ヒルビ族
「解説」
スナフ王国の先住民3部族のひとつで、ヘラジカの遺伝子を持つ亜人。
寒冷地に最適化された、肉体労働や戦闘を目的として生み出された種族である。
歴史的な経緯と身体的な制約から、そのほとんどが現在でもスナフ王国に住んでいる。
寒冷地に最適化された、肉体労働や戦闘を目的として生み出された種族である。
歴史的な経緯と身体的な制約から、そのほとんどが現在でもスナフ王国に住んでいる。
種族の歴史
始まりは新西暦の戦前、異常気象及び旧アガルポリスの調査と復旧をもくろんだ旧人類により寒冷地に対応した亜人として、ケワタガモをベースにした鳥人族とともに生み出された。
ヘラジカ種やケワタガモ種の寒冷地用亜人は主人であり監視役の旧人類と共に調査チームを結成し、旧アガルポリスへ送り込まれたが、調査の最中に戦争が勃発。
戦火に巻き込まれるのを避けるために調査チームは帰還せずに調査区域で自活することを決定し、定住を開始した。
ヘラジカ種やケワタガモ種の寒冷地用亜人は主人であり監視役の旧人類と共に調査チームを結成し、旧アガルポリスへ送り込まれたが、調査の最中に戦争が勃発。
戦火に巻き込まれるのを避けるために調査チームは帰還せずに調査区域で自活することを決定し、定住を開始した。
旧人類と新人類の殲滅戦からは免れられたとはいえ、北極圏にも等しい過酷な環境と、旧アガルポリスから時折現れる鋼魔獣によって調査チームは次第に損耗。
まず高度な科学技術の産物(各種の電子機器や作業機械など)が保守できなくなり、遺伝子プールを保持できるだけの人数がいなかった旧人類は亜人との混血によって別の種族へと変わった。
こうして旧人類由来の高度文明を喪失した人々は、旧人類の遺した文献や動かし方もわからなくなった科学技術の物品を貴重な宝物として持ち出しアガルポリスを離れ、魔獣の被害が少ない山脈裾野に集落を形成。
環境に適応した非常に原始的な、スピリチュアル的要素の強い文化を形成しつつ細々と生存し続けた。
文化の形成とともに彼ら独自の言語体系もいつしか構築され、この頃から自らを「スナフ」──彼らの言葉で「雪中に住む人」を意味する──と名乗るようになる。
まず高度な科学技術の産物(各種の電子機器や作業機械など)が保守できなくなり、遺伝子プールを保持できるだけの人数がいなかった旧人類は亜人との混血によって別の種族へと変わった。
こうして旧人類由来の高度文明を喪失した人々は、旧人類の遺した文献や動かし方もわからなくなった科学技術の物品を貴重な宝物として持ち出しアガルポリスを離れ、魔獣の被害が少ない山脈裾野に集落を形成。
環境に適応した非常に原始的な、スピリチュアル的要素の強い文化を形成しつつ細々と生存し続けた。
文化の形成とともに彼ら独自の言語体系もいつしか構築され、この頃から自らを「スナフ」──彼らの言葉で「雪中に住む人」を意味する──と名乗るようになる。
独自の文化、言語の形成により、力に優れたヘラジカ種の亜人は、彼らが宝物とあがめる旧人類時代の文献に従い、フィンランド語で「ヘラジカ」を意味する「ヒルビ」を部族名として名乗ることになった。
ヒルビ族はもともとの種族としての設計意図の通りに、魔獣や鋼魔獣と戦いほかの部族を守る戦士の部族として世代を繋いでいく。
ヒルビ族はもともとの種族としての設計意図の通りに、魔獣や鋼魔獣と戦いほかの部族を守る戦士の部族として世代を繋いでいく。
聖華歴300年代中頃、ヒルビ族を含むスナフの民に転機が訪れた。
アルカディア帝国から、険しい山地を踏破して多数の亡命者が訪れたのだ。
スナフの民にとって幸いだったのは、亡命者たちは侵略者ではなく、協力者としてふるまったことである。
亡命者たちは当時伝承の中にしか存在していなかった、人が乗り込んで動かす鉄の巨人-すなわち機兵をスナフの地に持ち込み鋼魔獣を駆逐。スナフの民の生存圏を大幅に広げた。
さらにスナフの民には使えなかった魔法とそれによる魔導テクノロジーももたらし、原始的だった生活レベルを一気に向上せしめた。
もっとも、種族的に魔力が低いヒルビ族は、積極的に魔法を身に着けることはほとんどなかったが。
アルカディア帝国から、険しい山地を踏破して多数の亡命者が訪れたのだ。
スナフの民にとって幸いだったのは、亡命者たちは侵略者ではなく、協力者としてふるまったことである。
亡命者たちは当時伝承の中にしか存在していなかった、人が乗り込んで動かす鉄の巨人-すなわち機兵をスナフの地に持ち込み鋼魔獣を駆逐。スナフの民の生存圏を大幅に広げた。
さらにスナフの民には使えなかった魔法とそれによる魔導テクノロジーももたらし、原始的だった生活レベルを一気に向上せしめた。
もっとも、種族的に魔力が低いヒルビ族は、積極的に魔法を身に着けることはほとんどなかったが。
こうしてスナフを発展させた亡命者たちをスナフの民は受け入れ、亡命者の中で最も身分が高い家を王家と仰ぎ、ヒルビ族たちスナフの三部族は公爵家に等しい権力を持つ代表団を政府に送ることになった。
しかしながら、もともとスナフの民が外界の戦争を避けてスナフの地に定住することを選んだものであったことに加え、アルカディア帝国からの亡命者たちは「帝国を裏で操り、再びの戦乱に世界を巻き込もうとする邪悪な機械の神から逃れてきた」と証言していたことから徹底的な鎖国体制が敷かれ、科学技術を忌み嫌う新人類の風潮もあって技術発展は再び停滞する。
また、亡命者たちは帝国との決別を明確にするため、黒竜教信仰を捨ててスナフ人たちの精神文化に同調し、名前もスナフ風に改めていくことで、帝国の影響はどんどん薄まっていった。
しかしながら、もともとスナフの民が外界の戦争を避けてスナフの地に定住することを選んだものであったことに加え、アルカディア帝国からの亡命者たちは「帝国を裏で操り、再びの戦乱に世界を巻き込もうとする邪悪な機械の神から逃れてきた」と証言していたことから徹底的な鎖国体制が敷かれ、科学技術を忌み嫌う新人類の風潮もあって技術発展は再び停滞する。
また、亡命者たちは帝国との決別を明確にするため、黒竜教信仰を捨ててスナフ人たちの精神文化に同調し、名前もスナフ風に改めていくことで、帝国の影響はどんどん薄まっていった。
鎖国が解かれたのは、聖華歴500年の自由都市同盟建設時である。
ナプトラ王国や中央都市アマルーナなどからの調査団がスナフ王国を訪れ、調査団と会談して世界の現状を知った時の国王が同盟加盟を決めたのだ。
原加盟国のひとつとなったスナフは領内に存在する新しき深淵へ一攫千金を求めてやってくる冒険者たちを通じて外部に紹介され、その中で勇猛な戦士の部族としてヒルビ族も名を知られていくことになった。
ただ、国家単位・民族単位であまりにも長きにわたりスナフ王国の領域内部にとどまっていたことに加え、寒冷地に最適化された肉体を持つヒルビ族は外界の気候風土に対する適応力が弱く、聖華歴830年代に至るも国外にはほとんど居住していない。
戦闘用の種族という特性上、外交官や商売人として国の外に出ていくものがまずいないことも、この傾向に大いに影響している。
ナプトラ王国や中央都市アマルーナなどからの調査団がスナフ王国を訪れ、調査団と会談して世界の現状を知った時の国王が同盟加盟を決めたのだ。
原加盟国のひとつとなったスナフは領内に存在する新しき深淵へ一攫千金を求めてやってくる冒険者たちを通じて外部に紹介され、その中で勇猛な戦士の部族としてヒルビ族も名を知られていくことになった。
ただ、国家単位・民族単位であまりにも長きにわたりスナフ王国の領域内部にとどまっていたことに加え、寒冷地に最適化された肉体を持つヒルビ族は外界の気候風土に対する適応力が弱く、聖華歴830年代に至るも国外にはほとんど居住していない。
戦闘用の種族という特性上、外交官や商売人として国の外に出ていくものがまずいないことも、この傾向に大いに影響している。
種族の特徴
筋力と耐久はデフォルトでB+、魔力と知力はデフォルトでC-。
体格は大きく強く、男性の平均身長は2メートルを超え、女性も180センチに達する。
高温に弱く、気温が25度を超えるとあらゆる行動にデバフがかかり、30度を超えるとまともに動けなくなる。
半面低温には強く、気温が-10度までは動きに一切支障をきたさず、-30度までは活動可能。
半面低温には強く、気温が-10度までは動きに一切支障をきたさず、-30度までは活動可能。
極寒で生命の糧に乏しい環境と、魔獣や鋼魔獣の脅威にさらされる過酷で死亡率の高い環境の中で、さらに他部族の剣となり盾となって戦ってきたことからきわめて戦闘的で強さを貴ぶ文化を持つ。
肉体的に充実している15歳の成人から35歳に達するまでの男性と、老人ではないが繁殖期を過ぎたとみなされる35歳から45歳までの女性は戦士として魔獣や鋼魔獣から部族を守ってきた。
自由都市同盟加盟後は、この世代の人間から同盟軍に志願したり、傭兵や冒険者として活動するものも多い。
逆に繁殖の適齢期とされる15歳の成人から35歳未満の女性は、家庭に入って子育てをすることが良しとされる風潮がある。
肉体的に充実している15歳の成人から35歳に達するまでの男性と、老人ではないが繁殖期を過ぎたとみなされる35歳から45歳までの女性は戦士として魔獣や鋼魔獣から部族を守ってきた。
自由都市同盟加盟後は、この世代の人間から同盟軍に志願したり、傭兵や冒険者として活動するものも多い。
逆に繁殖の適齢期とされる15歳の成人から35歳未満の女性は、家庭に入って子育てをすることが良しとされる風潮がある。
肉体的に成熟した男性のみ角が生える。
角は一年かけて成長し、成長しきった状態で1年間頭についており、脱落して生え変わる。
きわめて大きく戦闘時にはとても邪魔になるため、戦士として活動している年齢の男性は、角が骨質化して固まった時点でこれを動きやすいよう切り落とす角切の風習がある。
なお、角はその大きさと頑丈さ、さらに生体材料であることから魔導加工との親和性の高さを生かして、武器や細工物に加工される。
完全に成長した角を削り研ぎだして作った戦斧は、スナフ王国成立以来、ヒルビ族の戦士の武器として尊ばれている。
角は一年かけて成長し、成長しきった状態で1年間頭についており、脱落して生え変わる。
きわめて大きく戦闘時にはとても邪魔になるため、戦士として活動している年齢の男性は、角が骨質化して固まった時点でこれを動きやすいよう切り落とす角切の風習がある。
なお、角はその大きさと頑丈さ、さらに生体材料であることから魔導加工との親和性の高さを生かして、武器や細工物に加工される。
完全に成長した角を削り研ぎだして作った戦斧は、スナフ王国成立以来、ヒルビ族の戦士の武器として尊ばれている。