ホバー輸送船 プリマビスタ
[解説]
聖華暦566年に自由都市同盟のシンジケート(企業連合)コクトー商会が、天才技師エイジス・クリプトンを技術顧問にして設計、開発し建造した、初の量産型民間用ホバー輸送船である。
実はこれ以前にも、エイジス・クリプトンは独力でスポンサーを集め、聖華暦552年にホバー艦のひな型を建造、聖華暦557年には史上初めてのホバー輸送船を完成させている。しかしながら、これの生産には多大な資材と高度な工業力が必要であり、当時の自由都市同盟では量産は叶わなかった。
実はこれ以前にも、エイジス・クリプトンは独力でスポンサーを集め、聖華暦552年にホバー艦のひな型を建造、聖華暦557年には史上初めてのホバー輸送船を完成させている。しかしながら、これの生産には多大な資材と高度な工業力が必要であり、当時の自由都市同盟では量産は叶わなかった。
プリマビスタは、輸送船としては比較的小型の部類に入る。聖華暦830年現在の軍用陸上輸送艦は基本、全長160~200m程度である。だがプリマビスタは全長120m、全幅65m、全高48mと、かなり小ぶりであった。
これは当時の技術的な限界点であったとも、小型軽量にして安価に大量販売するためであったとも言われている。しかしながら聖華暦830年現在に残されている資料によれば、プリマビスタは聖華暦557年完成の史上初のホバー輸送船と、さほど大差の無い船舶であったらしい。
つまりエイジス・クリプトンはこのプリマビスタを開発する際に、冒険を避けて実証済みの手堅い技術を集積して建造したと推測される。様々な技術的冒険を成し遂げているエイジス・クリプトンらしからぬ行いと見るものも居るが、彼は生活用魔導器の量産や重動力機関開発などに於いては、堅実な技術の集積で事を為している事を忘れてはならない。
これは当時の技術的な限界点であったとも、小型軽量にして安価に大量販売するためであったとも言われている。しかしながら聖華暦830年現在に残されている資料によれば、プリマビスタは聖華暦557年完成の史上初のホバー輸送船と、さほど大差の無い船舶であったらしい。
つまりエイジス・クリプトンはこのプリマビスタを開発する際に、冒険を避けて実証済みの手堅い技術を集積して建造したと推測される。様々な技術的冒険を成し遂げているエイジス・クリプトンらしからぬ行いと見るものも居るが、彼は生活用魔導器の量産や重動力機関開発などに於いては、堅実な技術の集積で事を為している事を忘れてはならない。
ちなみにプリマビスタには、魔獣除けのための軽武装は施されている。あくまで当時の従機に内蔵式の20mm~30mm程度の魔導砲ぐらいだ。しかしながら軍事用として用いることができるほどの重武装には、基本的に縁が無い。この船はあくまで輸送『船』であって軍艦では無く、基幹構造がダメージコントロールに適しているわけでは無い事が挙げられる。そのためあまりに重武装を施すと、船体構造に問題が発生しかねない。
一部では基幹構造に補強を施し、重装化した船もあった模様だが、そのような船は荷を積む量も減り、速度も落ちるため、輸送船としての価値は徹底的に落ちる事になる。必然的に、その様な改修を施した船はいつの間にか消えていった模様である。軍艦のホバー化には、更に11年の月日が必要であった。
一部では基幹構造に補強を施し、重装化した船もあった模様だが、そのような船は荷を積む量も減り、速度も落ちるため、輸送船としての価値は徹底的に落ちる事になる。必然的に、その様な改修を施した船はいつの間にか消えていった模様である。軍艦のホバー化には、更に11年の月日が必要であった。
ちなみにこのプリマビスタにより、自由都市同盟のみならずアルカディア帝国、カーライル王朝・聖王国に於いても流通に革命が起きる。もっとも誇り高い帝国や聖王国は、購入したプリマビスタを分析して同等品のナーヴィスやマディスを建造した結果なのだが。
更には後々に、ロードス級戦艦やアンドロス級巡行艦など、ホバー軍艦の開発、建造にも繋がって行くことになるのだが……。それにはエイジス・クリプトンの弟子で、これも天才技師のニコラウス・テレスタインの登場を待たねばならない。
更には後々に、ロードス級戦艦やアンドロス級巡行艦など、ホバー軍艦の開発、建造にも繋がって行くことになるのだが……。それにはエイジス・クリプトンの弟子で、これも天才技師のニコラウス・テレスタインの登場を待たねばならない。