概要
販促物として絵本や雑誌掲載などの書籍、OVAやテレビアニメなどの映像作品が存在し、時期によってキャラクター設定が異なっている。
玩具
車両形態の造形はデフォルメこそあるものの、プラレールに比べ実車寄りで、全長はプラレールよりやや長く、車輪も8つある。(*1)
運転席側と客車側を分離させ、運転席側の垂直尾翼を掴み上げることでバイザー(目)、両翼(腕)、足が飛び出してヒカリアンに"瞬間変形"する。
客車側は武器庫となっており、付属の武器をヒカリアンに持たせることが出来る。(*2)
逆に車両に戻す際は全て手動かつ個別に戻さねばならない為、少々面倒。
発売当初(「超特急」版)は変形後の垂直尾翼や車両形態時にずらしたバイザーを固定する機構が備えられていたが、後述のリニューアル後(「電光超特急」版)はオミットされていたり、敵役のドジラス・ウッカリーの「超特急」版に付属していた炭水車が「電光超特急」版では付属していなかったりと、全体的にチープになってしまった印象が否めない。(*3)
現在では「超特急」版、「電光超特急」版ともに高値で取引されており、箱なしの中古品ですら1万円を超えることも。
映像化以前
彼らは超特急のボディを内部から改造し、手足を作って自由に行動できるようにした。
こうして誕生した"ヒカリアン"は人間の子供達とあっという間に仲良くなったが、遊んでばかりいると鉄道会社の人々を困らしてしまうので、子供達が幼稚園や学校に行っている間は、他の車両に混じって旅客輸送の任務をこなすようになった。
そんな時、宇宙の全てを真っ黒けにしようと目論むブラッチャール星人が地球へ襲来し、街や自然を次々と真っ黒にしてしまう。
街や自然、そして地球の人々を守るため、ヒカリアン達は正義の超特急として、ブラッチャー達と戦う事を決意した。──カタログより抜粋
しかし、これらの設定とは別に「ヒカリアン探偵団」なる設定があったらしく、多数存在する新幹線のどれかがヒカリアンである、という都市伝説を確かめようとする少年少女達がテツユキとミナヨの原型だったとのこと。(*5)
OVA版
制作はアートミック。(*6)
声優に関しては81プロデュースがキャスティングに協力していたようで、アテレコ担当の殆どは当時の所属者であった。(*7)
「新幹線を守れ」、「ブラッチャー機関車の陰謀」、「発進!ヒカリアントレーラー!」の3作が存在するほか、同作映像を使用した、初期テーマソングのMVの存在も確認されている。
ヒカリアンの容姿や設定に関しては、玩具やパッケージの文章がそのまま反映されており、作中にテツユキとミナヨが正式に登場した。
後年のテレビアニメ版と比較すると、車両及びヒカリアンの作画はリアル寄りで、かつ変形後の大きさが車両形態時と全く変わらないため、テツユキら人間キャラと並んだ際の絵面は中々にシュールであった。更にはヒカリアンやブラッチャーが動揺して目を丸くする、後のTVアニメ版を連想させる作画シーンも散見された。
テレビアニメ版
超特急ヒカリアン
日本国内のTVアニメ作品において、作画がセル画からデジタル体制に移行した初の作品である。
制作はOVA版において製作協力を担っていた東京キッズ。音響製作はダッグスインターナショナルが担当しており、関連企業の劇団目覚時計所属の劇団員が声優として参加していた。
キャラクターデザインを含め、幾つかの設定がマイナーチェンジされており、キャラクターデザインは漫画家・宮尾岳氏(*8)が担当した。車両及びヒカリアンの作画はディフォルメされ、日常生活パートを想定してか変形後は幼児程度のサイズに縮むようになった。
ストーリーは引き続き、ヒカリアン対ブラッチャーの勧善懲悪もので、尺も引き継き6分程度であった。(*9)
にもかかわらず、
- 起承転結がしっかりとした勧善懲悪ものの脚本が尺内に収まっている。
- 単純な勧善懲悪ものではない、日常生活に焦点を当てたり、ファンタジーやSF、人間関係を中心とした回も多数。
- 10数名以上いるレギュラーキャラクターにしっかりと焦点が当てられ、個性も確立させている(主人公が全く登場しない回があるほど)。
- 全く登場しない回があるにもかかわらず、主人公はしっかりと主人公をやっており、空気と化していない。
- 声優陣の声の使い分けが非常に上手く、ぱっと見、一人多役には聴こえない。
回によっては作画が非常に細かくなったり、一風変わったアングルや、デフォルメの効いた作画になったりする事もあり、アニオタからするとスタッフによる作画のバラツキも魅力の1つであった。特に伝説のアニメーター、故・金田伊功氏の影響を受けていた亀垣一氏、越智一裕氏や本橋秀之氏の作画は非常に凝ったもので、1期の最終回に至っては金田伊功氏ご本人が絵コンテ・演出・作監を担当した。
電光超特急ヒカリアン
制作は東京キッズが続投。キャラクターデザインも宮尾岳氏が続投し、35話Bパートでは絵コンテ及び作画監督を担当した。(*10)ただし、声優は一部を除いて一新されている。
前作から数年後の地球を舞台に、新たに始まったヒカリアン対ブラッチャーの戦いが30分枠で描かれた。
しかし、肝心の内容はというと、
- 登場人物が基本固定されており、前作の様に焦点が当てられるキャラクターが少ない。殆どのヒカリアンが半ばゲスト扱い。
- 前作でブラッチャー側が多用していた巨大メカをヒカリアン側も採用したため、ヒカリアンの空気化に拍車がかかっている
- 生かし切れていない設定(*11)や、未回収の伏線(*12)が多い
しかし、ギャグアニメとしてのクオリティとしては非常に高く、
- ビーストウォーズ
の前科で御馴染の千葉繫氏による数々のアドリブギャグ - それを発端に始まった声優弄り(*13)
- 本来のターゲット層である子供には分かりづらいパロディのオンパレード(*14)
- 「出番が少なすぎる!」と不満を漏らすヒカリアン。
- ストーリーや登場人物、メカはもちろんの事、何ならBGMまでパクる(必殺仕事人が大半だが)
- 当時圧倒的に有名だった「おジャ魔女どれみ」に対抗する台詞が出てくる。
- パロディ元から怒りのファックスが届いた為、VHS化の際に人物名やBGMの類を差し替えざるを得なくなった
もっとも、これらの要素も前作ファンからは賛否両論であり、ネット上では今でも様々な意見が飛び交っている。
絵本、雑誌等のストーリー
ヒカリアン NEXT GENERATION
見る手段
公式配信やDVD・BD化がされておらず、唯一ソフト化されているVHSは在庫切れや価格高騰が殆どで、現状全話を見る手段はそれしか無いに等しい。