甲鱗のワーム

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甲鱗のワーム - (2025/06/27 (金) 13:30:51) のソース

#image(Scaled_Wurm.jpg,title=テキスト欄をびっしりと占有する重厚なフレイバーテキスト(下記)に圧倒される人は、実際ネタ抜きに多い)

&font(17,b,i,green){氷河期のあいだに繁栄を極めたこのワームは、キイェルドーのありとあらゆる人々にとって恐怖の的だった。&br()その巨体と狂暴な性格が呼び起こした悪夢は数知れない───甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。}
&font(15,b,i,green){― 「キイェルドー:氷の文明」}

トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」のクリーチャー(生物)。
一番レア度の低いコモンカードに分類される8マナ(緑+7)のカード。
現代英語で「ワーム(worm)」&link_anchor(*1){*1}と言うと[[ミミズ>アースワーム ジム]]等の「蠕動運動で移動する虫=蠕虫(ぜんちゅう)」の事だが、
古くは「[[大蛇>オロチ]]」の事であり、転じて「[[手足や翼の無い蛇型のドラゴン>オロチ(戦国ランス)]]」の事を指す。
当然[[某虫型宇宙人>ワーム]]とは関係無い。

通称「バニラ」&link_anchor(*2){*2}と呼ばれる「特殊能力を持たない」クリーチャーながら、
パワー(攻撃力)が7、タフネス(耐久力)が6という、正に「[[力こそパワー>霧雨魔理沙]]」なカード([[サバンナに住むライオン>お前それサバンナでも同じ事言えんの?]]が2/1)。
[[そのありえない強さ>エンテイ]]からファンから&b(){「甲鱗様」}と[[崇められている>MUGENキャラクターニックネーム一覧]]。

#region(甲鱗様の強さの秘密)
//MTGをプレイしていなければ分かりにくい部分を変更してみました
実際、場に出れば強いのは間違ってはいない。(序盤に)&b(){出さえすれば}。
しかしてその実態は「カードの強さはコストの安さも重要」という事を身を以て教えてくれるもの。
特別なギミックを用意しない限り&b(){8マナ}の甲鱗様を場に出すには&b(){14ターン}近くかかる&link_anchor(*3){*3}。
しかも、『MTG』のクリーチャーは「速攻」能力等を持たない限り、基本的に場に出たターンは攻撃に参加できず(召喚酔い)、攻撃は次のターンから。
他に特殊なカードがない限り、特殊能力を持たない甲鱗様が攻撃できるのは、この上+1ターン後という訳。
プレイヤーのライフ20に対しパワーが7なので「本体を3回殴れば勝てる」計算にはなるが、
それなら8ターンぐらいで出せるクリーチャーにパワーが5や4の者が多数居るため、そちらで4,5回殴れば甲鱗様の降臨前に勝負が着く。
そしてどんなに強いクリーチャーの攻撃でも、特別な能力を持たない限りは、
[[雑魚クリーチャーを1体犠牲にしてブロックする>仮面ライダー王蛇]]だけで相手プレイヤーには1ダメージだって通らないのが基本ルール。
召喚にそんなにもたつけば、壁用の雑魚など好きなだけ用意されてしまう。
しかも除去カードの耐性能力もないため、こちらも対策をしない限りは場に出た直後に無力化される恐れもある。

更に、甲鱗様の持たない能力には有用なものがたくさんあり、例を挙げると、
-トランプル、これがあれば雑魚にブロックされても本体に余剰分のダメージが通る。&br()甲鱗様は雑魚の犠牲的精神を尊重するので、そのような下品な能力は持たない。
-飛行、これがあれば飛行持たない雑魚にはブロックされないため本体に攻撃が通りやすくなる。&br()甲鱗様はガチンコ勝負がお望みなので、そのような余分な物を持たない。
-ブロックされない、これがあればそもそもブロックされないので雑魚は無視できる。&br()甲鱗様は自身に挑むもの全てに誠実に応えるので、そのような姑息な物は持たない。
-プロテクション、これがあれば特定のカードには無敵になる。&br()甲鱗様は相手を選んだりしないので、そんな弱い者いじめまがいをしない。
-再生、これがあれば何らかの理由で破壊されても復活できる。&br()甲鱗様は潔いのでそのような悪足掻きはしない。
-警戒、これがあれば攻撃に参加してもブロックに参加できる。&br()甲鱗様は休息も戦士の仕事と考えている慈悲深い方なので、そんな不健康な事はしない。
-速攻、前述の能力。これがあれば召喚時にすぐに参加できる。&br()甲鱗様は落ち着いた性格なので、そんなせっかちな事はしない。
一応、緑クリーチャーで飛行・警戒・ブロックされないを持っている方が珍しいのだが(擬似的にブロックされない能力は存在する)。
逆に言えば緑の大型クリーチャーでトランプルを持っていない時点で、「特別なギミック」を用意したとしても甲鱗様はお呼びじゃない。
しかも「茨の精霊」(7マナ(緑緑+5)7/7 擬似的にブロックされない能力)の様な、ほぼ完全な上位互換すら登場してしている
(あえて茨の精霊の欠点を上げれば、レアカードである(TCGの宿命で高価)。&s(){そもそもこんな重いカード3枚も4枚も要らないが}
 ワームじゃない。&s(){種族デッキを組まなければ関係ないが。なお一般的に種族デッキは軽いクリーチャーを多数並べるのが基本}
 色縛りが厳しい。&s(){7マナもあって緑2点が揃わないなら別の色のクリーチャーを使うべき})。

ここまでご覧いただければもうお分かりだろうが、&b(){完全なネタカード}に近い扱いを受けている。それが甲鱗様。
格ゲーで例えるなら3ゲージ(実際は4ゲージの方がイメージに近いかも)消費で威力は4割だが、
リーチ:短い、無敵:無い、判定:弱い、硬直:膨大、暗転後ガード可能、コンボ組込不可、な技と考えてもらえればいいだろう。
ちなみにライバルは、威力は2割5分しかないが2ゲージ消費で済む上、リーチ長くて判定極大とか、ガード不能とか、コンボ可とかそんな奴らばっかりです…。

なお初期の『MTG』はカードにレアリティ表記が無かったため、
数字だけ見たら弱いレアカードを持つ初心者を騙して吊り合わないトレードをする、所謂シャークトレードの種に使われた事もある
(よく狙われたのが、強力なマナ生成能力を持ちながらも数字的には「0/1」しか無い「極楽鳥」)。
まぁそんな事も散々あって、今のTCGはレアリティ表記がされたり、公式のカード一覧本が出たりするようになったのだが。
『MTG』は世界で最初に開発された&b(){元祖}TCGであり、その辺はまだ手探りだったのである。
と言うか、当時は&b(){公式審判でさえカードリストが渡されていなかった}というとんでもない時代だったし&link_anchor(*4){*4}。

#region(余談(別のTCG))
ここまで読んで「あれ?」と思った人も居るかもしれないが初期『遊戯王』(マジック&ウィザーズ)では、
第一ターン目だろうと引きさえすれば特別なギミックも無しに強力なモンスター[[青眼の白龍]]を出せたりする。と言うか全てのカードがコスト0
(物語の&s(){引き伸ばし}展開上1ターン目から手札にある事は無かったが)。
当時の作者がTCGのシステムというものを良く分かっていなかったようで、
後にコナミが関わって「マジック&ウィザーズ」から『デュエルモンスターズ』となるまではMTGプレイヤーから突っ込まれまくっていた
(と言うか日本における『MTG』の公式誌でも(一言だけだが)嫌味を書かれていた)。
ちなみに、コナミ以前にもバンダイカードダス版もあったのだが原作再現(+α)の結果、
「先攻第一ターンに、ノーコストで5枚引ける「[[武藤遊戯]]」でデッキを掘り進んで[[エクゾディア>封印されしエクゾディア]]を5枚揃えてデュエル終了」
という正に[[世紀末]]な世界であった。ちなみに枚数制限も無かったのでデッキの半分が武藤遊戯で残りがエクゾディア5種
(遊戯王のアニメ版は二種類あり、
 かつての東映版遊戯王のメインスポンサーがバンダイ、一から仕切り直して今も続いている遊戯王シリーズのメインスポンサーがコナミ)。
尤もコナミの最初のゲームボーイ版(東映版と同時期)も「大型モンスターの数=デッキの強さ」というクソゲーだったが。

ちなみに『MTG』で既に「先攻第一ターンで終了」なデッキが暴れまくっていた結果
(こちらもデッキの半分が同じカード。&s(){ただし現在の相場だと1枚100万円以上})、
枚数制限が付いたり、「1マナ3枚」カードが強すぎるとして禁止カードになったりしていたので、
「バンダイはその歴史を知らずにTCGをデザインしたのか!」というツッコミも。
まぁこれに関してはバンダイ曰く「あくまでコレクションを目的とした作品ファン向けの観賞用カード」というコンセプトだったらしく
実際にバトルして遊ぶ事は真剣に考えていなかった(ゲームバランスを取る気は最初からなかった)らしい。
その後コナミが原作を無視してでも大真面目にバランス調整をした「遊戯王[[デュエルモンスターズ]]」を販売したら世界的大ヒットした事を考えると、
逃した魚は大きかったと言わざるを得ない。&s(){とは言え、そもそも肝心の東映版アニメの出来が…}

……と、ここまで書いてきたが、実は&b(){上記のカードダス版のコンボは間違い}。
何故こんな事が起きたかと言うと、カードダス版はちゃんとしたルールブックが(物理的な意味で)存在せず、ルールをカードに分散して書いた結果、
「武藤遊戯」カードに「(ゲーム開始時に)自分の山札からカードを5枚引いて手札にする」と書かれていたものをカードの能力と&s(){態と}勘違いされたため。
本来の能力は「戦闘に必ず勝つ」である(あくまでもモンスター同士の戦闘であって、プレイヤー同士のデュエルではない)。&link_anchor(*5){*5}
#endregion
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**MUGENにおける甲鱗様
MUGEN入り自体は[[特に関係の無いはずの人>偽死神五世]]のストライカーとして果たしていたが、
[[黒クマネズミ]]を製作したワーキペレウ氏により単体のキャラが作られるに至った。
原作のカードの画像(カードに描かれている画像ではなく&b(){カードそのものの画像})をそのまま使用した一枚絵によるキャラ。
原作のルールを格ゲーに当てはめて再現しているため、かなり特殊な仕様のキャラとなっている。

LIFEが通常(1000)の20分の6、つまりは&b(){300}しかない。
これは甲鱗様以外のキャラをプレイヤー(ライフが20)、甲鱗様をクリーチャー・カード(甲鱗様のライフが6)として扱っているため。
ただし、ダウン状態から復帰するとターンが終了したという扱いになってダメージがリセットされ、&b(){LIFEが全回復する。}
甲鱗様を倒すにはダウンさせず一気にダメージを与える必要がある。

攻撃手段はAボタンの「タップして攻撃」と後述する呪文「ハリケーン」のみ。
タップは原作における攻撃に当たり、甲鱗様のバワー分のダメージを与える。
甲鱗様のバワーは7なので、MUGEN換算で&b(){350}のダメージ。並のキャラなら3発で死ぬ。
攻撃後は強制的にダウンするため、前述のターン終了扱いとなる。

パワーゲージ(原作におけるアンタップ=ゲージ)を消費して呪文を発動、甲鱗様を援護する事ができる。
パワーゲージはターン終了時及び2ラウンド以降のラウンド開始時に全快するが、コンフィグでOFFにする事も可能。
呪文の効果は以下の通り。

-巨大化/Giant Growth&br()パワーとライフを3ずつ上げる。
-Fanatical Fever&br()パワーを3上げ、トランプル(タップがガード不可になる)を得る。
-Touch of Vitae&br()Cボタンで発動。移動速度が上がり、次のターン開始時にゲージが1増える。
-再生/Regeneration&br()甲鱗様が死亡した際に再生する。
-Thermokarst&br()土地(相手のゲージ)を1つ破壊する。
-ハリケーン/Hurricane&br()空中にいるキャラにダメージを与える。[[パートナーであっても喰らう>味方殺し技]]が原作再現である&br()(陸戦ガチンコ大好きな緑は飛行クリーチャーなぞ使わないというメッセージである。&s(){極楽鳥ェ…})。

呪文は甲鱗様の向いている方向の後ろから飛び道具として飛んでくるが、攻撃を受けると効果が打ち消される。
また、再生を除く補助呪文の効果はターン終了時に消えてしまう。
再生のみターン終了後も消えないが、画面端に出現するカードに攻撃が当たると効果が失われる
(原作で言うと「エンチャント破壊」)。

[[AI]]はデフォルトで搭載されており、呪文を積極的に発動してくる。
[[LIFE回復の仕様から、狂キャラに勝つ事もあれば強キャラに負ける事もある>AI殺し]]。
|&nicovideo(sm22205354)|&nicovideo(sm22387529)|

***出場大会
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#co(){
''更新停止中''
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''凍結''
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}
//***出演ストーリー

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&aname(*1,option=nolink){&color(red){*1}}
古くは「Wyrm」や「Wurm」とも書かれ、『M:TG』では「Wurm」が採用されている。
ちなみに昔の西洋において、ミミズや芋虫、蛇等の胴長で足の無い生き物は、虫も爬虫類も関係無く「ワーム」という一括りであった。
と言うか漢字文化圏でも[[爬虫類>リザード]]や[[蛇>スネーク・アイズ]]に[[蛟>ミズチ]]、更には[[蠍>ブラックスコーピオン]]や[[蝦>エビラ]]など、全部「虫」である。

&aname(*2,option=nolink){&color(red){*2}}
バニラ味の何も入っていないシンプルなアイス、転じて特殊能力を持たないクリーチャーという意味。
言うまでもないが[[怪獣>バニラ]]ではない。&s(){そもそも元は[[同性愛>阿部高和]]用語なんだとか}

&aname(*3,option=nolink){&color(red){*3}}
所謂「マナカーブ」理論と呼ばれる物。
一般的なデッキでは、マナの源である「土地」はデッキの4割を占めている
(なお1ターンに1枚しか出せない制限もある。毎ターンマナを発生させる事が出来るが、次ターンに繰り越しは出来ない)。
そうすると、8枚の土地を引くには20枚ぐらいの手札(初手7枚+(先手第1ターンドローなしで)14ターン)が必要な計算に成る
(土地を6割に増やせば8ターン目に出せなる可能性が高いが、それはそれで使える魔法が少な過ぎて負けてしまう結果になりかねない。
 逆に「俺は3マナ以下のカードしか使わないぜ(使うとしてもトドメの一撃ぐらい)」と言うなら、土地を3割にまで減らしても問題はない)。

なおこの理論で最も画期的だったのは、
「4枚目の土地を4ターン目に出せる可能性が高いが、5枚目の土地を5ターン目に出せる可能性は低い」
(4枚の土地を引くのに必要な手札は10枚(4ターン)ぐらいだが、5枚目を引くのに必要な手札は13枚(7ターン)ぐらいなため)
=「4マナ以下のカードと5マナ以上のカードでは使用感には大きな隔たりがある」という事実の発見である。

&aname(*4,option=nolink){&color(red){*4}}
甲鱗様が初登場した『アイスエイジ』の日本でのプレリリーストーナメント(発売記念大会)での、
シールド戦(未開封(sealed)の新品パックをその場で開封して即興でデッキを作る)の際、
ジャッジはプレイヤー卓を飛び回ってカードを見せてもらいながら、その場でカードリストを制作したんだそうな。
当時は日本語版は存在せずアメリカ直輸入品をそのまま使っていたため「和訳した際のリストがあるだろ」というツッコミは受け付けません
(MUGENの甲鱗様が使う魔法カードで英語名のみの物は日本語版が存在しないカード)。

まぁその後に(アイスエイジではないが)日本語訳版が出たら出たで面白誤訳が多かったりもしたのだが。
-「I am light. I am Dark.([[私は光、私は闇>ブロントさん]])」→「[[私は軽い>ジャン=ピエール・ポルナレフ]]けれど、[[私は暗い>ヴァニラ・アイス]]」&br()悪役により堕天させられた天使の悲しみの台詞がえらく軽くなってしまった。
-「Mind [[Ripper>ジャック・ザ・リッパー]]」→「精神ドリッパー」&br()「精神を切り裂く者」が「精神を滴らせる者:Mind Dripper」に。「D」が一文字増えてませんか?

&aname(*5,option=nolink){&color(red){*5}}
……まぁそれはそれで、デッキを全部「武藤遊戯」にすれば勝つって事だけど
(強引に引き分けに持ち込む「[[城之内克也]]」もあるが、あくまでも引き分けである。なお一度敗北した後に発動する能力なので遊戯の能力と克ち合う心配は無い)。
またワンターンキル率は下がったものの、エグゾディアデッキは相変わらず有効(なのでコナミ版ではエグゾディアカード5種は1枚制限になっている)。

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