ニーナ・ザ・コキュートス
[解説]
年齢は462歳(聖華暦836年時点)という、かなりの高齢であり、この当時の代行者としては最古参のメンバーである。人魔大戦の開戦当初から終戦時までひたすらに血みどろの闘争を繰り返してきただけあってか、戦闘力は他の追随を許さない。一説によると生身での白兵戦であれば代行者を束ねるアルバレックすら超えるのではないか、とさえ言われている。
元々はただの人間であり、人魔大戦が開戦する数年前にその戦闘力と汚れ仕事すら厭わない狂信ぶりにより代行者に任命される。人魔大戦開戦後は機兵の運用が難しい地域や潜入による破壊工作など、機兵に乗ることなく獅子奮迅の働きを見せる。
が、しかし開戦してしばらくの頃に敵陣深くでリーパーと遭遇。本来であれば撤退しか選択肢の無い状況ではあったが、ニーナは「撤退は信仰を穢す行いである」としてそのまま突撃、一ヶ月に及ぶ長い死闘の末に単騎でリーパーの一角を殺しきることに成功する。その際、戦闘時の傷口に大量のリーパーの返り血を浴び、その血が混入してしまったことや、食糧代わりにリーパーの肉を食いちぎっていたこと等が関係し、後天的に高い不死性と不老の力を得ることとなる。
とはいえ、肉片レベルに斬り潰されてしまえば殺すことはできるのだが、今の聖王国にそれを実行できるだけの実力者が片手で数える程しかおらず、ましてや無傷で成功させ得るだけの人間はさすがにいないため、実質的な不死身。
が、しかし開戦してしばらくの頃に敵陣深くでリーパーと遭遇。本来であれば撤退しか選択肢の無い状況ではあったが、ニーナは「撤退は信仰を穢す行いである」としてそのまま突撃、一ヶ月に及ぶ長い死闘の末に単騎でリーパーの一角を殺しきることに成功する。その際、戦闘時の傷口に大量のリーパーの返り血を浴び、その血が混入してしまったことや、食糧代わりにリーパーの肉を食いちぎっていたこと等が関係し、後天的に高い不死性と不老の力を得ることとなる。
とはいえ、肉片レベルに斬り潰されてしまえば殺すことはできるのだが、今の聖王国にそれを実行できるだけの実力者が片手で数える程しかおらず、ましてや無傷で成功させ得るだけの人間はさすがにいないため、実質的な不死身。
半不死となってからはより一層の苛烈さで戦場を駆け、終戦まで戦場に出ない日は無かったと言われており、終戦後も混乱した国内の調停や治安維持のために奔走していた。しかし、並の人間であればとうに死んでもおかしくないほど長きに渡って戦い続けたせいか、はたまた後天的に不死性を得たことで精神が凡そ人間と呼べる物ではなくなっていたからか、聖華暦517年にとある事件が起きる。
聖王国と帝国の国境近くにある小さな村、村民自体は100人程度であったが、その村の民全てを殺し尽くしてしまったのだ。もちろん、ただの虐殺という訳ではなく、魔族崇拝者がその村を隠れ蓑にしていた、という事情があるにはあった。しかし、隠れ蓑にされていただけの無関係な村民まで殺してしまったことは、聖拝機関だけでなく、聖王国上層部にとっても恥ずべき醜聞であった。そのため、事態を重く捉えた聖拝機関は代行者総出でニーナの封印を決定。兼ねてより戦いを求め過ぎる彼女の精神性も相まって、すぐさま決行へと移された。
聖王国と帝国の国境近くにある小さな村、村民自体は100人程度であったが、その村の民全てを殺し尽くしてしまったのだ。もちろん、ただの虐殺という訳ではなく、魔族崇拝者がその村を隠れ蓑にしていた、という事情があるにはあった。しかし、隠れ蓑にされていただけの無関係な村民まで殺してしまったことは、聖拝機関だけでなく、聖王国上層部にとっても恥ずべき醜聞であった。そのため、事態を重く捉えた聖拝機関は代行者総出でニーナの封印を決定。兼ねてより戦いを求め過ぎる彼女の精神性も相まって、すぐさま決行へと移された。
以降は聖拝機関本部の地下最下層にてニーナ自身の聖典やその他無数の拘束術式によって封印されている。そして、「アルバレック・ストラヴァウリの出撃が必要不可欠とされる危機的状況かつ同氏が聖拝機関本部を離れることが不可能な場合」に於いてのみ、彼女の封印は解かれることとなる。聖拝機関の有する禁忌にして最終兵器。それこそが現在のニーナ・ザ・コキュートスの立場である。
聖華暦517年の封印以降、それが解かれた事例は片手の指で足りるほどの数しか無く、加えて事態が解決されるとすぐに再度封印措置を取られるため現在の代行者の中でニーナと面識があるのは封印前の彼女を知るアルバレックと彼に次いで長命のラミィのみとなっている。
聖華暦517年の封印以降、それが解かれた事例は片手の指で足りるほどの数しか無く、加えて事態が解決されるとすぐに再度封印措置を取られるため現在の代行者の中でニーナと面識があるのは封印前の彼女を知るアルバレックと彼に次いで長命のラミィのみとなっている。
性格・容姿・人となり
性格は温和で話し方も敬語が中心と、一見すると穏やかな女性に思えるが、それは優しさ故ではなく、シンプルに他人に興味がないだけ。他人への興味がないからこそ適当に話を合わせているだけであり、ぱっと見だと会話が成り立っているように感じられるだけである。
とはいえ、人嫌いという訳ではない。ニーナにとって人への価値基準は「殺せるか」「殺せないか」あるいは「戦って楽しいか」「戦ってもつまらないか」といった程度でしかない。彼女にとって世の中の大半を占める無辜の民衆というものは法が禁じるので殺していい存在ではなく、かといって弱すぎるせいで戦ってもまるで楽しさを見出せない。そういったロジックから導き出された結論こそが他人への無関心である。
裏を返せば「殺し合える相手」「戦いを楽しめる相手」と話すと途端にテンションが上がる。アウトクルセイダーや最上位の暗黒騎士、殺してもなんら心の痛まない魔族に対しては途端に饒舌になり、戦いの一環として舌戦を楽しんだりもする。
とはいえ、人嫌いという訳ではない。ニーナにとって人への価値基準は「殺せるか」「殺せないか」あるいは「戦って楽しいか」「戦ってもつまらないか」といった程度でしかない。彼女にとって世の中の大半を占める無辜の民衆というものは法が禁じるので殺していい存在ではなく、かといって弱すぎるせいで戦ってもまるで楽しさを見出せない。そういったロジックから導き出された結論こそが他人への無関心である。
裏を返せば「殺し合える相手」「戦いを楽しめる相手」と話すと途端にテンションが上がる。アウトクルセイダーや最上位の暗黒騎士、殺してもなんら心の痛まない魔族に対しては途端に饒舌になり、戦いの一環として舌戦を楽しんだりもする。
自他共に認める狂信者であるが、幼い頃からそうだった訳ではない。彼女が若かった頃、国家というものは今よりずっと脆弱であり、戦乱や理不尽な死というものは恐ろしいほど身近にあった。さらに彼女の経験した人魔大戦という未曾有の大戦乱によって、当時の彼女は全てを失った。
親も
兄妹も
友も
恋人も
戦友も
師も
弟子も
護りたいと願っていたはずの民衆も
その全てが死に絶えた。否、魔族との戦いの中で殺された。ニーナ自身がそのことに対しての悲しみを漏らしたことは一度して無い。しかし、数えきれない無数の喪失は彼女の心を確かに歪めてしまった。彼女の裡にあるものは、信仰と戦乱だけだった。
親も
兄妹も
友も
恋人も
戦友も
師も
弟子も
護りたいと願っていたはずの民衆も
その全てが死に絶えた。否、魔族との戦いの中で殺された。ニーナ自身がそのことに対しての悲しみを漏らしたことは一度して無い。しかし、数えきれない無数の喪失は彼女の心を確かに歪めてしまった。彼女の裡にあるものは、信仰と戦乱だけだった。
確かに、ニーナという女性は生まれついての戦好きであり、強固な信仰を持っていた。しかし、人間というものはそれだけで生きていける存在ではない。だが、彼女はそれだけで生きていけるようにならねばならなかった。そうして、限りなく死からも遠ざかってしまった彼女にとって、戦いと信仰とこびりついて剥がれなくなった魔族への憎しみだけがアイデンティティとなってしまった。
とはいえ、やっぱり生まれつきヤバい奴ではあるため同情なんてものを抱いてはいけない。彼女も自分が憐れみや畏れを向けられていることは重々承知しているが、そうした世間からの乖離も戦乱や苦難と同じく神から与えられた試練であり乗り越えるべきものであると捉えている。
彼女にとって、自分に降りかかるものは全て試練であり、その試練こそ神からの愛であると思って興奮している。また、その試練を乗り越えることこそ信仰の証明であるとしてやっぱり興奮している。つまるところ生粋のマゾヒストであり天性のサディスト。
とはいえ、やっぱり生まれつきヤバい奴ではあるため同情なんてものを抱いてはいけない。彼女も自分が憐れみや畏れを向けられていることは重々承知しているが、そうした世間からの乖離も戦乱や苦難と同じく神から与えられた試練であり乗り越えるべきものであると捉えている。
彼女にとって、自分に降りかかるものは全て試練であり、その試練こそ神からの愛であると思って興奮している。また、その試練を乗り越えることこそ信仰の証明であるとしてやっぱり興奮している。つまるところ生粋のマゾヒストであり天性のサディスト。
女性にしては高い身長と痩躯ながら鍛え抜かれた肢体もあってか、見る人にけだものかあるいは刀のような無機質な印象を抱かれることが多い。
また、かつて信仰が暴走した結果目と耳を溶けた鉄で焼き潰しているためぱっと見は本当にホラー作品の怪人のような印象を与える。
曰く「猥雑な世界を目にしていると信仰が腐り聞くに堪えない雑言ばかりの世にいては信仰が濁る」らしい。これは不死性を得る以前の出来事であったため、今も目は見えず耳も聞こえない。しかしいかなる手段を用いてか周囲の環境は普通にわかるし会話もできる。尤も、前述の通り大半の人間とは会話する気も特に無いのだが。
機兵の操縦スキルもかなりのものだが、本人がほぼ封印されっぱなしであるため整備の都合上から専用機は用意されていない。とはいえ何か適当な機体を与えられれば普通に乗りこなせるため本人的にさしたる問題でもないと捉えている模様。
また、かつて信仰が暴走した結果目と耳を溶けた鉄で焼き潰しているためぱっと見は本当にホラー作品の怪人のような印象を与える。
曰く「猥雑な世界を目にしていると信仰が腐り聞くに堪えない雑言ばかりの世にいては信仰が濁る」らしい。これは不死性を得る以前の出来事であったため、今も目は見えず耳も聞こえない。しかしいかなる手段を用いてか周囲の環境は普通にわかるし会話もできる。尤も、前述の通り大半の人間とは会話する気も特に無いのだが。
機兵の操縦スキルもかなりのものだが、本人がほぼ封印されっぱなしであるため整備の都合上から専用機は用意されていない。とはいえ何か適当な機体を与えられれば普通に乗りこなせるため本人的にさしたる問題でもないと捉えている模様。