重動力機関(エンジン)
[解説]
この装置は、新人類が発生させるエーテルもしくは工業的に作られた液体エーテルをエネルギー源にして、回転動力を生み出すための魔導器である。
これは元々、旧型の履帯式陸上戦艦を動かすため、その動力として用いられたのが最初であると言うのが通説である。
実際はそれ以前にも、各所で細々と使われてはいたのではあるが。
なお現在の陸上艦はルーンを組み合わせたホバー機構で走行しているため、重動力機関そのものを主動力にしている艦艇は皆無だ。
しかしそれでも、砲塔などを駆動する補助動力として、この機構を搭載していない艦艇もまた存在しない。
その他、大規模な工場や工廠においても、作業機械を動かすための動力として用いられている。
これは元々、旧型の履帯式陸上戦艦を動かすため、その動力として用いられたのが最初であると言うのが通説である。
実際はそれ以前にも、各所で細々と使われてはいたのではあるが。
なお現在の陸上艦はルーンを組み合わせたホバー機構で走行しているため、重動力機関そのものを主動力にしている艦艇は皆無だ。
しかしそれでも、砲塔などを駆動する補助動力として、この機構を搭載していない艦艇もまた存在しない。
その他、大規模な工場や工廠においても、作業機械を動かすための動力として用いられている。
この重動力機関は、もともとは聖華暦200年代末期から300年代初頭の時期に、機兵工房で必要とされて開発された物である。
機兵と言う巨大な物を造るのに、それまではすべからく機兵自体を作業機械として用いていた。
しかし機兵は人型であるが故に、あらゆる作業に対応はできるものの、逆に様々な作業において不足な場面もあった。
単に重量物を持ち上げるだけであれば、機兵を使うよりもクレーンなどの方が効率的なのである。
このため機兵工房では大型の動力機械、可能であれば回転動力を必要としていたのだ。
機兵と言う巨大な物を造るのに、それまではすべからく機兵自体を作業機械として用いていた。
しかし機兵は人型であるが故に、あらゆる作業に対応はできるものの、逆に様々な作業において不足な場面もあった。
単に重量物を持ち上げるだけであれば、機兵を使うよりもクレーンなどの方が効率的なのである。
このため機兵工房では大型の動力機械、可能であれば回転動力を必要としていたのだ。
そこで登場したのが、この重動力機関である。
重動力機関は、構造的には魔導砲の応用である。
風魔法による圧搾空気の炸裂、あるいは炎魔法による爆発で爆圧を発生させ、その圧力で薬室のピストンを動かす。
そのピストンを多数、回転軸周囲にやや斜めに配置することで、回転軸を高速で回転させるのが基本的な構造だ。
回転軸周囲に配置した薬室で連続的に発生する爆発により、この装置は旧暦時代の科学技術製内燃エンジンの様な音を発生する。
そのため非常に五月蠅く、この装置を使う場所では難聴患者が多く発生したと言われる。
風魔法による圧搾空気の炸裂、あるいは炎魔法による爆発で爆圧を発生させ、その圧力で薬室のピストンを動かす。
そのピストンを多数、回転軸周囲にやや斜めに配置することで、回転軸を高速で回転させるのが基本的な構造だ。
回転軸周囲に配置した薬室で連続的に発生する爆発により、この装置は旧暦時代の科学技術製内燃エンジンの様な音を発生する。
そのため非常に五月蠅く、この装置を使う場所では難聴患者が多く発生したと言われる。
工房や工廠ではこの重動力機関を中心に配置し、それから歯車やベルトで各所に動力を伝達。
大はクレーンから、小はグラインダーなどまでを動かしていたのである。
だがしかしこの装置の開発は、直接には産業の改革に繋がらなかった。
この装置は当時は極めて高価であり、全ての小規模工房にまで広められる事は無かったのだ。
しかし聖華暦540年以降の産業革命期においては、この装置は大量に建造されてその一端を担う事となる。
大はクレーンから、小はグラインダーなどまでを動かしていたのである。
だがしかしこの装置の開発は、直接には産業の改革に繋がらなかった。
この装置は当時は極めて高価であり、全ての小規模工房にまで広められる事は無かったのだ。
しかし聖華暦540年以降の産業革命期においては、この装置は大量に建造されてその一端を担う事となる。
いったん聖華暦300年代前半にまで話を戻そう。
アルカディア帝国において移動要塞(最初期の陸上戦艦)を開発する際に、問題となったのはその強大な重量を支える履帯を駆動するための動力であった。
そこで帝国貴族ラズール公爵家のお抱え技師が目を付けたのが、当時工房や工廠に出回り始めたばかりの重動力機関である。
この重動力機関はシステム的に構造の小型化が難しく、しかし効率的には他の動力機関よりも優秀だったのだ。
技術の限界から小型化が不可能であっても、元から巨大な移動要塞に搭載するのであれば問題は無い。
そうして重動力機関はこの時より、陸上艦の動力としても用いられる様になったのである。
アルカディア帝国において移動要塞(最初期の陸上戦艦)を開発する際に、問題となったのはその強大な重量を支える履帯を駆動するための動力であった。
そこで帝国貴族ラズール公爵家のお抱え技師が目を付けたのが、当時工房や工廠に出回り始めたばかりの重動力機関である。
この重動力機関はシステム的に構造の小型化が難しく、しかし効率的には他の動力機関よりも優秀だったのだ。
技術の限界から小型化が不可能であっても、元から巨大な移動要塞に搭載するのであれば問題は無い。
そうして重動力機関はこの時より、陸上艦の動力としても用いられる様になったのである。
ちなみに前述した通りこの装置は、エネルギー効率的にはかなりコストパフォーマンスが良い上に、かなりのパワーが絞り出せる。
しかし技術が進んだ聖華暦830年代においても、小型化は至難の業であったのだ。
陸上艦の砲塔などを駆動するための補助動力に採用できる程度には、小さく造る事はできた。
しかし機兵や自動車・バイク類に搭載するほどには、小型化はできなかったのである。
そのため大小の自動車やバイクなどには効率的にはそこまででは無いものの、小型化が可能な蒸気機関が用いられている。
無論の事、機兵などの駆動には魔力収縮筋を用いる。
この様に、おおまかな形ではあるが各種動力機関の住み分けは為されているのだ。
このバランスは、何れかの動力において画期的なブレイクスルーが発生しない限り、しばらく崩れる事は無いと思われる。
しかし技術が進んだ聖華暦830年代においても、小型化は至難の業であったのだ。
陸上艦の砲塔などを駆動するための補助動力に採用できる程度には、小さく造る事はできた。
しかし機兵や自動車・バイク類に搭載するほどには、小型化はできなかったのである。
そのため大小の自動車やバイクなどには効率的にはそこまででは無いものの、小型化が可能な蒸気機関が用いられている。
無論の事、機兵などの駆動には魔力収縮筋を用いる。
この様に、おおまかな形ではあるが各種動力機関の住み分けは為されているのだ。
このバランスは、何れかの動力において画期的なブレイクスルーが発生しない限り、しばらく崩れる事は無いと思われる。