行くと終わらせるまでカントー本土に帰って来れないが、一連のイベント自体は短めなのですぐに終わらせられる。簡単。
 
- ポケモン図鑑のつかまえたかずを60種類以上にする- ライバルのように捕獲を怠らずに進めていけば簡t…面 倒 く せ ぇ 。
 
…前者の簡単な条件2つだけならまだ良かったが、「図鑑のつかまえたかず60種類以上」を要求という周回プレイする上では邪魔としか言いようがない面倒な条件まで含まれてしまっている。
60種類というとカントー図鑑の40%を占めており、ポケモン集めが好きなプレイヤーも集める事に大して興味がないプレイヤーも同じ作業を強いられる。
幸い本作には道路などの屋外にいる野良トレーナーと再戦可能な「バトルサーチャー」でレベリングが比較的容易なので進化させて数を増やしたり、
何ならカントー各地の野生ポケモンを細かく捕まえていけば他ROMと通信交換せずとも60種類は超えやすいが…
この問題は前述の入手・通信制限にも大きく関わって来ることなので、強要される形でやらざるを得ないというのは面倒極まりない。
技教えは第二・第三世代に登場するポケモン達も利用・習得可能だが、彼らに教えさせる場合はぜんこく図鑑導入と上記の入手・通信制限の双方をクリアした上で送らなければならず、『FRLG』当時は非常に面倒臭いものがあった。
そんな環境下でも当時の廃人達ならアイテム回収等の片手間をこなしつつ流れ作業で周回プレイしてたであろう事は想像に難くない
前述の通り本作には時計機能が無いわけだが、
朝・昼・夜の概念そのものが無いため、本作ではイーブイをどれだけ懐かせてLVを上げてもエーフィとブラッキーには進化できない。
なのでこの2匹が欲しい場合は『ルビー・サファイア・エメラルド』のいずれかに
イーブイを送り、そちらで時間帯を合わせてなつき進化させなければいけない…のだが、
あっちはあっちで「ソフトの内蔵電池切れ」によって時計機能が停止していると片方の種族にしか進化できなくなってしまうという問題も。
現在では電池切れしてないソフトの方が珍しいので、今から第三世代を直に遊びつつ
エーフィやブラッキーを使いたい場合はメインロムの他に適当なサブロムも一緒に購入した方が良いだろう。
なお、エーフィとブラッキーはポケモンコロシアムとポケモンXDでも入手可能。こちらはゲームキューブとかソフトとか色々必要だが
前者は♂固定だが2匹同時に入手でき、後者は道具選択制だがソフト内で1度だけエーフィかブラッキーのどちらかに進化可能。
【評価】
あの初代ポケモンのリメイクだけあってその人気はかなり高く、GBAのソフトの中では『ルビー・サファイア』に並んでトップクラスの売り上げを誇る。
そしてアレンジを施された数々の
BGMも好評である。特に戦闘BGMは全体的に弦楽器調・打楽器調となっているのが特徴。
一方で、不満の声が挙がる点も少なからず存在。
本作はポケモン初心者や第一世代ぶりにポケモンをプレイする人達のためか、初心者にも優しい機能がいくつか搭載されているが…
そんなヘルプ機能ボタンが間違って押しやすいRボタンだったり、起動する度に「これまでのあらすじ」という名の前回プレイ時の回想が一々入る(Bボタンでスキップは可能だがオンオフの切り替えは不可)等、
全体的にお節介過ぎな感が否めないのも既プレイヤー的には地味に鬱陶しい。
対戦勢の視点で見ると、タマゴ孵化が異常にやりにくい、教え技の大半も補完できるなど、対『エメラルド』での立場が微妙。
しかし、一部のポケモンはホウエン地方に出現しない都合上『エメラルド』だけでは肝心のポケモンそのものが入手できない。
進化の石や
マスターボール、一部の技マシン(「シャドーボール」や「かわらわり」等)が入手しやすい等の利点もあるにはある。
ちなみにポリゴンがポリゴン2に進化するのに必要な「アップグレード」は第三世代内だと本作でしか入手できない激レアアイテムとなっており、落ちているのはロケット団倉庫の一つだけ。
ここはぜんこく図鑑にしないと行く事ができない場所のため、第三世代間でのポリゴン2はレア度も入手難度も高い進化後ポケモンだったりする。
【余談】
ちなみに同じ初代でも
青バージョンはリメイクされていない。
ピカチュウはともかく
カメックスは泣いていい。
しかし、エンディングでは旧シリーズのパッケージイラストの全種類が出ているので決してなかったことにしてるわけではない。
「……おや!? こうもくの ようすが……!」
「あれ……? こうもくの へんかが とまった!」
    
    
        
-  絶対アクアブルーとか出ると思ってたんだけどなぁ  -- 名無しさん  (2013-08-19 22:29:18)
-  イワークが岩技を使ってくるようになってヒトカゲだと更に苦戦するように・・・・・・  -- 名無しさん  (2013-08-19 23:22:00)
-  ↑そこでメタルクローですよ  -- 名無しさん  (2013-08-19 23:23:40)
-  ↑2硬くてロクに通らない  -- 名無しさん  (2013-08-19 23:27:02)
-  カスミのスターミー強すぎワロえない…ピカチュウで電磁波、カメールのかみつくでまひるみやって突破したぜ  -- 名無しさん  (2013-08-19 23:29:36)
-  キクコのゲンガーも浮遊&シャドボで弱点をつきにくくなってる。  -- 名無しさん  (2013-08-20 00:21:42)
-  普通の四天王と確か一回しか戦えないんだよな・・・  -- 名無しさん  (2013-10-08 20:43:03)
-  正確に言うと何度も戦う方法はある。ただ余程ポケモン捕獲をサボってない限り図鑑が全国版になるから一回限りになることが多い  -- 名無しさん  (2013-10-15 08:18:40)
-  女の子主人公かなり可愛い。主人公の中で一番好きだ  -- 名無しさん  (2014-06-21 00:29:32)
-  同じリメイクのハートゴールドと違ってあんま楽しめなかったなぁ・・エメラルドが面白すぎたしなんかポケモンも種類少なくてやれること少なくてシリーズで一番すぐ飽きてしまった  -- 名無しさん  (2014-06-21 01:03:39)
-  ↑ 初代を何度もやり込むほど飽きやすい。  -- 名無しさん  (2014-06-21 03:56:26)
-  フシギソウをLv100にした事が蘇る…      フシギバナ? し ら ん が な  -- 名無しさん  (2014-07-06 12:02:45)
-  マンキー倒しまくってリザードに進化させればなんとか・・・  -- 名無しさん  (2014-11-01 02:54:36)
-  ↑4 まあリメイクとしては最初の作品だしそもそも元が初代故にやりこみ要素少ないからしょうがない…てかこれでも当時は十分すぎるくらいだったぜ。後のリメイク作とか今でも普通にやりこめるレベルのエメラルドと比べるのは酷だと思う。  -- 名無しさん  (2014-11-01 08:53:55)
-  GBAのRSがリメイクされるけどFRLGの再リメイクもあるんだろうか……リメイクのリメイクってもはやわけわかんないけど  -- 名無しさん  (2014-11-01 09:26:04)
-  つか没イベント多いよな・・・いつしかのガセネタで8のしまとかがあるという噂があったな  -- 名無しさん  (2014-11-25 02:37:53)
-  ↑2XYで初代御三家選べたりミュウツーや3鳥捕まえられたからリメイク出さないつもりじゃないかなぁ  -- 名無しさん  (2015-02-10 18:15:05)
-  再々リメイク…と言うか、ダウンロード版出してほしいな  -- 名無しさん  (2015-05-06 22:47:36)
-  次にリメイクされたら殿堂入り前にミュウツーに戦うシナリオに変更されそう。  -- 名無しさん  (2015-10-21 21:17:25)
-  クリア後のナナシマのシナリオに入るために捕まえた数を50だか60にしなくちゃいけないのが残念だった。必要なポケモンしか捕獲したくないプレイヤーだっているんですよ…  -- 名無しさん  (2016-02-10 23:52:56)
-  ↑そんな少数派のことなんて配慮してられんでしょ  -- 名無しさん  (2016-12-19 09:31:26)
-  うーん、GB版とこっち、どっちをプレイするのがいいんだろう?  -- 名無しさん  (2016-12-19 09:54:16)
-  ↑ 今ならXYとORASでミュウが貰えるからGBのDL版。  -- 名無しさん  (2016-12-19 13:04:45)
-  ↑それを除いて、ゲームの面白さだけで考えると?  -- 名無しさん  (2016-12-19 13:06:33)
-  ナナシマは七日でできた島だからリメイクしたら追加マップあるかも  -- 名無しさん  (2017-05-13 02:18:02)
-  御三家+ピカチュウがパッケージのポーズを取るエンディングがすごい印象に残ってる  -- 名無しさん  (2018-02-06 10:45:29)
-  当時はシャドボ瓦穴が量産できる技の自由度でも満足できた  -- 名無しさん  (2021-10-25 07:07:39)
-  なんで対戦BGMがRSなのかなぁ、そこだけは残念  -- 名無しさん  (2022-10-19 20:34:06)
-  vsグリーン(チャンピオン)のBGMはFRLGのが一番好き  -- 名無しさん  (2024-02-07 09:50:40)
-  リメイクされたらナナシマよりオレンジ諸島が登場して欲しいな。ご丁寧に現地の博士まで用意されてるし  -- 名無しさん  (2024-05-06 13:58:24)
-  ……これからず~~っとマイナーチェンジ版組は「“本当の意味で”思い出の作品のリメイク版に会えない」思いをして行く事になるのかなあ……俺初ポケモンクリスタルバージョンだったんだよ……  -- 名無しさん  (2025-07-21 21:28:32)
 
 
最終更新:2025年10月29日 10:57