オーストラリアのTeam Cherryにより制作されたインディーズゲーム『Hollow Knight』の主人公。
本名は明かされず、グッズに用いられる「放浪者(
The Knight)」、作中のキーキャラクターである
ホーネットからの呼称「小さき亡霊(Little 
Ghost)」、
本項目名と同じ「Hollow Knight主人公」など公式でも呼び方は統一されていないが、本項目では便宜上この表記で記載する。
遥か昔に滅びたハロウネストというムシの王国にて、「王の道」という場所で目を覚まし、
冒険や個性豊かなムシ達との交流を通して地下世界を探索していく。
彼が何の為にハロウネストを訪れたのか、この王国に何が起きたのかを探る事がこのゲームの主な目的となる。
一言も喋らないため彼自身の人となりについては何一つ分からないのだが、
他のムシからは「矮小なるもの」「蒼白なるもの」と呼ばれている。
性別は無いらしく、公式の作者達のブログなどでも「they」や「it」など中性的な三人称でしか呼ばれない。
また、かつてのハロウネストを知る者からは王族などの高貴な身分の者と誤認される事も多い。
登場するムシ達の中でも最小サイズのため「ちっこい」扱いされるほどの小さなムシだが、
身長の倍以上の高さまで軽々と跳躍し、身の丈ほどの釘(本作の剣はすべて「釘」と呼ばれる)を縦横無尽に振り回すため、
「立ち居振る舞いは熟達の戦士なのに甲殻が発育不全」と逆に心配されてしまう事も。
初期装備は古びた釘。また、一般的なゲームでいうMPに相当する「ソウル」を消費して術を使用できる。
ライフが尽きると死んだ場所に未練の具現化と言われる「カゲ(Shade)」を所持金共々落とし、
本体は最後に休んだ場所もしくはチェックポイントに再生する能力を持つが、
死亡地点に戻って自身のカゲを倒せば所持金を取り戻せるものの、道中再び倒れてしまうと前回分の所持金は全ロスとなってしまう。
そんな彼だが旅の中で釘鍛冶に釘を鍛え直してもらい、釘師達から釘技の奥義を授かり、
カタツムリの霊媒師から様々な魔術を教わり、各地のムシ達の頼まれ事を引き受けていく中で、
徐々にハロウネストの過去、そしてハロウネストを襲った災厄の真実へと近付いていく事になる。
    
    
        | + | 大きすぎる代償はない(原作ネタバレ注意) | 
かつてハロウネストのムシ達は、ラディアンスと呼ばれる「光」を信奉していたが、
やがて現れた巨大な長虫ウィルムによって意思を授けられた事で、
 ラディアンスを忘れてウィルムを王として崇めるようになってしまった。
 
 
ウィルムは脱皮を繰り返してムシ達と同じ大きさになり、ハロウネストを築き上げた一方、
その繁栄を永遠のものとするため「光」の研究に手を染めた事で、忘れ去られたラディアンスの怒りを買ってしまう。
 ラディアンスは夢を通してムシ達を「光」で汚染し、
 ムシ達は自我を失くした亡者となるか、あるいは狂気に侵されて王国転覆を企む反乱者へと変貌を遂げ、
 これらの災厄に見舞われた事でハロウネストは滅びてしまった。
 
 
その滅びの間際、ウィルムはラディアンスの「光」を封じるため、自我を持たない器を作り上げた。
 
「光」と対になる「影」の化身、王国の守護者にして犠牲となる空洞の騎士「ホロウナイト」。
 
しかしウィルムはホロウナイトを息子として愛してしまい、ホロウナイトも父としてウィルムを愛し、
 
これによってホロウナイトすら「光」に汚染され、封印は綻びてしまう。
 
一時は救われたかに思えたハロウネストは、封印から漏れ出た「光」によってさらに汚染され、
 
"蒼白なるもの"王ウィルムの失踪によって完全に崩壊したのだった。*1
 
しかし全てを後悔したウィルムは、自らの全てを捨てて脱皮して「影」に生まれ変わり、廃棄された器候補に憑依していた。*2 
それこそがプレイヤーという「ハロウネストを攻略して災厄を終わらせる」 衝動のみに突き動かされる、意思と自我を持たない小さな騎士。
 
即ち本作の主人公である。
 
大きすぎる代償はない
考える心はない
 破られる意思はない
 苦しみに泣く声はない
 神と虚無より生まれしもの
 
 
かれらの夢を毒する、まばゆい光を封印せよ
お前は器だ
 お前は空洞の騎士、ホロウナイトだ
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        | + | 『Hollow Knight』解説 | 
探索型2Dアクションゲームにジャンルされている通り、本ゲームはハロウネストの広大な領地を探索し、
移動スキル・その他各種アイテムを得る事により、主人公を強化しつつ探索範囲を増やしていくのが主なゲーム内容である。
 ハロウネストには様々なエリアが存在し、美しくも物寂しさや恐ろしさを感じさせる景色によって探索を楽しませてくれる他、
 躍動感ある2Dアニメーションにより動くキャラ達、2Dの組み合わせにより独特の奥行き感が演出されている背景、
 かつての王国を象徴するかのような壮大でどこか悲しげなオーケストラのBGMなど数々の見所があり、独特の世界観を形成している。
 一方で凶悪な敵やトラップ等、探索の障害となる要素も数多く待ち構えており、難易度は高め。
 
 
発売後はその作り込みの良さがユーザー・評論家双方から評価され、
Steamでのレビューは2020年10月に10万件を突破して96%が好評の「圧倒的好評」を記録、
 レビューサイトからは絶賛~好評の評価を受け、数々のゲーム賞を受賞、またノミネートされた。
 
 
(以上、ニコニコ大百科より転載、一部改変)
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MUGENにおけるHollow Knight主人公
出場大会
*1
なお、正確にはウィルムとは種族名であり、「ワイアーム(Wyrm)」、即ち竜の事ではないかと推察されている。
ハロウネストに降り注ぐ雪か灰のような粒子は脱皮した王の抜け殻の残骸だとされるため、そのかつての巨大さが察される。
そして亡者と叛乱、王の失踪によって破綻に追い込まれたハロウネスト最後の日、黒いウィルムが王国を襲撃。
最後まで正気を保っていた五人の騎士によって黒いウィルムは討ち取られたが、もはや王国を再興する事はできなくなってしまった。
この黒いウィルムについての詳細は不明だが、王国の外れに巨大な何かの骨で作られた「愚者の闘技場」という施設があり、
その玉座には「愚者の王」と呼ばれる何者かの遺骸が安置されているため、この「愚者の王」こそが黒いウィルムの成れの果てではないかと言われている。
 
*2
王の影を宿した"器"が主人公ではあるのだが、主人公=王というわけではなく、王の自我や記憶は一切残っていない。
彼にあるのはハロウネストを攻略して災厄を終わらせるという目的のみであり、即ちプレイヤーこそが主人公を突き動かす衝動そのものなのだ。
なお、自我や意思を持ってしまうと「光」に汚染されてしまうため、多くの器候補達が作られては廃棄されている。
作中でも大量の器候補の亡骸が廃棄され山積みになった場所がある他、主人公以外に廃棄場を脱出したと思しき器候補の成れの果てと遭遇する事もある。
また、行く先々で遭遇する大言壮語なばかりで実力の一切伴っていない"強壮なる"ゾートという、主人公にそっくりなムシが存在するのだが、
彼もまた「父との約束を果たすためハロウネストに戻ってきた」旨を語っているため、器候補の一人であった可能性がある。
まあこんだけ自我が強ければそりゃ廃棄されるわって感じだが
 
最終更新:2025年10月01日 16:45