アレクサンドル・リンドブルム
[解説]
種族:人間
帝国外征特殊遊撃騎士 (通称宣令騎士)
帝国外征特殊遊撃騎士 (通称宣令騎士)
聖華暦801年:アルカディア帝国に於いて代々暗黒騎士を輩出する名門「リンドブルム家」に生まれるも10歳年上にして「帝国随一の麒麟児」と呼ばれた姉、アイリーン・リンドブルムと比較され恵まれない日々を送る。
彼自身は天才というより秀才…否、執才とでも形容すべき執念の持ち主だった。その執念で以って姉に追いつくべく鍛錬を重ねてきたが彼が13歳の時、アイリーンが失踪。以後は暗黒騎士になるべく鍛錬を続ける。
彼自身は天才というより秀才…否、執才とでも形容すべき執念の持ち主だった。その執念で以って姉に追いつくべく鍛錬を重ねてきたが彼が13歳の時、アイリーンが失踪。以後は暗黒騎士になるべく鍛錬を続ける。
聖華暦822年:見事暗黒騎士として騎士位を襲名。すぐさま中隊指揮権を与えられるという破格とも言える待遇での入隊であったがその期待に恥じない活躍を見せる。
ベイリン・グリューネワルトが1つの分野に突き抜けた異常なまでの天才だとすればアレクは万事を努力によって身につけた万能の秀才。その道の天才に及ばなくとも、あらゆる道の天才に食らいつくことはできるというある意味において稀有な存在。
ベイリン・グリューネワルトが1つの分野に突き抜けた異常なまでの天才だとすればアレクは万事を努力によって身につけた万能の秀才。その道の天才に及ばなくとも、あらゆる道の天才に食らいつくことはできるというある意味において稀有な存在。
聖華暦823年:術士として彼の直属部隊に入隊したダークエルフの少女、マキナ・ミカガミと恋人となる。
この時間こそが彼の人生で頂点とも呼べる時間だった。
1人の人間として純粋に誰かを愛することのできた時間。それは彼にとってどれだけの幸福であっただろうか。姉への歪んだ執念も、姉の代わりとして己に向けられた期待も。全てが重荷であった。全てが苦痛であった。それらから解放されてただ愛に生きられる時間はどれだけの幸せであっただろうか。だが、此処が彼の絶頂期だった。そう、此処が頂点だとすれば。後は落ちていくだけである。
この時間こそが彼の人生で頂点とも呼べる時間だった。
1人の人間として純粋に誰かを愛することのできた時間。それは彼にとってどれだけの幸福であっただろうか。姉への歪んだ執念も、姉の代わりとして己に向けられた期待も。全てが重荷であった。全てが苦痛であった。それらから解放されてただ愛に生きられる時間はどれだけの幸せであっただろうか。だが、此処が彼の絶頂期だった。そう、此処が頂点だとすれば。後は落ちていくだけである。
聖華暦832年:それは、簡単な、本当に簡単な任務であった筈だ。数年後、数十年後の帝国が世の覇権を握るための些細な足がかりを作る。そんな簡単な任務。ただし、そこに立ち塞がる相手が、ベイリン・グリューネワルトという戦神でなければの話だが。
ともかく、アレクは敗北した。磨き上げた武も、練り上げた策も、積み上げた経験も。圧倒的な「個」の前に敗れ去った。そして彼女を、マキナ・ミカガミを喪った。そうして、誉れ高き騎士は幽鬼へと堕ちた。愛した彼女が最後に願った「平和な世界」そんな絵空事だけを胸に秘めて。
ともかく、アレクは敗北した。磨き上げた武も、練り上げた策も、積み上げた経験も。圧倒的な「個」の前に敗れ去った。そして彼女を、マキナ・ミカガミを喪った。そうして、誉れ高き騎士は幽鬼へと堕ちた。愛した彼女が最後に願った「平和な世界」そんな絵空事だけを胸に秘めて。
聖華暦835年:バフォメット侵攻戦により疲弊した自由都市同盟。それにより大きく揺らいだ国際情勢。帝国が下した決断は「統一」であった。主に国内の防衛を担う暗黒騎士とは対極に位置する外部侵攻専門部隊。そのテストベッドとして新設された「宣令騎士」にアレクは任命された。
輝かしい未来は捨てた
理想という月は翳って見えず
希望という星はすでに消えて
栄光も武勇もその全てが掌から零れ落ちた。
それでも幽鬼は矛をとる。
輝かしい未来は捨てた
理想という月は翳って見えず
希望という星はすでに消えて
栄光も武勇もその全てが掌から零れ落ちた。
それでも幽鬼は矛をとる。
聖華暦840年:聖騎士グリムの反乱が終結し混乱のただ中にある聖王国。そこに攻め入ったアレクはとうとうゼンライ・リンドブルムに出逢う。かつて届かぬと知っても尚追いつきたいと願った姉、アイリーンの子にして己が敗北を喫した相手、ベイリンの遺志を継ぐ者。執念に身を焦がし、愛に心を焦がし、たった一つの絵空事とも言える願いだけを胸に抱き進む幽鬼は、その対峙の果てに何を見るのか。
搭乗機 魔装兵マキナ・ヘクトランゼ