「人間は、お前らに食われるために幸せになるんじゃない!」
特撮テレビドラマ『仮面ライダーガヴ』に登場する
仮面ライダー。
攻撃空母でもないし、ライフフォースのボスとは無関係。
変身者は人間と本作の怪人に相当するグラニュートのハーフである
ショウマ(演:知念英和)で、
『
仮面ライダー』シリーズの主人公としては初となる異世界人かつ異世界暮らしだった存在である。
父の死と共に生家であったグラニュートの「ストマック家」の異母兄姉達に母を殺された上に自身も命を狙われ、
無我夢中で逃げた末に逃げている間にストマック家が管理する異世界へ繋がるドアから落下し母の故郷だった人間界へ逃亡に成功。
その後、浜辺で倒れていた所を見つけた少年・廣井始に拾われ、グラニュート界に無いお菓子を分けてもらったことで自分の能力を知る。
本名は「ショウマ・ストマック」だが、「バケモノ」である事実を隠す都合から、
人間界では母方の姓である「井上生真」と名乗り、表向きは自分を拾った甘根幸果が経営する何でも屋「はぴぱれ」で働きながら、
母や自分のような悲劇から一般人を守るべく、グラニュートハンターとして人間を狩るグラニュート達との戦いに身を投じる。
    
    
        | + | ストマック家及びショウマの家族関係解説(ネタバレ注意) | 
上記を読めば分かる通り『仮面ライダー』シリーズ屈指の悲惨な過去の持ち主であるショウマだが、
彼の来歴は壮絶という言葉すら生温いものである。
 
 
グラニュートは人間界とは異なる「グラニュート界」に住む知的生命体であり、
 
ストマック家は表向きはそこで菓子メーカーを営んでいるグラニュートの名家とされているのだが、
その実態は人間(の幸福の感情)を材料にした中毒性の高い食品「闇菓子」を売り捌く反社会組織 で、
 
彼らは闇菓子を対価に闇菓子中毒のグラニュート達を働かせて材料となる人間を拉致させては、
 
生産した闇菓子を流通させることでゆくゆくはグラニュート界の掌握を目指していた。
 
だが、2代目経営者であったブーシュ・ストマックが闇菓子の素材にする目的で人間界から拉致したみちるに惚れ込み、
 
彼女との間に子を成した結果生まれたのがショウマであった。
 
しかしブーシュには前妻と他の子供達「ランゴ」「グロッタ」「ニエルブ」「シータ」「ジープ」がおり*1 、
 
人間なんぞを妻にして自分達より目をかけるブーシュに反発しただけでなくみちるやショウマを憎悪。
 
とりわけ異母弟であるショウマには末弟にするものとは思えない程酷薄で非道な扱いをしており、
 
それでもブーシュ存命中は表立った形で冷遇できなかったようだが、そのブーシュが他界したことで積年の恨みを晴らすように、
ショウマの目の前でみちるを闇菓子の材料にして、あまつさえショウマをも殺そうとしたのである。
 
そんなこんなで母・みちる以外との家族関係はほぼ最悪を通り越したものであった。
一応ブーシュは2人を愛していたようだが、子供番組なので露骨に言及されているわけではないが、
 どうも劇中の描写を見る限り同意無しで孕ませたようでみちるからは終始敵視されており、
 しかも当時既に闇菓子を製造していたストマック社で「人間を幸せにする」行為は、
 みちるとショウマを憎悪するランゴ達が材料としてみなす危険そのものだったため、客観的に見て冷遇しているような扱いしかしておらず、
 ブーシュは確かな愛情を抱いていたと彼をよく知る大叔父デンテに言われてなおショウマからの認識は自分と母を不幸に追いやった元凶で、
 一応「父さん」とは呼んでいるものの彼の価値観はとても同意できないものと考えている。
 さらにブーシュはショウマが成長した後も、ショウマばかりにかまけてシータとジープの誕生日にも顔を出さず蔑ろにする姿をも見せており、
 程度の差はあるが他の異母兄姉達からショウマが「自分達から父の愛情を奪った相手」として嫉妬と憎悪を掻き立てる原因も作っていたと明かされている。
 ショウマは自分達が優遇されていたとは考えていなかった一方で、ブーシュが異母兄姉達を蔑ろにしていた点については漠然と察しており、
 その部分については思う所もあったようだが、シータとジープがブーシュの自分への扱いを度外視し、さらに母を奪っておきながら、
 ショウマを父親の愛情を奪った加害者と責め立てる光景を見てからは残っていた同情心も失せてしまったらしく、
 「兄さん」「姉さん」呼称から呼び捨てに代わり、殺すのに躊躇しなくなった。
 
 なお「ジープはショウマがシータを殺してくれたおかげで可愛くなった(要約)」等と、ジープの結婚相手に言われた時は流石にドン引きして狼狽えていた 
 
現ストマック家の経営を担う異母兄姉グラニュートとショウマの対立は、
 
元を正せばブーシュのエゴと独裁的な家族体制により起きたものであると言っても過言ではない。
 
ただし、ブーシュを一応擁護する発言をしていた上述のデンテの態度や終盤で明かされた情報から、
 
彼の父(つまりショウマにとっては祖父)で闇菓子事業創設者であるゾンブも少なからず人格に問題があり
 
(嫌気が差したデンテもショウマ誕生後から数年後にストマック家から出奔し、人間界で隠遁していた)、
 
真っ当な家族関係の築き方を学ぶ機会が無かった事も示唆されている*2 。
 
とはいえ、それでショウマやみちるだけでなく子供達も不幸にした事実を正当化できるわけではないが。
 
兄姉達からもブーシュについてはランゴが「イカれた親父」と称するなど酷評されているものの、
 
一方で兄姉達はそれぞれベクトルは異なるが歪ながらもどこか他者からの愛情・繋がり・理解者に飢えている節が見られる 。
 
歴代『仮面ライダー』シリーズの作品では、登場するヒーローの三原則として「同族の争い」「自己否定」「生みの親との戦い」が挙げられている。
人を襲うグラニュートを半分は同族と理解した上で倒し、母の人生を狂わせたグラニュートと同じ血が流れている自分の事を「バケモノ」と自嘲し、
 何より一時は身を置いていたコミュニティでありながら自分が生まれる発端となったストマック家と闇菓子事業そのものを破綻させようとするショウマは、
 令和ライダーの中でこの三原則を最も直接的に体現した境遇の主役ライダーである。
 
 
母のみちるは、恐らく望んで産んだのではないはずだが、それでもショウマの事は息子として惜しみない愛情を注いでおり、
長きに渡る軟禁生活の中でも人間界に帰還することを諦めず、さらにもしその機会が来ればショウマも連れて行くつもりだった。
 ショウマを眠らせてから望郷の感情で泣いていたこともあったようだが(ショウマも気付いていた)、
 結果的にこの願いは叶わなかったものの、非常に気丈な女性だったようである。
 グラニュートの家族から冷遇されていたショウマにとっては、人間界に来るまでただ1人の理解者であった。
 
 
なお、みちるは思い出すのが辛かったのか、ストマック家に連れ去られる前の身の上に関してはショウマには話していなかったようで、
ショウマ自身も母を拉致した家の血を引いている出自を負い目にしていたため、人間界に来て以降もみちるの家族を探す事には消極的であった。
 しかしながら、終盤でショウマが以前から行きつけのお菓子カフェ「ひだまり」の店長である井上優がみちるの兄で、
 互いに素性を知らぬまま交流していたことが判明した。
 優によればみちるの両親、つまりショウマにとっての母方の祖父母は彼女の失踪に伴う心労が祟って病死しており、
 優は元々務めていた仕事を辞めてまでお菓子好きのみちるが愛用していた「ひだまり」を「帰る場所」として残し守っていた。
 先んじてこの事実を知った辛木田絆斗 / 仮面ライダーヴァレンからこの事実はショウマに伝えられるも、
 みちるが絶対に生きて帰ってくると信じて悲痛な覚悟で待ち続ける優に彼女の死を伝えれば、もはや生きる拠り所を失いかねないため、
 ショウマは彼に真実を明かさないことを決意した。
 優もまた、ニエルブの洗脳実験に巻き込まれたことやグラニュートの存在と目的が人間界でも公にされたことで、
 みちるはグラニュートに攫われたのではと考えるようになり、そして最終盤にてショウマがこの件で隠し事をしていると突き止めるも、
 ショウマが甥であることだけは隠しつつ自分が「仮面ライダー」である事実と、3人がグラニュートにより家族を喪った被害者家族であることを明かしたため、
 自分と同じ悲劇を繰り返さないために奔走していると知り、彼らを受け入れた。
 しかし最終決戦に赴いた彼らを待っている時、優は何気なくショウマが書いていた「おいしいものノート」に目を通し、
 その中で「お菓子好きの母親」がいた記述を見て、先にショウマが話していたグラニュートに奪われた家族は母親だったのかと納得した直後、
 「ある仮説」に至ったかのように血相を変えていた。
 最終決戦もショウマと優の交流は続いているが、雑談中にショウマがみちるならどんなお菓子が好きだろうかと漏らした際に、
 ショウマが作ったお菓子ならどんなものでも美味しいと言うだろうと答えながら、
 弔うように遺されたみちるの写真の前にショウマの手作りお菓子を捧げていた。
 優の前でショウマが「みちるさん」という呼び方をしているため最終回後時点でもまだ真実は伝えていないようだが、
 これらの描写から、言外に優は彼女の死やショウマが甥である事を悟った上で彼と交流を続けていることが示唆された。
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        | + | 作品概要及び解説 | 
 
「お菓子も悪も、俺が食べ尽くす!!」
 
 
メインターゲットとなる子供達には馴染み深い「お菓子」をモチーフとしており、
登場ライダーやアイテムはグミやチョコ、プリンなど非常にポップでユニークなビジュアルが特徴となっている。
 また、タイアップ方面でも劇中に登場したグミ「ポッピングミ」が実際に販売された他、
 お馴染みの仮面ライダーグミも今年度では「ポッピングミ」のブランドを冠されている。
 
 
一方でそんな雰囲気に反して、放送コードや子供番組向けにカモフラージュされているが、
 
直接的な描写は避けつつもかなりの頻度で人死にがあったり(前述の通り、闇菓子の原材料は人間を加工したもの )、
 
本作の敵組織の構図がいわば麻薬・ドラッグ中毒者を闇バイトにして実利を貪る反社会組織のそれであったり、
 
上記のように一応の家族と敵対する事になったショウマの身の上 などもあり、平成1期を思わせる令和作品屈指のハードなストーリーとなっている。
 
特に劇場版に至っては放送コードを気にしなくていいためか(青色として表現されていたものの)明らかな流血シーンまで描かれた程。 誰が呼んだか「令和のアギト(顎(アギト)的にも咀嚼音(ガヴ)的にも)」「ニチアサでやれる甘ゾンズ」
ポップなモチーフに反したハードなストーリーや設定などの前例もいくつかあった が、年々コンプライアンス規制が厳しくなっている時勢もあり、
 
ハードな描写を上手く誤魔化しながら実現している点を評価する声も多い。
 
また、各フォームの戦闘スタイルもお菓子の特徴を取り入れた能力バトルの趣きが強い。 
アクションも歴代シリーズで培われた演出・技術の集大成とも言うべき高水準であり、非常に見応えのあるものとなっている。
 
そのためか、公式自ら「ぱくっとガヴ」として、アクションシーンのハイライトを切り抜いた動画をYouTubeに投稿しているほど。
 あと、何故か狭い路地や閉所での戦闘が妙に多い(無論それにより高低差や地形を利用したアクションが光っているのだが)
 
FANTASTICS from EXILE TRIBEによる主題歌「Got_Boost?」も令和のライダー作品の中で特に高評価で、
OPのCメロ部分ではライダー作品では珍しくキャスト達がダンスしながら口パクの音ハメ演出があるのも特徴。
 この人気の影響か、今年度から公式のYouTubeチャンネルで『ガヴ』だけでなく、
 歴代作品のノンクレジットOPが順次公開されている。
 なお、この上の『ガヴ』TV版のCメロのショウマ達のダンスパートはニエルブ役の滝澤諒氏が振り付けを手掛けている。
 また、MVや動画サイトなどではTV版でカットされている幕間部分の音楽に合わせた、
 通称「ガヴガヴダンス」をキャスト陣や関係者達が披露している。
 さらに余談だがFANTASTICSの世界氏は後に劇場作品『お菓子の家の侵略者』のボスキャラであるカリエスとして出演した。
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余談だがショウマ役の知念氏は178㎝と結構高身長ではあるのだが、ガヴの味方レギュラー陣は軒並み高身長で、
特に3号ライダーであるラーゲ9ことラキア・アマルガ役の庄司浩平氏が188㎝と馬鹿デカいため、ショウマは背が低く見られがち。
なおゼロワン~ガヴの令和主役ライダーでは下から数えた方が早い、凄いね身長インフレ
能力・形態
グラニュートは共通して
腹部に第二の口に相当する「ガヴ」と呼ばれる器官を備えているのだが、
ハーフであるショウマのガヴはブーシュの依頼を受けた大叔父デンテにより改造されており、
これが変身ベルトの役割を果たし、ここに眷属「ゴチゾウ」をセットして変身する。
このため、
本作の仮面ライダーは久々かつ総じて改造人間設定となっている。
一部のグラニュートは本作の戦闘員に相当する眷属という疑似生命体を作りだせるのだが、
ゴチゾウはその一種であり、つまりショウマ専用の戦闘員兼変身アイテムとも言える存在である。
なおゴチゾウは
基本的に消耗品であり、変身に使用する事で
昇天してしまう。
一応お菓子を食えば再補充できる他、ゴチゾウ達は昇天する事を気にしていない、
むしろそれを承知の上で有事には率先して自分達を使うように促す描写も多い。
美味しく食べてもらうことをこそゴチゾウ達は望んでいる節がある。
ただし、変身にせよ武器生成にせよショウマのカロリーを対価にするため、基本形態ですらそこそこの空腹や疲労をもたらす副作用がある。
ゴチゾウの能力に関しては元になったお菓子の特性の他に、ショウマ自身の個人的なイメージも強く反映されているようで、
「チョコは銃」「ペロペロキャンディーは重い」などパブリックイメージとは印象を異にする特性を持つフォームも存在している他、
劇中ではお菓子に対する特別な思い入れが特殊なゴチゾウを生み出しているような描写もある。
冬映画がなかったので直近の先輩の創作料理を食べる機会はなかったがもし食べてたらどうなっていたのだろうか
また、お菓子のイメージを反映した漫画の擬音のようなエフェクトも特徴だが、これらは
実際に物理的なオブジェクトとして実体化しており、
武器や足場にしたり、掴まって耐空する事などもできる。
要はどこぞのライフバー振り回す人みたいなものである
変身していない状態でも飛行機が飛ぶ高さから落ちて平気だったり、トラックに直撃されて逆にトラックの方が大破し、
あまつさえその衝撃でフロントガラスを突き破る勢いで放り出された運転手達を左右の片手キャッチで救出する、
さらに重傷を負おうが一晩で動ける程度に回復するなど、身体能力、肉体強度、反射神経、回復力は人間のそれを凌駕している。
とはいえ、それでも変身抜きでは純血のグラニュートには及ばない。
変身ポーズは顔の前に手をかざし、仮面を被るようにも、あるいは逆に仮面を剥ぎ取るようにも見える構えを取る。
『ポッピングミ!ジューシー!』
ホッピングミゴチゾウをガヴに食べさせて変身した基本形態。
スペックは令和ライダーの初期形態としてはかなり低い部類なのだが、
アーマーの各部位が粘弾性に優れており、それを活かした俊敏な動きと衝撃を弾き返す装甲を活かした格闘戦に長けている。
なお装甲は弾性限界点を超えると衝撃を逃がすために粒状に弾けてしまうが、
再度ゴチゾウを赤ガヴに食べさせることですぐに再生できる。
これを活かして拘束された時にあえて装甲を自分で破壊して、
飛び散った破片を至近距離から食らわせ脱出するという捨て身の方法を用いたこともある。
また、関連ゴチゾウをガヴに喰わせる「追い菓子チェンジ」で手足に装備を追加することができ、
ポッピングミの場合はパンチングミゴチゾウにより右腕に装備され、ガヴのエネルギーを吸収・増幅した、
「ビッグバンパンチ」を放てる(令和ノルマ達成)巨大な青いパンチ力増強手甲「パンチングミアシスト」と、
キッキングミゴチゾウにより右足に装備される巨大なオレンジ色のキック力増強シューズ「キッキングミアシスト」がある。
ポッピングミ単独の必殺技は紫色の「ムニュ」という文字のエフェクトを出現させ、
それらを壁や足場にしたアクションを繰り広げ、トドメにライダーキックを放つ「ポッピングミフィニッシュ」だが、
実は長らく『ガッチャード』映画でゲスト出演した時しか使用していなかった(TV版で使用を試みたことはあったが妨害されて不発)。
むしろ、追い菓子チェンジでパンチングミアシストを装備して放つ「パンチングミパンチ」と、
キッキングミアシストを装備して放つ「キッキングミキック」の方が代表技扱いになっていたが……。
    
    
        | + | 最終回ネタバレ | 
 
人間界牧場計画を破綻させられたランゴと人間界を守るために単身立ち向かうショウマ。
2人の戦いは日中から日没まで長引き、お互い手札を切りつくして策もプライドも無い泥臭い殴り合いにもつれ込んだ。
 そして一度は変身解除させられたショウマに、ランゴはグラニュートと混血の差だと突き付けるが、
 なおも闘志を失わないショウマは逆にランゴに対して、唯一にして全てだった母を奪われながらも、
 ストマック家を離れて多くを手に入れて変われた自分と、逆に家にしがみ付き何もかも無くした彼との差を突き付け、本編でお馴染みの「最後の審判」を問う。
 
 
「ランゴ兄さん…最後にもう一度聞く。
 
 
     どうする…?二度と人間に関わらないか?
それとも…!この場で俺に倒されるか!?」
 
 
「お前が俺に、倒されるんだ!!」
 
 
逆上しかつて見下し搾取し続けたバイト達と似たようなセリフを放ちながら襲い掛かるランゴだが、
手元に残っていた最後のゴチゾウでショウマはポッピングミフォームに再変身すると共に、
 彼の攻撃を躱す形で「ポッピングミフィニッシュ」をランゴに直撃させて終止符を打った。
 最終回にて満を持して、最初で最後のポッピングミフィニッシュが決め手となった戦いであった。
 
 『ガブ』を布教するときは「ひとまず追い菓子チェンジ抜きでポッピングミのまま素のライダーキック決めるところまで見て」と言おう散った自身の異母兄の遺骸から霧散した白い羽のような残骸の中に、ショウマはまるで手向けるように、
 …否、或いは「人間界のお菓子の味を知ってほしかった」かの如くポッピングミを置いて去っていった。
 
 
ストマック家と闇菓子の因縁に決着をつけたショウマ。
後日、創作菓子作りに精を出す姿があった。「『闇菓子』に対抗した、『光菓子』を作ってみたい」という新たな目標が出来たのだった。
 自分の実の母みちるの実兄、ショウマにとっての伯父である優の試食の感想を嬉しそうに聞きながら、彼は歩み出していった。
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        | + | その他強化&派生形態 | 
『ザクザクチップス!ザックザク!』
 
 
ザクザクチップスゴチゾウで変身した形態。
専用武器は双剣のザクザクチップスラッシャー。
 ポテトチップスモチーフという事もあり、切れ味はあるが非常に脆い剣であり、初変身時は剣が壊れないよう攻撃位置を調節して戦っていた。
 必殺技はザクザクチップスラッシャーの刃をあえて割れたチップスのように砕くことで周囲へ破片を無数に散らし、
 相手を包み込むようにして切り刻んだ後、刃を再構成したザクザクチップスラッシャーで切り裂いてトドメを刺す「ザクザクチップスフィニッシュ」。
 また、辛いスナック菓子の力を持つヒリヒリチップスゴチゾウで追い菓子チェンジする事で武器に炎を纏わせる事ができるようになり、
 必殺技も炎を帯びた「ヒリヒリチップスファイヤー」に変化する。
 
 
『ふわマロ~!フワフワ~』
 
 
ふわマロゴチゾウで変身した形態。
 
マシュマロを模した柔軟性に長けた装甲「ふわマロラング」を備え、物理攻撃に強い。
 
必殺技はまるマロゴチゾウによる追い菓子チェンジの力で膨張して巨大なマシュマロと化した装甲で、
ロードローラー のように走行して敵を踏み潰す「まるマロローリング」。
 
『チョコダン!パキパキ!』
 
 
チョコダンゴチゾウで変身した形態。
 
事前にチョコで変身し銃で戦う仮面ライダーヴァレンを見ていたためか、「チョコと言えば銃」というショウマのイメージが反映されており、
カウボーイ のような姿をしており、専用武器「チョコダンガン」による射撃を得意とする。
 
必殺技はポンチョ部分から生成される液体チョコ型の生体組織を広く展開して敵を包み込むように捕縛、
 
そこにチョコダンガンの銃撃を食らわせて敵もろとも凝固・爆裂させる「チョコダンフィニッシュ」。
 
またホワイトチョコの力を持つチョコドンゴチゾウで追い菓子チェンジする事で色違いの「チョコドンガン」を召喚し、二丁拳銃で戦う事も可能で、
 
必殺技も連鎖爆発する弾丸を放つ「チョコドンバースト」に変化する。
 
 
『グルキャン!ペロペロ!』
 
 
グルキャンゴチゾウで変身した形態。
 
パワードスーツのような装甲「ブルキャンラング」の強度は全形態最高峰で、巨体と硬度を生かした格闘戦や、
 
ブルキャンゴチゾウを用いて召喚する装備「ブルキャンガトリング」による砲撃を主な攻撃とする。
 
必殺技はバクキャンゴチゾウによる追い菓子チェンジで追加装備した両肩のキャノン砲、
 
そして元々の武装のブルキャンガトリングを一斉発射する 「バクキャンブラスト」。
 
なおブルキャンゴチゾウは単体でも使用でき、ガトリングが変形した「ブルキャンバギー」や、
バギーのコアユニットを兼ねたオフロードバイクなどの乗り物を召喚する事ができる。
 
 
『ブシュエル!フワフワ~!』
 
 
ブシュエルゴチゾウで変身した形態。
専用装備の長斧「クリスマックス」によるパワフルな近接戦を得意とする。
 エージェントを一蹴するなど弱くはないはずだが、初出回が幹部戦で直前の消耗も祟って顔出しで黒星になった不遇のクリスマス限定形態。
 ブシュエルゴチゾウ自体はその後も何度か作中で登場だけは確認できていたが、
 パワー勝負ではランゴに分が悪いためか、最終回のフォームチェンジラッシュの際もこの形態は登場しなかった。
 
 
 
『ケーキング!アメーイジング!』
 
 
本作の中間形態で、ケーキングゴチゾウにより変身した形態。
 
しかもフォーム初披露回はケーキの主戦場たる「クリスマスシーズン 」に合わせるという隙の無さ。
 ……まぁケーキ的に「誕生日」にもシナリオ内容は絡ませており、ジープ・シータの双子とショウマの「家族に誕生日もまともに祝われなかった」陰鬱な話になっていたのだが
走力以外はそれ以前の形態を大きく凌ぐ総合スペックに加え、クリーム絞り袋を思わせる専用武器の「ガヴホイッピア」による剣戟を得意とするが、
 
特筆すべき点としてガヴホイッピアのホイップッシュを押すことで、眷属「ホイップ兵」を召喚できること、
 
つまり歴代ライダー作品で大抵は敵の専売特許であった戦闘員を召喚して戦わせることができる能力が挙げられる。
 
もう一つの特筆する点としてケーキングゴチゾウのみ、ショウマの消耗が激しい代わりに変身に使用しても昇天する事がない。
ケーキングゴチゾウが生まれるキッカケになったケーキは市販品ではなくショウマが自作した物であり、その影響と思われる
 (傍証として、劇中では他にも「自作菓子を元にした消えないゴチゾウ」が登場している)。
 
 ちなみにその玩具だが、別に原作通りケーキングゴチゾウでガヴホイッピアのボタンを押さなくても他のゴチゾウとか何なら指でもよかったりもする 
 
登場後しばらく経過して一時ショウマが体調を崩して消耗の大きさが足枷となったのに加えて、
下記のブリザードソルベが出てからは出番が減少していたのだが、最強フォームの燃費の異様な悪さや、ソルベの継戦能力の低さに対して、
 消費しないゴチゾウとそこそこ高い戦闘力もあってか、物語が後半に入ってからまた出番が増えてきた。
 ショウマも消耗の大きさに慣れてきたのか、後半以降は疲弊を見せることが少なくなった。
 
 
 
『ブリザードソルベ!ヒエヒエ!』
 
 
ブリザードソルベエゴチゾウにより変身した形態。
スペックはケーキングも凌ぎ、冷気を操る能力を備えている他、
 アイスケーキを食べて生成したゴチゾウを使用すればケーキングのガヴホイッピアも使用可能だが、
 ソルベエゴチゾウは使い始めると冷蔵庫から出したアイスの如く短時間で溶けてなくなってしまい、
 消えると強制変身解除されるため、強力だが変身継戦能力は全形態の中で最も低い。
 一方で、理由は不明ながら何故かこの形態は他と比較してショウマの負担が少ないという特徴もある
 (劇中ではアイスについて「体調不良でも食べられる」という点が強調されており、その辺りが影響している模様)。
 
 あと令和の日本がやたら熱いため、「夏場に変身したらすぐ溶けるのでは?」とネタにされがち 
 
    
    
        | + | Got boost = 突き進んできた | 
   
デンテが自身のガヴの歯を抜き取り資材として生成した ゴチポッドを使い変身した、
 
人とグラニュートのハーフであるショウマの出自を体現したような、二つ揃ってガヴの最強形態
 
(人間界の素材ではエネルギーに耐えられる品を作ることができず、
 
 デンテ自身は人間界の菓子の方が好みで、「ガヴ」の器官自体は無用の代物であったためこのような行動に至った)。
 
この形態になるにはゴチポッドに100体分のゴチゾウを入れる 必要があるため、事前の下準備に加えて燃費・消費も半端ない形態とも言える。
 
ショウマ自身がゴチゾウ100体分の「美味しいものを食べた幸せ」を感じられれば条件はクリア出来るが、
 
それも迫り来る敵への焦りで「美味しく食べること」を蔑ろにすればいくら食事しても条件を満たせない。
 
なお、後にデンテはグロッタによって粛清されたため、事実上のデンテの遺骨にして形見となった。
 
 
『オーバー!オーバーエナジー!』
 
 
全身オレンジ色で、パンチンググミ&キッキングミを両腕&両足に装備したような姿。
最初はこちらにしか変身できなかった。
 見た目通りの剛力形態で、10tのパンチ力を誇り、必殺技でもないただの通常攻撃の風圧で地面を大きく抉るパワーと、
 頑強さと弾力性を兼ね備えた胸部「オーバーラング」をはじめとする全身の装甲による圧倒的な物理耐性を兼ね備え、
 近接戦では絶大な強さを誇る反面、スピードとジャンプ力が通常のポッピングミより下がる致命的な弱点を持つ。
 必殺技は両腕部から繰り出す鉄拳「オーバースマッシュ」。
 
 
『マスター!マスターテイスト!』
 
 
ゴチポッドを180度回転させることで変身するもう一つの最強形態。
 
オーバーモードと異なり、こちらはポッピングミをさらに先鋭化したような姿で、一瞬で稲妻が迸る ほどの高速戦闘が得意。
 
感覚も鋭くなるらしく、四方八方から大量に投げられたナイフで足場にできそうなものを見極め、
 
それを足場にしつつ、他のナイフを弾き飛ばすという芸当も披露した。
 
ガヴガブレイドだけでなく、ザクザクチップスラッシャーをはじめとする各形態の武装も使うことも可能な万能戦士でもある。
 
必殺技は無数のグミボトルを敵の周囲に生成後、それをバネ代わりにして飛び跳ねながら連続攻撃し、足刀蹴りで叩き込む「マスターブースト」。
 
そしてこの形態の最大の真価は、オーバーモードと瞬時に変更できる事 であり、
 
マスターモードのスピードで肉薄し攻撃する時だけオーバーモード、マスターモードではガードしきれない攻撃にはオーバーモード等、
 
二つのフォームのメリットだけを活かした戦い方ができる。
 
これによってオーバーモードのデメリットは実質解消された。
 
 
『アメイジングミ!ジューシー!』
 
 
人間界の牧場化を目論むグラニュート界大統領ボッカ・ジャルダックとの戦いの中、
地に落ちたグミを食べたことで生まれたアメイジングミゴチゾウを使い、変身した限定形態。
 色はややオーバーモード寄り、シルエットはマスターモードに酷似しているが、
 「絶対にボッカを倒す」という不屈の闘志により全身が燃え盛っており、触れたもの全てを焼き尽くす能力を持つ。
 飛び上がり灼熱のライダーキックを繰り出す「アメイジングミバースト」が必殺技。
 
 
単純なスペックでいえばマスターモードとオーバーモードの中間程度のスペックだが、
偶然か必然かボッカの「大気を操って行う振動能力」に対して「空間が歪む程の熱」で無効化できるというメタ能力となっている。
 
 
ゴチポッドを用いた形態のような燃費の悪さはないが、変身に必要なアメイジングミゴチゾウを生成する条件が、
「ショウマが極限状況に置かれてなおかつ諦めず不屈の闘志を抱いた精神状態でグミを食べる」という、限定的極まりないものであるのが難点。
 
 
 
『ヘクセンハイム! トリート!』
 
 
映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』に登場した劇場版限定形態。
本作の敵勢力であるミューターによって作り出されたタオリンという人物が作り出した「ヘクセンハイムゴチゾウ」で変身する。
 名前の由来はグリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』に出てくる魔女の家(お菓子の家)「ヘクセンハウス」。
 |  | 
MUGENにおける仮面ライダーガヴ
qzak氏により作られたキャラが、仮面ライダー製作Wikiにて公開されている。
公開日は2025年7月25日。
まだ細かい調整は不完全とのことだが、他のライダーキャラと同じく操作方法は4ボタン形式で、
基本動作は揃っており動かす分には問題は無い。
必殺技は「パンチングミ」「キッキングミ」、
超必殺技は1
ゲージ技「パンチングミパンチ」「キッキングミキック」がある。
AIは当初未搭載だったが、更新により簡易AIがデフォルトで搭載された。
		| 参考動画。お相手はOHMSBY氏の蒼崎青子 
 | 
「どうする?二度と闇菓子に関わらないか…この場で俺に倒されるか!」
出場大会
*1
回想でブーシュがみちるとショウマをランゴ達に紹介する際に「新しい妻」と称した事から、前妻とはショウマ誕生時点で死別していた模様。
前妻については最終回を経てなお詳細は明かされなかったが、ある回で身体が弱かったことが言及されてる。
 
なお、デザイナーの篠原保氏は「ショウマ以外の兄姉もそれぞれ母親が違い、長兄ランゴが本流の嫡子」という解釈でデザインしたらしいが、
この設定が反映されているかは不明。
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ゾンブはデンテの回想や作中でのニエルブへの発言から性格が悪いことは露呈していたものの、
正史とみなしてよいかは微妙だが『ファイナルステージ』で明かされた情報によれば、
家族すらも会社・家の繁栄に利用する道具・手駒のようにしか考えていないランゴよりタチの悪い男で、
実の息子であるブーシュでも例外ではなかったことが描かれた。
毒親に育てられた子供が成長して毒親と化してしまったのは皮肉だがありがちな話である。
TV版でもデンテがショウマの前でブーシュを最低限擁護していたのは、身内への贔屓目だけではなくこの事を知っていたための可能性が高い。
 
しかし繰り返すが、ブーシュに関してはそれでもショウマやみちるへの行いを正当化できるわけではない。
たとえゾンブの被害者の側面があったとしても、ショウマ達の人生を狂わせた件とストマック兄姉達を歪ませた件で彼は加害者側である。
最終更新:2025年10月20日 01:47