ヘクセンリーベ - 聖華世界 @ wiki

ヘクセンリーベ

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［解説］

アルカディア帝国に所属する魔術組織。
常闇の森を本拠地とし、魔女とよばれる女性の魔導士を中心とした組織構成をしている。

ヘクセンリーベの成り立ち

ヘクセンリーベの成立は建国期まで遡る。

聖華暦200頃、常闇の森にはドルイドのような自然と一緒に暮らす『魔女』と呼ばれる女性魔導士達がすでに存在していた。
彼女らはその森にしか自生していない『ギシェヌ』という特殊な樹木から木材を切り出し、さらに特殊な製法を用いて自分達の使う『空飛ぶ箒』を作り、自由に空を駆けていた。

ある時、『空飛ぶ箒』の話が出回るようになり、箒を求めて多くの魔導士が魔女達の元へと集まるようになった。

しかし、箒は誰にでも扱えるような代物では無かった。
まず箒に乗る為には、箒と乗り手が契約を結ぶ必要がある。
しかし理由は不明だが、自然を愛する心を持つ(性別上の)女性でなければ、箒と契約を結ぶ事が出来なかった。

その為、魔女達は見込みのある者達を弟子として、箒の扱い方を教えるようになった。
こうして箒を持つ魔女達は、段々と組織的な規模へと拡大していった。

聖華暦250年頃、『空飛ぶ箒』の技術独占を目論んだアルカディア帝国から、箒の技術を譲渡するよう求めてきた。
魔女達はこれを拒否したのだが、帝国側は従わなければ武力を行使する事も厭わないと脅しをかけてきた。

魔女達は帝国側に上記の箒の特性を根気よく説明し、帝国側もこれを理解、箒の接収を諦めた。
その代わり、帝国側は魔女達の弟子の斡旋等、人事におけるサポートを行うので帝国に協力して欲しいと頼み込んだ。

魔女達は協議を行い、自分達の行動にある程度の自由を保証する事を条件に、帝国側に魔女の協力者を派遣する事を約束し、帝国もその条件をのんだ。
これ以降、魔女達と帝国の間に取り決めが交わされ、帝国での魔女の地位が確立した。

組織として大きくなった魔女達は、自分達のコミュニティを『ヘクセンリーベ』と名付け、聖華暦800年代に至るまで魔法や魔法薬の研究に勤しんでいる。

箒の開発

『箒』は常闇の森にしか自生しない『ギシェヌ』と呼ばれる樫に似た樹木を材料としている。

誰がどのように『箒』を最初に作ったかは、すでに失伝している為、誰も知らない。
そして同様に、どうして女性にしか箒を扱えないのか、その理由も不明なままである(諸説ある中で、おそらく材料にしている『ギシェヌ』になんらかの要素があるのではないかと云われている)。

常闇の森の魔女達は師匠からの口伝によって連綿と箒の製法を伝えており、師匠から弟子へと受け継がれる。

箒には、仮契約を結ぶ事で誰にでも使える練習用のものと、個人専用のものがある。
練習用は、文字通りヘクセンリーベに入った者に最初に与えられる箒で、これを用いて箒での飛行訓練を仕込まれる。
もちろん所有権はヘクセンリーベに属している。

ちなみに、過去に練習用の箒が盗まれる事件が何度か起きている為、仮契約を行なっていない者が箒を無断で常闇の森の外へ持ち出した場合、仕掛けられているルーンが起動して箒が自爆するようになっている。

個人専用の箒は、ヘクセンリーベから一人前の魔女となった証として贈られ、契約を結ぶ事でその魔女の所有物となる。

箒の発展

人魔大戦期、ヘクセンリーベにはアルビー・ヒューレイ・マギステアという半魔の異端児がいた。
彼女は問題ばかりを起こし、ついにヘクセンリーベを破門・追放される事となった。

しかし、彼女は非凡な才能を持っており、独自に箒の技術を解析して改良を加え、機兵を飛ばす事が出来る箒を開発する事に成功した。
これにより、アルビーは一躍有名となった。

この話はたちどころにヘクセンリーベの知るところとなり、ヘクセンリーベはアルビーを連れ戻し、アルビーの破門と追放を許す代わり、自分達にもその技術を伝授してくれるように平身低頭して懇願した。

これにはアルビーも流石に折れ、ヘクセンリーベに自分の持つ技術を伝授した。
しかし、実際にはアルビーが自力で機兵の飛行を実現したようなもので、箒の機能的に機兵の飛行が可能になっていたわけではなかった。
(それでも、箒の扱いの上手い者が数名ばかり飛行を実現した)

人魔大戦後、産業革命が起きて魔導工学が著しく発展、魔女達はこの新しい技術を積極的に取り入れ、正真正銘『機兵を飛ばせる箒』を作ろうと試みる。

そして、『機兵を飛ばせる箒』の試作に改良を重ねていくうち、それに合わせて人間用の箒も進化していった。
つまり、魔導工学によって機械化された箒はこれまでのものよりも飛行速度や高度が上昇していったのだ。

それからさらに時は流れ、箒の革新的出来事は聖華暦838年にリンネ・アルター・マギステアがヘクセンリーベを訪れる事によって起こる。
彼女は魔女としての修行の為、箒作りや飛行技術を学んで行き、聖華暦900年代に飛行魔法の発見、そして聖華世界初となる飛空艇を完成させる事となる。
もちろん、まだまだ先の話なのだが。