三つの匣の外側に プレイログ:E卓 導入
最終更新:
twnd
-
view
事前交流会:ソル・シエール組 事前交流会:メタ・ファルス組 |
導入~Lv1開始 | 金の試練 | Lv1終了~Lv2開始 | 物の試練 | Lv2終了 | ボス戦~ゲーム終了 | エンディング 前半 後半 個別・全体ED |
火の試練 | 時の試練 | ||||||
木の試練 | 命の試練 |
文字色説明
GM | GM発言・描写など 雑談など |
PL/PC | エンハンブレ: PC発言・PL発言・雑談など 留禰: PC発言・PL発言・雑談など / ヴェントゥス / セナ |
session: DS-E-1 2023/02/12
> ということで 〈三つの匣の外側に〉実卓始まります
> よろしくおねがいします
> よろしゅー
> とりあえず今回は初回なので 最初はオープニングとなります
> 個別導入のタイミングもあるのでやりたい人は言ってね
> やります
> はーい
>
オープニングについては事前交流会と重なる部分も多いですが そこはご了承ください
――A.D.3783 インフェリアーレ――
メタファリカでは珍しく蒸し暑いある日の昼下がり。
創建されて日が浅い計画都市インフェリアーレはまだ緑が育ちきっておらず、
行き交う人は強い日射を避けて建物の影を通るため、広い街路はやけに人気が少ないように見える。
創建されて日が浅い計画都市インフェリアーレはまだ緑が育ちきっておらず、
行き交う人は強い日射を避けて建物の影を通るため、広い街路はやけに人気が少ないように見える。
中央公園のそのまた中心、大きな噴水の周りだけは例外的で、
水によってわずかな涼を得られるのか、周りに並んでいるベンチはその大半が埋まっている。
近くの店で買い求めた冷菓を手にしている人も多い。
水によってわずかな涼を得られるのか、周りに並んでいるベンチはその大半が埋まっている。
近くの店で買い求めた冷菓を手にしている人も多い。
その中に、年季の入ったオボTを着てベンチの背にもたれかかっている女性が一人。
手にした漆黒のソフトクリームはすでに融けかかっていて、焦点の合わない目をしながら
緩慢な動作でゆっくりと舐めている姿はまさに「暑さでだれている」としか言いようがない有様だ。
手にした漆黒のソフトクリームはすでに融けかかっていて、焦点の合わない目をしながら
緩慢な動作でゆっくりと舐めている姿はまさに「暑さでだれている」としか言いようがない有様だ。
しかし、実際には――

BGM: 払暁 [DAWN]
from アインハンダー(スクウェア, 1997)
Composed by 福井健一郎
from アインハンダー(スクウェア, 1997)
Composed by 福井健一郎
ジャクリ:「……その程度のことでわざわざ呼び出さないで欲しいんだけど」
シュレリア:「とはいえ、天覇からこの話が持ち込まれたとき、
ミュールが適任だとすぐに思いついてしまいましたので……」
ミュールが適任だとすぐに思いついてしまいましたので……」
ジャクリ:「だから、そうじゃなくて、そんなことのためにバイナリ野から通信しなくてもいいでしょ!?
どう考えても前にあったような緊急の要件とは思えないし。
しかもこんなクソ暑い日に……おかげでせっかくの超自然あいすが融けちゃうじゃない」
どう考えても前にあったような緊急の要件とは思えないし。
しかもこんなクソ暑い日に……おかげでせっかくの超自然あいすが融けちゃうじゃない」
同時刻、塔内情報空間・バイナリ野。
本来は人の目に認識できる景色を持つ場所ではない、それどころか不用意なダイブは死を招く場所だが、
幸いにしてこの両者はバイナリ野を闊歩する能力を獲得している。
本来は人の目に認識できる景色を持つ場所ではない、それどころか不用意なダイブは死を招く場所だが、
幸いにしてこの両者はバイナリ野を闊歩する能力を獲得している。
シュレリア:「そちらは暑かったのですね。リンカーネイションは涼しいですよ?」
ジャクリ:「そんな無駄情報誰も聞いてないっての……プログラムのくせに変な所で人間より人間臭がするんだから」
シュレリア:「……とにかく、もし興味のない話でしたらすみません。先方にはこちらで謝りますから」
ジャクリ:「いや、興味はあるわ。要はゲームのシナリオが欲しいって話でしょ?」
シュレリア:「はい。いくつかあればとりあえずそれでサービスを始められるということらしいですので」
ジャクリ:「つまり、ここで発掘した古のティリアソフトのクソゲーを押しつけてもいいってことよね?」
シュレリア:「さすがにそれはどうかと思いますが」
ジャクリ:「それならしょうがないから『シンガーエンジェルシュレリア』を渡すわ」
シュレリア:「ティリアソフト! いいですね! こういうサービスはまずは弾数が重要ですね! 質はともかく!」
ジャクリ:「冗談よ」
シュレリア:「は、はい! とにかくそれならよかった、よろしくおねがいしますね」
ジャクリ:「了解。それじゃ向こうにはこっちの連絡先を伝えといていいから」
シュレリア:「分かりました」
ジャクリ:(シンガーエンジェルシュレリアはそのうちアセットフリップして渡そう)
シュレリア:(すっごい悪い笑顔してる……やっぱり人選間違えたかな)
BGM: Wings For My Way
from F-ZERO GX(任天堂/セガ/アミューズメントヴィジョン, 2003)
Composed by 庄司英徳
from F-ZERO GX(任天堂/セガ/アミューズメントヴィジョン, 2003)
Composed by 庄司英徳
それから少し経ったある日。ソル・シエール地表は熱気に包まれていた。
広い草原は多くの観衆で埋まり、その間を縫うように、
高くてよく目立つポールと申し訳程度のロープで仕切られた“道”が通っている。
その道を、爆音を上げながら何かが猛スピードで低空飛行し、向こうの空で舞い上がって大きな宙返りを披露する。
高くてよく目立つポールと申し訳程度のロープで仕切られた“道”が通っている。
その道を、爆音を上げながら何かが猛スピードで低空飛行し、向こうの空で舞い上がって大きな宙返りを披露する。
カナメ:「ひゃー、すごい風!」
ケンザ:「カナメ、大丈夫か?」
カナメ:「なーにー、全然聞こえないー」
ニルス:(MWE、か…… 天覇以外のメーカーの飛空艇ならどうなるんだろう)
カナメ:「ニルス、よそ見してると飛ばされるよ」
ニルス:「あっ!?」
> 知ってる人しかいねぇ!!!!!!!!
天候に恵まれたこの日、こちらでは初となる、Vボードレース大会が開催されている。
土地にいくらでも余裕がある立地を生かし、さらに初回記念という名目で、観戦チケットは無料。
その結果、人口100万人のソル・シエールで観客6万人超という異常な動員数をたたき出している。
土地にいくらでも余裕がある立地を生かし、さらに初回記念という名目で、観戦チケットは無料。
その結果、人口100万人のソル・シエールで観客6万人超という異常な動員数をたたき出している。
主催者はMWEことメビウスワークス・エレミア。ソル・クラスタ発祥の、天覇のライバル企業である。
アルキアで開催されていた本家の大会とは多少形式が異なるが、それが逆に好評のようだ。
アルキアで開催されていた本家の大会とは多少形式が異なるが、それが逆に好評のようだ。
亜耶乃:「間近で見るこの速さ、この音と風、思っていたよりも数倍の迫力があるな。
返す返すもこれを天覇で先んじて行えなかったのは痛恨の極みとしか言いようがない」
返す返すもこれを天覇で先んじて行えなかったのは痛恨の極みとしか言いようがない」
ジャクリ:「わざわざメタ・ファルスから呼ばれて見せられるのがこれというわけだけど、
まあ、悪くはないわね。武器じゃないVボードというのも」
まあ、悪くはないわね。武器じゃないVボードというのも」
亜耶乃:「武器?」
ジャクリ:「いえ、こっちの話。交通事故で戦う第三世代なんているわけないでしょ」
数万人の動員は、吸収しきれないほどの経済効果を地表のコミュニティにもたらした。
次回からは有料観客席の設置が予告されているとはいえ、
それでも宿泊施設などでは既に来年の大会に向けた胸算用を始めている所が多い。
次回からは有料観客席の設置が予告されているとはいえ、
それでも宿泊施設などでは既に来年の大会に向けた胸算用を始めている所が多い。
カナメ:「お母さんも来ればよかったのに」
ケンザ:「MWEはアルキア研究所がルーツの1つだから、ミスミにはいろいろ思う所があるんだろう、きっと」
ニルス:「アルキアがなにかあったのですか?」
ケンザ:「話すと長くなるなあ。ただ、こちらのテル族と天覇に諍いがあったように……
いや、それよりもずっと深刻な形で、向こうの妖家とアルキアにはいろいろあったんだ。――」
いや、それよりもずっと深刻な形で、向こうの妖家とアルキアにはいろいろあったんだ。――」
初回大会は大方の予想通り、ソル・クラスタから招聘されたレーサーの優勝で幕を閉じた。
注目を浴びていた地元選手はメディアの前で来年の雪辱を誓う。
その姿を亜耶乃は天覇に重ね合わせるのだった――
注目を浴びていた地元選手はメディアの前で来年の雪辱を誓う。
その姿を亜耶乃は天覇に重ね合わせるのだった――
> (これは公式大会ってことでいいですか)
> (いまいち質問の意図がわからない)
> こっちの前フリでちらっとだけVボードレーサーの子が出るので
> なるほどね
>
草レースとかじゃないという意味ではちゃんとした公式大会です MWE主催でちゃんと賞金もでる

BGM: アミューズメント・ストリート
from バディミッションBOND(任天堂/コーエーテクモゲームス, 2021)
Composed by 水上浩介
from バディミッションBOND(任天堂/コーエーテクモゲームス, 2021)
Composed by 水上浩介
年が明けて3784年のある日。
天覇の新しい事業がついに始まるとのことで、
ソル・シエールの天覇傘下のメディアでは連日大々的に取り上げられている。
天覇の新しい事業がついに始まるとのことで、
ソル・シエールの天覇傘下のメディアでは連日大々的に取り上げられている。
今までと違うのは、このサービスは他地域でも展開するということ。
アルシエル再生からもう8年になるとはいえ、それぞれの地域では
既に地場の企業などが根を張っている関係で、このような多地域での展開はまだ珍しい。
メタ・ファルスにおいても、ソル・シエールほどではないものの、注目を浴びているようだ。
アルシエル再生からもう8年になるとはいえ、それぞれの地域では
既に地場の企業などが根を張っている関係で、このような多地域での展開はまだ珍しい。
メタ・ファルスにおいても、ソル・シエールほどではないものの、注目を浴びているようだ。
亜耶乃:「――最初から供給するタイトルは、
いつでも手軽にスノースポーツを楽しめる『ホワイトアウト』、
伝統的な対戦型シューティングで熱い戦いを繰り広げる『ウォーフレーム』、
魔法を使った謎解き脱出アドベンチャーの『トライボックス』、
の3つだ」
いつでも手軽にスノースポーツを楽しめる『ホワイトアウト』、
伝統的な対戦型シューティングで熱い戦いを繰り広げる『ウォーフレーム』、
魔法を使った謎解き脱出アドベンチャーの『トライボックス』、
の3つだ」
天覇の亜耶乃社長が会見を開いていて、その様子がそれぞれの地域で中継されている。
このような中継自体も、規格の互換性の問題を解決したばかりであって、新しいサービスと言える。
このような中継自体も、規格の互換性の問題を解決したばかりであって、新しいサービスと言える。
フリッツ:「このようなゲームは、やりようによっては確かにダイブでも体験できるでしょう。
ただ、ご存じの通り、ダイブにはホストとなるレーヴァテイルを必要とし、
そのレーヴァテイルにとっても負担が大きく、またどうしてもある程度の危険を伴います。
今回新しく始めるサービスは、塔の管理者の協力を得て過去に存在した技術を復活させたものであり、
ホストに依存しない安定性と安全性には絶対の自信を持っております」
ただ、ご存じの通り、ダイブにはホストとなるレーヴァテイルを必要とし、
そのレーヴァテイルにとっても負担が大きく、またどうしてもある程度の危険を伴います。
今回新しく始めるサービスは、塔の管理者の協力を得て過去に存在した技術を復活させたものであり、
ホストに依存しない安定性と安全性には絶対の自信を持っております」
社長の隣の大柄な男性はフリッツ・ゲーベル。
天覇ほたる総合研究所でダイブマシンを開発している責任者であり、
β純血種がダイブ可能な新型ダイブマシンも彼のチームによるものだ。
天覇ほたる総合研究所でダイブマシンを開発している責任者であり、
β純血種がダイブ可能な新型ダイブマシンも彼のチームによるものだ。
そのさらに隣には、見た目上は若そうな女性が控えている。
樒:「もう一つ特徴的なのは、通信が可能になったことです。
これで、一緒に遊びたいプレイヤーがわざわざ同じダイブ屋に集まる必要はありませんし、
遊べる友人が近くにいない人でも大丈夫です。
私はクラスタニア出身なのですが、あちらではダイブは遠隔で行うのが普通でした。
その技術を今回のゲームに転用しています。
今のところはゲームだけですが、いずれ、ダイブそのものも遠隔でできるように――」
これで、一緒に遊びたいプレイヤーがわざわざ同じダイブ屋に集まる必要はありませんし、
遊べる友人が近くにいない人でも大丈夫です。
私はクラスタニア出身なのですが、あちらではダイブは遠隔で行うのが普通でした。
その技術を今回のゲームに転用しています。
今のところはゲームだけですが、いずれ、ダイブそのものも遠隔でできるように――」
余計なことを口走ってしまったのだろうか、フリッツが慌てて手を伸ばして制止する。
その様子を見て亜耶乃は屈託なく笑い、話を引き取る。
その様子を見て亜耶乃は屈託なく笑い、話を引き取る。
亜耶乃:「まあよい。実際、その展開は誰もが想像できることであろう。
樒はクラスタニアでは、まさにそのダイブ関係のインフラエンジニアであってな。
彼女がいなければ、この新しい事業自体が成り立たなかったかもしれない」
樒はクラスタニアでは、まさにそのダイブ関係のインフラエンジニアであってな。
彼女がいなければ、この新しい事業自体が成り立たなかったかもしれない」
社長の弁を受けて、集う記者たちの注目が一斉に樒(しきみ)と呼ばれた女性に向けられる。
さすがに彼女はこのような舞台には慣れていないようだ。表情が強張っている。
さすがに彼女はこのような舞台には慣れていないようだ。表情が強張っている。
亜耶乃:「それから、ゲームの内容についてもある有力な協力者を得ている。
諸事情でここでは名前を明かすことはできないが、実力は確かな者だ。
ではその肝心の内容のプレゼンに入るとしよう」
諸事情でここでは名前を明かすことはできないが、実力は確かな者だ。
ではその肝心の内容のプレゼンに入るとしよう」
フリッツ:「ゲームの形式上、プレイ動画のようなものは残念ながらご用意できません。
イメージボードを使って説明しますが、実際の内容とは多少のずれが出ることをご容赦ください。
また、後ほど、メディア向け先行体験会を開催いたしますので、そちらで」
イメージボードを使って説明しますが、実際の内容とは多少のずれが出ることをご容赦ください。
また、後ほど、メディア向け先行体験会を開催いたしますので、そちらで」
亜耶乃:「まずは実際にダイブ屋に足を運んで楽しんでくれというところだ。
まあ、私自身の場合は、冒険は現実世界でするに限るが、な」
まあ、私自身の場合は、冒険は現実世界でするに限るが、な」
フリッツ:「ちょっと、社長……!」
樒:「正直、こちらの文化はよくわかりません……」
BGM: 長い夜の始まり
fromかまいたちの夜(チュンソフト, 1994)
Composed by 加藤恒太
fromかまいたちの夜(チュンソフト, 1994)
Composed by 加藤恒太
サービス開始が近づいてきたある日の深夜、メタファリカはインフェリアーレのダイブ屋・ヴァイアにて。
営業時間はとっくに終えたはずの時間帯、ここの店主のヴィルヘルミナはダイブマシンの横で作業をしている。
営業時間はとっくに終えたはずの時間帯、ここの店主のヴィルヘルミナはダイブマシンの横で作業をしている。
ヴィルヘルミナ:「よし、これで交換は全部完了、っと。ASSYで済むと楽でいいね。
……まあそれよりも、もっと早く来てくれればよかったんだけど」
……まあそれよりも、もっと早く来てくれればよかったんだけど」
やや乱暴にパネルを閉め、ひとつ大きく息を吐き、彼女は時計に視線を向ける。そろそろ日付が変わりそうだ。
こんな時間まで残業をしているのは、今日に限っては天覇代理店としての広報活動が原因ではない。
こんな時間まで残業をしているのは、今日に限っては天覇代理店としての広報活動が原因ではない。
新しいゲームに対応するためにはダイブマシンの改修が必要だが、それに使うユニットの到着が遅れていた。
そのため、作業日を予め臨時休業にするなどの段取りが組めず、こうして営業時間後に行うことになった。
そのため、作業日を予め臨時休業にするなどの段取りが組めず、こうして営業時間後に行うことになった。
ヴィルヘルミナ:「天覇のせいではないとはいえ、なにもこのタイミングじゃなくてもよかったのに」
遅延の主な原因は空賊だ。
ひと月ほど前、ソル・シエールからメタ・ファルスに向かっていた貨物便が、悪天候――
メタファリカ周辺はたいてい穏やかだが、その下は山岳地帯であるため、しばしば激しい乱気流が生じる――
に見舞われた。
ひと月ほど前、ソル・シエールからメタ・ファルスに向かっていた貨物便が、悪天候――
メタファリカ周辺はたいてい穏やかだが、その下は山岳地帯であるため、しばしば激しい乱気流が生じる――
に見舞われた。
このような場合、出発地に引き返すこともあるが、手近な開けた場所に着陸して天候回復を待つこともある。
被害に遭った貨物便は後者を選び、待つうちに夜を迎え、そこを空賊に襲撃された。
以来、このルートは荒天の際は例外なく引き返すことになり、そのためか物流に混乱が生じている。
被害に遭った貨物便は後者を選び、待つうちに夜を迎え、そこを空賊に襲撃された。
以来、このルートは荒天の際は例外なく引き返すことになり、そのためか物流に混乱が生じている。
ヴィルヘルミナ:「未だに『世界は繋がっていない』と思うよね。こういうことがあると。
塔間ネットワークみたいに情報通信ができても、実際には世界は3つの点を細い糸でかろうじて結んだだけ。
ちょっと強い風が吹くだけで簡単に千切れてしまう」
塔間ネットワークみたいに情報通信ができても、実際には世界は3つの点を細い糸でかろうじて結んだだけ。
ちょっと強い風が吹くだけで簡単に千切れてしまう」
ヴィルヘルミナは工具を片付け、照明を落として、ダイブマシンが設置されている部屋を出た。
待合室の窓が風でカタカタと音を立てる。雨が降り出しそうな雰囲気だ。
ふと彼女はある噂を思い出す。
待合室の窓が風でカタカタと音を立てる。雨が降り出しそうな雰囲気だ。
ふと彼女はある噂を思い出す。
ヴィルヘルミナ:「……あれも空賊の仕業じゃないのかねえ」
ここ1年くらいだろうか……いや、もっと前からだったか。
メタ・ファルスではときどき人が失踪する事件が起きている。
メタ・ファルスではときどき人が失踪する事件が起きている。
失踪者の共通点や関係性は特に見つかっておらず、生活などに困難を抱えた人ばかりというわけでもない。
家財道具を残したまま失踪する人もいれば、何も残さずいなくなる人もいる。
そのため、捜査をしてもすぐに行き詰まり、当局は「本質的には別個の事件だ」という結論になっている。
家財道具を残したまま失踪する人もいれば、何も残さずいなくなる人もいる。
そのため、捜査をしてもすぐに行き詰まり、当局は「本質的には別個の事件だ」という結論になっている。
唯一の共通点として噂されているのが、人が消えるのは決まって嵐の夜だという。
……失踪した日時を確定できない者もいるため、あくまで噂ではあるが。
……失踪した日時を確定できない者もいるため、あくまで噂ではあるが。
ヴィルヘルミナ:「……とにかく、早く帰ろう。寝ないと」
嫌な想像をしてしまった彼女は、「寝ないと」という動機をつけることにより意識を紛らせ、
まだ雨が降っていない街を家に向かって駆けていった。
まだ雨が降っていない街を家に向かって駆けていった。
> なんか不穏だが
BGM: 平原の地平
from ブレイブリーデフォルト2(スクウェア・エニックス/クレイテックワークス, 2021)
Composed by Revo
from ブレイブリーデフォルト2(スクウェア・エニックス/クレイテックワークス, 2021)
Composed by Revo
農家の朝は早い――
起床したらまず近所の孤児院への訪問から始まる。諸々の事務処理に追われる息子の様子見だ。
ここの経営者兼管理人であった羅紗さんが急逝してから、混乱している現場を息子が取り仕切るようになった。
内部の人員の管理から、外部からやってくる子供たちのシェルター業まで、やるべき業務は多い。
うちの息子は腕っぷしと大声と体力だけが取り柄なので、足りない部分は私や夫、周囲の方々に助けてもらっている。
ここの経営者兼管理人であった羅紗さんが急逝してから、混乱している現場を息子が取り仕切るようになった。
内部の人員の管理から、外部からやってくる子供たちのシェルター業まで、やるべき業務は多い。
うちの息子は腕っぷしと大声と体力だけが取り柄なので、足りない部分は私や夫、周囲の方々に助けてもらっている。
ついでに、家の畑を眺めてはしかめっ面をしている夫も孤児院に呼び出し。
そこで保護されている子供たちと一緒に朝食の準備だ。
MWEからスポンサー契約をもらっているから、経費には余裕がある。
幸い周囲の方々からの寄付なども相まって、毎度の食事はちょっとだけ質素さから脱却できている。
そこで保護されている子供たちと一緒に朝食の準備だ。
MWEからスポンサー契約をもらっているから、経費には余裕がある。
幸い周囲の方々からの寄付なども相まって、毎度の食事はちょっとだけ質素さから脱却できている。
それが終わったら夫と一緒に、住まいの家事をこなしていく。
とはいえ洗濯だけは孤児院と一括だ。
集積した洗濯物を水系の詩魔法でがっつり洗濯し、雲行きが怪しければ風系の詩魔法でがっつり乾燥。
火が使える人がいればもっと早く終るのに。
などと思いながらも、普通に洗濯するよりも手早くたくさん済ますことができている。
とはいえ洗濯だけは孤児院と一括だ。
集積した洗濯物を水系の詩魔法でがっつり洗濯し、雲行きが怪しければ風系の詩魔法でがっつり乾燥。
火が使える人がいればもっと早く終るのに。
などと思いながらも、普通に洗濯するよりも手早くたくさん済ますことができている。
……ここまでやってようやく、ちょっとの時間が空く。その間に書いている論文の原稿を進めてきた。
手が止まる。最後のページまで、最初の清書が終わった。
一度息をついて、ゆっくり伸びをした。明日は最初から見つめ直す作業が待っている。
手が止まる。最後のページまで、最初の清書が終わった。
一度息をついて、ゆっくり伸びをした。明日は最初から見つめ直す作業が待っている。
ヴェントゥス:「……留禰、まーだ終わんねぇのかそれ」
留禰:「進捗は85%ぐらいです。あとは全体の見直しと校正ぐらいなので。といっても、ここからが大変なんですけどね」
保存だけは忘れず、その後は端末と向き合うのをやめた。
暇そうにテーブルに突っ伏している筋肉ダルマの大男が私の夫。
こう見えて元は傭兵、現農家。当時の尖り具合は年を重ねるごとに丸くなったけど、言葉に残るトゲの強さは昔からだ。
暇そうにテーブルに突っ伏している筋肉ダルマの大男が私の夫。
こう見えて元は傭兵、現農家。当時の尖り具合は年を重ねるごとに丸くなったけど、言葉に残るトゲの強さは昔からだ。
ヴェントゥス:「お疲れ。つっても少しは手を抜いてもいいんじゃねぇか?
がんばりすぎなんだよ。俺らもう四十越えてんだぜ?」
がんばりすぎなんだよ。俺らもう四十越えてんだぜ?」
そんな彼がこうやって気遣いの言葉をかけてくれるから、どうしたって肩の荷が降りるし、気合を入れ直すことができる。
留禰:「それがどうしたんですか。やることは絶えません。できるなら塔下の植生調査に顔を出したいぐらいなのに」
ヴェントゥス:「人のこと言えねぇけどバイタルヤバすぎだろお前……」
留禰:「丈夫に産んでくれたお母さんに感謝しないとですね」
ここまで流暢なやりとり。相手の呆れ顔も見慣れた顔の一つだ。
お気に入りのハーブティーを口に含む。
お気に入りのハーブティーを口に含む。
留禰:「さーて」
最近のテレモは成長著しい。
空いた時間を埋めるような暇つぶしには昔からよく使われていたが、その質はだんだんと向上している。
最近のお気に入りはマインスイーパーだ。盤面の情報を読んで答えを導いていくのは意外と楽しい。
ぽちぽちとマスを開ける毎に、夫の顔は優しくほころんでいく。
空いた時間を埋めるような暇つぶしには昔からよく使われていたが、その質はだんだんと向上している。
最近のお気に入りはマインスイーパーだ。盤面の情報を読んで答えを導いていくのは意外と楽しい。
ぽちぽちとマスを開ける毎に、夫の顔は優しくほころんでいく。
> マインスイーパw
> 楽しいよね
ヴェントゥス:「んじゃ、水路の様子見に行ってくる。留守頼んだぞ」
留禰:「はーい」
私の肩を軽く叩いて、夫は家を出た。水路の様子見なら、それなりに時間がかかるだろう。
息子が抜けて、少し広くなった家で、一人だけの時間。忙しない日常の中で、数少ない静かなひとときだ。
息子が抜けて、少し広くなった家で、一人だけの時間。忙しない日常の中で、数少ない静かなひとときだ。
そのタイミングで通知が飛び出てくる。こういう通知を誤ってタップすると、少しだけむっとなる。
――それはメールだった。
――それはメールだった。
留禰:「最新ゲームのサービス開始……?」
曰く、塔の機能を用いたゲームがこの度新しくリリースされるらしい。
仕組みはダイブと一緒で、『安全性を担保しつつ、五感と精神にクリティカル』だとか。
添付された画像を確認してみると、覚えのあるオブジェクトがいくつか見当たった。
あれは、確か職員さんが家に来た時に集めた――
仕組みはダイブと一緒で、『安全性を担保しつつ、五感と精神にクリティカル』だとか。
添付された画像を確認してみると、覚えのあるオブジェクトがいくつか見当たった。
あれは、確か職員さんが家に来た時に集めた――
その時のことを思い出すと、俄然興味が湧いてくる。
アカウント登録をちゃちゃっと済ますと、事前登録はあっさりと終わってしまった。
アカウント登録をちゃちゃっと済ますと、事前登録はあっさりと終わってしまった。
論文は通し読みも一度終えて、校正も一区切りまでたどり着くことができた。
この時期は夫の仕事もあまり多くない。ぽっかり空いた隙間に、ちょうどいい。
この時期は夫の仕事もあまり多くない。ぽっかり空いた隙間に、ちょうどいい。
================================
――それから数日、あっという間に予定日が訪れた。
??:「おばさん、どったの。ニヤニヤしてんじゃん。あとおめかし」
すれ違いざまにそんな軽口を叩いてくるのは、近所の知り合いの子、セナくん。
小さい身体でさっきまで乗っていたVボードを抱えて、こちらに興味を向けている。
小さい身体でさっきまで乗っていたVボードを抱えて、こちらに興味を向けている。
> 速そうな名前だ
> 名前の由来はまさしくアイルトンです
留禰:「今日は久しぶりに外で遊ぶ日なの。あと、『おばさん』だけじゃなくて、ちゃんと名前も呼ぶのよ?」
セナ:「はーい。今日はどこなら走っていい?」
留禰:「そこら辺はヴァンに任せてあるから、詳しくは孤児院で聞いてね。
気をつけるのよ。最近非公式のレースとか出てるみたいだけど……結構早いらしいじゃない、そのVボード」
気をつけるのよ。最近非公式のレースとか出てるみたいだけど……結構早いらしいじゃない、そのVボード」
セナ:「大丈夫。というか、ここらの奴らは話にならないよ。こう見えても、オレ、結構早いんだよ?」
留禰:「だからこそ心配なんだけど……」
セナ:「こいつはMWE製の最新作。そこらの二流品とは違う、第三塔の技術が詰まった“とっておき”。
オレの大きさでもきっちり足にフィットするし、三次元機動だって思いのままなんだよ。
よかったら今度見せてあげる」
オレの大きさでもきっちり足にフィットするし、三次元機動だって思いのままなんだよ。
よかったら今度見せてあげる」
留禰:「そう、じゃあ楽しみにしてる。練習頑張ってね。あと、ご近所さんの迷惑にならないように……」
はいはーい、とそっけない返事をして、セナくんはVボードに乗った。
明らかに過剰な速度を出して、孤児院へと向かっていく。
……たまには、セナくんの親御さんのところを訪ねてもいいかもしれない。
確か、昼間は教会で仕事をしてるはずだから、夜中に菓子折りでも持っていこう。
明らかに過剰な速度を出して、孤児院へと向かっていく。
……たまには、セナくんの親御さんのところを訪ねてもいいかもしれない。
確か、昼間は教会で仕事をしてるはずだから、夜中に菓子折りでも持っていこう。
そんなことを考えながら、ダイブ屋へと足を動かした。
> というかんじです
> はーい ありがとうございます!
> おつおつ
>
シナリオ概要で予告していたとはいえ こう絡めてきたかーって感じ
> なるほどなー
>
この子自体は地下戦争が終わったあとのキャラ伸ばしの一環でいたんだけど
>
そういえば地下戦争から直接繋がってるしちょうどいいなと思いました
> キャラ伸ばしかー
> こっちだと2個めのシーンなんかがまさにそれって感じ
> ケンザがいるのは〈未踏の森〉のあと帰ってきたから とか
> ニルスとカナメが知り合いなのは〈トーラ〉2期前日譚の流れとか
> これまでのところを回収しつつ次に繋げる
> カナメくんが楽しそうでよかった

BGM: Dive Dock
from BALDR SKY(エンターグラム(戯画), 2009)
Composed by Barbarian On The Groove
from BALDR SKY(エンターグラム(戯画), 2009)
Composed by Barbarian On The Groove
迎えたサービスイン初日。
ダイブマシンを使用するという形式と、そのダイブマシンを対応させる改修が必要なこともあって、
客の数に対して供給が追い付かず、最初のうちは予約制となっている。
ダイブマシンを使用するという形式と、そのダイブマシンを対応させる改修が必要なこともあって、
客の数に対して供給が追い付かず、最初のうちは予約制となっている。
しかしそれでも、会場となっているダイブ屋は普段とは比べ物にならないほど混雑している。
待合室では用意されたインストカードなどを熱心に眺めている者の姿が目立つ。
待合室では用意されたインストカードなどを熱心に眺めている者の姿が目立つ。
> とりあえずダイブ屋で待っている時の描写とかあればどうぞ
> まだ別々の場所にいるので1人ずつね
エンハンブレ:(……あれ? なんか思ってたのと違う気がする)
首を傾げながらカード見てるけどポチミスしたことにはまだ気づいてないよ
首を傾げながらカード見てるけどポチミスしたことにはまだ気づいてないよ
今、ちょうど「トライボックス」のプレイが終わったところだ。
ソル・シエールで、メタ・ファルスで、
次の順番のプレイヤーが一人ずつ呼ばれ、ダイブマシンに入っていく――
ソル・シエールで、メタ・ファルスで、
次の順番のプレイヤーが一人ずつ呼ばれ、ダイブマシンに入っていく――
> 唐突!
> ?????????????
> なるほど
> はぁ~~~~~っっっっっっって言っときますねって言おうと思ったら
リアルではぁ~~~~~~~~~っっっっっって言っちゃったじゃん
リアルではぁ~~~~~~~~~っっっっっって言っちゃったじゃん
>
いつもやってる手動オープニングムービーの自動版でした おそまつさまでした
> つよい
> というかクラスタ禁止はそういうことだったんですね
> はい
> 言われてみると納得できるクラスタ枠
いったんぼやけていた意識が次第に清明になっていく。
周囲はいくつかのランプが灯っている他は真っ暗であり、機械が作動するような小さな低音が聞こえる。
他にも人がいる気配を感じるが、暗くてよく分からない。
周囲はいくつかのランプが灯っている他は真っ暗であり、機械が作動するような小さな低音が聞こえる。
他にも人がいる気配を感じるが、暗くてよく分からない。
身体の感覚を完全に取り戻すのとほぼ同時に、わずかな下向きの力を感じる。
この場所が上昇を始めたのか、あるいは下降中のものが減速しているのか……
おそらく後者のようだ。再び微かな衝撃を感じ、機械音も聞こえなくなった。
この場所が上昇を始めたのか、あるいは下降中のものが減速しているのか……
おそらく後者のようだ。再び微かな衝撃を感じ、機械音も聞こえなくなった。
『さあ、出ていらっしゃい』
『本当の自由は、三つの匣の外側にある』
『本当の自由は、三つの匣の外側にある』
出どころが不明な声が聞こえる。合成音声のように感じられる。ゲームの前振りだろうか?
照明が灯る。明順応を経て辺りの様子が明らかになる――

BGM: No sound melody
from シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION(FLAT, 2009)
from シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION(FLAT, 2009)
ここは六角形の部屋だ。大きさはさしわたし4ストンほどだろうか。
室内には3人いて、部屋の中央の柵で区切られた区画にある椅子――
というよりは床から突き出した箱型の突起である――に真ん中を向いて座っている。
室内には3人いて、部屋の中央の柵で区切られた区画にある椅子――
というよりは床から突き出した箱型の突起である――に真ん中を向いて座っている。
> さあ、出ていらっしゃい(小春六花)
> 三つの匣の外側ってことはつまり宇宙ってコトでは
留禰:自分のほっぺむにー
エンハンブレ:「あれ、敵はどこ!?」
留禰:「……えーと、こんにちは?」 コミュニケーションを試みるよ
エンハンブレ:「はーい? こんにちは? お姉さんは敵……じゃないよねえ?」 ひらひら手を振ってる
ヤグシャ:「……始まったかな? おはよう」
> 年上に囲まれてる
エンハンブレ:「おはようございまーす……?」
留禰:「どうも。……私達、協力者でいいんですよね?」
エンハンブレ:「たぶん? そうなんじゃないかと思い、ます……」
ヤグシャ:「『敵』って言っていたのが気になるけど」
エンハンブレ:「わたし、『ウォーフレーム』に登録したつもりで……
せっかく頑張ってアバターそれっぽいの作ってみたんだけどなあ」
せっかく頑張ってアバターそれっぽいの作ってみたんだけどなあ」
> w
留禰:「ええと、確かこのゲームは『トライボックス』だったはずですが」
ヤグシャ:「間違いなくそのはず」
エンハンブレ:「ありゃ……うーん押し間違えたかなあ。道理で銃の説明とか出てこなかったわけだ」
インストカード思い出しながら
インストカード思い出しながら
ヤグシャ:「それはご愁傷さま。
少なくともこれは協力型のゲームになるわけだから、協力していきましょ。
ヤグシャよ。ソル・クラスタから参加しているわ」
少なくともこれは協力型のゲームになるわけだから、協力していきましょ。
ヤグシャよ。ソル・クラスタから参加しているわ」
留禰:「よろしく。私はルネです。漢字入力が対応してないのでカタカナで失礼します」
エンハンブレ:「わたし、えーっと確かエンハンブレ! です……メタファルスから来ました! どうぞよろしくね」
ヤグシャ:「『確か』?」
エンハンブレ:「本名は違う名前だけど、登録ネームはエンハンブレ……うん! エンハンブレで登録してます!
……本名名乗ったほうがいい?」
……本名名乗ったほうがいい?」
ヤグシャ:「いえ、別に。強制はしないわよ」
留禰:「本名じゃないんですか? こういうのって本名で登録するものだと思ってたんですけど」
エンハンブレ:「わたしはリアルのわたしと切り離してプレイしたかったから、かなあ。
思い切っていろいろこだわってみたけれどやっぱり知り合いと会うのはちょっと面映ゆいと言いますか……」
思い切っていろいろこだわってみたけれどやっぱり知り合いと会うのはちょっと面映ゆいと言いますか……」
>
留禰さんとエンハンブレさんとの間にfacebookユーザーとtwitterユーザーぐらいの差がありそう
> www
> Twitterにも実名さんはいるジャマイカ!
留禰:「なるほど、そういうものなのですか……。
ところで確認なんですけど、私達はここから脱出するのが共通の目的でしたよね」
ところで確認なんですけど、私達はここから脱出するのが共通の目的でしたよね」
ヤグシャ:「というゲームのはず。だからまずはいろいろ調べてみないと」
留禰:「ですね。さて」
エンハンブレ:「やっぱりシャッターか柱?の台座あたりですかねえ」
留禰:周囲を見回します
部屋の中心には六角柱状のテーブル、もしくは台座のような何かがある。
また、六角形の部屋の各辺には出入口と思われる場所が1つずつある。
いずれの出入口もシャッターで閉鎖されている。
シャッターの上にはそれぞれ違う色で描かれた模様がついたパネルがあり、そのパネルだけがやけに目立つ。
それらのシャッターの前の床には円柱状の突起がある。これも台座のようだが現状は特に何も見当たらない。
また、六角形の部屋の各辺には出入口と思われる場所が1つずつある。
いずれの出入口もシャッターで閉鎖されている。
シャッターの上にはそれぞれ違う色で描かれた模様がついたパネルがあり、そのパネルだけがやけに目立つ。
それらのシャッターの前の床には円柱状の突起がある。これも台座のようだが現状は特に何も見当たらない。
部屋や壁・座っていた突起はオフホワイト。それぞれの台座はやや濃いめの灰色。
柵やシャッターは、金属光沢はあるものの、色としては灰色。いたるところ無彩色である。
3人とその所有物、そしてシャッターの上のパネルだけが文字通り異彩を放っている。
柵やシャッターは、金属光沢はあるものの、色としては灰色。いたるところ無彩色である。
3人とその所有物、そしてシャッターの上のパネルだけが文字通り異彩を放っている。
+ | ルール1・探索の基本 |
留禰:台座を調べますよ 六角柱の方
部屋の中央にあるものは、テーブルというよりは台座だろう。
立った状態で胸の高さほどあり、テーブルとして使うには少々高い。
立った状態で胸の高さほどあり、テーブルとして使うには少々高い。
上面は、全体の大きさより一回り小さな黒い六角形が大部分を占めているのが分かる。

ヤグシャ:「やけに真っ黒ねえ」 立ち上がって見ている
留禰:「手頃なプランターとか置けそうですね」 なんとなく天板面をタッチ

黒い六角形に触れると、その部分に一瞬だけ色がついた。タッチパネルディスプレイだろうか?
> あっ!!!!
> シーカーストーン的なやつだよなぁが当たった
エンハンブレ:「!!!!!」
ヤグシャ:「なんか光ったわね」 こっちも触ってみたりするよ
留禰:「機械なのかしら?」 色々タッチして試行錯誤してみるよ
しばらく調べていくと、触れる場所によって灯る色が違うのが分かる。
六角形を6つに分割したそれぞれの区画ごとに色が決まっていて、
それは部屋の周囲の6つのパネルの色に対応しているようだ。
六角形を6つに分割したそれぞれの区画ごとに色が決まっていて、
それは部屋の周囲の6つのパネルの色に対応しているようだ。
また、触れる面積によって光る強さが変わることも分かる。
片手の掌全体で触れるくらいで光が最も強くなり、それ以上の面積では変化はない。
いずれにせよ点灯するのは一瞬、0.1秒あるかないかくらいの間だと思われる。
片手の掌全体で触れるくらいで光が最も強くなり、それ以上の面積では変化はない。
いずれにせよ点灯するのは一瞬、0.1秒あるかないかくらいの間だと思われる。
そして、異なる色の場所を掌全体で同時に触れると、中央部に別の反応が現れる。
幅の狭い矩形波のようなマークが、2か所同時なら2つ、3か所なら3つ分の波の形で現れる。
幅の狭い矩形波のようなマークが、2か所同時なら2つ、3か所なら3つ分の波の形で現れる。

> 触るとパッと光ってすぐ消えるのか
> です
> そんでもって真ん中のやつは読めるよね
> 10?
> 言語学:第一紀成語で判定して……
> はい
>
完全にヒュムノスで矩形波って言ったら~的な考え方をしてしまった
> 2進数すか
> まあ答えを言ってしまうと ヒュムノス文字の数字ですね
> いまマップに出ているやつは2
>
要は、2か所を十分に色を付けているから2の表示になっている ということ
> 一箇所だけだと表示は出ない
> です
> じゃあ押してる間に円柱の方探りに行くかな 連動してそうじゃね
> そんな気はする
> 特定の色のところを押すを試みればわかるな
留禰:「謎のサインですね……」 ムムムッって顔をしながらベタベタ
ヤグシャ:「これは数字ね。……いま2って出た」
エンハンブレ:「わたしあっちのほう見てきますねー!」
留禰:「じゃあ緑のとこ押しますね」 緑のとこ光らせるよ
円柱の台座はどうみても綺麗な円柱だ。椅子として使うには背が高いだろう。
なお中央で天板を触ったタイミングでもなにも反応はない。
> 反応なし! ヨシ!
> ヨシ
> シャッターも確認できたりする?
> シャッターは閉まっているだけですね
> はい
>
とまあ、脱出ゲームの基本は アクセスできるものはとりあえずいじってみる
>
なんか反応があったらそこで考える これはどうすれば解けるのだろうかと
>
この手のゲームやる時にすぐ「詰み申したのでは?」って言う癖をお許しください
> まだいじり足りないということですね
> 今回は数字がポイントですね
> この数字 最大でいくつになりそう?
> 6
> その通り では6を出すにはどうすればいい?
> あー理解したぞ
> 手が6本いる
> 押せということか
> 頑張れ知能担当
> 1Fぐらいの間隔で6枚のボタンをピアノ押し()
> 6Fあるから大丈夫()
> まぁやってみよう
エンハンブレ:「こっちは変化ありませーーーん」 戻ってくる
留禰:2の状態にした台座の天板を見ながら 「これ、全部光らせてみませんか?」
ヤグシャ:「全部?」
留禰:「これで、2ですよね」 両手でべたっ
「さっき、3箇所光らせて3も確認しました。3人で同時にやったら、全部光って6になりそう。
せーの、で、こうしてみる」 両手でべたっ
「さっき、3箇所光らせて3も確認しました。3人で同時にやったら、全部光って6になりそう。
せーの、で、こうしてみる」 両手でべたっ
ヤグシャ:「光はすぐ消えちゃうから、タイミングを合わせろってことね」 光が消えるとやや遅れて数字も消える
エンハンブレ:「なるほど……」 タイミングをうかがってます
留禰:「はい。じゃあ私が音頭取りますね。 ……準備はいいですか?」
エンハンブレ:「合点!」
ヤグシャ:「OK」 空いている所に陣取るよ
留禰:「いきますよー、せーのっ」 両手でべたっ
それぞれ、【運動】【回避】【技巧】から能力値を1つ選んで振る
3人の出目の最大値-最小値が4以内なら成功
失敗した場合は再判定 ただし、3回目以降は1回ごとに全員のMPが1減る
3人の出目の最大値-最小値が4以内なら成功
失敗した場合は再判定 ただし、3回目以降は1回ごとに全員のMPが1減る
留禰:3+2d 技巧 → 3+10[4,6] → 13
ヤグシャ:2+3D 回避 → 2+6[2,2,2] → 8
エンハンブレ:3+2D 回避 → 3+6[1,5] → 9
失敗 5止まりです
> 低い
> かなしみ
ヤグシャ:「5……か。おしい」
エンハンブレ:「よーしもう一回! 今のでコツをつかんだ気がする」
留禰:「5箇所は同時に押せたのかな? ……それじゃ次行きますよ、せーのっ」
留禰:3+2d 技巧 → 3+6[4,2] → 9
ヤグシャ:2+3D 回避 → 2+8[3,4,1] → 10
エンハンブレ:3+2D 回避 → 3+7[3,4] → 10
> やったぜ
> おお
6か所同時に点灯させると、何かが作動するような音がした。周囲の円柱の台座に反応があったようだ。

エンハンブレ:「ちょっと回り見てきますね!」 ばびゅんと
ヤグシャ:「あらまあ、素早いわねえ」 運動音痴持ち
台座を見てみると、それぞれの円柱の上面にくぼみが現れ、
宝石のようなものが付いた環がそれぞれ一つずつ入っている。
環は一部が欠けていて、そこを鎖でつなぐようになっている。首に付ける装飾品だろう。
宝石の色はそれぞれ異なっていて、例によってシャッター上のパネルの色に対応しているようだ。
宝石のようなものが付いた環がそれぞれ一つずつ入っている。
環は一部が欠けていて、そこを鎖でつなぐようになっている。首に付ける装飾品だろう。
宝石の色はそれぞれ異なっていて、例によってシャッター上のパネルの色に対応しているようだ。
どこからか声が聞こえてくる。最初と同じ合成音声だ。
『高みを目指す者 魔の力を借りよ』
『魔の詩のごとく 声の元に宝玉を』
『試練を突破し力を自らのものとせよ』
『魔の詩のごとく 声の元に宝玉を』
『試練を突破し力を自らのものとせよ』
+ | ルール2・緑魔法 |
+ | ルール1・探索の基本(追加) |
BGM: Ash
from 穢翼のユースティア(葉月(オーガスト), 2011)
Composed by スミイ酸
from 穢翼のユースティア(葉月(オーガスト), 2011)
Composed by スミイ酸
> プレイ時間が関係あるのか
> 一部であります
> チョーカーの複数着用はアリですか
> 無しです
>
RP的には チョーカーを着けると緑魔法が取得できるってのはダイブ前のインストカードに書いてあったとかでいい
> エンハンブレさん? 知らん
> しらんかったなー
ヤグシャ:「……ここからが本番ってところか」
留禰:「魔の力、ですか。インストに書いてあった緑魔法のことですかね」
ヤグシャ:「これを1つ選んで着ければ、魔法が使えるようになる」
留禰:「各々一つづつまで使えるようになるんですね。なら……」
ヤグシャ:「私はどうしようかな」
> 訳:PLで選んでいいよ
留禰:「……各自好きなものを一つ取ればいいんじゃないでしょうか」
エンハンブレ:「はい! わたし火属性の魔法使ってみたい! です!」
留禰:「エンハンブレさん、構いませんよ。確か火は赤が対応してるはずですから、あのアクセサリですね」 譲るよ
エンハンブレ:「わあい」
留禰:「私は……使い慣れてるのでいいかしら」 金をもらうよ
ヤグシャ:「使い慣れてる?」
留禰:「えぇ、金は普段から使ってます。お洗濯の時にすっごく便利なんですよ?」
ヤグシャ:「へー、洗濯って自分でするのねえ」
エンハンブレ:「んんん……?」 ヤグシャさんを見る
ヤグシャ:「?」
> ありがとうございます(すべてを理解した音)
留禰:「ま、まぁ、そういうわけですから、これを」 金のアクセサリを装備
留禰が装飾品を首に付けると、それが乗っていた台座から音声が聞こえてくる。
『名前を告げよ。さすればお前の力となろう』
『名前を告げよ。さすればお前の力となろう』
留禰:「……本名でいいのかしら」 ボソッと言ってから
「留禰=オーギュメントです。よろしくお願いします」
「留禰=オーギュメントです。よろしくお願いします」
> 実際には本名じゃなくても大丈夫なやつ
> システム的にはただの雰囲気づくり以上の意味はなかったりする
『金の試練を開放する』との音声とともに、目の前のシャッターが開いた。
シャッターの向こうには扉がある。例によって無彩色だ。
シャッターの向こうには扉がある。例によって無彩色だ。
留禰:「そういう仕組みなんですね。お二人もどうぞ」
> ヤグシャはどうします? なにかオーダーあります?
> 留禰さんのやつの結果が見たいなら木になる
> 各々の属性でしかできないことでも考える?
>
組み合わせも考慮する必要が出てくるから考え過ぎるとハマりそうな気がする
>
この中なら木かなぁ 明確に相乗効果が期待できそうな気がするから
> OK それじゃ木にしとく
ヤグシャ:「これにしよう」 緑色のを手に取る
エンハンブレ:「へへ……じゃあさっそく」 取り付けるよ
同じように聞こえてきます 『名前を告げよ。さすればお前の力となろう』
エンハンブレ:「わたしエンハンブレ! 銀河カウガール目指してました! 忘れて!!!」
ヤグシャ:「銀河カウガールとは一体……」
エンハンブレ:「ツッコミが入る気配がしたけどノーコメントです! ゲーム内の設定の予定だったので!!!」
若干耳も赤い
若干耳も赤い
ヤグシャ:「その銀河カウガールで敵と戦う予定だった……」 結局よく分かっていない
> あっルールで知りたいことが増えた
> 「火」は対象に取れる?
> 火というか炎そのものということです?
> そう
> たぶんOKですが期待通りの効果は出ないかも
> できるんだ 現象なのでNGかもしれないと思ったけどいけるのね
>
現象というか燃えている物質があるはずなので その意味で「期待通りの効果は出ないかも」になる
> なるほどね
ヤグシャ:こっちも着けて名前を答えるよ
「これ、あれよね。デスゲームだと爆弾が仕掛けられているやつ」
「これ、あれよね。デスゲームだと爆弾が仕掛けられているやつ」
エンハンブレ:「え゛」
留禰:「そんな物騒な作品があるんですか……?」
ヤグシャ:「どっかで見た気がする」
留禰:「こんなにリアルなのに……」 ほっぺむにー
「……作品に良心が残っていることを願いましょう」
「……作品に良心が残っていることを願いましょう」
ヤグシャ:「まあともかく、3か所の扉が開いたわけだけど」
留禰:「謎の声の方が言ってた、試練なるモノがあるんでしょうね。その先におそらく、宝玉も」
> どれ行ってみる?
> 順番は任意なので
> 火(赤)の試練、金(白)の試練、木(緑)の試練
> 金からでいいのでは? 一番最初に開いたし
>
この三種の中なら一番能力の応用が効かせにくそうな金が先がいいかなぁと思ったら偶然一致した
留禰:「手当たり次第に、ですね。エンハンブレさん、ヤグシャさん、行きましょう」 金(白)の試練に入りますよ
エンハンブレ:「はーい」 ついてく
ヤグシャ:「待ってー」 正反対側にいたってのもあって一番後から入ります
事前交流会:ソル・シエール組 事前交流会:メタ・ファルス組 |
導入~Lv1開始 | 金の試練 | Lv1終了~Lv2開始 | 物の試練 | Lv2終了 | ボス戦~ゲーム終了 | エンディング 前半 後半 個別・全体ED |
火の試練 | 時の試練 | ||||||
木の試練 | 命の試練 |