剣崎は走っていた。
アンデッドポケモンが現れたと聞いたからだ。
全力疾走のまま5分ぐらいだろうか、目的地についた。
そこでは橘が既に戦っていた。
相手はクロバットのようだ。
「橘さん、援護します!」
剣崎はそう言うとイノムーを繰り出した。
「イノムー、突進!」
イノムーは全速力で敵―アンデッドポケモンに向かっていった。
バシッ
クロバットに弾かれた。イノムー吹き飛ぶ。
「イノムーッ!」
「下がっていろ、俺がケリをつける。」
橘はホエルオーとバルビートを繰り出し叫んだ。
「バーニングスマッシュ!」
バルビートの"てだすけ"を受けて攻撃力の上った
ホエルオーがクロバット目掛け"飛び跳ねる"!
グギャアッ!
必殺の一撃を受けクロバットは瀕死状態になった。
「カテゴリー8か、面白い。」
橘は8と書かれたモンスターボールをクロバットに投げた。
クロバットはモンスターボールに吸い込まれていく。
「クロバット、ゲットだ。」
「やっぱ橘さんは一流だよなあ、俺なんか足元にもおよばないや。」
研究所に帰る途中で剣崎が呟いた。
「そんなことはない、おまえもよくやってるさ。」
そんなことを話しているうちに研究所についた。
「ご苦労だった、橘、剣崎。」
研究所所長である烏丸が出迎えた。
人類基盤史研究所―通称BOARDはアンデッドポケモンの研究をしている。
アンデッドポケモンとは一部のポケモンの始祖たるポケモンであり、
不死の肉体を持つためそう言われている。
アンデッドポケモンの力はすさまじく、同じアンデッドポケモンでしか対抗できない。
また、彼らは一般には知られてなく秘密裏に捕獲する必要がある。
その役目を受けたのが剣崎 一真と橘 朔也の2人なのである。
「そんなことより最近アンデッドポケモンの動きが活発になっている。
あんた何か隠してないか?」
橘は烏丸に向かって疑問を投げかける。
「そんなことは無い、お前達はアンデッドポケモンを捕獲していればいい」
剣崎の家はBOARDと同じ町にある。
烏丸に選ばれたのもそれが関係しているのだろう。
また彼には両親がいない。幼い頃火事で失った。
剣崎は誰もいない家に帰ると深い眠りについた。
翌日。
剣崎は破砕音で目が覚めた。
何が起きた?窓を覗く。
「研究所が…燃えてる!」
剣崎は急いで研究所に向かった。
(何も無ければいいけど…。)
研究所の外に研究員の一人が倒れていた。
「どうしたんですか!」
「アンデッド…ポケモ…ンが…」
「橘さんが…奴を……操って……。」
研究員の手がガクリと落ちた。
「橘さんが?…そんなこと、あるわけない…。」
研究所ではアンデッドポケモンの一匹、
サワムラーが暴れていた。
既に研究所の職員は全滅している。それほど彼らは危険な存在だった。
駆けつけた剣崎は怒りをあらわにした。
「貴様が、貴様がみんなを!」
剣崎の手が腰のモンスターボールにかかる。
モンスターボールには大きくAの文字が刻まれている。
「いけ、ヘラクロス!」
剣崎のパートナーポケモン―ヘラクロスが飛び出した。
ヘラクロスは烏丸から始めてもらったアンデッドポケモンだった。
一番彼が頼りにしているポケモンである。
「ヘラクロス!つのでつく!」
サワムラーにヘラクロスの角が当たる。
しかしあまり効果をなしていない様だ。
「くそ、このままじゃ!……!」
剣崎の視界に橘が映る。
橘の方には烏丸が抱えられていた。
「橘さん!?」
剣崎は驚きを隠せないでいた。
何故橘が所長を?それより何故一緒に戦ってくれない?
一体どうして?
「ウェ!」
ヘラクロスが剣崎にぶち当たった。
サワムラーに吹き飛ばされたらしい。
「はぁはぁ、橘さん!」
剣崎は助けを求める。しかし橘は見ているだけだ。
「なぜ見てるんです!」
ヘラクロスがまた吹き飛ばされる。
ダウンしているようだ。
「オンドゥルルラギッタンディスカー!あうぁ!」
怒りと驚きで呂律も回らない。サワムラーに攻撃までされる。
「あんたとおれは、仲間じゃながったんでぃすか!」
何も言わずに橘は去っていく。
「そんな、そんなぁぁぁっぁ!」
剣崎は何も信じられなくなっていた。
「なぜだ、なずぇだ、なぜだぁ!」
怒りに駆られてイノムーを繰り出す。
サワムラーに目掛け"とっしん"を仕掛ける。が、外れる。
そのままサワムラーの"とびげり"を喰らい瀕死状態になった。
「うぇぇええええい!」
今度はリザードを繰り出した。
リザードは"きりさく"でサワムラーに攻撃する。
運良く急所に当たったのか、サワムラーは膝をついて倒れた。
剣崎は5と書かれたモンスターボールをサワムラーに投げつけた。
サワムラーがモンスターボールに吸い込まれていく。
「…橘さん、何故裏切ったんですかぁ…」
気づけば雨が降っていた。
最終更新:2007年01月06日 13:18