7.62mm機関銃

ななてんろくにーみりきかんじゅう

日本国自衛隊が使用する機関銃。自衛隊が運用している機関銃のうち、口径が7.62mmのものを指す。実在するが、これに該当する銃は複数あり、日本国産のものと海外からの輸入品に大別される*1。自衛隊が使う銃弾は基本NATO規格なので、使用弾薬もNATO規格の7.62x51mm弾である*2。ただ国産の機関銃の方は、通常は装薬を減らした減装弾を使っている。

戦後日本では長年にわたって国産が主流であったが、2020年代にもなると海外製の導入が始まり、16式機動戦闘車がベースの共通戦術装輪車への搭載用のMK52チェーンガン、AAV7水陸両用車の指揮車型やV-22オスプレイに搭載するためのM240Bなどが調達されている。しかし『日本国召喚』で日本が転移した2015年時点では、海外輸入品の機関銃は全くと言っていいほど普及しておらず、当時存在した主な7.62mm口径の機関銃は以下の2つ。どちらも国産の機関銃である。
  • 62式7.62mm機関銃
  • 74式車載7.62mm機関銃
ただしコミカライズ版に関しては、転移時期が2015年より後のような描写があり、海外製の物も使っている可能性がある。

作中での活躍


本作『日本国召喚』では、書籍版第1巻のジン・ハーク攻防戦にて自衛隊が使用したことが語られている。ただし、具体的な種類は述べられず、ただ「7.62mm機関銃」としか表記されていない。なので具体的に何を使ったかは不明。Web版では未登場*3

最初に使用されたのは、攻防戦の序盤、ジン・ハークの北側4km地点に展開した陸上自衛隊第7師団が敵騎兵400騎に向け、複数の90式戦車に搭載された7.62mm機関銃で迎撃した場面。この時は同じく90式搭載の12.7mm重機関銃とともに使用されている。続いて進撃してきた重装歩兵大隊にも使用したが、古の魔法帝国製とされる「伝説の盾」を装備したスワウロのみ、この機銃掃射を耐えきっている。また、夜襲を敢行したカルシオ率いる夜襲部隊の迎撃にも使用されたほか、ハーク・ロウリア34世逮捕のため王城上空に飛来した第1ヘリコプター団のUH-60JAまたはCH-47JAが、機体側面のドアに搭載した7.62mm機関銃で王宮中庭の敵兵を掃討している。

また、書籍版第6巻の空洞山脈の戦いでは、10式戦車部隊の中隊長がグラ・バルカス帝国陸軍第4機甲師団の非装甲車両を「機関銃」で対処するよう指示しており、10式戦車にも7.62mm機関銃が搭載されていることから、ここでも使用された可能性がある。もっとも、その後の10式戦車による攻撃は主砲以外にあまり描写されていない。



コミカライズ版(漫画版)では、上で述べたカルシオ率いる夜襲部隊の迎撃に際し、陸上自衛隊第7師団の普通科隊員(歩兵)が89式小銃とともに「62式7.62mm機関銃」を付属の二脚を用いて構えている様子がある。銃身から機関部の前方までしか写されていない上、一コマしか登場していないので判別はしにくいが、その形状からして62式で間違いないだろう。それ以外に書籍版で7.62mm機関銃が使用された場面は、ほぼすべて12.7mm重機関銃M2に変更されている。
三脚架に据え付けられた62式7.62mm機関銃
※出典:陸上自衛隊公式flickr (https://www.flickr.com/photos/90465288@N07/8464062457/

具体的に何が使われたのか?

上に書いた通り、コミカライズ版でのカルシオら夜襲部隊の迎撃には、62式7.62mm機関銃が使用されている。『日本国召喚』ではこの62式が使用された場面を除き、他の7.62mm機関銃が使用された場面では、どの機関銃が使用されたのか詳しく描写されることはない。

62式は戦後日本が初めて開発した国産機関銃。付属の二脚を用いて軽機関銃として使ったり、三脚架に乗せて重機関銃としても使う。古い銃なので、今は5.56mm機関銃MINIMIへの置き換えが進んでいる。……あと有名な話だと思うが、信頼性が低いとよくネタにされる。部品点数が多い割に部品脱落が多く、暴発、弾詰まり、引き鉄から手を離しても撃ち続ける、などなどアクシデントが多かったため、現場隊員から「62式言うこと聞かん銃」「無い方がマシンガン」「キング・オブ・バカ銃」などと散々に罵倒されていた、なんて話が出る程には。擁護すると、正常に動作すれば優れた射撃が出来た、普通に整備部品持ってきたらキビキビ動いた、教本にない操作したからブッ壊れたんじゃないか、とかそういう話もある。ただ納入元が試験データを改竄しながら納入し続けていた事件があったので、本当に信頼性は怪しかったようだが……ロウリア王国に派遣された自衛隊にはちゃんと整備した個体と整備部品が送られていたのだろう、多分。



また、90式戦車からスワウロなどへの攻撃に使用されたものは、間違いなく「74式車載7.62mm機関銃」とみられる。62式7.62mm機関銃をベースに車載用としたもので、10式戦車から退役した74式戦車まで幅広く搭載されている国産機関銃である。射手が車外に出ることなく射撃できるよう、砲塔内に埋め込み式で搭載されるもので、いわゆる同軸機銃とかいうやつ。自衛隊だと「連装銃」「連装」とか呼んでる。より具体的に言うと、戦車への積載前は「車載機関銃」「車載」と呼び、戦車の砲塔内に据えたら「連装銃」とかに呼び変える。撃つときは車長が「砲手連装!」って叫びます。

ベースとなった62式7.62mm機関銃と違って引き金ではなく、12.7mm重機関銃M2と同じ「押し金」式なのが特徴。「押し金」と呼ばれる板を両手親指で前に押し込んで撃つ。あと62式は人が持ち運んで行軍できるよう、ある程度は軽量化してたが、人手で運ぶ必要がない74式では軽量化されることなく、より重くなってる。その代わりに62式で散々ネタにされる程の信頼性の低さが多少は改善されてる……と言われたりもするが、コイツも試験データが改竄されながら納入されてたので何とも言えない。

何にせよ、この場面で使用された「7.62mm機関銃」は74式車載機関銃でほぼ確定である。空洞山脈の戦いで使用された可能性のある10式戦車の機関銃もコレだろう。
74式車載機関銃を射撃する87式偵察警戒車。発砲炎が噴き出している所に74式が据え付けられている。
※出典:陸上自衛隊公式flickr (https://www.flickr.com/photos/90465288@N07/8464165627/





ただ問題は、UH-60JAまたはCH-47JAが搭載していた「7.62mm機関銃」。……これが何なのか分からない。どちらのヘリに搭載していたかは記述がないが、機体側面のドアに搭載していたとの記述があるので、いわゆるドアガンとして運用したとみられる。

だが陸自では、ドアガンは基本的に5.56mm軽機関銃MINIMI、または12.7mm重機関銃M2を使うので、7.62mm口径の機関銃をドアガンとして使用するケースは少ない。無い訳じゃないのよ? 一応、海上自衛隊だとSH-60Kのドアガンとして上記の74式車載機関銃を使ってるし、陸自でもUH-60JAに搭載するつもりなのか「74式車載7.62mm機関銃用ピントル・マウント(UH-60JA用)」なんて部品も調達してるから*4。ただ実際に陸自がドアガンとして運用した事例がほぼ皆無に近いってだけで、目撃情報もかなり少ない。
海自のSH-60Kにドアガンとして搭載された74式車載機関銃。
防衛省 海上自衛隊 公式X / 旧Twitter (https://x.com/JMSDF_PAO/status/1534807513421565953


また74式のベースとなった62式機関銃であれば、陸自ヘリ搭載の前例はそこそこある。UH-60JAの場合、操縦席のすぐ後ろ、キャビン前方に設けられたガナーズドアに搭載したことが過去にあった。と言っても近年ではガナーズドアにMINIMIを搭載する方が多いので、62式搭載は滅多に見られないが……

他に考えられるのは、海外製機関銃の可能性である。

ここで登場したUH-60JAとCH-47JAは第1ヘリコプター団所属だが、このうち同団隷下部隊でUH-60JAを配備しているのは団直轄の第102飛行隊。この飛行隊は第1空挺団や特殊作戦群の空中機動作戦を担当するとされており、その都合から隊員の個人装備が多かったり割と特殊な装備が多いという特徴があるのだが、2022年に同飛行隊のUH-60JAがアメリカ製7.62mmガトリング機関銃「M134ミニガンを搭載しているのが激写されたことがあった*5。2015年時点でM134が配備されていたかは不明だし、そもそも配備すら公表されていない装備だが、もしかしたらジン・ハーク攻防戦でコイツが使用されていた可能性もワンチャン……?
M134ミニガン(画像はアメリカ空軍)
※出典:ウィキメディア・コモンズ Boeing_MH-47G_Heavy_Assault_Helicopter_(7626828612).jpg©Clemens Vasters クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Boeing_MH-47G_Heavy_Assault_Helicopter_(7626828612).jpg;


また、カルシオ率いる夜襲部隊の迎撃シーンでも「7.62mm機関銃」が使用されたとあるが、書籍版では自衛隊が7.62mm機関銃を使用したことしか言及されない上、戦車から使用したのか、普通科隊員が使用したのかも判断することができない。とはいえコミカライズ版の同場面では普通科隊員が62式機関銃を使用していたので、書籍版でも62式が使用されていたとみて間違いないだろう。62式だって元々は普通科向け装備だし。

ただしコミカライズ版ではカルシオの部隊の装備と規模が非常に小規模になっており*6、2000人の騎兵を迎撃していた書籍版では、普通科隊員が直接迎撃するのはリスクが高いので、戦車から74式車載機関銃を使用した可能性もある。また普通科隊員が戦闘していた場合でも、第7師団隷下の普通科部隊である第11普通科連隊では下画像のように74式を三脚に設置し、重機関銃的に使用したことがある。書籍版のみ62式ではなく74式の可能性も無きにしも非ず、である。
三脚架を使用して射撃中の74式車載機関銃。
※出典:陸上自衛隊 第7師団【公式】X / 旧Twitter (https://x.com/7th_Division_pr/status/1715503161191149936)の動画のスクリーンショットから作成


関連項目
兵器ジン・ハーク攻防戦自衛隊

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  • コミカライズ版だと陸自の隊員が構えている銃がカルシオを攻撃したと思うんですが、自分の知識だと断定できないので詳しい人いたら確認お願いします。 - 名無しさん (2025-06-27 08:47:34)
    • 誤解を招く説明だったようなので修正しました(コミカライズ版ではそもそも登場していませんね)。失礼いたしました。 - 名無しさん (2025-06-27 13:10:10)
  • 62式と89式の画像を比べてみたんですが銃を構えているコマで左の隊員が持ってるのが62式っぽい形状に見えるんですよね。右の89式らしき銃とは見た目違いますし。 - 名無しさん (2025-06-27 13:53:13)
    • これ確かに62式ですね……先端しか写ってないから気付きませんでした。後でページ編集して62式が登場したこと書きこんでおきますね。ありがとうございます。 - 名無しさん (2025-06-27 20:07:44)

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〔最終更新日:2025年06月28日〕

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最終更新:2025年06月28日 11:20

*1 この口径の機関銃には、ライセンス生産で導入した海外製の機関銃が無い。よって国産品と輸入品の二種類しかない。退役したものであれば自衛隊創設初期にアメリカから供与された供与品もある。

*2 退役した機関銃では長さの異なる7.62x63mm弾(.30-06スプリングフィールド弾)も使用されていた。

*3 Web版ではジン・ハーク攻防戦が簡単にしか触れられていないので主だった戦闘シーンがないため。

*4 参照:74式車載7.62mm機関銃用ピントル・マウント(UH-60JA用) 2024/03/12-東京都 | エヌ・サーチ(https://nsearch.jp/nyusatsu_ankens/668f691f38905423e8784619

*5 コロナ渦中に一般非公開で行われた令和5年降下訓練始め行事にて、102飛行隊のUH-60JAから特殊作戦群がミニガンを射撃したらしい。詳しいことはWikipediaの「第102飛行隊」の「脚注」の項目とかを参照。

*6 書籍版だと2000人の騎兵だが、コミカライズ版だと軽装の隠密部隊で規模も描写の範囲だと十数人規模しかいない