カイロスとヘラクロスが激しくぶつかり合う。
「ヘラクロス、インファイト!」
「カイロス、はかいこうせん!」
ヘラクロスがカイロスの懐目掛け突撃する。
対するカイロスも必殺の大技を放った。カイロスの攻撃を受けるヘラクロス。
しかし、攻撃を打ち破ると鋭い一撃を浴びせる。
カイロスは仰向けになって倒れた。ヘラクロスも同時に倒れる。

「相打ちか。ならば次は!」
橘はホエルオーを繰り出した。あまりの巨大さに周りの木々が何本かへし折れる。
「やっぱでかいな……。いけ、サワムラー!」
剣崎はサワムラーを繰り出す。
「跳び上がれ!」
剣崎の指示を受け、体をバネにして舞い上がるサワムラー。
「とびげり!」



そのまま蹴りの体勢に持ち込む。ギリギリまで近づいたところで橘が合図をした。
するとホエルオーから水が勢いよく吹き出る。"しおふき"だ。
再び宙を舞うサワムラー。
「!! まだだ、ケンタロス!弾き戻せ!」
ケンタロスは現れると角の磁力を使いサワムラーの進行方向を反転させた。
「オドシシ出ろ!ライトニングブラストスペシャル!」
さらにオドシシを繰り出す。"10まんボルト"で相手の動きを封じる。
磁力を受けたサワムラーが再度蹴りを打ち込んだ。
直撃を受け気絶したホエルオー。
「よし!」
剣崎はガッツポーズを決める。しかし直後サワムラー他二匹が吹き飛んだ。
「何!?」
橘は新たにサンドパンを繰り出していた。"どくばり"を指示していたのだ。
ご丁寧にバルビートの火炎の援護付だ。

「あまり甘く見るな。俺は本気だ」
橘が言い放つ。剣崎が次のポケモンを繰り出そうとした時、伊阪が現れた。
「橘、カテゴリーAが現れた。捕獲をしにいけ」
「……仕方ない。剣崎、一時休戦だ」
橘はポケモンを戻すと伊阪に指示されたポイントへ向かった。
「今の橘さんにポケモンを捕獲させるわけには行かない!」
剣崎も橘を追跡した。



高い橋の上、カテゴリーAは既に始と戦っていた。
「ムクホーク、ブレイブバード!」
突進攻撃を受け吹き飛ぶカテゴリーA。
アリアドスの始祖である最後のカテゴリーAにとっては手痛い攻撃だった。
あやうく橋から落ちそうになるほどだ。
「そいつは渡さん!」
戦場に橘が駆けつけた。サンドパンを繰り出す。
「邪魔をするのか?いいだろう、お前も始末してやる」
始が橘を敵とみなした。ムクホークを橘にけしかける。
それに対し、サンドパンが"どくばり"で迎撃する。
「やめてください橘さん! ……始!」
剣崎も追いつく。
「始、そいつを捕獲しろ! ダディヤーナザンバオディガ引きつける!!」
剣崎がケンタロスを繰り出す。磁力でサンドパンが引き寄せられる。
橘もニョロトノを繰り出しケンタロスに攻撃を指示した。
再び 剣崎対橘 の戦いが繰り広げられる。

「スピニングウェイブ!」
そうこうしている内に始はアリアドスにトドメを刺していた。
モンスターボールにアリアドスがしまわれていく。
「よし、やったな始!」
剣崎が喜んだ隙を突いて橘が始に接近した。
「ニゴリーエースハオレノモノダァー!」
ホエルオー、バルビート、ギャロップが繰り出される。
ギャロップが"かげぶんしん"を行うと、バルビートを経由してホエルオーに引き継がれる。
2匹になったホエルオーがバルビートのてだすけ――火炎攻撃を受け、"のしかかる"!
「バーニングゥディバイド!」
橘の叫びと共に始は橋から落ちた。
「始ッーー!」
剣崎の叫びは空しく響いた。



「何故です、橘さん! どうして始を!?」
間髪いれずに橘が返した。
「カテゴリーAは無事だ。それで十分だ」
話が噛み合わない。橘に話しを合わせるつもりなど無いのだろう。
「……今は始が心配だ。あなたのことは後回しにさせてもらう」
剣崎は橋下に降りていく。
「好きにしろ。俺は帰らせてもらう」
橘はもと来た道を戻り始めた。
腰のモンスターボールには2匹目のカテゴリーAがしまわれていた。


「戻ったか。カテゴリーAは?」
伊阪の問いに、
「ここにある。こいつだ」
橘がボールを差し出した。
「2匹目のカテゴリーAか。これでアイツもポケモントレーナーだな」
伊阪がまたも不敵な笑みを浮かべていた。



「始、どこだっー!?」
剣崎が始を探す。橘に叩き落されてまだあまり経っていない。
今なら大事には至らないかもしれない。
「……始!」
剣崎が始を見つけた。傷を負っているようだが命に別状は無いようだった。
「とにかく、町に連れてかないと……」
イノムーを繰り出すと始をその背に乗せる。
そのまま剣崎は町へと降りていった。


町に降りた剣崎は天音の家に向かった。
「天音ちゃん、いる!?」
剣崎が扉を叩く。程なく天音が出てきた。
「どうしたの、剣崎さん……始さん!?」
天音が目を丸くする。そこにいた始の姿は体中ボロボロだった。
「くぁwせdrftgyふじこlp……始さんどうしたの!?」
天音が混乱し始める。剣崎は冷静に、端的に事を話した。
「……つまり、橋から落ちたんだ。ちょっとおかせてもらえるかな?」
天音が頷く。
「とりあえず、あたしの部屋に来て。あ、救急箱持ってくる!」
慌しい天音を見て剣崎は、何とかなるな、そんな気になった。

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最終更新:2007年01月26日 18:28