毒物の使用とその制限について
[概要]
毒物は、基本的に三国では魔獣退治など特別な場合を除き、所持も使用も禁じられている。またカナド人たちの間でも、一部のエキスパートが扱う場合を除いては、毒物を用いる事は避けるべきとされている。
これは建国期に於いて、魔獣を駆除し新人類の生存圏を広げる目的で強烈な毒物が多用された結果、あちこちの地域で毒物による汚染が深刻な問題になった事が原因であろうと、現在の歴史学者たちの意見は一致している。こう言った背景により、毒物に関する法律は三国でほぼ同一となっている。
ちなみに毒は、大きく以下の4種類に分けられる。
これは建国期に於いて、魔獣を駆除し新人類の生存圏を広げる目的で強烈な毒物が多用された結果、あちこちの地域で毒物による汚染が深刻な問題になった事が原因であろうと、現在の歴史学者たちの意見は一致している。こう言った背景により、毒物に関する法律は三国でほぼ同一となっている。
ちなみに毒は、大きく以下の4種類に分けられる。
- 第一種
- 即効性があり、かつ猛毒であるもの
- 第二種
- 遅効性であり、かつ猛毒であるもの
- 第三種
- 即効性があるが、弱毒であるもの
- 第四種
- 遅効性であり、弱毒であるもの
聖華暦830年現在に於いては、毒物の扱いは三国でほぼ共通した法により制限されている。毒物を扱うためには国が定める取り扱い免許を得る事が必須であり、無許可で毒物を扱った場合は相応の重罪となる。
これらの免許の取得は、基本的にかなり難しい。また免許は各々の国内でのみ効果があり、聖王国での免許は帝国はおろか同盟に於いても無効であるし、帝国での免許は他の二国では通用しない。
毒物取り扱い免許には大別して、以下の3種類が存在する。
これらの免許の取得は、基本的にかなり難しい。また免許は各々の国内でのみ効果があり、聖王国での免許は帝国はおろか同盟に於いても無効であるし、帝国での免許は他の二国では通用しない。
毒物取り扱い免許には大別して、以下の3種類が存在する。
- 甲種免許
- 全ての種類の毒物を取り扱う事が可能。この免許を取得する者は、後述の乙種免許を6種類の毒物について取得している事が前提条件となる。
- 乙種免許
- 各々の毒物ごとに種類分けされている限定免許(乙種毒物(砒素限定)取り扱い免許、乙種毒物(トリカブト毒限定)取り扱い免許、など等)であり、それ以外の毒物は扱う事ができない。ただしこの免許を取得する者は、後述する丙種免許を取得している事が前提条件であるため、第四種の毒物は全て扱う事が可能。
- 丙種免許
[錬金術師と毒物]
毒物取り扱い免許は厳しい制限があるのは先に述べた。しかしながら、その例外となるのが錬金術師である。錬金術師はその業務上、毒物を取り扱う事が多々ある。そのため昔の錬金術師たちは、三級錬金術師になるためには最低限16種類の毒物について乙種免許を取得するか、さもなくば甲種免許を取得する事が条件であった時代も存在した。
しかしながらこれは時代にそぐわないとして聖華暦830年現代に於いては、三級錬金術師の資格を取得した時点で錬金術に関わりの深い32種の毒物について乙種免許を取得しているものとして扱われる事になっている。また二級錬金術師では64種について乙種免許を取得しているものとして扱われ、一級錬金術師の資格を取得すると甲種免許として扱われるのだ。
ちなみに錬金学会が三国に渡って存在している事もあって、本来であれば他国の免許は別の国では通用しないのだが、錬金術師の毒物取り扱い資格については特例として三国で共通となっている。
しかしながらこれは時代にそぐわないとして聖華暦830年現代に於いては、三級錬金術師の資格を取得した時点で錬金術に関わりの深い32種の毒物について乙種免許を取得しているものとして扱われる事になっている。また二級錬金術師では64種について乙種免許を取得しているものとして扱われ、一級錬金術師の資格を取得すると甲種免許として扱われるのだ。
ちなみに錬金学会が三国に渡って存在している事もあって、本来であれば他国の免許は別の国では通用しないのだが、錬金術師の毒物取り扱い資格については特例として三国で共通となっている。
[毒物を用いた犯罪について]
殺人や傷害については、毒物を用いた場合は通常の量刑にプラスされる形で、裁判での求刑が行われる。
事故による毒物の流出などではまず行政処分として、免許停止あるいは取り消しと違反金、無免許の場合は更に多額の違反金と今後の毒物取り扱い免許の取得について数年~十数年の欠格事由となる。更にその上で悪質さや損害の多寡により、刑法上の刑罰が与えられる事もあり得る。
刑法上の処罰としては、基本的に罰金刑と懲役刑の複合となる。まず罰金だが、これは撒き散らされた毒物による汚染を除染するために必要な経費+αが基準となる。支払えない場合は、懲役の期間が延長され、懲役中の労務により返済して行く事となるだろう。
事故による毒物の流出などではまず行政処分として、免許停止あるいは取り消しと違反金、無免許の場合は更に多額の違反金と今後の毒物取り扱い免許の取得について数年~十数年の欠格事由となる。更にその上で悪質さや損害の多寡により、刑法上の刑罰が与えられる事もあり得る。
刑法上の処罰としては、基本的に罰金刑と懲役刑の複合となる。まず罰金だが、これは撒き散らされた毒物による汚染を除染するために必要な経費+αが基準となる。支払えない場合は、懲役の期間が延長され、懲役中の労務により返済して行く事となるだろう。
[魔獣駆除での毒物使用]
通常魔獣退治・駆除に於いては、小型~中型魔獣など相手では従機の弱い機載魔導砲でも充分な火力となる事から、わざわざ毒物を用いる事は無い。また食料として魔獣を狩る場合などは、毒物を使用しては本末転倒であるため、この様な場合に於いても毒物を使う事は無い。
そのため、魔獣退治に毒物を使用する場合は、大型以上の一部の魔獣相手に限られるのだ。この様な場合、専門知識を持った操手の操る機兵が、専用武器を以て毒物を使用するのが基本である。使用される武器としては、以下の様な物が挙げられる。
そのため、魔獣退治に毒物を使用する場合は、大型以上の一部の魔獣相手に限られるのだ。この様な場合、専門知識を持った操手の操る機兵が、専用武器を以て毒物を使用するのが基本である。使用される武器としては、以下の様な物が挙げられる。
その他にも、毒物を直接に剣の刀身に塗り込める場合もあるが、これは万が一の周辺への汚染の危険が大きいため、あまり用いられる方法ではない。
魔獣の駆除に毒物を使用する場合、その当事者には以下の資格が必須となる。
- 甲種毒物取り扱い免許
- 医師免許もしくは獣医師免許(三国で制度が若干異なり、獣医師でも可能なのは同盟のみ)
- 特殊武器取り扱い免許(槍状の注射器を使用する場合)
- 特殊魔導砲取り扱い免許(毒物充填の弾頭および発射器としての魔導砲を使用する場合)
- 機兵免許(機兵を使用する場合)
ただし魔獣駆除作業に於いてチームを組んであたる場合、『毒物取り扱い免許+医師免許』のチーム員を指揮官として、『機兵免許+特殊武器or特殊魔導砲取り扱い免許』がその指示に忠実に従う事で、チーム内で必要な資格を分担する事も可能である。さすがに全ての資格を一人で保有するのは困難である事から、多くはチームを組んで魔獣駆除にあたる場合がほとんどであるらしい。
またこの場合の利点として、チームリーダー以外の実働要員である『機兵免許+特殊武器or特殊魔導砲取り扱い免許』保有者が複数名で実作業にあたる事も可能である。ただし複数名で事にあたる以上、報酬の分配についてはきっちり公平に行わなければ、チームの空中分解を招くだろう事は言うまでもない。
またこの場合の利点として、チームリーダー以外の実働要員である『機兵免許+特殊武器or特殊魔導砲取り扱い免許』保有者が複数名で実作業にあたる事も可能である。ただし複数名で事にあたる以上、報酬の分配についてはきっちり公平に行わなければ、チームの空中分解を招くだろう事は言うまでもない。
魔獣退治・駆除中のミスにより、毒物が周辺に撒き散らされるなどして汚染が発生した場合は、汚染被害の大きさにもよるが当事者は責任を追及される事になる。毒物取り扱いの免許が停止されるだけならまだしも、下手をすれば医師免許まで含めて取り消されたり、場合によっては服役と多大な罰金を背負う羽目になるのだ。これだけのリスクがある以上、毒を使って魔獣を駆除するスペシャリストである『狩人(ハンター)』たちの報酬は極めて高い。高いのだが、あまりのリスクの高さになり手が少ないのも事実である。