鳥人族(ちょうじんぞく)
[解説]
鳥類の遺伝子を持つ亜人。
種族により傾向は異なるものの、一般的には華奢な体躯ながら敏捷性に優れる種族が多い。
種族により傾向は異なるものの、一般的には華奢な体躯ながら敏捷性に優れる種族が多い。
種族によりやや生息圏にはばらつきがあるが、一般的には森林部や強い風が吹き抜ける平原に集落を構えている。
特に自由都市同盟には世界でも最大級の鳥人族の集落が何箇所も存在しており、住まう種族も多種多様である。
特に自由都市同盟には世界でも最大級の鳥人族の集落が何箇所も存在しており、住まう種族も多種多様である。
その文化は旧時代においてネイティブアメリカンやインディアンと呼ばれた民族に似たものとなっており、精霊信仰が残っている。
また鳥人族たちの作る集落に暮らす鳥人族達は美しい飾り羽根や魔獣の角、骨などで作った冠などをつくり、衣服を装飾しているため、独特な風貌である。
また鳥人族たちの作る集落に暮らす鳥人族達は美しい飾り羽根や魔獣の角、骨などで作った冠などをつくり、衣服を装飾しているため、独特な風貌である。
ただし、鳥人族の集落を出てナプトラ王国の都市に住む人物も決して少なくはなく、自由都市同盟設立以後はこの流れも加速しているため、数世代において、街でしか暮らしたことがない鳥人族もかなりの数存在しており、必ずしも全ての鳥人族が独自の文化を継承しているわけではない。
新人類に近いものから鳥に近い風貌のものまで多様な姿をしているが、ごく一部の例外を除いて手首から肩にかけて風切羽をもつ翼のような構造になっており、腰には尾羽を持つ。
ごく一部種族を除いて、鳥人族に属する亜人のほとんどは飛行能力とも呼べる能力を持つことでも知られている。
ただし、この飛行能力は、飛行型魔獣や鳥等のように、自由自在に飛行できるというものではなく、厳密には非常に高度な滑空と言った方が正しいだろう。
ごく一部種族を除いて、鳥人族に属する亜人のほとんどは飛行能力とも呼べる能力を持つことでも知られている。
ただし、この飛行能力は、飛行型魔獣や鳥等のように、自由自在に飛行できるというものではなく、厳密には非常に高度な滑空と言った方が正しいだろう。
飛行型魔獣や鳥と異なり、あくまで人型を保っているため、はばたきの力だけで身体を持ち上げることは難しく、基本的には、脚力を用いて飛び上がったうえで風を捕まえて上昇する、木々を蹴りあがる、あるいは魔法を用いて風を起こし、その風を捕まえて舞い上がる……等々、さまざまな方法で高度を得たうえで滑空を開始する必要がある。
一方で、ひとたび滑空を始めると、自在な機動を取ることが可能で、これが鳥人族の滑空が「非常に高度な滑空」である理由であり「飛行能力」とまでも言われる所以である。
一方で、ひとたび滑空を始めると、自在な機動を取ることが可能で、これが鳥人族の滑空が「非常に高度な滑空」である理由であり「飛行能力」とまでも言われる所以である。
なお、この滑空を行うためには、翼でうまく風を捉えるための風切羽の動かし方や舵となる尾羽の動かし方などかなり複雑な技術の習得が必要不可欠であり、飛行感覚とも呼べるある種のコツを掴まなければならないため、鳥人族であってもそれなりの鍛錬を積まなければ滑空を行うことはできない。
このような非常に高度な滑空を実現しているのが、鳥人族に備わったさまざまな身体的な特徴である。
例えば、鳥人族の持つ風切羽は風属性の魔素と非常に親和性が高く、風を効率的に捉えることができるため、空中での自在な方向転換を可能としていることや、胸部、腕部、脚部の筋力が特に発達しており、跳躍時や風を捉えている際の姿勢維持に非常に役に立っていること、骨が中空構造になっており、身体的な強度と引き換えに同程度の体躯の新人類と比較してかなり体重が軽く抑えられているということなどは、まさに鳥人族が持っている特徴が滑空能力の為にあることを示しているだろう。
例えば、鳥人族の持つ風切羽は風属性の魔素と非常に親和性が高く、風を効率的に捉えることができるため、空中での自在な方向転換を可能としていることや、胸部、腕部、脚部の筋力が特に発達しており、跳躍時や風を捉えている際の姿勢維持に非常に役に立っていること、骨が中空構造になっており、身体的な強度と引き換えに同程度の体躯の新人類と比較してかなり体重が軽く抑えられているということなどは、まさに鳥人族が持っている特徴が滑空能力の為にあることを示しているだろう。
また、滑空時の姿勢制御や高機動は非常に負荷の強い運動であり、多くの体力を消耗する事になるのだが、鳥人族は、呼吸器系に鳥類や恐竜類が持つのと同等の気嚢と呼ばれる特殊な構造を持つ事でこれを解決している。
この気嚢というものは、肺の前後にある袋状の構造のことで、気道から前気嚢、肺、後気嚢にそれぞれ分岐して接続されている。
気嚢を用いた空気交換システムは次のようなものである。
この気嚢というものは、肺の前後にある袋状の構造のことで、気道から前気嚢、肺、後気嚢にそれぞれ分岐して接続されている。
気嚢を用いた空気交換システムは次のようなものである。
1.息を吸うと新鮮な空気は気道を通って、肺と後気嚢に入り、肺ではガス交換が行われる。
2.息を吐くときには、前気嚢に溜められている前回の呼吸時の空気を気道に押し出す形で肺から前気嚢に空気が送られ、次の呼吸まで一旦貯められる。これと同時に肺には後気嚢から新鮮な空気が供給される。
このように、気嚢を持つ場合、息を吸う時も吐く時も常に肺は新鮮な空気に満たされる事になるため、呼吸効率が非常に良く、滑空時の負荷の強い運動を行う場合であっても、血中酸素濃度の低下による息切れが問題にならないのである。
なお、呼吸効率が高いということは、大気中の魔素の吸収効率が良いということでもあるのだが、あくまで亜人であるため、魔力臓器の魔素変換効率の能力面で新人類に劣っており、そちらがボトルネックとなり、魔力は他の亜人と同等のC-程度に留まっている。
獣翼機について
非常に高度な滑空能力を持つが、この滑空能力の実現には鳥人族の持つ飛行感覚と翼に連動して風切板と呼ばれる特殊なスタビライザーを動かす機構が必要不可欠であるため、鳥人族以外には動かすことのできない。
このことからも非常に特殊な獣装機と言えるだろう。
このことからも非常に特殊な獣装機と言えるだろう。
その形状は、獣装機らしい鳥そのもののような姿から人型に翼が生えたものなど、さまざまであるが、滑空能力の肝となる部分が鳥人族の飛行感覚や経験に頼ったものであるため、操手となる鳥人族自身を模した形状であることも多い。
このような理由から、基本的には亜人に対する偏見のない自由都市同盟でのみ製造、販売されているが、翼を接続するためのインターフェイスを組み込む必要のある操縦槽はもとより、機体の重量バランスや風切板の配置など、操手に合わせた調整が不可欠な為、完全なオーダーメイドか半オーダーメイドのような形で製造されることが多く、他の獣装機と比較すると高額である。
もしも、他国で購入したい場合には、同盟企業マンマルズ&バーダーズ(聖華暦780年にシームド・ラボラトリーズに合流し、以後は同社獣装機担当部門代表)から販売されているフィアラールシリーズなど、一般向けにも販売されている機体を輸入するか、獣翼機を設計できる機兵技師を招き、オーダーメイドする他なく、同盟内で購入する場合よりも高額になりやすいことには注意が必要である。
[種族]
鳥人族はその特性により大まかに3種に分類されている。
翔鳥種
鳥人族の多くが属する種で、もっとも規模が大きく、猛禽系から小鳥系までさまざまな鳥人族が含まれる。
また、この種に属する鳥人族は全て前述の滑空能力を有していることも特徴である。
鳥人族の多くが属する種で、もっとも規模が大きく、猛禽系から小鳥系までさまざまな鳥人族が含まれる。
また、この種に属する鳥人族は全て前述の滑空能力を有していることも特徴である。
また、生来美しい声を持つことも多く、同盟で歌手として活躍することも多い。
泳鳥種
海岸沿いや諸島、湖周辺に暮らす種で、水辺での暮らしに適応している。
鴨系や鴎系など水鳥系の鳥人族が含まれており、総じて泳ぐことを得意としている。
また、鳥人族の中では大柄なものが多く、大きな翼を活かして長い距離を直線的に滑空することを得意とする種も多い。
一方で細かな方向転換などは苦手としており、森林や都市部など障害物の多い場所での滑空は苦手としている。
海岸沿いや諸島、湖周辺に暮らす種で、水辺での暮らしに適応している。
鴨系や鴎系など水鳥系の鳥人族が含まれており、総じて泳ぐことを得意としている。
また、鳥人族の中では大柄なものが多く、大きな翼を活かして長い距離を直線的に滑空することを得意とする種も多い。
一方で細かな方向転換などは苦手としており、森林や都市部など障害物の多い場所での滑空は苦手としている。
また、特殊な例としてペンギン系の鳥人族も含まれている。
この系統は一切の滑空能力を持っていない代わりに、泳ぎの得意な泳鳥種の中でも突出した遊泳能力を誇っている。
なおペンギン系の鳥人族はその数が非常に少なく、同盟の北部海岸地帯や帝国との国境付近の高山帯の水域周辺、ノルド王国周辺の諸島にのみ集落を構えている。
この系統は一切の滑空能力を持っていない代わりに、泳ぎの得意な泳鳥種の中でも突出した遊泳能力を誇っている。
なおペンギン系の鳥人族はその数が非常に少なく、同盟の北部海岸地帯や帝国との国境付近の高山帯の水域周辺、ノルド王国周辺の諸島にのみ集落を構えている。
走鳥種
鳥人族の中でも例外的な立ち位置にいる種で、基本的に走鳥種に属する鳥人族は滑空能力を持たないか著しく苦手としている。
鳥人族の中でも例外的な立ち位置にいる種で、基本的に走鳥種に属する鳥人族は滑空能力を持たないか著しく苦手としている。
主にダチョウ系や鶏系、ヒクイドリ系などの鳥人族が含まれており、発達した脚力を跳躍ではなく、地面を駆ける事に用いる種が多い。
その速度は馬人族に匹敵するほどとも言われる。
こういった種は、旧人類が鳥人族を作る過程で、筋力バランスを偏らせる実験や、跳躍のための脚力を与える為に配合した遺伝子が強くでているのではないかと考えられているが、今となっては詳しいことは闇の中である。
こういった種は、旧人類が鳥人族を作る過程で、筋力バランスを偏らせる実験や、跳躍のための脚力を与える為に配合した遺伝子が強くでているのではないかと考えられているが、今となっては詳しいことは闇の中である。
一方で、生まれる数こそ少ないものの、フクロウオウム(カカポ)系やキーウィ系など、飛べもしないし走れもしない鳥人族も含まれている。
こちらに関しては、一体何を思って旧人類たちがこれらの遺伝子を組み込んだのか、甚だしく謎であるが、これらの種は鳥人族の中でも随一の愛らしさを持っている……と言えるかもしれない。
こちらに関しては、一体何を思って旧人類たちがこれらの遺伝子を組み込んだのか、甚だしく謎であるが、これらの種は鳥人族の中でも随一の愛らしさを持っている……と言えるかもしれない。
[混血について]
新人類との混血の場合はグラデーション的に両方の性質が出ることとなり、おおまかには鳥人族の血がが濃いほど滑空能力が高くなり、新人類の血が濃いほど魔力が高くなる。
一般的に、6割程度以上鳥人族の遺伝子が出ている場合には滑空も可能となることが多い。
一般的に、6割程度以上鳥人族の遺伝子が出ている場合には滑空も可能となることが多い。