仮面ライダーダークゴースト





「全ての眼魂(アイコン)は私が手に入れる」


 ■スペック
 パンチ力:11.0t
 キック力:15.0t
 ジャンプ力:49.6m
 走力:100mを4.7秒

特撮作品『仮面ライダーゴースト』に登場する仮面ライダー。
劇場版『100の眼魂とゴースト運命の瞬間』に登場する劇場版限定ライダーである。
その姿は色違いのゴーストと言える姿をしている。

変身者は眼魔の大帝アドニスの長男で、アラン=仮面ライダーネクロムの実兄でもあるアルゴス(演:木村了)。
劇中では既に他界しており、天空寺タケル=仮面ライダーゴーストと同様にゴーストとなっている。
元々はタケルよりも前に、仙人ことイーディス(演:竹中直人)から15個の英雄の眼魂を集めるよう命じられた人物なのだが、
15個の眼魂を集めるとグレートアイが出現することや、それによって仙人が「眼魔世界」の侵攻を食い止めようとしていることを深海大悟から聞き、
「イーディスは自身を良いように利用し、自身の願望を叶えようとしている」と誤解。
さらにゴーストであるせいで、食事も睡眠もできないことに発狂し、
英雄の眼魂を100個集めることでできる究極の眼魂を使い、その力で全人類・全眼魔のゴースト化を企む。

やがて首尾よく100個の眼魂を揃えたアルゴスは「器」となるタケルの亡骸にそれらを入れ、
「究極の眼魂」を完成させて仮面ライダーエクストリーマー(後述)へと変身。
ムゲン魂を完膚なきまでに圧倒し全人類のゴースト化を成し遂げようとするが、
「みんなと一緒にもう一度ご飯が食べたい」とタケルが生きた状態でなければできない願いを吐露した事で、
その言葉に触発された偉人達の魂がエクストリーマーを妨害。
最期は「ゴッドオメガドライブ ムゲン」を受けて断末魔すら叫べずに爆散した。
同時に究極の眼魂の器となったタケルの遺体も壊れてしまった事でゴースト化した魂も連動して消滅しかけたものの、
エクストリーマーから解放された100の偉人達が力を分け与えた事によって、
流石に人としての蘇生は叶わなかったがゴーストの状態で(消滅期限は据え置きで)復活。
結局、アルゴスだけが文字通りの意味であの世行きの結末となった。

劇場版の後の時間軸であるTV本編の第47話と第48話では、
眼魔世界側から人間界へのゲートを解放してタケル達を突入させるべく、イーディスがダークゴーストに変身した。
しかし流石に当人が戦い慣れていなさ過ぎたのか、あっさり眼魔の軍勢にやっつけられてしまっている

+ 眼魔とグレートアイの詳細
「眼魔」は本作の敵勢力である。
ガンマホールと呼ばれる紋章から現世へと現れる異界の住人であり、
物に宿っている強い思い(思念)をパーカーとして身に纏うことで様々な特殊能力を得るという能力を持っている。
ゴーストと同様に眼魂を持っていないと普通の人間にはその姿を観ることができず、
タケルの幼馴染の理系大学生・月村アカリが開発した薬品「不知火」などの特殊なアイテムを用いなければ、
仮面ライダードライブのセンサーのような超科学でも認識は不可能である。
また、普通の攻撃ではダメージを負うことも傷つくこともないという特性を持つ。

その正体は死者が化けて出たような超常的存在ではなく、
肉体をカプセルに入れてコールドスリープ状態となり、魂のみがアバター「眼魂」として分離し活動する形で生活している生命体である。
眼魔世界の大帝・アドニスは、弥生時代に狂王の弾圧から逃れるために大いなる力を秘めた全知全能の存在「ガヌマ」に導かれて、
ガンマホールを通じて家族や同胞らと別惑星に移住し、そこに残された遺跡の技術とガヌマの力によって文明を発展させた経緯を持つ。
このため、眼魔世界の住人は地球人から分岐した存在と言える。
彼らは新天地へと導いてくれたガヌマを「グレートアイ」と呼称して神として崇めるようになり、
自分達はその名を冠した「ガヌマの民」と名乗るようになり、それが時代を経て「ガンマ」となった。

しかし、遺跡の技術による大気汚染などが深刻化した影響で世界は荒廃し、
その原因である人体に有害な塵によりアドニスの妻アリシアが病死する不幸に見舞われる。
絶望したアドニスは、グレートアイの力で誰も死ぬことのない世界を目指し、
自身の古き盟友であるイーディスの考案した「眼魂システム」の導入を試みた。
肉体をコールドスリープで保管し、魂をアバターとして顕現させるこのシステムにより、
環境汚染された世界でも活動可能になるだけでなく、生物に必要な食糧・エネルギー問題の解決、生・老・病・死の四苦を解消することを目指したのである。
保管された個々の肉体から微弱な生体エネルギーを摂取し、それをシステムを稼働する発電機に使用することで、
コールドスリープの装置も半永久的に稼働できる仕様にしており、これにより眼魔は死を克服した存在となるはずだった。
しかし、「生身のままで生き続けなければならない」という理念に拘り、
不老不死の肉体を得るべく人体実験を続けた「ダントン」と彼を支持する者達により、「眼魔百年戦争」が勃発。
アルゴスはこの戦争の際に暗殺者に襲われた傷が原因で病死している*1
この事件が元でアドニスは「感情があるから人は苦しむのだ」という結論に至り、
心は不要なものと見なして自身の家族・臣下など選ばれた民だけが眼魔として活動可能にし、
その他の民草はコールドスリープ中は仮想空間で永遠に幸せな夢を見続ける世界を作り出すことになった。
このため眼魔達は、個人によって差はあるが友情や娯楽などを「不要な不純物」と考える価値観を持つようになった。
そして、戦争の一件からアドニス以外がグレートアイに干渉できないよう「ガンマイザー」が作られた。

だが、長い時間の中でシステムに異常が発生し、保存していた肉体から生体エネルギーが異常摂取され、
エネルギーを吸い尽くされた住人の肉体が消滅する事態に陥ることになる。
アドニスはグレートアイにアクセスし事態の収束を図るも、自己成長したガンマイザーがアドニスの干渉すらブロックするようになってしまった。
この異常事態の解決のために、システム稼働に必要な生体エネルギーを別世界の人間から調達する計画が立案され、地球への侵攻が企てられることになる。

特にイーディスは「眼魂システム」の考案者であった責任感や、自己成長を繰り返したガンマイザーが将来的に眼魔の脅威になりかねないと見越した焦燥から、
他の眼魔に先行して地球に侵攻するが、タケルの父・天空寺龍によって阻まれ、
劣等種と見なしていた人間の力に驚愕したことや、龍の「人間は何度でもやり直せるという言葉」で人間を見下していた自分の誤りを悟る。
しかし、侵攻計画は既にイーディスの一存で止められないほどの規模で進められており、
龍と接触したイーディスは、龍の想いを込め器物から英雄を召喚する技術と「眼魂システム」を融合させて「英雄眼魂」を生み出し、
眼魔の侵攻の阻止とガンマイザーへの対抗措置を生み出す計画を独自に立案することになった。

なお、イーディスの発言から英雄眼魂の収集計画の本命はタケルであり、
アルゴスに収集を任せようとしたのは、一種のリハーサルのようなものだった模様。

+ 形態
  • 通常形態
『カイガン! ダークライダー! 闇の力! 悪いやつら!』

「ダークゴースト眼魂」を使用して変身する基本形態。ゴーストの「オレ魂」に相当するが、固有の名称は特にない。
見た目こそタケルの変身したゴーストと大きくは変わらないが、使用するドライバーに組み込まれた初期型の出力増幅装置の効果によって、
心身への負担増大と引き換えに本来想定されている基本性能を大きく上回るスペック、実力を獲得している。

なお、上記の変身音は本編で仙人が変身した際には 何故か 鳴らなかった。
この際は(一応)味方サイドとしての登場だったので、音声の内容と立ち位置が合わなかったためと思われる。
アルゴスだって本来は別に悪人ではなかったのだが…。

  • ナポレオン魂
『カイガン! ナポレオン! 起こせ革命! それが宿命!』

「ナポレオンゴースト眼魂」を使用して、ナポレオン・ボナパルトの魂が憑依した形態。
通常の眼魂でありながら、ゴーストの闘魂ブースト魂と同等の能力を持つ強力な形態であり、
武器もガンガンセイバーやサングラスラッシャーなど闘魂ブースト魂と同じ物を使用。
また、マント状の装飾「ヴァリアントコート」は武器の性能向上効果に加えて攻撃を無効化することもできるなど、攻防共に隙が無い。

  • ピタゴラス魂
『カイガン! ピタゴラス! 三角の定理! 俺の言う通り!』

「ピタゴラスゴースト眼魂」を使用して、ピタゴラスの魂が憑依した形態。
独自の法則性により鋭角的な軌道を描く三角形のエネルギー弾を無数に発射する能力を持つ。
同眼魂はハイパーバトルビデオでも登場し、スペクターが使用。そちらでは閃きと体術を組み合わせた全く新しい戦法で戦った。
ダークゴーストもその際のスーツを流用しているので、ツノがスペクターと同じ2本になってしまっている。

  • 一休魂
『カイガン! 一休! 迫るピンチ! 冴えるトンチ!』

「一休ゴースト眼魂」を使用して、一休宗純の魂が憑依した形態。
座禅を組んだ状態で空中浮遊する能力を持ち、この状態からの高速回転攻撃「ザゼンアタック」を放つ事もできる。
同眼魂はハイパーバトルビデオでも登場し、ゴーストが使用。こちらでは「とんち力」を鍛えることで様々な能力を発揮する眼魂として描写された。
ゴーストとダークゴーストは同じ一本ヅノなので違和感はないが、出番はピタゴラスよりも短かった。

  • 仮面ライダーエクストリーマー
「究極の眼魂」を使用して変身する究極形態。
厳密にはダークゴーストの派生形態ではなく、同一人物が変身する別の仮面ライダーである。
スーツは後にテレビ版のラスボス「グレートアイザー」にリペイントされた。
元ネタとなったのはギリシャ神話に登場する百目の巨人アルゴスと、
尾羽にアルゴスの百の目を取り付けたという伝承を持つ孔雀。


MUGENにおける仮面ライダーダークゴースト

ななび氏の製作したキャラが公開中。
氏が普段利用しているロダではなく、仮面ライダー制作wikiのロダで公開されている。
「ゴーストのコンパチキャラ」とのことだが、無敵ダッシュやゲージ技「ナポレオン魂」など、
ゴーストにないオリジナルの技が搭載されており、性能は差別化されている。
3ゲージ技「変身:エクストリーマー」では完全無敵状態になり、合計100発のホーミング弾を連射する。
AIもデフォルトで搭載されている。
3ゲージ技「変身:エクストリーマー」(8:25~)

出場大会



*1
作中のアリアやイーディスは病死とだけ話しており暗殺者の件に言及していないが、
『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』によると、イーディスによって死の直前にアルゴスの魂はタケルのように眼魂に保存されたのだが、
アルゴスが死んだと思ったアドニスはそれ以前に妻のアリシアや多くの同胞を失っていたこともありさらに精神状態が悪化したため、
下手に事情を明かすとさらにアドニスのメンタルが拗れかねないというイーディスの判断で、アルゴスのゴースト化と真の死因は周囲に伏せられたらしい。


最終更新:2024年11月29日 17:49