特殊ルール

概要


通常のルールとは異なる特別なルールのこと。
遊戯王ではこの特殊ルールが度々登場しており、ゼアルでも様々な特殊ルールが登場している。

特殊ルール自体に問題があるというわけではなく、むしろマンネリを回避する手段の1つでもある。
問題なのは特殊ルールそのものであり、ルールの詳細が一切不明なものやルールがコロコロ変わるもの、果てはデュエルがデュエルですらなくなっているものまで存在する。


遊戯王シリーズと特殊ルール


過去作にあった特殊ルールで問題に上げられる物としては、バイクに乗って行うデュエルである「ライディングデュエル」を行う際に適用される《スピード・ワールド》や《スピード・ワールド・2》が挙げられる。
これらが適用されている状態では「Sp(スピードスペル)」以外の魔法カードが発動できなくなる*1というルールがあり、結果として戦略の幅が狭まってしまっていた。

というのも、「Sp」は全て「スピードカウンターを必要とする通常魔法」であるため、実質的にライディングデュエル全般が縛りプレイになってしまっているのである。
遊戯王OCGに存在する魔法カードには、「通常魔法」の他に「永続魔法」「速攻魔法」「装備魔法」「儀式魔法」「フィールド魔法」が存在するのだが、これら6種類の内5種類が使えないというのは非常に痛い。*2

例えば、メインキャラクターである龍亞と龍可のエースモンスターである《パワー・ツール・ドラゴン》や《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》は、それぞれ装備魔法とフィールド魔法に関する効果を持つため、ライディングデュエルではまともに戦えなくなるのである。
この2人は作中中盤でスケートボードを使ったライディングデュエルを行えるようになっていたのだが、やはりこの問題の影響は大きかったのか、結局この2人のライディングデュエルはこの1回しか行われず、設定が生かせなくなっていた。*3
ライディングデュエルのチーム戦で行われる大会であったWRGPでの龍亞と龍可は、チームの一員でありながらサポート役であった。まあ子供だし…。*4

また、「Sp」の発動条件となるスピードカウンターの設定も活かせているとは言い難く、その場その場の都合に応じた発動条件が設定*5されている他、発動条件の厳しさと効果の強さがかみ合っていないカードも多数存在するため、設定が完全に形骸化している。
そしてそれでも使いにくかったのか、結果としてライディングデュエルでは面倒な条件のない罠カードばかりが登場するようになってしまっていた。*6



これらのカードを必要とするライディングデュエルそのものの評価は非常に高いのだが、何故このような余計な設定を加えたのだろうか?
リニューアル品として登場した《スピード・ワールド・2》には「手札の水増し」という明確な手抜き目的がある*7が、こちらもダメージ効果の存在に伴う不自然な展開を誘発*8することになってしまっている他、それらの効果の発動にスピードカウンターを必要とするため、益々「Sp」を形骸化させている。

閑話休題。

このように色々と問題はあったものの、それでもライディングデュエルの評価は高く、問題の少なかった*9ゼアル初期にも「ライディングデュエルがなくて寂しい」といった意見はいくつも存在した。
そしてその結果登場したのがかの悪名高い「デュエルコースター」であり、人によってはゼアルのデュエルが酷いという事実を最も強く感じるのはこれかもしれないというくらい酷いものとなっている。え、意外と好きだって?好きなままでいてくれ。

なお、後にARC-Vでライディングデュエルが再登場した際には、《スピード・ワールド》に関する問題も解消されていた。…まあ世界違うし。
というより、あちらはライディングデュエル特有のルール自体がまとめて削除されており、強いて挙げるとするなら、「フィールド魔法が使えない」という制限が残ったくらいである。


前置きが長くなったが、このページではゼアルで登場した特殊ルールとその問題点を記す。
ただ、その全てをこのページに記しきることはできないため、ゼアル特有の特殊ルールについては、ページ最下部に設けたリンク先を参照されたし。
このページでは、過去作にも登場している特殊ルールの問題をゼアルで悪化した要素も含めて解説する。


タッグデュエル


デュエリスト2人がペアとなり、2対2で行うデュエル。
「1対2」や「3対1」など、人数が平等ではない状態で行われることもあるが、協力関係がある場合、ここではそれも「タッグデュエル」として扱うことにする。

敵対していたライバルとの共闘やパートナーとの絆の描写など、ストーリーが作りやすいルールであるためか、全ての遊戯王シリーズで行われている。
燃える展開にしやすいという性質上、タッグデュエルになるとワクワクするという視聴者も多い。

しかしこのルール、「ルールが統一されていない」という致命的な問題がある。

デュエル構成担当者や脚本の都合に合わせてルール上可能なプレイングや勝敗決定方法がコロコロ変わるため、御都合主義感が甚だしい。
一応、タッグデュエルには「タッグフォース」というゲーム作品で採用されているルール*10があり、一部のタッグデュエルはそのルールで行われているのだが、統一して御都合主義をやめる気はさらさらないようである。

面倒なんだろう、うん。


他の問題としては、前述したように「人数が平等ではない」状態で行うことが多いというのも挙げられる。

というもの、主人公側が多人数側であった場合は、仲間との協力や敵の強大さを示す以上に、「1人で倒せるだけの実力がない」「卑怯」といったマイナスイメージが生じてしまうのである。
そのため、この構図はあまり褒められたやり方とは言えない。

一方、この構図を逆手にとって、少人数側のデュエリストの圧倒的な強さを演出する手段として用いられることもある。
たった1人で2人~5人をまとめて倒す様は、確かに強キャラのそれだろう。
ただ、この場合もこの場合で、多人数側となるデュエリスト*11の手札が軒並み余るという不自然な現象が起きることが多く、結局その強さを十分に表現できているとは言い難い。



ゼアルの話に移るが、こちらもこちらでルールが全く統一されておらず、人数上不利なデュエルもかなり多い。
結局何の反省もされておらず、それどころか更に悪化してしまっていた。

具体例を挙げだしたらキリがないため、ここでは【遊馬&ナッシュvsドン・サウザンド】戦のみを挙げる。

零によってルールの詳細が不明なままデュエルが進行しており、この時の遊馬「次のターンにルール上のドローとは別にカードをドローし、ドローしたカードが同じレベルならそれらのモンスターでエクシーズ召喚できる」という効果を持つ《セッション・ドロー》を使用している。
その結果、遊馬はシャイニングドローによって《ZW-風神雲龍剣》を、ナッシュバリアンズ・カオス・ドローによって《パンサー・シャーク》を創造してレベル5が揃ったと喜ぶ茶番が見られたのだが、どうもこの処理がおかしい。

というのも、遊馬が《セッション・ドロー》でドローしたターンはナッシュのターンであるため、遊馬がルール上のドローを行うターンではない。
《セッション・ドロー》をナッシュに対して発動した場合はナッシュが合計2枚ドローすることになる筈であり、遊馬に対して発動した場合は遊馬が3ターン後に合計2枚ドローすることになる筈である。
加えて、遊馬が発動したカードの効果であるにもかかわらず、エクシーズ召喚されるモンスターは何故かナッシュのエクストラデッキから選ばれていたりする。

このデュエルのルールが「タッグフォース」で採用されている交代制のタッグデュエルであったと仮定すればいくつかの現象も説明可能になるが、その場合はその場合でプレイする権利がナッシュにしかないことになるため、やはり遊馬がドローや発動を行えることの説明がつかない。

また、この時の遊馬はドローの他にも次々カードを発動させており、攻撃宣言まで遊馬が行っていた。
特別意識でもしない限りは遊馬のターンにしか見えず、益々わけのわからない流れになってしまっている。
このデュエルを「バトルロイヤル」とするなら尚更であろう。



ゼアル特有の問題としては、タッグデュエルによってインスタントな絆を描写しようとしてデュエルに歪みを生じさせるというものがある。
前述した不自然な展開も、遊馬が言っていた「オレ達の絆」を示そうとしてデュエルのルールを歪めた結果と言えるもので、パートナーに対しての効果発動に伴うおかしな処理は他にもいくつか存在する。

そしてルールとはまた別の問題になるが、このゼアル特有の問題はタッグデュエルの参加者の内の1人が要介護者になるというグダグダな法則も作っており、中でもカイトはタッグデュエルを行う度にパートナーからの介護を受けるキャラと化してしまっている。
【遊馬&カイトvsⅢ&Ⅳ】戦ではカイトの介護に追われていた遊馬も【遊馬&ドロワvsアリト&ゴーシュ】戦などでは介護される側に回っており、彼らの実力の基準がよくわからない。



余談になるが、現在放送中の遊戯王VRAINSでは、人数上不利になるデュエルを頑なに避けるという別の意味で不自然な現象が起きている。
この作品にはARC-Vに対する当てつけを登場人物に度々言わせているゼアル信者並みに幼稚なスタッフ*12も参加しているため、これもその一環なのだろう。
話が逸れるため具体例は挙げないが、言うまでもなく、人数上不利なデュエルをなにがなんでも避けようとする主人公の遊作は非常に格好悪く、ある意味人数上不利なデュエルが頻発していたARC-Vよりも酷い。*13
しかもその際には盤外戦術まで用いることがあり、そういう意味ではもはや当てつけにすらなっておらず、ただのブーメランである。


ハンディキャップ


人数が平等ではないタッグデュエルが行われる際に、少人数側に設けられる何らかの特例。

基本的にライフ差を生じさせているが、ロットンのように10枚もの初期手札を要求して相手にターンすら回さない1ターンキルを狙う*14*15や、アポリアのように先攻の権利しか要求していない者*16も存在する。
総じて人数上の不利を解消しているとは言い難く、数の暴力を働いているイメージを覆せているわけではない。
そもそもこのルールも全く統一されておらず、結局タッグデュエルのルール同様ただの御都合主義である。



前項目で述べたように、人数が平等ではないタッグデュエルは度々行われており、その中でもゼアルは特に多く、例によって悪化もしていた。

ゼアルでは、【遊馬&凌牙&カイトvsDr.フェイカー】戦、【遊馬&Ⅲvs蝉丸】戦、【凌牙&Ⅳvsクラゲ先輩】戦、【カイト&Vvs蚊忍者】戦の4回でハンディキャップが設定されており、いずれもライフ差を生じさせている。
【鉄男&等々力vsⅣ】戦、【遊馬vsゴーシュ&ドロワ】戦、【遊馬&カイトvsミザエル】戦、【遊馬&真月vsギラグ】戦、【遊馬&カイトvsMr.ハートランド】戦、【アンナ&ロビンvsミザエル】戦、【六十郎&闇川vsギラグ】戦、【V&Ⅲvsミザエル】戦、【メラグ&ドルベvsベクター】戦、【遊馬&ナッシュvsドン・サウザンド】戦では、人数差があるにもかかわらず特にハンデは設定されていない。*17

こうして並べてみると、人数が不公平なデュエルがゼアルでかなり多かったことが分かるだろう。
これはゼアル信者によるARC-V叩きがダブスタになる理由の1つでもある。



ゼアルらしい問題としては、前述した「主人公側が悪側に対して数の暴力を働く」展開が多いことが挙げられる。
上に挙げた全14のデュエル中、例外となるのは【遊馬vsドロワ&ゴーシュ】戦のみである。*18
この件に限らず、ゼアルでは遊馬側の行いはどれだけ酷いものであっても全肯定され、その一方で遊馬の選民思想に認められなかった人物は全否定されるため、非常に気持ちの悪い作品となっている。

そしてそもそもの話をすれば、遊馬の行うデュエルの大半はアストラルとのタッグであり、そういう意味では数の暴力を毎回のように行っているとも言える。
もちろん、ルール上で特別有利になっているわけではないため、アストラルとのタッグを前述した数の暴力と一緒くたに扱うのはおかしいのだが、それでも寛容すべきこととは言えないだろう。

なおDSODの番宣で呼ばれたメンタリスト(正)のDaiGo曰く、視聴者からすると当たり前な事しか言ってない本田のツッコミは「デュエルの実況中継を通して自己認識力を高めている。本田は遊戯たちの前頭葉を活性化していた。」らしい。
つまり遊馬はアストラルと共に常に相手より有利な状態で戦っていた事になる。映画監督はどう思っていた事やら。*19



結果として、遊馬は「1人で敵を倒せるだけの実力がない」というマイナスイメージを慢性的に内包している主人公となっている。*20
実際、遊馬はアストラル不在時(もしくは黙った時)のデュエルでの勝率がかなり悪く、*21アストラルを例外とした場合でも、ボスに該当するデュエリストを1対1で倒したことがない唯一の主人公でもある。*22
まぁ、数の暴力がどうこう以前に、こんな能力こんな能力を使うという罪を犯している主人公でもあるのだが。



そしてゼアルでは、不公平を緩和する筈のハンディキャップでも問題が生じていたりする。

例えば、【遊馬&凌牙&カイトvsDr.フェイカー】戦では、人数上不利になるフェイカーが12000もの初期ライフを要求していた。
当然、3人分のライフを得たところで手持ちカードの枚数までは増えないため、フェイカーが圧倒的不利であることには変わりない。*23

問題となるのは、フェイカーのプレイングとそのデュエル展開である。

というのも、フェイカーは1ターン目に合計3000ものライフコストを払っており、まるでハンデとして設けた初期ライフが邪魔だったかのようなデュエルを行っていたのである。*24
また、このデュエルが遊馬とフェイカーの1対1のデュエル、つまりハンデなしのデュエルであったと仮定した場合、フェイカーは返しのターンにあっさり敗北していたことになる。

このデュエルでは、いつ育まれたのかも分からない遊馬、凌牙、カイトら3人の絆を、「三勇士」という呼称を唐突に登場させたり、倒れていた後者2人を唐突に復活させたりしてまで描写したことになっているのだが、これでは他の2人の存在が邪魔だったことにしかなっていない。



他の酷い例としては、【遊馬&Ⅲvs蝉丸】戦、【凌牙&Ⅳvsクラゲ先輩】戦、【カイト&Vvs蚊忍者】戦の、「トロン一家に出番を与えるための三連戦」が挙げられる。
このデュエルでは、人数の少ない方のライフが8000に、人数の多い方のライフが2000になるというルールだった。

ルールが適用される際には地面にバリアンの紋章が浮かんでおり、対戦相手に微量のリアルダメージも与えている。
名前を付けている者もおり、クラゲ先輩は「先輩ルール」と、蚊忍者は「蚊学忍法・夢蚊幻蚊」と呼んでいた。
これまでにもあったハンディキャップをさも特別であるかのように演出した理由は不明。

例によって人数上の不利を埋めているとは言い難く、この程度のライフ差を設けただけでは大した違いにならない一方、バーンに特化していれば先攻1ターンキルも容易なライフとも言える*25ため、色々とバランスが悪い。

ただ、前述したようにゼアルは主人公側だけが一方的に正義となる気持ちの悪い作品であり、この時のもこのルールに対して「卑怯だぞ!」という一方的な非難を向けていた。
2対1でデュエルを挑んでいる自分たちは「卑怯」ではないのだろうか?

また、、カイトはこのルールに対して、何故か上から目線で承諾している。
「弱いお前には丁度いいハンデだ」とでも言いたげだが、こいつらは人数が多い側であり、つまりは弱者側の立場である。

もうわけがわからない。



このルールの最大の問題点は、取り決めではなく能力として描写されていたことである。
作中では2対1のハンディキャップとしてしか使われていないが、別に1対1のデュエルでは使用できないというような制限があるわけではない。
そのため、またデュエルを台無しにする能力が追加されてしまった他、後の【カイト&遊馬vsMr.ハートランド】戦で悪役であるハートランドがこの能力を使わなかったことが不自然な展開になってしまっている。*26

この件に限らず、ゼアルでは正義側よりも悪側の方が正々堂々とデュエルしている展開も見られる。*27
まぁ、悪役らしく1対1のデュエルでこの能力を使っていたとしても、こんな能力で無効化されるのがオチなのだが。



また、ハートランドがこの能力を使用した際、蝉丸は「1ターン目から攻撃できる」というオベリスクフォースルール*28まで勝手に加えている。
つまりは攻撃力の合計を2000にまでしてダイレクトアタックすれば相手が何もできないまま勝利できるということになるのだが、何故か蝉丸は攻撃を行える状況であるにもかかわらず攻撃しないまま自分のターンを終了していた。*29

この不自然な展開の理由としては、「制作上の都合」という身も蓋もないものが挙げられる。
「全てのプレイヤーは1ターン目には攻撃できない」といういつものルールがあると、遊馬とⅢを最初のターンから攻撃させられず、決着までの尺が伸びるのである。

だったら小鳥の出番やメンタルの強い遊馬先生の徘徊を少しでも削って尺を作れよという話でしかないが、それができるなら「いつものゼアル」なんて言われていない。


フィールド魔法を予め設置


文字通り、フィールド魔法が予め設置されている状態で行うデュエル。
前述した《スピード・ワールド》や《スピード・ワールド・2》もこれである。

元祖となるのは原作における「決闘者の王国編」で適用されていたルールだが、あちらは「フィールド魔法」という括りではなく「モンスターが特定のフィールドでパワーアップする」というルールであり、設置されているフィールドが1種類というわけでもないため、微妙に違うとも言える。



このルールの問題は「フィールド魔法が使えなくなる」という点であり、設置されているフィールド魔法は基本的に除去できない。*30
フィールド魔法を主軸とする戦術のデュエリスト達はどうすればいいのだろうか?

ゼアルではこのルール(?)が合計4度登場していたが、例によってどれも悪化している。
ライディングデュエルのように予めそのルールで行うことが決まっているならまだしも、ゼアルの場合は唐突に決められているという展開しかないため、その問題はかなり露骨である。
遊星は通常のデッキの他のライディングデュエル専用のデッキも所持していたりする*31が、そういった準備すら許されないのは理不尽すぎではないだろうか?

以下にその問題を1つ1つ解説するが、その内の1つである《スフィア・フィールド》に関しては、ページ最下部にあるリンク先を参照されたし。



1つ目はデュエルコースターでのデュエルに勝ち残りながら戦うフィールドを目指すというもので、《ジャングルフィールド》《コズミック・フロンティア》《マグマオーシャン》《デンジャラス・キャニオン》の4つが選択肢となっていた。

4つのフィールドの内《デンジャラス・キャニオン》のみ事情が異なっており、デュエルコースターに乗ったままデュエルを行っている。
1対1のデュエルであったため、デュエルコースターの支離滅裂ルールの影響は特になかったが、これも遊馬の傍に小鳥がいた影響だったりするのだろうか?

また、何故か途中で《デンジャラス・キャニオン》が《夕日の決闘場》に変わっていたりもする。
仮に誰かがフィールド魔法を上書きできていたとしたら、更に上書きされてしまうという理不尽な展開もあったのだろうか?



このルールの問題は、例によって大会参加者に事前に知らせずに唐突に明かされたという点。
デュエルコースターのどのレーンを進めばどの場所に到達するのかも全く説明されていない。
ただ、元運営委員の職権を乱用でもしたのか、ドロワはこのルールを予め把握しており、自分の戦術にとって都合のいい《ジャングルフィールド》にトロンを誘い込んでいる。*32

もう1つの問題として、設置されているフィールド魔法が偏った効果を持っているという点が挙げられる。
《マグマオーシャン》は水属性メタの効果*33しか持っていないため、水属性を使わないデュエリストがその場に到達していた場合はルールの意味がないのではないか、水属性使いのデュエリストが力を発揮できない状況を作って大会は盛り上がるのか等の疑問しか湧かない。

作中ではこれまた何故か詳細を知っていたⅣがシャークをこのフィールドに誘い込んでおり、「圧倒的不利な状態から逆転勝利するシャーク」という、Ⅳの株、はては「極東デュエルチャンピオン」の株を落とす出来レースが展開されていた。
加えて、シャークもシャークでフィールド魔法メタを使うことでルールを形骸化させていたりするため、何の意義があって用意された舞台だったのかがよく分からない。



2つ目は《スフィア・フィールド》で、3つ目はベクター達が遊馬達を《異次元の古戦場-サルガッソ》が発動済みのフィールドに誘い込んだ件である。

エクシーズ召喚を行ってもダメージ、エクシーズモンスターをコントロールしていなくともダメージと、エクシーズ召喚一辺倒のゼアルキャラにはぶっ刺さるフィールド魔法と言える。
それならベクター達も困るじゃないかという話だが、当のベクターとドルベは《サルガッソの灯台》という専用メタカードを使って*34ダメージを回避しており、自分が圧倒的に有利になる状態でデュエルを行っていた。
カイトとの対等な勝負を望んだミザエルのみこのカードは使わずにダメージを受けていたのだが、当のミザエルもミザエルで後々インチキドローを何の躊躇いもなく行うようになっていたりするため、彼らの倫理観がよく分からない。



このサルガッソの一件はGXの異世界編のパロディでもあるのだが、その内容は比べるのもおこがましいレベルに酷く、ある意味ゼアルを信者とアンチに二分した一件とも言える。

ストーリー・デュエル両面で問題だらけであり、デュエル面だけでも、中断やプレイングミスや墓地効果の連発で色々と台無しにしている他、効果を無効にする効果で全てをなかったことにした上に最後はカードを書き換えるインチキが勝負の決め手になるなどしていた。

もうその問題はここではとても書ききれないため、気になる人はゼアルの94話~98話を視聴して確認していただきたい。*35

ホントなんだったんだあれは?



4つ目は、ドン・サウザンドが《ヌメロン・ネットワーク》をデュエル前に発動していた件である。

要はベクター達と同じだろうと思うかもしれないが、流石はバリアン世界の神、説明も挙動もないまま発動した上に破壊できないように隠すというとんでもない不正を働いている。
七皇如きとはイカサマの格が違ったのだ。

しかも、それを無理に破壊しようとすると世界が危なくなるとかどうとか。
もう意味が分かりません。

そのため、デュエル中にはアストラルがデュエルから離れて*36《ヌメロン・ネットワーク》を探しに行って自爆するという謎の尺稼ぎが展開されている。
結果としてキャラデザが変わるレベルの綺麗な目をしたエリファス*37が代わりに自爆したことで、アストラルの3回目となる死ぬ死ぬ詐欺*38はまたもや詐欺に終わっていたのだが。

なお、この時のエリファスはアストラルに1枚のカードを渡しているのだが、それが何だったのかは結局分からずじまいだった。
彼はアストラル世界でも同様にカードを1枚渡しているため、同じことを2回行ったことになる。
1枚は《RUM-アストラル・フォース》なのだろうが、もう1枚の詳細はやはり不明。
ただ、ゼアルは【遊馬vsナッシュ】戦で《RUM-アストラル・フォース》をシャイニングドローによって手札に加えているため、そういう意味では2枚とも詳細が不明である。

恐らく、過去にカードを渡していた展開を忘れていたスタッフが同じことを2回行ってしまったということなのだろう。*39


ゼアル特有の特殊ルール


前述したようにその詳細をこのページに書ききることはできないため、以下のリンク先を参照されたし。
なお、制限時間や人質の設定、リアルダメージの追加、個人の特殊能力でまともなデュエルにならなくなっているだけでは、特殊ルールには含めていない。




これら以外にも「カップルデュエル」なるものも存在するが、これは男女ペア限定になっただけのタッグデュエルだと思われる*40ため、ここでは扱わない。





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最終更新:2023年08月08日 14:21
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*1 厳密に言うと2000ダメージを受ければ発動できるのだが、作中では発動できないと説明されている

*2 儀式モンスターも使えないも同然

*3 一応スケートボードはアーククレイドル内で多少役に立っているが、別にバイクの後ろに乗せてもらうだけでもよかった

*4 一応ピットボードを出す仕事やデュエルの解説等はしているため、小鳥よりは遥かにマシだが

*5 スピードカウンターが2個しかない時に登場するスピードスペルはスピードカウンターが2個必要なカードで、8個ある時には8個必要なスピードスペルが登場する等

*6 サイコショッカーさん、出番ですよ

*7 スピードカウンターを消費すれば1枚ドローできる

*8 敗北しそうになるとダメージ効果の発動に必要なスピードスペルを一向にドローしなくなる等

*9 というか目立ってなかった

*10 1対1のデュエルを2人で交代しながら行うタイプのもの

*11 基本的にモブ

*12 本人もARC-Vに参加しているため、失敗の責任を自分から切り離してマウントを取らずにはいられないのだろう

*13 ARC-Vには「まとめてかかってこい」と勇ましく宣言するキャラも存在する

*14 お前それでもデュエリストか!

*15 リアリストだ

*16 ペシミストだ

*17 一部は「バトルロイヤル」として扱われているが、普通に協力関係が生じている

*18 メラグとドルベの件ではベクターが明確な悪側として描かれていた

*19 足付きの碁盤の裏に何故窪みがあるのか、気になる人は調べてみよう

*20 2人の遊戯や十代とユベルにも同じことが言えるが、彼らが協力して行ったデュエルはかなり少ない

*21 鉄男に50連敗した記録も含めるのであれば余裕で負け越しである

*22 何を「ボス」と捉えるかにもよるが

*23 しかもこの時のルールでは、フェイカーのターンは4ターンに1回しか回ってこない

*24 当然、デュエル構成的には無理にライフコストを設ける必要はない

*25 同じことは初期ライフが4000の場合にも言えるが

*26 使用していた場合は遊馬が乱入する前にカイトは敗北する

*27 これも別にハートランドが肯定すべき存在というわけではなく、単に遊馬が酷すぎるだけなのだが

*28 ゼアルが元祖である以上この呼び方もおかしいが

*29 もし攻撃していたら蝉丸が勝っていた

*30 このルールで行われた初のデュエルでは闇遊戯が《燃えさかる大地》の効果で森を焼き払っていたため、少なくとも王国編のルールでは除去できる模様

*31 遊星はフィールド魔法を使わないが、スピードスペルの有無が影響する

*32 しかもデュエルでは積み込みにしか見えないプレイングをしていた

*33 召喚した水属性モンスターは即破壊される

*34 何故か都合よく初手にある

*35 ゼアル信者が放火の免罪符を得たと思ったARC-Vの92話と話数が近いのは偶然なんだかどうなんだか

*36 アストラルは遊馬から離れたくても離れられないという設定はとっくの昔に消滅しました

*37 例によって視聴者に構ってほしかったのだろう

*38 そもそもが城之内のパロディ

*39 別にそんな前の話ではないのだが

*40 例によってルールは不明瞭