ドラゴンクエスト1勇者


現在の日本製RPGの元祖*1とも言えるエニックスの偉大なRPG『ドラゴンクエスト』の主人公。
勇者ロトの血を引く男で、小説版での名前はアレフ。
剣と魔法をバランスよく使え、たった一人で邪悪の化身竜王との戦いに挑んだ。
『ドラゴンクエストII』の三人組は彼の子孫である。
CDシアターでのCVは関俊彦氏。
何の因果か、関氏は後に『DISSIDIA FINAL FANTASY』にて初代『FF』主人公にあたるウォーリア・オブ・ライトの声も担当しており、
DQ・FF両シリーズの初代主人公の声を担当したことになる。

初代はFC初期の作品ということもあり、グラフィックが前面分しか用意されておらず、
所謂 カニ歩きで常にプレイヤーの方を向いている こっちみんなとか言ってくれるな
階段の登り下りにわざわざ「かいだん」コマンドを使わねばならず、宝箱の開閉にも専用のコマンドがある、
人に話しかける時はいる方向へコマンドを使う等、当時のPCゲームを取り込んだような仕様となっている。
ただ、当時のCRPGはコマンドや魔法をキーボードで入力することも多かったため、
それらに比べたら遙かにインターフェイスは良く、当時の子供達にとってはかなり取っ付きやすかっただろう。
また、FCのコントローラの性質上文字入力が非常に面倒なため、開発を担当したチュンソフトがこれ以前に発売した、
ファミコン版『ポートピア連続殺人事件』で採用したコマンド選択式をRPGに導入したことで、
(PC版ポートピアは文字入力だったが、ファミコン移植にあたり次作『オホーツクに消ゆ』のシステムを輸入したもの)
単純かつ最小限度のコマンド構成でゲームシステムを確立させたのも大きな特徴だろう。
その当時は「ぼうけんのしょ」(バッテリーバックアップ)なんてものは存在しなかったため、
王様から教えてもらう「ふっかつのじゅもん」(パスワード)をメモに書き取りき、それを入力して続きから始める形になっている。
だが、メモを書き間違えたり、当時のTVの性能(画面が滲みやすい)から似た文字を見間違えたり、
広告チラシの裏に書いた為に親に捨てられたりして、涙目になった人も多かったことだろう。
なお、この初代『ドラゴンクエスト』のプログラム容量は僅か64キロバイト。
当wikiの1ページの容量制限がかつて50キロバイト弱、現在は100キロバイト弱であるということを考えると、
これがどれだけ凄まじいかお分かりいただけるだろうか。
この内、容量の大半は敵キャラクターのグラフィックや会話データに使われているので、
マップ上でのプレイヤーキャラのグラフィックが前面分しか用意せれなかったのも容量確保のための策とも言える。
(尤も当時のパソコン用RPGでは本作以上にグラフィックが貧弱な作品も少なくなかったが)

そして今でこそ確固たる地位を築いたドラクエシリーズも、この初代ではごくごく平均的な売り上げであった。
また、この初代と続編の『II』まではMSX及びMSX2というパソコンでも発売されている。
MSX版『II』は元祖「あぶないみずぎ」(一枚絵つき)で一部に有名。
ただし、これまで本格的なRPGはパソコン発祥の難解な構造のものしかなく、
徹底したコンシューマ機向けのRPGとしてはこのドラクエが初めてである。
また当時は各ゲーム誌のみならず、関係者の一部が所属する『週刊少年ジャンプ』のバックアップもあったことから知名度を上げていき
(原作者の堀井雄二氏は当時のジャンプで『ファミコン神拳』と言うファミコンコーナーを執筆していた。*2
 キャラデザの鳥山明氏は言わずと知れた『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』の作者)、
そして続く『II』から注目作へ、『III』では社会現象に至るまでの大ヒット作となった。

以後、『ドラクエ』シリーズは「そのハードの命運を決定付ける指針」とされるタイトルになり、
「ドラクエはその時一番普及しているコンシューマ機に(据置・携帯問わず)製作する」というスクウェア・エニックスの方針もあり、
『ドラクエVI』まで任天堂機で続いていたシリーズも、普及台数から『VII』ではプレイステーション、『VIII』ではプレイステーション2へと移ったこともあった。
同様の理由で『IX』はニンテンドーDS、8月発売の『X』はWiiで発売され、再び任天堂機へ舞い戻った。
そして『XI』ではプレイステーション4とニンテンドー3DS、Nintendo Switchとマルチプラットフォームでのリリースとなった。
今現在はかつてのハードの命運を決める程の勢いは無くなってはきたが、それでも新作発表は常に注目されるタイトルである。
一方でエニックスの売り上げが「ドラクエの発売年とそれ以外で違いすぎる」(株価が不安定すぎる)ことを株主から問題視されたのが、
『少年ガンガン』の発刊理由だったりする。

なお、この『ドラクエ』シリーズは、発売元はエニックス(スクウェア・エニックス)であるが、
実はエニックスは開発部署は一切持たない企画会社であり(そもそも会社設立時は不動産会社だった)、
ゲーム業界参入第一弾も賞金総額300万円の「ゲーム・ホビープログラムコンテスト」を開いて入賞作品を商品化することであった。
『ドラクエ』のシナリオ担当の堀井雄二氏とプログラム担当の中村光一氏(チュンソフト代表)は双方共に第一回コンテスト入賞者であり
(堀井『ラブマッチテニス』(入選)、中村『ドアドア』(優秀賞。エニックスのファミコン参入第一弾にも選ばれた)。
 なお最優秀賞は『森田のバトルフィールド』)、
エニックス自身は企画は行うが開発は全て外注という体制をずっと続けている。

リメイクもされており、SFCではカニ歩きではなくちゃんと横や後ろも書かれている。
当然のごとく、「ぼうけんのしょ」によるセーブに変更されているので安心して欲しい。
また、『剣神ドラゴンクエスト』は『DQ1』のキャラデザを変更してのリメイクとも言える作品である。
ちなみに新デザインの主人公の見た目を一言で言うなら「超サイヤ人」。
『DQMB』でもこちらのデザインが採用されているが、家庭版で追加された「王女の愛」をとどめの一撃に使った際に流れるムービーで…。
1:36~

また、『DQMB』には初代パッケージ(上図参照)の構図を再現したレジェンドSPカードも登場したが、
勇者のデザインは変更されていないが、相手方のドラゴンが竜王(デザインはリファイン版の所謂「竜神王」)に替わっており、
感慨深くも当時と大きく印象の異なるイラストとなっている。

アニメ『ドラゴンクエスト・アベル伝説』では伝説の勇者ガブリエルとして登場。

漫画作品『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』では、
かつての戦いで勇者アバンが『I』勇者と同じデザインの鎧を着ていたことが、魔王ハドラーの回想で描かれている。
マァムの両親と一緒に冒険していた時の回想では別の鎧を装備していたが、途中で着替えたのだろうか。

同じく漫画作品の『ドラゴンクエストモンスターズ+』では『I』の勇者本人が登場。
「りゅうおう≒」が作り出した異世界に呼び出されていた所を主人公のクリオと出会い、仲間と共に戦うという元の世界ではできなかった体験をすることになる。
『I』に似たこの異世界は、りゅうおう≒の中の「りゅうおう」という存在自体が持つ望郷の気持ちが作り出したものと言われており、
りゅうおうと因縁深い勇者が導かれたのも恐らくは似たような原因だったものと思われる。

『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では勇者の最後の切り札の演出で非プレイアブル歴代主人公達と共に登場。
プレイヤー主人公に力を送りサポートする。
ちなみに初代主人公なだけあってかセンターポジションにいる。


MUGENにおけるドラゴンクエスト1勇者

あなろぐ餅米氏によるFC版ドットを使用したものが存在している。
初代のFC版ドットなので当然カニ歩き。こっちみんな。
飛び道具のギラ、相手の必殺技を封じるマホトーン、DQキャラではお馴染み攻撃判定を持ったルーラ、
相手を気絶状態にするラリホー等、原作の魔法を使い戦うテクニカルなタイプのようだ。
ゲージ技は回復技のホイミとベホイミ、攻撃魔法のベギラマ、全画面攻撃の光の玉となっている。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会



*1
なお、パソコン業界ではアメリカ製の『ウィザードリィ』『ウルティマ』…は置いといて
(当時はゲーム及び対応パソコンを個人輸入するしか遊ぶ方法がなかった。勿論全部英語)、
『ドラクエ』の2年前に発売された『ザ・ブラックオニキス』(BPS)の大ヒットにより、日本でもコンピューターRPGが幾つも作られ始めていた。
エニックス自身も『ドラクエ』の前年に『地球戦士ライーザ』と言うSFRPGを発売している
(ファミコン版は『銀河の三人』とタイトルを変えて『ドラクエ』の翌年に発売された)。
『ドラクエ』は『夢幻の心臓』(システムソフト)を参考にしたとも言われており、実際に類似点は多いが、
マニアの遊びだったRPGを一般に知らしめ、日本中をブームに巻き込んだ功績を持つのは疑いようもない。
今やパソコンを触ったことが無い人の方が珍しいが、当時はパソコンを持っているだけでオタク呼ばわりされ、
所有者も学級に1人居るか居ないかと言う時代である。
また、RPGなんて聞いたことさえ無いファミコン少年でも理解できるようにインターフェイス等を工夫したり、
「ゲーム内で」ルールを事細かく説明したりした部分も大きい
(本作が王様の前でスタートするのも、町の外でスタートしたらテストプレイヤーの子供達が、
 「そこ(町アイコン)に入れるなんて知らなかった」と言い出したからである)。
何せ当時のファミコン少年には理解不可能だった所為でクソゲー呼ばわりされた名作パソコンゲームも存在していたぐらいなのだから。

*2
このことからか、2018年発売の『ファミリーコンピュータミニ 週刊少年ジャンプ創刊50周年バージョン』にも、
連載作品のゲームや『ファミコンジャンプ』2作などと同時に、このファミコン版初代『ドラクエ』も収録されることとなった。


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