きゅうきゅうしきくうたいくうゆうどうだん
諸元
全長 |
3,667mm |
全幅 |
770mm |
直径 |
203mm |
重量 |
222.0kg |
動力 |
固体燃料ロケットモーター |
近接信管 |
アクティブ・レーダー(4象限) |
中間誘導 |
慣性誘導+指令誘導 |
終末誘導 |
アクティブ・レーダー誘導 |
性能
最大速度 |
M4.0~5.0 |
射程距離 |
100km(推定) |
概要
99式空対空誘導弾は防衛省技術研究本部と三菱電機により開発された初の国産アクティブ・レーダー誘導中距離空対空ミサイルである。
99式といっても20mm機銃のことではない。注意すること。
開発の経緯
しかし、高性能な空対空ミサイルであるAMRAAMがアメリカ軍とNATO軍のみの限定配備になることを懸念していた防衛庁(当時)は、1994年にAMRAAMと同等以上の能力を持つ「XAAM-4」の開発を本格的に開始した。
既に1985年頃から基礎開発を行っていたこともあって開発は順調に進み、開発開始から5年後の1999年に「99式空対空誘導弾」として採用された。
特徴
送信波
AAM-4の最大の特徴は指令誘導やシーカー、近接信管に特殊な変調式送信波を採用したことで、レーダー警戒装置やミサイル警報装置に探知されにくくなっている。
これはロックオンされたり、ミサイルが発射されると即座に反応するはずのレーダー警戒装置やミサイル警報装置が、AAM-4が相手の場合には反応しないことを意味する。
このため、味方がAAM-4の発射や接近に気づかないまま次々と被弾していく、という敵対勢力にとっては悪夢のような状況が予想され、抑止力として働く事が期待されている。
但し、AIM-7搭載機であれば火器管制プログラムを少し弄るだけで運用できるAMRAAMとは異なり、「
J/ARG-1指令送信機」を搭載しなければAAM-4を運用することができない。
これは機体内容積に余裕がある
F-15J改では余り問題にならなかったが、
F-2では大きな問題になり、装備の搭載位置見直しやJ/ARG-1の小型化が行われている。
また高い誘導性能を実現するために、搭載機からミサイルに送られるデータ量が多く、機載コンピュータやデジタルデータバスへの負荷が大きいという問題もあり、負荷軽減対策が研究されている。
シーカー
シーカーにヒ化ガリウム素子を採用することで高出力化に成功しており、一般的なアクティブ・レーダー誘導ミサイルでは誘導することが難しい横移動目標や、戦闘機より小型で地上スレスレを飛行するため命中が難しい巡航ミサイルにも対応可能な優れた誘導能力が付与されている。
どれ程の能力かというと、実射試験において戦闘機どころか巡航ミサイルより小型のターゲットドローンに次々と直撃してしまうため、近接信管のデータがなかなか取れなかったという話があるくらいである。
推進装置
固体燃料ロケットモーターについては、2段階燃焼式を採用することで、射程の廷伸に成功している。
一方で、弾体の規模や重量がスパローと同程度であるため、一回り小型のAMRAAMの様に短距離空対空ミサイル用ランチャーへ搭載することは不可能である。
調達価格
全体の9割に民生品を採用することで価格高騰の抑制が図られており、1発あたり約6,000~8,000万円とライセンス生産費込みで1発あたり約1億円したと言われるスパローやFMSで1発あたり約202万ドルするAMRAAM(C-7型空自導入価格。当時のレートで約2.2億円)より安価に抑えることに成功している。
搭載機
射出型ランチャーにしか対応していないため、
F-15J改専用のミサイルになっており、一部を除いて近代化改修時にAAM-4搭載改修が施されている。
因みにAAM-4搭載改修を受けた機体には、AMRAAMの運用能力も付与されるよう考慮してランチャーやプログラムが開発されている。
採用後も訓練以外では搭載されることは少なかったが、某国侵出の激化による南西方面の緊迫化に伴い、2015年夏頃からSRAAMに加えてAAM-4を2発搭載したF-15J改がアラート待機任務に就いている。
能力向上型
AAM-4の配備が始まった2002年から能力向上型AAM-4の開発が開始され、2008年に「99式空対空誘導弾(B)」として採用されている。開発経費は約62億円。
AAM-4からの主な変更点は、以下の通り。
- アクティブ・フェイズド・アレイシーカーを空対空ミサイルでは世界で初めて採用。また、信号処理機構も新方式に更新。
- レールランチャーに対応。
当時、戦闘機用FCSレーダーでも採用例が少なかったAESAシーカーを搭載したAAM-4Bは、横移動目標や巡航ミサイルへの対処能力、対電子妨害対策能力がAAM-4と比較しても向上しており、採用時の最新型AMRAAMであるC-7型と同等以上の性能を持つと評価されている。
この評価は所謂カタログスペックを比較したものではなく、2000年代に評価用として導入した合計125発ものAIM-120B/C-5を、AIM-120搭載改修を施した飛行教導隊のF-15DJに搭載し、数10機調達したターゲットドローンに全弾打ち込むことで得られたデータとAAM-4Bの試験データを比較して下されたものである。
シーカーの高出力化のおかげで、ミサイルに搭載されているシーカーで誘導する自立誘導距離が大きく廷伸し、その分だけ発射母機が中間誘導する距離が短くなったことから、ミサイルが自立誘導を始めた時点での発射母機と目標機との距離が大きくなり、発射母機の安全性を高めている。
また射出式ランチャーに加えてレールランチャーにも対応したことで
F-2への搭載が可能になり、2013年頃からAAM-4B搭載改修を受けたF-2の配備が開始された事を受け、2018年夏頃からSRAAMに加えてAAM-4Bを2発搭載したF-2がアラート待機任務に就いている。
派生型の開発
AAM-4はASM-1に倣う形でファミリー化が進められており、陸海
自衛隊用の陸上型や艦載型も開発・配備されている。
最初に艦載型の「XRIM-4」が試作されたが、RIM-162A 発展型シースパローが採用されたため、未採用に終わっている。
但し、XRIM-4開発の経験は陸上型の「03式中距離地対空誘導弾(中SAM)」の開発に生かされ、その能力向上型である「03式中距離地対空誘導弾改善型(中SAM改)」やその艦載型である「23式艦対空誘導弾」の開発へと繋がっている。
SAM-4改については、2019年12月にPAC-3でも迎撃の難しい変則軌道型短距離弾道ミサイル迎撃能力を備えた能力向上型の研究を開始と報道されており、2023年度から「03式中距離地対空誘導弾(改善型)能力向上」の名称で本格開発に着手している。
開発費は約758億円、新規研究開発分は2028年度開発完了の予定だが、2026年度に開発完了する早期研究開発分を既存のSAM-4改にバックフィットし、弾道ミサイル迎撃能力を付与する計画になっている。
また令和6年度概算要求において、「新艦対空誘導弾(能力向上型)」の開発に着手する事が明らかになっている。
この誘導弾は23式艦対空誘導弾に変則軌道型短距離弾道ミサイル迎撃能力を付与するため、先行開発されているSAM-4改(能力向上型)に導入された技術を反映して開発されると考えられる事から、SAM-4改(能力向上型)の艦載型と言う事もできる。
開発費は約584億円、2031年度開発完了の予定。
2014年からAAM-4のシーカーと英独伊仏が共同開発したMeteorの本体とダクデッドロケットモーターを組み合わせた「JNAAM」の試作研究がイギリスと共同で行われている。
しかし、2023年3月31日に2023年度に予定されている試射の完了をもって研究終了とする事が発表されている。
後継型の開発
令和6年度概算要求において、「次期中距離空対空誘導弾」の名称で新型MRAAMの開発に着手する事が明らかになっている。
この誘導弾の目玉となるのは、双方向データリンクシステムと高いステルス対処能力を持つ能力向上型シーカーの搭載であり、更にASM-1以来国産誘導弾の伝統であるファミリー化・共通化を前提としたモジュール構造を採用、「将来中距離空対空誘導弾に関する研究」の成果を反映して開発を進める。
開発費は約301億円、2030年度開発完了の予定であり、2031年度から次期戦闘機との母機適合性試験が計画されている。
作中での活躍
グラ・バルカス帝国との戦闘においても、
キールセキ第1次攻撃隊85機に対して12機のF-15J改から計48発が発射され、不具合を起こした1発を除く47発が命中している。
コミカライズ版ではエストシラント空爆からの登場で、ロウリア戦でAAM-4を使用していた場面は、全てAAM-3に置き換わっている。
そのため実戦での使用が確認できたのはエストシラント空爆になってからである。
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〔最終更新日:2024年10月13日〕
最終更新:2024年10月13日 13:34