広義ではゲーム画面の上端や下隅に表示される、現在の状況を示すメーター表示のことを指す。
このため
ライフバーなども広義ではゲージの一種にあたるが、単に「ゲージ」と言った場合は、
格闘ゲームにおいて
超必殺技などを発動するために必要となる「パワーゲージ」を指すことが多い。
パワーゲージ
主に超必殺技のような大技を出すのに必要なゲージ。
作品によっては通常の
必殺技や一部の特殊行動(
ガードキャンセル等)でも消費する。
名称はゲームによって異なり、増加条件も、
- ダメージを与える
- ダメージを受ける
- 攻撃をガードする
- 必殺技を出す(空振り含む)
- 専用のゲージ溜め行動を行う
- 時間経過で自動的に回復する
など様々。
また本数・レベル(段階)・パーセンテージなどで複数のストックが可能なもの、
次のラウンドへの持ち越しが可能/不可能なものなど、性質も多種多様。
以下、特徴的なものをいくつか紹介。
気力ゲージ (『龍虎の拳』シリーズ) |
格ゲーにおけるパワーゲージの元祖。 ほぼ全ての必殺技で(超必殺技では大幅に)消費し、時間経過で極わずかに、「気力回復」で徐々に増加する。 その性質上、現在の一般的なゲージとは真逆に、
毎ラウンド満タンから始まる。
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怒りゲージ (『サムライスピリッツ』シリーズ) |
主にダメージを受けることで増加。 ゲージが満タンに近付くにつれて徐々にキャラの肌が赤くなっていき、 満タンになると「怒り状態」となって攻撃力が上昇する。 怒り状態のストックは不可能で、一定時間が経過すると解除されてゲージは0に戻る。 真サム以降はゲージ技も追加されたが、一番の特徴はやはり怒り時の超火力。 主に攻撃を受けることでしか溜まらないゲージそのものは、 『ストIV』のリベンジゲージ、『ストV』のVゲージなどにも見られるが、 サムスピならではの特徴として、怒りゲージの動きにも個性が用意されている (熱しやすく冷めやすい覇王丸、怒り辛いが執念深い服部半蔵など)。 |
スーパーコンボゲージ (『ストリートファイター』シリーズなど) |
カプコン格闘の元祖パワーゲージ。 必殺技を出したり攻撃を当てることで増加し、スーパーコンボで消費する。 『スパIIX』の頃は1ストックでラウンドが変わるとリセットされ、0からの溜め直しになっていたが、 『ストZERO』では持ち越し可能の3段階制になり、レベル3専用の全消費超必殺技なども登場した。 現在は後者のゲージが主流となっており、
MUGENもこれを採用している。
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その他のゲージ
ゲームやキャラによっては、パワーゲージと独立した特殊なゲージが存在する場合がある。
以下、代表的なものをいくつか紹介。
ガード(クラッシュ)ゲージ |
所謂「ガードクラッシュ」発生までの耐久値を示すもの。 大きく分けて、通常のゲージと同じようにバーや数字で表示されるもの (『ストZERO3』『北斗の拳』『アカツキ電光戦記』『堕落天使』など)と、 ライフバーやキャラクターが光ったり点滅することで判別できるもの (『CVS』『餓狼MOW』など)の2種類がある。 ガードゲージが存在するゲームではクラッシュを狙った攻め(所謂「割り」)と、 それに対する回避行動といった駆け引きが成立する。 |
スタンゲージ |
気絶、所謂ピヨり状態に至るまでの進行度(スタン耐久値)を示すもの。 『ストIII』『GUILTY GEAR』『KOF XI』などで採用されている。 元々は隠しパラメータのような存在で、現在の溜まり具合が確認できないことが多いが、 スタンゲージが設定されているゲームではガードゲージと同様、 気絶を狙う側・避ける側の駆け引きがより明確になる。 |
剣気ゲージ |
『サムスピ零』以降のシリーズで採用されている、攻撃力補正を示すゲージ。 攻撃を出すと減り、時間経過で回復するという単純な仕組みだが、他に類を見ない (格ゲーに限らなければ一部RPGに採用されている「武器耐久力」や『モンスターハンター』の「斬れ味」等がある)。 |
特殊行動用ゲージ |
パワーゲージとは別のコストを必要とする特殊行動に設定されているゲージ。 『GUILTY GEAR』における「バーストゲージ」(緊急脱出専用)、 『KOF XI』における「スキルゲージ」(SC、DCやシフト関連動作に使用)、 『東方萃夢想』『東方緋想天』における「霊力ゲージ」(主に射撃に使用)、 『北斗の拳』における「ブーストゲージ」や『アルカナハート』における「ホーミングゲージ」 (平たく言うと高性能なダッシュに使用)などなど、作品によって多種多様。 ストライカーやボムなど、ゲージの形ではなくストック数で表示されているものも、 役割としてはここに分類して良いだろう。 |
MUGENにおけるゲージ
パワーゲージの仕様は各作品によって差異があるため、ゲージ最大値もキャラによって異なっていることが大半である。
タッグ戦においてはゲージを一組で共用するが、その際は先に選択されたキャラのゲージが優先される。
そのため、もしも先に選ばれたほうがゲージ最大値が1本しかないキャラで、もう片方は最大値が2本以上であった場合、
相方は
コンボ・
起き攻め・立ち回りなど殆どの要素を全て1ゲージ縛りという条件の中で戦うのを余儀なくされてしまう。
当然ながらその逆のケースも十分にあり得るので、タッグ戦の際はこの辺に十分注意したい。
*1
例えば片方がゲージ5つ持ち、もう片方が1つ持ちのキャラである場合、
前者を1人目に指定すれば通常1つしかゲージ持てない相方はこの場合に限り5つ持つことが可能となる。
しかし逆に後者を1人目にすると相方は1つしかゲージを持てないということになるため複数ゲージを消費する大技が出せないといった弊害が起こる。
所謂レベル3専用技などで3ゲージ溜まっていないと出せない技として「
瞬獄殺」を例にとって見る。
.cmdファイルで、
;瞬獄殺
[State -1,Shun-Goku]
type = ChangeState
value = ****
trigger* = power >= 3000
(↑MUGENではゲージ1本=1000で表しているので、この場合の3000は3本であることを意味する。
同じ理屈で
ヴァンパイアシリーズのようにゲージ上限を99本に再現したいのであれば、99000とすれば再現できる)
という記述がされているのが基本であり、先述のゲージストックが1つまたは2つまでしか持てない。
キャラとタッグを組ませるとこの条件を満たせず、色々と不具合が生じる。
ではここで一つの解決策として、
;瞬獄殺
[State -1,Shun-Goku]
type = ChangeState
value = ****
trigger* = power >= 3000 || power = powermax (←この記述を加える)
という記述を加えてやれば、ゲージが3つ以上溜まっているか、もしくはゲージがMAX状態であれば発動が可能となり、
ゲージストックが2つまでしか持てないキャラと組んでもゲージストック2のMAX状態で発動が可能となる。
応用で、ゲージが5つないと出せない技なども基本的にこの方法で解決する。
ゲージを使う技に対してこの"power = powermax"という記述を加えておけば、取り敢えずゲージMAXであれば確実に発動ができるので、
どんなキャラとタッグを組んでもゲージストック数の変動に左右されることが無くなるため重宝するはずである。
ただし、ゲージストック数を減らしてもゲージ回収率まで下がるということは無いので、技の性能によっては凶悪な強さになる。
それ以前に、そもそもタッグ戦では現状そこまで考慮していないことが殆どなので、こればかりは致し方ない。
もう一つの例として、
;瞬獄殺
[State -1,Shun-Goku]
type = ChangeState
value = ****
trigger* = power = powermax (←ストック数に関係なくゲージMAX状態)
という記述であれば、ゲージストックの上限に関係なくゲージMAXでなければ発動ができない。
代表的な例では
豪鬼の瞬獄殺や『ストIII』での「金剛國裂斬」など。あと
ギルのスーパーアーツも実は全て全ゲージ消費である。
この場合、ゲージ量に加えストック数が多くなることでも不利となる。
動画でよく見かけるGM氏の『ストIII』キャラについては"power>=xx"という記述がなされているので関係無いが、
その代わりにSAごとにゲージの長さが変動する仕様、及びゲージの内部数値を完全再現しているため、
必ずしも画面下に表示される3rd仕様のゲージが1本溜まった時のpowerはちょうど1000にはならないことが多い。
ゲージの上限値も半端な値になっているので、タッグを組ませる時には注意しよう。
また、ボタンを押し続けることによりゲージを溜めることができるキャラなどでは、
"power<xx"という形式を取るとゲージが満タンなのにまだゲージ溜め行動ができたり、
逆にゲージが満タンになっていないのにゲージ溜め行動ができなくなったりする。
こうしたトリガーでは、数字ではなく"powermax"を使った方がよい。
またMUGENの仕様として、ゲージは体力ゲージとパワーゲージの2種類しか存在しないため、
それ以外のゲージを作りたい場合、キャラクター側でvarを使い個別に作成する必要がある。
より原作再現度を高めるためにパワーゲージも専用の表示を搭載しているキャラも多く、製作者の腕の見せ所の一つとなっている。
アドオン側で用意されている汎用ゲージと位置がかぶってしまう場合も少なくないが、
多くの場合はキャラクター側でゲージ表示位置を移動することができたり、アドオン側に表示位置の切り替え機能が付いており、
もしそういったオプションがなくとも、多少の知識があれば自力で動かすこともそう難しくはない。
ただし、ガードゲージやスタンゲージといった「相手の状態を左右する」ゲージを忠実に再現しようとすると、
相手キャラによっては不都合が生じてしまうというデメリットもある。
たとえば
- 双方が別々のスタンゲージを搭載している場合、
自分側のゲージによって相手を気絶させた直後に相手側のゲージによって再度気絶が起こってしまう
- 相手側のキャラに気絶やガードクラッシュのモーションが設定されておらず、
唐突に無関係な画像が表示されたり、何も表示されなかったりする
など。
無数のキャラが存在するMUGENにおいて、こうした問題はコンプゲーでもない限り完全に解決することは難しいので、
ある程度妥協するか、自力で何とかするしかない。
また、ある
特定キャラなど所謂
凶悪キャラ系には、相手のゲージを強制的に0にするようなキャラなども存在する。
*1
使用するゲージが通常ゲージから独立している仕様のキャラなどは、この問題を回避できることがある。
特に怒りゲージはタッグ戦などでの不具合を避けるため、Varを使って内部で管理しているキャラが殆ど。
ゲジマユなどの恩恵を受けられないこともありうるが、普通だったらそんな特殊ルールはやらないので気にすることはないだろう。
最終更新:2024年11月04日 02:06