F-15J改

えふじゅうごじぇいかい

日本国航空自衛隊の主力制空戦闘機。実在する。

※出典:航空自衛隊ホームページ(https://www.mod.go.jp/asdf/equipment/sentouki/F-15/index.html

諸元
乗員 1名
全長 19.4m
全高 5.6m
翼幅 13.1m
翼面積 56.5㎡
空虚重量 12,973kg
全備重量 19,337kg
(翼面荷重342.3kg/㎡、推力重量比1.12)
最大離陸重量 30,845kg
要撃戦闘時離陸重量
(MRAAM×4,SRAAM×4,610gal増槽×1)
22,750kg
(翼面荷重402.7kg/㎡、推力重量比0.95)
動力 IHI/P&W
F100-IHI-220E
ターボファンエンジン
2基
ドライ推力 6,620kg (14,600lb)
アフターバーナー使用時推力 10,800kg (23,800lb)
性能
最大速度 M2.5
巡航速度 M0.9
フェリー飛行時航続距離 4,600km
航続距離 2,800km(機内燃料のみ)
実用上昇限度 19,000m
戦闘行動半径 1,900km
武装
固定武装 JM61A1 20mmバルカン砲×1(装弾数:940発)
ハードポイント 計11ヶ所(CFT除く)に7,300kgまでの兵装を搭載可能
ミサイル 短射程空対空ミサイル AIM-9L サイドワインダー
90式空対空誘導弾(AAM-3)
04式空対空誘導弾(AAM-5)
04式空対空誘導弾(B)(AAM-5B)
中射程空対空ミサイル AIM-7F/M スパロー
99式空対空誘導弾(AAM-4)
99式空対空誘導弾(B)(AAM-4B)
AIM-120 AMRAAM
(試験運用にて使用実績あり)
爆弾 Mk.82 500lb通常爆弾:無誘導
アビオニクス AN/APG-63(V)1 火器管制レーダー
AN/ARC-182 UHF/VHF無線機
AN/ARN-118(V) 戦術航法装置
J/ASW-10 データリンク装置
AN/APX-101(V) IFF応答装置
AN/APX-76A(V) IFF質問装置
AN/ASN-109 慣性航法装置
AN/AWG-27 PACS
AN/AVQ-20 ヘッドアップディスプレイ
J/TEWS J/APR-4/-4A/-4B レーダー警戒装置
J/ALQ-8 機上電波妨害装置
AN/ALE-45J チャフ・フレアディスペンサー
J/APQ-1 後方警戒装置
統合電子戦システム
(改修機)
J/APR-4A/-4B レーダー警戒装置
J/ALQ-8B 機上電波妨害装置
J/APQ-1 後方警戒装置
AN/ALE-47 チャフ・フレアディスペンサー

概要


F-15J改は、マグドネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発した制空戦闘機F-15Cイーグルの日本版であるF-15Jに近代化改修を施した機体である。

最初に申し上げておくが、魔改造に次ぐ魔改造で原型のF-15とは別物に近く、同じなのは外見のみと言っても過言ではない状態になっている。
ただし、エンジン、レーダー、コンピューター等の主要構成品はアメリカ空軍で運用されているF-15Cの近代化改修型と基本的には同じで、誘導弾や電子戦システム等は国産のものを搭載している。誤解のないように。

開発の経緯


原型であるF-15の開発は、そもそも1960年代頃にアメリカ空軍において、「戦略核爆撃万能論」が主流になっていたことに起因する。
この思想を簡単に言うと「核爆弾放り投げれば戦闘終わりだし、こっちは敵の爆撃機を撃墜できればいいや」というもの。
となると、「敵も同じような爆撃機を使ってくるわけだから、迎撃機は旋回性能よりも迎撃に間に合うだけの速力と爆撃機を確実に叩き落すだけの攻撃力を重視だね?」となり、制空戦闘機要らないじゃないとなる*1
この思想の元に開発されたのが、いわゆるセンチュリーシリーズ。

が……その後起こったベトナム戦争でアメリカ空軍に求められたのは近接航空支援、戦術爆撃と、これを成功させるための制空戦闘。
当然、主戦場は低空、低速域。ドッグファイトも発生する。
こうなると高空、高速域での爆撃機迎撃を主目的としていたセンチュリーシリーズでは、本来格下のはずのソ連製のMiG-21、旧式だが運動性の良いMiG-17などに苦戦を強いられ、アメリカ海軍が開発したF-4を急遽アメリカ空軍も導入して対抗した。
F-4は空母艦載機なので、センチュリーシリーズより低空、低速域の運動性は良かったが、純然たる制空戦闘機には及ぶべくもなく、鎧袖一触とはいかなかった*2

この反省から、次のような性能を持つ戦闘機が求められた。

01:マッハ0.9、高度30,000フィートにおける高G機動で異常振動を生じない。
02:上記空力特性を持つ翼を使い、広い飛行速度高度域で充分なエネルギー/運動能力を持つ。
03:空中給油、または増槽のみで大陸間の長距離回送飛行が可能。
04:搭載兵器は全任務に対して一人で操作可能。
05:現実的な空対空戦闘を想定して4,000飛行時間の疲労寿命の安全係数を4として試験で証明する。
06:最新の技術を利用した操縦席艤装を行い、特に近接格闘戦ではヘッドアップディスプレイを利用する。
07:理論整備工数は1飛行時間あたり11.3人/時。
08:構成機器の平均故障時間は上記整備工数内で対応。
09:操縦席の視界は360°確保すること。
10:主エンジンは機内設備のみで起動できること。
11:機体構造、電気、油圧、操縦装置は戦闘状況下で無事に基地に帰投できる高度の生存性を持つ。
12:対戦闘機戦闘装備状態の総重量40,000ポンド(約18.1トン)級。
13:サブシステム、構成部品、装備品は少なくとも試作品による実証済みのものに限る。
14:最大速度は高空においてマッハ2.5の速度を達成する。

こうして出来上がったのがF-15である。
開発するきっかけを作った人物は、元々安価で軽量で小型な戦闘機を求めていたのに、大型化した上に価格も高くなってしまったので、次のF-16は徹底的にやったのだが……レーダー積まないってのはどうなんだろうか。

F-15は「第4世代戦闘機」としては最も初期に開発された機体であり、第4世代戦闘機の性能指標としてもよく用いられる。
その特徴としては、チタン合金を使用した頑丈な機体、巨大な主翼による安定性と旋回性能、強力なP&W製F100ターボファンエンジン、高出力レーダーなどの充実した電子装備、HOTAS思想に基づき操縦桿とスロットルレバーから手を放さずにレーダー等の電子装備を制御できる操縦システム、ベトナム戦争の戦訓から搭載されたM61A1バルカン砲、そして何よりも、大型の機体と推力に余裕のあるエンジンに支えられた拡張性が挙げられる。

どれくらい余裕があったかというと、完成当時は機体容積の約3割が未使用で、電力やコンピューターも最大能力の約半分しか使用していなかったほどである。
機体強度にも余裕があり、補強なしで飛行時間を当初想定していた2倍以上にあたる18,000時間まで延長可能である*3
また推力が有り余っているため、計算上主翼がなくても飛ぶことができる*4
後に実施された様々な改修や戦闘爆撃機型として開発されたF-15Eは、これらの発展余裕があったからこそ実現したものである。

配備当初から「最強戦闘機」の名をほしいままにしており、実際、戦闘機との空戦において撃墜された機体はゼロである。
…訓練中にAIM-9Lサイドワインダーの実弾の誤射によって撃墜された自衛隊所属のF-15J*5はあるが*6
高性能の代償として「戦闘機のロールスロイス」と呼ばれるほど高価な戦闘機になってしまい、アメリカ空軍すら必要数を導入できなかった。
また開発された時代が時代なので、ステルス能力は考慮されておらず、ほぼ皆無である。

航空自衛隊主力戦闘機に


F-15Jは1976年にF-104Jの後継機に採用され、1980年に初号機がアメリカのセントルイス工場で完成、1981年には日本国内でノックダウン生産を開始、1982年にはライセンス生産に移行し、以後1999年までに複座型のF-15DJを含めて213機を生産している。1機当たりの平均調達価格は約120億円。
当初は55%ほどだった国内生産比率は、徐々に引き上げられて、最終的には75%という高いものになり、同機の高稼働率に繋がっている。
しかし、逆に言えばアメリカからの輸入部品が1/4もあるということで、転移後は輸入分の予備部品の確保に苦労していそうである。

ライセンス生産型であるF-15Jは、基本的にアメリカ空軍のF-15Cと同じ機体ではあるが、いくつか日本独自の装備がある。
まずF-15Jを導入した際、アメリカ議会が機密指定した戦術電子戦システム(TEWS)は日本へ技術移転されなかったため、国産したJ/APR-4レーダー警戒装置とJ/ALQ-8電子妨害装置に後日ライセンス生産が許可されたAN/ALE-45Jチャフ・フレアディスペンサーを組み合わせた「J/TEWS」を搭載している。このため、機首や空気取入口の下面、垂直尾翼等に取り付けられているアンテナの形状や数が異なっている。

さらに自動警戒管制組織(BADGE)*7と連動するJ/ASW-10データリンク装置も日本独自の装備である。
この他にも、生産途中でJ/APQ-1後方警戒装置*8や脱出時にキャノピーを破壊するキャノピーブレイカー*9が追加されている。

導入当初の武装はアメリカ軍と同じAIM-9Lサイドワインダー、AIM-7F/Mスパローの組み合わせだったが、前者は1990年代中ごろから国産の90式空対空誘導弾(AAM-3)へ更新されていった。
先代の主力戦闘機F-4EJでは、導入時に取り外されてしまった空中給油装置と爆撃照準能力はそのまま残されている。
とはいっても、空対艦ミサイルや空対地ミサイル、誘導爆弾の運用能力を持たない「空戦番長」であり、対艦及び対地攻撃は航空自衛隊ではF-2やF-4EJ改、アメリカ空軍ではF-16や大幅な改設計により対地、対艦能力を獲得したF-15Eの任務になっている。

近代化改修


F-15には高い拡張性を生かして様々な改修型があるが、その中の一つが「F-15J改」である。
近代化改修が施されているのは、「J-MSIP」と呼ばれる1988年以降に納入された後期生産機で、全生産数の約半分に当たる102機(J:68機、DJ:34機)。F-15Jでは機体記号899号機以降の機体と修理時にJ-MSIPに再生された832号機がこれにあたる。

F-15Jの近代化改修計画が始まったのは、生産終了直前の1990年年代の後半で、2002年に試作改修機が完成した。
飛行開発実験団での試験を経て、2004年より「戦闘機(F-15)の近代化改修」の名称で調達を開始、2007年から量産改修機の納入が始まった。主な改修点は以下のとおり。

  • レーダーをAN/APG-63(V)1へ換装
  • セントラルコンピューターをCP-1075C(P)/AYKへ換装
  • 発電機と冷却装置の換装
  • 99式空対空誘導弾(AAM-4)の運用能力付与(J/ARG-1指令送信機追加、LAU-106A/Aランチャー改修他)
  • 通信装置への妨害対処能力付加
  • 射出座席の改良
  • 飛行記録装置の搭載

エンジンを除く主要搭載機器の大半を入れ替えたといってもいいほどの大規模な改修の割に外見はほとんど変わっておらず、操縦席後方右側面の空調用丸型排気口が無くなった*10ことが最も大きな変化である。
2010年以降に納入された量産改修機では、以下の改修が追加して施されている。

  • 戦術データ交換システム端末(MIDS-FDL)(MIDS-LVT(3)。リンク16通信端末)の搭載
  • 04式空対空誘導弾(AAM-5)の運用能力付与
  • 電子戦システムを統合電子戦システム(IEWS)へ、チャフ・フレアディスペンサーをAN/ALE-47へ換装、レーダー警戒装置表示装置をマルチ・ファンクション・ディスプレイ(MFD)へ換装(8機のみ)

この改修により、獲得した主な能力は以下の通り。

  • より遠距離に位置する複数の敵機にAAM-4を一斉に発射して同時攻撃が可能に
  • 真横または真後ろに位置する敵機をAAM-5で攻撃可能に
  • 敵のレーダーを妨害する能力と敵の妨害を無効化する能力が向上
  • 地上の防空指令所を挟まずに、他のF-15J改やE-767、E-2Cと直接データ共有が可能になっただけでなく、それまでは音声だけでやり取りしていたデータをMPCD(Multi-Purpose Color Display(多目的カラーディスプレイ))に自機を中心とした画像として表示可能に

調達開始当初は、年に2〜4機の改修予算を計上していた。
しかし、F-22A禁輸措置によりF-4EJ改後継となる第4次F-Xの選定が延期されたため、周辺国との相対的な防空戦力の低下に対応する手段として、2008年と2009年に合計42機の改修予算に加えて38機分のレーダーセットの購入費を一気に計上し、2010年以降毎年10機前後が納入されている。
ちなみに、ロウリア王国戦直前と推定される2015年3月時点で納入済みのF-15J改は62機*11で、2014年の時点では2022年までに102機全てを改修する予定だったが、2019年に94機を改修することに変更された*12
当初の改修計画において、電子戦システム更新以外の改修を受けた機体を「形態Ⅰ型」、IEWSへの電子戦システム更新まで改修を受けた機体を「形態Ⅱ型」と呼称しており、現在でも便宜的に用いられている。
この他に赤外線捜索追尾システム(IRST)装置も開発されているが、量産改修まで至っていない。

量産改修機は小松基地の第6航空団第306飛行隊、やや遅れて第303飛行隊に集中配備されていたが、尖閣諸島付近における中国軍機接近の頻発化に対応するため、2011年に第303飛行隊のF-15J改を引き抜いて那覇基地の第83航空隊*13第204飛行隊へ配備している。
2013年には千歳基地の第2航空団第201飛行隊、2014年にはアグレッサー(仮想敵機)部隊として名高い飛行教導群*14、2015年には築城基地から那覇基地への移駐と同時に第304飛行隊にも配備されている。
なお、最初に改修された8機の1機当たり改修費用は約54憶円だったが、その後は先述した一括計上のおかげで、半額以下の約24億円まで低下している*15

能力向上改修


最初にも述べたように、すでに原型機とは全くの別物と言って良い状態であるが、2016年に国産レーダーへの換装の検討が行われたり、2018年には新たに導入が決定した長距離巡航ミサイル(JASSM-ER、LRASM)の搭載母機候補として名前が挙げられていた。
2019年度概算要求において、「戦闘機(F-15)の能力向上」の名称で新たな改修が行われることが明らかになった。主な改修点は以下の通り。

  • スタンド・オフ・ミサイル(JASSM-ER等)の搭載
  • 搭載弾数の増加
  • 電子戦能力の向上

フジテレビのインターネット動画「能勢伸之の週刊安全保障」による空幕広報室への取材から判明した改修内容は以下の通り。

  • 近代化改修を受けたJ-MSIP機が新たな改修の対象*16
  • 同時多数目標対処のため、火器管制レーダーをF-15E近代化改修機と同じアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)AN/APG-82(V)1へ換装
  • セントラルコンピューターを改修
  • 発電機関係は改修しない
  • コンフォーマル・フューエル・タンク(CFT)搭載は、機体側の改修が必要なため困難
  • 上記の内容はまだ決定事項ではない

2019年10月にアメリカ議会に報告されたFMSでの売却計画の内容は以下の通り。
  • 名称はF-15JSI(スーパーインターセプター)。改修機数は最大98機
  • 火器管制レーダーをAN/APG-82(V)1へ換装*17
  • 電子戦システムをAN/ALQ-239DEWS(デジタル電子戦システム)へ換装*18。但し、後日EPAWSS(Eagle Passive Active Warning Survivability System)に変更されている*19
  • ミッションコンピューターをADCPⅡ(先進ディスプレイコアプロセッサーⅡ)へ換装*20
  • テストや訓練を含む改修費の総額は45億ドル(約4,900億円)。1機当たりの費用は約50億円

上記の発表により、空自が想定している改修の内容が想像出来る様になったが、「搭載弾数の増加」のための新たなハードポイントとランチャーの装備方法、「電子戦能力の向上」のためにデータリンクシステムをより秘匿性の高いMIDS-JTRSに更新する*21のか等、不明なところも多い。
「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)」の説明資料に、F-15CX*22と呼ばれるボーイング社のF-15改修案に酷似したイメージ図が掲載されたが、2020年7月28日にボーイング社が三菱重工との契約締結時に発表したF-15JSIのイメージ図ではCFTや増設ランチャーは未装備だが、胴体のMRAAMランチャーに加えて主翼下パイロンのSRAAMランチャーにもMRAAMを搭載し、胴体下面中央のハードポイントにJASSM-ERを搭載している。

2019年度予算では、試作改修機相当と推定される2機分の改修費用として108億円、設計変更等の関連経費として412億円が計上されている。
「設計変更」と言う事は元になる設計が存在すると言う事で、空幕広報室の回答から上記のF-15CXがこれにあたると考えられる。
設計変更の具体的な内容は不明だったが、2019年6月18日の参議院外交防衛委員会において、AAM-4やAAM-5等の国産AAM搭載改修が含まれる事が明らかになった*23
またコクピットの表示装置に国産品を採用するとの報道もあり、実際に2019年3月に近代化改修機用のMFDが22セット発注されている。

中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)では、期間内に20機の調達を計画しており、1機当たりの改修予算は35億円と見込まれていた*24…のだが、2020年11月28日に改修経費が当初見積の約3倍に増加*25したため、改修計画に遅れが生じる恐れがあるとの報道があり、2021年4月7日には改修費用減額についての日米交渉が難航している事から、計画の全般的な見直しが決定されており、能力向上改修の見通しが不透明になっていた。

しかし、同年8月5日に防衛省から搭載を予定していたスタンド・オフ・ミサイル2種の内、LRASMを取り止めてJASSM-ERのみ搭載とする事で開発費を圧縮*26し、白紙化されたLRASMの代替として12式地対艦誘導弾能力向上型空発型のF-2への搭載が決定された事から、能力向上改修の継続を決定したと発表されている。
同時に改修機数は68機*27改修初号機の配備は2027年、AAM搭載数はMRAAM×8*28と、改修の詳細が幾らか明らかになっている。

能力向上改修によって空対空戦闘能力の向上に加えて対地攻撃力が付与され、制空戦闘機(空戦番長)から多用途戦闘機(マルチ・ロール・ファイター)に生まれ変わり、2040年頃まで現役に留まると考えられる。
現実世界以上に戦闘機の絶対数と攻撃力の不足に悩む召喚日本の航空自衛隊でも、同様の改修の必要性は高いと思われる。


※出典:航空自衛隊ホームページ(https://www.mod.go.jp/asdf/equipment/sentouki/F-15/index.html

作中での活躍


ロウリア王国東方征伐軍ギム司令部攻撃時に爆装したF-2の護衛として少なくとも6機*29が初めてクワ・トイネ王国のエジェイ基地から出撃し、ギム上空直衛にあたっていたワイバーン44騎を瞬時に撃墜する。
ロウリア王国王都ジン・ハーク攻防戦にも20機が投入され、ジン・ハーク市民環視の中、交戦した第2、第3竜騎士団のワイバーン100騎中99騎を撃墜し、以後、同市市民の恐怖の象徴となる。

フェン王国の戦いでは、93式空対艦誘導弾(ASM-2)装備のF-2の護衛として8機が築城基地から出撃し、警戒飛行中のパーパルディア皇国海軍竜母艦隊所属のワイバーンロード12騎を撃墜する。

アルタラス島の戦いでは対抗する航空戦力が少なかったためか投入されなかったが、パーパルディア皇国皇都エストシラント空爆では爆装したF-2及びBP-3Cの護衛として10機がアルタラス王国のルバイル基地とシオス王国のゴーマ空港基地から出撃し、E-767の支援の下、警戒飛行中の第18竜騎士団第2飛行隊の最新鋭騎ワイバーンオーバーロード20騎を瞬く間に撃墜、さらに離陸中の第3飛行隊も全滅させる。この一方的な空戦とF-2及びBP-3Cによる爆撃を自宅から目撃したレミールは大きな心理的衝撃を受けている。

デュロ空爆でもBP-3Cの護衛として6機が投入され、E-767の支援の下、F-2と共同で第11竜騎士団第2、第3飛行隊を全滅させている。

一連の戦闘でワイバーン各種を約200騎撃墜しながら損害は皆無であり、転移後も無敵神話を絶賛継続中である。

戦闘以外では、ムーからの観戦武官を乗せたラ・カオスの先導機として登場する*30
その後、神聖ミリシアル帝国からの国交樹立交渉使節団を乗せた「ゲルニカ35型」(web版では「天の浮舟35型」)の先導も行う。

ムーの技術士官マイラスはプロペラが使用されていないことを、ミリシアル帝国の技術研究開発局開発室長ペルーノは魔光呪発式空気圧縮放射エンジン*31とミリシアル帝国では理論構想段階の後退翼*32を装備する超音速機であることを一目で看破し、両国が文明圏外に位置する日本の国力、技術力に対して受けた最初の衝撃となった。

グラ・バルカス帝国によるムー侵攻に際しては、F-2E-2C等とムー西側にあるエヌビア基地に派遣されている。
バルクルス基地を出撃したグラ・バルカス帝国陸軍航空隊キールセキ第1次攻撃隊72機を迎撃するため12機が出撃、まずAAM-4で47機を撃墜し、残る敵機もAAM-5とバルカン砲を用いて全機撃墜している。

グラ・バルカス帝国連合艦隊迎撃戦にも投入されており、12機が日・グ大海戦では第1先遣艦隊攻撃に向かうBP-3Cの護衛につき、迎撃してきたアンタレス51機の内故障で引き返した1機を除いて撃墜している。
第二次新日本海海戦ではF-2 50機と共に100機が出撃し、日本本土爆撃に向かうグラ・バルカス帝国超重爆撃機連隊203機と陸軍航空隊345機を全滅させている。

レイフォルでの反攻作戦でも投入され、統合基地ラルス・フィルマイナ攻撃時はレイフォリア上空の制空任務、レイフォリア沖海戦ではレイフォル防衛艦隊攻撃に向かうP-1の護衛を務めている。

随時加筆願います。

関連項目
兵器自衛隊

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  • アメリカがここにきて改良してきたな。日本はシステムやら何やらで交渉ポシャったのにミサイル28個って何やねん。しかも中身も大幅グレードアップしとるし本家本元は違うな。まあそれだけF-35の配備が上手く行ってないんだろうけど。 - 名無しさん (2023-07-06 20:16:15)
  • F-15って初登場は航空祭シーンでは?少なくともすぐ手に取れるところにあったコミック版ではそうだった。ついでに言えば2機の - 名無しさん (2023-07-01 10:17:56)
    • 誤送信の続き)F-15の機体の窓下番号が901と840なので42-8840と82-8901だと思われるが、42-8840は1987年3月13日の墜落事故で機体喪失してるんだよね。 - 名無しさん (2023-07-01 10:21:54)
      • 解説にもあるけど、築城の航空祭に登場するのは本文にF-15としか記述がなく、F-15J改とまで断定できない。これはコミック版でも同じ。実際、2015年頃に築城に配備されていたF-15はJ改じゃなくて未改修機だったしね。 - 名無しさん (2023-07-02 16:48:06)
        • 築城基地は自衛隊の単独使用基地であることからしてアメリカ所属機が参加したとは思えないし、そもそも自衛隊にいるf-15はJ型系統しかいないから築城航空祭の機体は少なくともF-15J/DJ型(改装不明)であることは確かで、ギム攻撃隊として登場したF-15(形式不明だが自衛隊所属のためJ/DJかその改良機であることは確定)と同じ立場だと思うんだけど………解説の初登場のところが作中でのF-15Jシリーズの初登場である以上、時系列的にも作中描写的にも築城航空祭を初登場とするのが正しいんじゃないかと思ったんよ。 - 名無しさん (2023-07-07 12:48:27)
          • ギム空襲に参加したF-15については、本文中にF-15J改と明記されています。築城航空祭でF-15は登場するけど、JかJ改か分からないと注で言及されていますよ。 - 名無しさん (2023-08-19 11:30:00)
  • F-3の仕様が単にF-2の置き換えならF-15JSIのコピー機あるいはイーグルⅡ並みの魔改造機の増産が必須じゃないっすかね。召喚時にF-35が存在しないわけなんで。必須は対魔帝のためのステルス機能。 - 名無しさん (2022-06-19 16:55:44)
  • すこし前にF-4ファントムが引退していたけど、F-15イーグルの方は、まだまだ現役が続くんだな - 名無しさん (2021-10-31 09:05:17)
    • ステルス性やアビオニクスで劣るとは言え、格闘性能はまだまだ通用するしね。 - 名無しさん (2022-02-27 23:39:41)
  • F-15EXイーグルIIが完成したけど、これはF-15JSIを取り止めた日本への当て付けに見えるのだが…… - 名無しさん (2021-04-26 18:07:17)
    • F-15JSIを取りやめたってただ価格交渉でいろいろ言ってたのをJSIやめたととった連中の早合点 普通に導入される - 名無しさん (2022-01-24 05:05:17)
  • 召喚だと再生産とかされてそうな機体、グ帝戦の頃には数が現実世界より増えてたり、JSI相当の戦闘機とか出現していそう - 名無しさん (2020-08-26 00:57:38)
  • ところで気になったんだが、作中世界の国々がイーグル並の戦闘機を造れるようになるまで、どれぐらいの時間と努力が必要となるかねぇ? - ドリフ提督 (2018-09-08 12:22:04)
    • ムーはそんなにかからなそう。 - 名無しさん (2023-10-17 16:34:38)
  • 日本国が40年以上も前に設計された機体を使っていることに、ムーやグ帝の人間は驚くと思う。 - 名無しさん (2018-05-25 17:35:03)
    • それ以前に、マジで核戦争想定していた世界から来た事実に驚くどころか気を失うと思う - ハインフェッツ (2018-10-16 20:19:40)
  • F15改の解説が解りやすくて良い - 名無しさん 2018-01-28 18:10:43
  • 調整してくれた方、ありがとうございました。 - 名無しさん 2018-01-27 23:30:01

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最終更新:2023年09月17日 14:56

*1 ちなみに同じような過ちは戦前期にイギリスと我らが大日本帝国海軍がやらかしており、第一次大戦の戦訓(実は第一次世界大戦でイギリス軍は戦闘機同士の戦いはあまり経験しておらず、硬式飛行船や「ツェッペリン・シュターケン」大型爆撃機による本土攻撃に対する危機感のほうが強かった)を取り入れたつもりで開発されたのがかの『デファイアント』である。一方、日本はどこぞのサーカス団長が九六式陸上攻撃機の速度性能から「いずれ戦闘機による迎撃は不可能になる」とまでぶち上げていた。イギリスはホーカーがデファイアントの競作機(『ホットスパー』)をボツにされていたお陰で頑固親父シドニー・カムが『ハリケーン』に専念できていたおかげで、また日本はあくまで「艦隊上空のエアカバーを長時間提供する」という目的で零式艦上戦闘機をやっていたおかげで、第二次世界大戦初期に多少ごたついた程度で済んだ。

*2 ただしアメリカ海軍・空軍の名誉のために言っておくとソ連側もMiG-21Fからミサイルを重視し機銃を2門から1門へ削減、さらにMiG-21PFMでは固定装備ではなくなり(ただしオプションとして搭載できるようにはしてあったが)、ベトナム戦争でのアメリカの体たらくはたちまち他人事ではなくなり、MiG-21SMで固定機関砲が復活した。F-15とMiG-29の性格がよく似ているのは、このためである。

*3 開発当時は正確な強度計算が難しく、余裕を持って設計されたため

*4 実際、片翼を訓練中の空中衝突事故で失っても、そのまま基地まで帰還した例がある。パイロット曰く、「漏れた燃料で右側が見えなかったせいもあるが降りるまで右主翼がないと気づかなかった」「ロケットのように速かったので翼は不要だったのだろう」とのこと

*5 機体記号846号機

*6 誤射したのは870号機。スクランブル待機用の予備として準備されていた機体だったため実弾が搭載されていた事、ミサイルを降ろさないまま訓練に用いた事、訓練中にヒューマンエラーで安全装置を解除してしまった事が重なって誤射が起きた。事故ではあるが、航空自衛隊はF-15の撃墜と被撃墜の両方を記録している事になる

*7 2009年に自動警戒管制システム(JADGE)に更新

*8 J型のみ。新造機の他、既存機にも追加装備されている

*9 射出座席のヘッドレストに装備

*10 冷却装置の能力向上により、排気が不要になったため塞がれた。アメリカ空軍のF-15Cも冷却装置の改修を行っているが、国民性の違いのためかこちらは排気口がそのまま残されている

*11 複座型及び試作改修機含む

*12 2019年度から能力向上改修が開始されたためと思われる

*13 2015年に第9航空団に改編

*14 2014年に飛行教導隊から改称。2016年に新田原基地から小松基地に移駐

*15 安くなったとは言っても結構な値段に思えるが、台湾のF-16A/B Block20の近代化改修では140機あまりを一括発注してF-15J改とほぼ同じ約25憶円/機(但し予備部品や搭載兵装も含む)、韓国のKF-16C/D Block50/52の近代化改修では130機あまりを一括発注して台湾よりやや安い約20憶円/機(同上)になっており、際立って高い訳ではない

*16 2018年12月に公表された「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)」に能力向上改修の対象は「近代化改修を行った戦闘機(F-15)」と明記され、改修対象がF-15J改に確定した

*17 F-15C近代化改修機と同じAN/APG-63(V)3でないのは、F-15J改より退役が遅いF-15Eと同じレーダーにする事で部品供給の円滑化を図っていると考えられる

*18 DEWSはF-15SA等でF-15系への搭載実績があり、空自でも導入中のF-35の電子戦システムと同じである事が採用理由と考えられる

*19 2023年9月7日にF-15JSI用EPAWSSのFMSによる販売許可が発表。調達数は70、費用は4.745億ドル(約700億円)。EPAWSSはF-15EXやF-15Eの近代化改修用に開発されたもので、DEWSの部品枯渇が変更理由と言われている

*20 F-15E近代化改修機やF-15QAにも搭載予定

*21 E-2Dの後期導入分9機にMIDS-JTRSが搭載されることが確定しており、可能性は高いと考えられる

*22 アメリカ空軍が2021年4月から導入を始めたF-15EXイーグルⅡと同水準まで性能向上を図るF-15Cの改修案。2040Cとも。具体的な改修内容はレーダーや電子戦システムの更新、CFT搭載、ハードポイント追加、タッチパネル式大型ディスプレイを備えたグラスコクピット化、ミッションコンピューター更新等

*23 近代化改修時においてもAAM-4やAAM-5に対応するためにAN/APG-63(V)1やセントラルコンピューター、ランチャーの改修、J/ARG-1の追加等が行われており、能力向上改修時にもAN/APG-82(V)1の改修やSRAAMランチャーへのMRAAM対応改修等を行う計画と推定される。これにはアメリカ側の協力が必要だが、アメリカ側は秘匿性向上のため国産ミサイル搭載改修に難色を示しており、アメリカ政府及び企業と交渉中との答弁があった。その後、能力向上改修機へのAAM-4搭載改修に関する調査が2020年2月末日納期で募集されており、交渉が進んでいる事が伺える

*24 因みにF-15EXの2020年度機体単価は約0.8億ドル(約88億円)。初期導入費まで含むと約1.23億ドル(約136億円)

*25 LRASM搭載はF-15EXには計画されていないため、F-15JSIへの搭載には日本が試験費用を負担しなければならず、また改修用装備を生産するアメリカ企業がF-15EX用の装備生産で手一杯で、日本向けの装備生産用ライン構築費等を別途求められ、大幅な増額になった

*26 当初見積の約1.7倍の5,520億円から約1.23倍の3,980億円に減額

*27 3個飛行隊の定数(66機)+αと推定される。国会答弁で改修対象は単座型とされている

*28 ボーイング社のイメージ図の様に主翼下パイロンのSRAAMランチャーをMRAAM対応型に改修するのであれば、従来のSRAAM×4+MRAAM×4やSRAAM×2+MRAAM×6も可能と推定される

*29 漫画版では機体記号841、901号機が参加。他にエジェイ基地に848号機が確認できる。因みに901号機は、築城基地航空祭で機動飛行を行っている

*30 クワ・トイネ公国から国交樹立交渉のために派遣されたヤゴウとハンキが、築城基地航空祭で機動飛行を行うF-15Jを目撃しているが、この機体は近代化改修機ではない可能性がある

*31 魔法版ジェットエンジンのこと。正確にはターボファンエンジン

*32 正確にはダブルデルタ翼