ペリカ(カイジ)

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ペリカ(カイジ) - (2020/07/17 (金) 16:38:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/02 (日) 23:06:54
更新日:2024/04/15 Mon 20:21:34
所要時間:約 3 分で読めます




「ああ……」
「それにしても金が欲しいっ……!!」

ペリカ(Perica)とは、「賭博破戒録カイジ」に登場する架空の紙幣である。

作中では、主人公カイジが落とされた帝愛グループの地下強制労働施設で流通されている。

表には未来永劫認知される事は無いだろう。

価値は日本円のきっちり10分の1。
例えばカイジらのひと月分の給料91000ペリカ→9100円となる。

地下強制労働施設の日当は3500円だが、そのうち借金の返済、シャワーなどの施設利用料、食費と言った名目で9割が持って行かれ、
実質的な手取りは350円=3500ペリカである。
週1日の休みがあり、計26日の労働で月給が91000ペリカとなる。

原作のカイジは「牛丼も食えやしねえ」と言っていたが、最近は並盛なら食える。

【概要&デザイン】

作中で確認できる限りでは3種類のペリカが確認できる。
どれも、日本紙幣において本来偉人の顔が印刷されている箇所に、帝愛グループ会長である兵藤和尊の顔が刷られている。

10000ペリカには真正面から見た兵藤。

1000ペリカには兵藤の横顔。

100ペリカにはこちらに流し目を送る兵藤。
そして兵藤の顔と共に、中央に『TEIAI』の文字が貼り付いている。

裏面を見ると、『MONEY OF HYODO』

直訳すれば『兵藤の金』 である。

帝愛、兵藤……見るたびに連想される、自分を呪いたくなる言葉が書かれているこの札。

しかしこの札、地下生活で生活する者達の希望である。

札のデザインがどうであれ、地下生活者はこれを貯める。

デザインなど気にできないほどにこの紙幣は魔力に満ちている。

カイジを初めとした労働者もこの資金の為に働き、ギャンブルをしたのだから。


【勤労奨励サービス&地下のチンケな売店で販売している物の一部】

商品 値段 備考
一日外出券 500000ペリカ 許可されるには条件有り。前もって希望を出した場所に行ける。
実は国内ならどこでも指定可能らしく『ハンチョウ』では大槻と石和が京都旅行を楽しんでいた。
一日個室券 150000ペリカ 旅館のような部屋でエアコン、ビデオ、浴室あり 他にも食事やカラオケなどの各種サービスあり(有料と無料のものあり)。
有料の食事サービスは下記のフルコースディナーの三種類+イタリアンの各30000ペリカ。
無料のものは大抵子供騙しな代物ばかりだがカラオケだけはまとも。自分の歌声が思い切り外に聞こえることを除けば。
フルコースディナー 100000ペリカ 和洋中の三種類がある。作中に登場したのは洋食のみで、内容はTボーンステーキにサラダ、スープにライスと豪華な内容。
ただし肉はあまり良い物ではないらしく、ハンチョウで登場した大槻の邪神(肉食欲の化身)には逆効果であった。
サービスランチ 30000、20000、10000ペリカの三種類。 普段の昼食はおにぎり二つに漬け物というものなので弁当ではないかと思われる。
ポテチ(うすしお味) 3000ペリカ カルビーポテトチップス
ザッポロポテト 3000ペリカ バーベQあじ
ホカホカ焼き鳥 7000ペリカ
チーズちくわ 5000ペリカ
ビール250ml 3000ペリカ
ビール350ml 5000ペリカ 漫画ではアサヒ・スーパードライ。映画ではキリン一番搾り。
ビール500ml(ロング缶) 6000ペリカ
柿ピー 1000ペリカ
柿ピー小袋 500ペリカ
柿ピー3粒 100ペリカ
いかくん 8000ペリカ 映画版で値段が判明。
オードリーヘップパーン 3000ペリカ ハンチョウで登場。C班での映画『ローマの休日』上映記念のスペシャルあんぱん。
当りつききなこ棒 一回50ペリカ ハンチョウで登場。C班限定の品。値段が判明した物の中では最安値。
グリコ プリッツ 2000ペリカ ハンチョウで値段が判明。サラダ あっさり塩味
ブルボン ブランチュール 2000ペリカ ハンチョウで登場。
チョコチップクッキー 2500ペリカ こちらもハンチョウで登場。
地下チンチロリン参加料 300ペリカ
柿放題(カキホーダイ) 1ヶ月5000ペリカ ハンチョウで登場。上記の柿ピー1袋が1ヶ月5000ペリカで最高10袋まで食べられる(実質半額)。
KP(カキピー) Unlimited(アンリミテッド) 6ヶ月30000ペリカ 柿放題を6か月分契約すれば柿ピー無制限で食べ放題。但し、途中解約は30000ペリカの違約金。
さらに無料で解約するには契約してから丁度6ヶ月後の日のみでその日に解約しないと自動更新される。つまりその日大槻が一日外出していると…
地下映画館 10000ペリカ C班の班長・小田切によるタブレットを使っての映画鑑賞。ハンチョウで登場。
スムージーパック 10000ペリカ→非売品 ハンチョウで登場。兵藤の機嫌が良い時に地下に提供されたミキサーに合わせて大槻が販売。
ミキサーでスムージーにする用のカットフルーツで、ラズベリー+リンゴ+オレンジのラズベリーロマンスなどの味が存在した。
地下映画館の人気を食うほどの勢いを見せていたが、兵藤の機嫌が悪くなりミキサーが没収されたので現在は非売品
地下プロテイン 100g 8000ペリカ ハンチョウで登場。地下の筋トレブームに便乗して販売。フレーバーはチョコ、バニラ、バナナなど
ブルボン アルフォート 取り扱い禁止 ブルボンのお菓子の中でも特に人気であったが、その人気故にダフ屋行為が横行した為、現在は取り扱い禁止
これを円に換算するといかにぼったくってるか分かるだろう。
ただ映画のみ1000円なので、普通の映画館の相場が1800円なのを考えると寧ろ割安ではあるが。(ただしタブレット鑑賞。なお発案者は大槻ではなく小田切である)
しかし地下での娯楽は飲み食いと書庫にある古本、古雑誌*1囲碁将棋トランプの類。
そして条件付きで許可される第一第三第五土曜日のギャンブルなど*2のみ。よっていとも容易く消費されてしまう。
数日分の外出券ともなると、まず他人から騙し取らないと貯まらない。
なお外伝のハンチョウによると、物販に関しては班長自身が外出券を使って仕入れをする必要があり、割高にしないと利益がでない可能性が高い。
また外出券の購入に関して黒服自身がお金を出してもらうことも可能らしく、ハンチョウでは宮本の誕生日に大槻・沼川・石和を呼ぶ為、3人分の外出券の半分の費用(75万ペリカ=7万5000円)を宮本が出していた。
なおアルフォート以外のブルボン製品については1班につき3種まで販売でき、また品目がかぶらないようにドラフト会議で決定されている。

また、病院で出される疾患などに対する薬剤にもペリカが必要で、過酷で不健康な労働環境で病気にかかり、
しかし治療の為のペリカが払えずそのまま……という労働者も珍しくはない。*3
というか一度倒れればまずそこで終わり。

ただし決められた期間通りに働けば借金はチャラとなり、完全無罪放免で解放される。
帝愛にしては珍しくその点ではトラップが無い。『ハンチョウ』では木村が満期で地下から解放されるシーンがある。

なお、作中で、地下強制労働施設が建設しているのは、地下シェルター及び、
テニスコートも建築され、政界に属した人間にも贈与できる規模の物件である。

帝愛グループ会長である兵藤和尊はこれを「王国」と呼んでいる。



【以下、妄想】

「王国」が完成した暁……
もしも帝愛グループがその財力で薬物や弾薬、
ある特定の国々に高値で売れる物質を地下へ貯蔵し、
王国の紙幣であるペリカで取引したとしたら……。

裏貨幣でありながら、ペリカは日本円の数十倍の価値を持つだろう。

それは夢想だ、妄想だと 言って良いかもしれない。
しかし、王国の主は兵藤和尊である。

主人公、切れ者カイジが造り上げた仕組み、それを道具も何も必要無く、
独自による瞬間的な発想、効果的で最も簡単な手段を用い、破った男。
常人では思い付いても止めてしまう地下帝国建設、それを実行へ移してしまう兵藤和尊である。



兵藤会長が建てようとする『王国』がどんな物なのかはまだまだ知ることは出来ないが。

これからの作品の展開が気になるところである。


【余談】

〇TV番組水曜日のダウンタウンでは実際に紙幣となったペリカが製作された。ある企画で使われる予定だったのだが、トラブルによってその企画はお蔵入りとなってしまった。その後「雑誌広告の札束風呂 絶対後入れ説」という企画で現金の代わりにペリカが使用されている。15億ペリカ近く作られた為、今後も登場することが期待される。

〇上の「水曜日のダウンタウン」スタッフが作った番組「カイジ 人生逆転バトル」では、一般視聴者とモノマネ芸人が換金可能なペリカを奪い合うというシュールな戦いが繰り広げられ、何故か強制労働と物販まで再現された。

〇カイジと同作者の作品「天 天和通りの快男児」のスピンオフ作品「アカギ」の更なるスピンオフ作品「ワシズ 閻魔の闘牌」でも地下帝国に似た強制労働施設が登場しており、同様に独自の通貨が流通しているのだが、こちらでは施設が偽札工場の隠れ蓑という裏面があり、その為独自通貨も不必要な程精巧に作られているという設定になっていた。

〇かつての日本の炭鉱では、これによく似た「炭鉱切符」なる私製貨幣が実際に用いられていた。各炭鉱の内部でのみ通用し、売店で日用雑貨や食用品と交換できるシステムだったが、「いつでも日本円へ交換できる」と掲げているのに実際には出来なかったり、出来ても謎の手数料が差っ引かれていたり、ひどいときには責任者の交代に伴っていきなり紙切れと化すというとんでもない代物だったそうだ。経営者側は給料の何割か(炭鉱によってはほぼすべて)をこれで支払うことによって賃金を抑えて丸儲けでき、さらには労働者の脱走のハードルを上げることも出来て一石二鳥だった。逆に言えば労働者側にはメリットゼロだった。

〇特に西表島にあった西表炭鉱は、炭鉱切符のシステムに加えて、島外で声をかけて連れてきた労働者に運賃やら斡旋料やらの名目で借金を背負わせる→借金返済のために問答無用で働かせ続けるという回避不能のトラップを構築し、さらには孤島であるゆえに正規の連絡船以外では脱出できないという、地下帝国そのままの強固なタコ部屋構造を完成させていたことで知られる。

〇↑のような事態を防ぐために、戦後に制定された労働基準法では「賃金はよほどのことがない限りちゃんと通貨で支払うこと(意訳)」ときっちり定められている。なので、仮に地下帝国の労働者たちの給与が10倍100倍に高くなって地上の平均月収を上回るところまでいったとしても、ペリカである限りは法的にアウツである。


「ああ……」
「それにしても追記・修正が欲しいっ……!!」

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