ペリカ(カイジ)

登録日:2011/10/02 Sun 23:06:54
更新日:2025/04/18 Fri 13:25:36
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「ああ……」

「それにしても金が欲しいっ……!!」


ペリカ(Perica)とは、「賭博破戒録カイジ」に登場する架空の紙幣である。

作中では、主人公カイジが落とされた帝愛グループの地下強制労働施設で流通されている。

表には未来永劫認知される事は無いだろう。

価値は日本円のきっちり10分の1。
地下強制労働施設の日当は35000ペリカ=3500円だが、そのうち借金の返済(2000円)、シャワーなどの施設利用料、食費(1150円)と言った名目で9割が持って行かれ、
実質的な手取りは1日3500ペリカ=350円牛丼も喰えやしねえっ……!!」なんてボヤきたくなるのもさもありなんである。*1

週1日の休みがあり、計26日の労働で月給が91000ペリカ=9100円となる。

目次

【概要&デザイン】

作中で確認できる限りでは3種類のペリカが確認できる。
どれも、日本紙幣において本来偉人の顔が印刷されている箇所に、帝愛グループ会長である兵藤和尊の顔が刷られている。

10000ペリカには真正面から見た兵藤。

1000ペリカには兵藤の横顔。

100ペリカにはこちらに流し目を送る兵藤。
そして兵藤の顔と共に、中央に『TEIAI』の文字が貼り付いている。

裏面を見ると、『MONEY OF HYODO』

直訳すれば『兵藤の金』 である。

帝愛、兵藤……見るたびに連想される、自分を呪いたくなる言葉が書かれているこの札。

しかしこの札、地下生活で生活する者達の希望である。

札のデザインがどうであれ、地下生活者はこれを貯める。

デザインなど気にできないほどにこの紙幣は魔力に満ちている。

カイジを初めとした労働者もこの資金の為に働き、ギャンブルをしたのだから。


【勤労奨励サービス&地下のチンケな売店で販売している物の一部】

商品 値段 備考
一日外出券 500000ペリカ 24時間地上に解放される。許可されるには条件有り。必要日数分購入することで二日以上の外出もできる(正確には最低値が24時間なだけで、外出権利の販売自体は12時間ひと口で売買するシステム)ほか、手持ちのペリカを円に両替してもらうことも可能。
少なくとも「ハンチョウ」で描かれるような用途であれば、外出中に使う日本円はこの両替システムを使用して別途入手する。
解放地点は前もって指定するかたちで、日本国内に限られる。移動範囲も同じく日本限定であり、かつ発信機付きの腕時計と黒服による監視がつくため逃亡は当然不可能。
このルールに則る限りは移動・活動に制限はないようで、賭博、物品・サービスの購入、地上の人間との接触、公共交通の利用、他県への越境といった行為が特に咎められる描写はない。
また、抜け道があるのか『賭博黙示録』では大槻班長はハワイ旅行を構想している。
一日個室券 150000ペリカ(実写版では200000ペリカ) 24時間労役を免除され、旅館風の個室での休養を許可される。
エアコン、ビデオ、浴室等を備える他、食事などの各種ルームサービスあり。冷蔵庫にあるビール(アソヒ・ハイパードライ)は缶と瓶の二種類あり、三本まで飲める。
食事サービスは有料で、下記のフルコースディナーの三種類+イタリアンの各30000ペリカ。
マッサージなどルームサービスの多くは無料だが、基本的に名ばかりのセルフサービス。ただしカラオケだけはまとも。自分の歌声が思い切り外に聞こえることを除けば。
『ハンチョウ』ではTV(ビデオ)に関しても帝愛制作のものしか番組がないと説明されるなどイマイチな部分が追加で描写された。少なくともこちら準拠の大槻にとっては地下基準でも割高なものの様子。
フルコースディナー 100000ペリカ 和洋中の三種類がある。作中に登場したのは洋食のみで、内容はTボーンステーキにサラダ、スープにライスと豪華な内容。
ただし肉はあまり良い物ではないらしく、『ハンチョウ』で登場した大槻の邪神(肉食欲の化身)には逆効果であった。
サービスランチ 30000、20000、10000ペリカの三種類。 普段の昼食はおにぎり二つに漬け物というものなので弁当ではないかと思われる。
アニメ版『ハンチョウ』では高い方から順にポークステーキ+ライスorパン、オムライスカレーライス(全てサラダとコーヒーor紅茶付き)。
ポテチ(うすしお味) 3000ペリカ カルビーポテトチップス
ザッポロポテト 3000ペリカ バーベQあじ
ホカホカ焼き鳥 7000ペリカ きちんと電子レンジが用意されており、注文が入るとレンチンしてくれて、名前の通りホカホカで食べられるようになっている
肉じゃが 不明 値段は不明だが、カイジが焼き鳥と一緒に食べている。
チーズちくわ 5000ペリカ
ビール250ml 3500ペリカ 漫画ではアソヒ・ハイパードライ。映画ではキリン一番搾り。
ビール350ml 5000ペリカ
ビール500ml(ロング缶) 6000ペリカ ビール缶3種の中では最もコスパが良い。大槻の商才がうかがえる値段設定。
柿ピー 1000ペリカ
柿ピー小袋 500ペリカ
柿ピー3粒 100ペリカ
いかくん 8000ペリカ 映画版で値段が判明。
オードリーヘップパーン 3000ペリカ 『ハンチョウ』で登場。C班での映画『ローマの休日』上映記念のスペシャルあんぱん。…「アン」の焼き印が押してあるだけだが。
当りつききなこ棒 一回50ペリカ 『ハンチョウ』で登場。C班限定の品。値段が判明した物の中では最安値。
グリコ プリッツ 2000ペリカ 『ハンチョウ』で値段が判明。サラダ あっさり塩味
ブルボン ブランチュール 3000ペリカ 『ハンチョウ』で登場。
チョコチップクッキー 2500ペリカ 『ハンチョウ』で登場。
地下チンチロリン参加料 300ペリカ なんと参加するだけでも金がかかる。
勝ちさえすれば元は取れるが、地下チンチロの実態を考えると…。
柿放題(カキホーダイ) 1ヶ月5000ペリカ 『ハンチョウ』で登場。上記の柿ピー1袋(1000ペリカ)が1ヶ月5000ペリカで最高10袋まで食べられる(実質半額)。
KP(カキピー) Unlimited(アンリミテッド) 6ヶ月30000ペリカ 上記の柿放題を6か月分契約すれば柿ピー無制限で食べ放題。但し、ぶっちゃけ柿ピーだけだと飽きやすいのでお得かと言うと…。
さらに、途中解約は違約金として30000ペリカかかる。無料で解約するには契約してから丁度6ヶ月後の日のみでその日に解約しないと自動更新される。
つまり、その日に大槻が一日外出していると…。下手すればイカサマがバレた時レベルの暴動や大槻の物販店不買運動まで行くんじゃないかなこれ
地下映画館 10000ペリカ 『ハンチョウ』で登場。 C班の班長・小田切によるタブレットを使っての映画鑑賞。
映画のフィルムについては先述の外出権を使い地上に出る→フリーwifiを使ってタブレットにDLすることで用意しており、実在作品だと先述の『ローマの休日』、『プリズン・ブレイク』及び『ロッキー』の一揃いはラインナップにあるとのこと。というかこれも検閲担当の黒服としてokなのか…
スムージーパック 10000ペリカ→非売品 『ハンチョウ』で登場。兵藤の機嫌が良い時に地下に提供されたミキサーに合わせて大槻が販売。
ミキサーでスムージーにする用のカットフルーツで、ラズベリー+リンゴ+オレンジのラズベリーロマンスなどの味が存在した。
地下映画館の人気を主にミキサーの稼働音で映画の音を意図せず妨害して食うほどの勢いを見せていたが、その後兵藤の機嫌が悪くなりミキサーが没収されたので現在は非売品
地下プロテイン 100g 8000ペリカ 『ハンチョウ』で登場。大槻が地下の筋トレブームに便乗して販売。フレーバーはチョコ、バニラ、バナナなど
ブルボン アルフォート 1枚1000ペリカ(転売価格)→取り扱い禁止 ブルボンのお菓子の中でも特に人気であったが、その人気故にダフ屋行為が横行した為、現在は取り扱い禁止
アングラモンスターズカード 1パック5枚入り3000ペリカ→5000ペリカ
取り扱い禁止(終売)
D班班長瀬戸内入魂の創作カードゲーム。生産体制としては同人ボドゲに近い。
大槻の介入もあって大流行となったが決闘者(デュエリスト)達の間で問題行動が目立ち始め、労働時間中に影で決闘(デュエル)していた者が出たのをきっかけに黒服側から全面禁止命令が出たことで販売中止。
既に流通していたカードも全て黒服に没収されてしまい*2、現在は取り扱い禁止
コーヒーセット(C班) 8000ペリカ C班小田切こだわりのコーヒーと小さなクッキーのセット
コーヒーセット(E班) 5000ペリカ E班大槻こだわりのコーヒー…という名の1kg1000円ちょいのインスタントコーヒーと厳選したアテ(ミニどら焼き、カントリーマアム、丸ぼうろ、オレオ、ベビーカステラ、ラスク、ミニクロワッサンから1種類選べる)のセット

これを円に換算するといかにぼったくってるか分かるだろう。さらに『ハンチョウ』では大槻はドンキで格安の商品を仕入れてるので、かなり値段を吊り上げてると思われる。
ただ映画のみ1000円なので、普通の映画館の相場が1800円なのを考えると寧ろ割安ではあるが。(ただしタブレット鑑賞。なお発案者は大槻ではなく小田切である)またグラモンカードも1パック300~500円はおおむね実在作品でも正規の販売店舗であれば相場と言えるなど、『ハンチョウ』初出の商品に関しては比較的地上の相場に近いものも見受けられる。こっちではどちらかと言えば日給3500ペリカに対して高すぎる、スタグフレーション(物価高+デフレによる賃金減の同時発生)のような状態が意図的に維持されている経済環境と解釈した方が自然かもしれない。

しかし地下での娯楽は飲み食いと書庫にある古本、古雑誌*3囲碁将棋トランプの類。
そして条件付きで許可される第一第三第五土曜日のギャンブルなど*4のみ。よっていとも容易く消費されてしまう。
数日分の外出券ともなると、まず他人から騙し取らないと貯まらない。

ただ物販に関しては、『ハンチョウ』で班長自身が外出券を使って仕入れをする描写があるため、割高にしないと利益がでない可能性が高い。
また外出券の購入に関しては黒服自身がお金を出すことも可能らしく、『ハンチョウ』では宮本が誕生日に大槻沼川石和を呼ぶ為、3人分の外出券の半分の費用(75万ペリカ=7万5000円)を宮本が負担していた。
なおアルフォート以外のブルボン製品については1班につき3種まで販売でき、また品目がかぶらないようにドラフト会議で決められている。
外出権の5万円も割高に見えるが、誰か1人が1日外出をすると帝愛の黒服が24時間常に監視をしているため
1人が1日外出するのに黒服が少なくとも3、4人は交代で拘束される*5
いくら帝愛がブラックだとしても5万円のうちほとんどがその分の人件費で飛んでしまう。
逃亡防止の各種対策処置まで考えると本当に儲け度外視の勤労意欲向上サービスなのだろう。なお落ちていた物など持ち主不明のペリカは没収されてしまう決まりになっている。

また、病院で出される疾患などに対する薬剤にもペリカが必要で、過酷な肉体労働で怪我を負う、または不健康な労働環境で病気にかかり、しかし治療の為のペリカが払えずそのまま……という労働者も珍しくはない。
そもそも労働者用の医務室自体も、例に漏れず環境は劣悪な上に医療設備自体も不十分で、更に治療にあたるのは田沼という医師免許も無く医療技術はおろか知識すらもあるのか怪しい担当医とは名ばかりの債務者。
そのため、治療費を余裕で払えるはずの大槻すら『ハンチョウ』にて一日外出中に片足に打撲を負った際には、完治出来ずやむなく再度外出して自己療養を余儀なくされている。
故に、怪我であれ病気であれ本格的な治療が必要な場合は地上の病院などで治療を受けねばならず、当然ながら治療費以外に外出券購入の負担も発生するため、多くの労働者はまず簡単には払えないだろう。
この理由から「感染性が高く、かつ罹患したら労働自体ができなくなる」病気は帝愛側としてもあまり地下帝国運営の面でよろしくないため、連載時点の現実の時代が舞台となっている『ハンチョウ』では新型コロナ対策最優先となる*6と黒服から明確に言われてしまうエピソードも存在する*7

ただし労働者は借金の利息が免除されているため*8、給料から引かれている返済分により着実に借金は減っていく。帝愛にしては珍しくその点ではトラップが無く、完済すれば地下から解放される。
現に『ハンチョウ』では木村が満期で地下から解放されるシーンがある、ゲストキャラがレギュラー入りしない理由付けに「(さまざまな理由から)早期に完済できたためすぐに出た」がオチに使われることがあった*9など何度か「完済が確認されたため地上に戻る」描写が挟まっている。

なお作中で地下強制労働施設が建設しているのは地下シェルターに加えテニスコートなど、総理大臣など政界に属した人間にも贈与できる規模の物件である。

帝愛グループ会長である兵藤和尊はこれを「王国」と呼んでいる。









【余談】

  • TBS系のTV番組「水曜日のダウンタウン」では実際に紙幣となったペリカが製作された。
    ある企画の小道具として15億ペリカ近くが製作されるも、トラブルによってお蔵入りとなってしまった*10が破棄されてはいなかったようで、のちに「雑誌広告の札束風呂 絶対後入れ説」という企画で再利用された。

  • 上の「水曜日のダウンタウン」スタッフが作った番組「カイジ 人生逆転バトル」では、一般視聴者とモノマネ芸人が換金可能なペリカを奪い合うというシュールな戦いが繰り広げられ、何故か強制労働と物販まで再現された。

  • カイジと同作者の作品「天~天和通りの快男児~」のスピンオフ作品「アカギ~闇に降り立った天才~」の更なるスピンオフ作品「ワシズ 閻魔の闘牌」でも地下帝国に似た強制労働施設が登場しており、同様に独自の通貨が流通しているのだが、こちらでは施設が偽札工場の隠れ蓑という裏面があり、その為独自通貨も不必要な程精巧に作られているという設定になっていた。

  • 天~天和通りの快男児~」の登場人物である僧我三威が主人公のスピンオフ作品「老境博徒伝SOGA」では、カジノ型介護付き有料老人ホーム「マノワ・ド・ボヌール」内のクーポンとして登場。
    デザインも全く同じで、一日外出券(500000ペリカ)も存在する。

  • かつての日本の炭鉱では、これによく似た「炭鉱切符」なる私製貨幣が実際に用いられていた。
    各炭鉱の内部でのみ通用し、売店で日用雑貨や食用品と交換できるシステムだったが、「いつでも日本円へ交換できる」と掲げているのに実際には出来なかったり、出来ても謎の手数料が差っ引かれていたり、ひどいときには責任者の交代に伴っていきなり紙切れと化すというとんでもない代物だったそうだ。
    経営者側は給料の何割か(炭鉱によってはほぼすべて)をこれで支払うことによって賃金を抑えて丸儲けでき、さらには労働者の脱走のハードルを上げることも出来て一石二鳥だった。逆に言えば労働者側にはメリットゼロだった。
    特に沖縄・西表島にあった西表炭鉱は、炭鉱切符のシステムに加えて、島外で声をかけて連れてきた労働者に運賃やら斡旋料やらの名目で借金を背負わせる→借金返済のために問答無用で働かせ続けるという回避不能のトラップを構築し、さらには孤島であるゆえに正規の連絡船以外では脱出できないという、地下帝国そのままの強固なタコ部屋構造を完成させていたことで知られる。
    • ↑のような事態を防ぐために、戦後に制定された労働基準法では「賃金はよほどのことがない限りちゃんと通貨で支払うこと(意訳)」ときっちり定められている。
      なので、仮に地下帝国の労働者たちの給与が10倍100倍に高くなって地上の平均月収を上回るところまでいったとしても、ペリカである限りは法的にアウツである(地下帝国自体が本編でも『ハンチョウ』でも治外法権みてーなもんだろ、という読者への前提があるからこそ成立している)。ただ、作中で描写されている限り、ペリカと日本円の交換はキチンと事前に公表されているレートで行われており*11、そこにトラップはない模様。
      また、作中でペリカの偽造防止技術がどれほどかは不明だが、その態様によってはすき入紙製造取締法に抵触する恐れもある。
    • 裏を返せば、現在賃金支払いとして使われることがほぼ大半の日本円は貨幣=何とでも対価として引き換えられるクーポンとしての通用性が広く認められている*12からこそ給料・日当として渡すことが認められているという証左でもある。
      本項のペリカに関してもとりあえず地下帝国関係者内では同じくこの「万能クーポン」性が社会常識・社会通念として認められているからこそ大槻の物販店や『ハンチョウ』の各種商売がこのペリカでの支払い大前提で行える、ということでもある。
      グラモンのレアカードが通貨にならないのも*13ざっくり言ってしまえばこのコミュニティとしての地下帝国における信頼性での理由である。




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最終更新:2025年04月18日 13:25

*1 連載当時(90年代)の大手チェーン店の牛丼並盛が400円前後。2000年代初頭には200円台を切ることがあったものの、直後のBSE問題や原材料費の高騰もあり2024年時点では400~450円程度。

*2 完成度自体は認めていたのか、子持ちの黒服を通して近所の普通の子供たちに無償配布された

*3 漫画などもあるが、帝愛によって刺激的と判断された部分は黒く塗りつぶされている。ただし『ハンチョウ』では映画館(?)において上述のように『プリズン・ブレイクシリーズ』が確認を得たうえでokを出される、スーパー戦隊らしき映画作品が同じくセーフなど基準があいまいな面も登場した

*4 外伝のハンチョウによれば、班長特権で内容は映画の上映会などある程度自由に決めることができるらしい。さすがに黒服の事前確認や裁定はいると思われるが

*5 特に『ハンチョウ』では時間厳守の点で黒服が施設のまわり方のアドバイスを出さざるを得なくなる(科博に行った回ほか)など、大槻たちに意地悪をする意図が無くても指示以上に干渉することになった黒服も登場している。こういったケースを考えると、債務者にトラブルを起こす気が毛頭なくともかなり大変な業務と思われる

*6 帝国の構造やルール上どうしても密が避けられない上、債務者たちが罹患者クラスターになった場合文字通り作業が止まる。また当時の規定ではクラスターになった場合地上の病院に届け出る必要が出かねないため、罹った債務者が出たらヘタすると帝国の存在そのものの漏洩リスクにもなりうる(医療関係は業務の性質上、社会通念や一般的な倫理から離れた判断・行為をしてはならないルールが明確に存在するため、制度の時点で金銭などでの買収が効かない医師が普通に存在しうる)。…まあ福本先生の漫画なので買収に応じる病院くらいすぐ見つかるだろうが。

*7 当該回ではこの理由による「しばらくは無条件で一日外出を不許可とする(から買わないように)」などが大槻に伝えられている。

*8 例として『闇金ウシジマくん』はほぼ無条件で、『ミナミの帝王』では別途介入しないと1円も回収できなくなると判断したケース以外は原則的にどのような事情があっても利息は提示した比率で取っているなど、漫画媒体で違法な部分があるにも関わらずこのようなルールを設定する金融業者はすごく稀である

*9 例としてダチレンジャー回のゲスト側メインキャラ・倉本が「連帯保証の相手と帝愛ファイナンス側で連絡が取れ、そちらに支払わせた」という経緯で完済扱い・解放となっている

*10 いくら元ネタになる作品があっても「パッと見紙幣に見えるクーポン券」をこれだけ刷って使うのは放映倫理上問題になった?

*11 少なくとも外出権を買った際の「地上で消費するお金」はペリカ→日本円の両替を別予算で受けることで入手していると説明されている

*12 これは労働対価以外でも同じことで、例えば生活保護システムなども少なくともルール上は原則(給付を受ける者のほうで柔軟に対応可能な)金銭での給付である。というか必要物資での給付にすると「雪かきがいる地域といらない地域が日本の中、ヘタすると同じ県の中に両方ある」や「食品アレルギーがあるのでそのまま一律なルールでの食事の給付をすると飯食っただけで死にかねない」といった必要な不平等に対応できないという事情もあり、結果としてよほどでなければこれ一つで法の下の平等性が実現できる金銭の万能性が求められることになる。

*13 やろうとした債務者が登場している。