遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神

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遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神 - (2023/10/23 (月) 20:59:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/10/01 Fri 19:43:09
更新日:2024/04/18 Thu 13:10:11
所要時間:約 3 分で読めます





2003年3月にコナミからゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売された遊戯王ゲーム前作の続編。

ストーリーは完全オリジナルで、大邪神レシェフを復活しようとする天馬太陽率いる天馬団と遊戯達が世界各地で戦うというもの。
DM5と6はOCG準拠のルールだったが、こちらは7同様ゲームオリジナルルール。

特典カードはブラック・マジシャンズ・ナイト(予約)、騎士の称号、賢者の宝石、サテライト・キャノン。
攻略本の付属カードは上巻がゲルニア、下巻がゴブリンゾンビ。

多くの決闘者が前作の出来から危惧したのか売上は前作の半分以下。

前作から改善された部分もあるのだが、改悪された部分もあり、ゲームの出来に関しては前作とどっこいどっこいと言ったところ。

評価点及び改善点

  • 通信プレイが可能になった。
  • ボリュームが大幅増加。前作が少なすぎただけかもしれないが。
  • モンスター効果に永続効果と墓地効果が追加。
  • キャラクターの顔グラフィックが増加。
  • 多くのキャラにボイスが収録。
  • 根津見、名蜘蛛コージなど、他の遊戯王のゲームではあまり出てこない原作キャラと対戦できる。牛尾は出ない。
  • 死の物真似師、レベッカBIG5乃亜といったアニメオリジナルキャラが登場。
    ついでにアニメでは物真似師に差し替えられた死者の腹話術師も登場するため、本来有り得ない両者の共演が実現した珍しいゲームとなった。
  • 正義の味方 カイバーマンが初登場。(ちなみに本作のカイバーマンの中の人は磯野。時折カイバーマンが磯野呼ばわりされるのはこれが理由)
  • 表マリクと彼自身のデッキでデュエルが出来る。
  • OCGに先駆けて登場したペンギン・ナイトメアなどのアニメDMオリジナルカードがゲーム内で使用できる。中には未だにOCG化されていないカードもある。
    OCG化までかなりの歳月をかけたジャイアント・レックスやゴッド・オーガスなども、(このゲームが発売された)2003年の時点で使用可能であった。
  • ラスボスに勝つと隠しボスと対戦できる。


問題点

  • カードの総数は約800枚で、実は前作より減っている。前作のようにイラスト違いが別カウントされていたりはしないのが救いか。
  • デュエルが終わってもライフポイントはそのままで、いちいち家に帰ってセーブしないと回復できない面倒な仕様。それだけならまだしもセーブ・回復ができない状況での連戦を強いられる場面が少なからずある。
    デュエル中に回復効果のあるカードを使うという手もなくはないが、大体高コストで回復量も微妙なので使い勝手は良くない。そして回復量の大きい『治療の神ディアン・ケト』は制限カード。
  • デッキキャパシティとデュエリストレベルが全然上がらない。デッキキャパシティは再戦不可能な中ボス相手でも1勝あたり3、再戦可能な相手だと1しか増えない。
    その上カードのコストも全体的に重く*1、攻守どちらかが1000〜1500程度の下級モンスターですら1枚デッキに組み込むために100周近い稼ぎを要求されたりする。
    しかし敵は完全にコストを度外視してデッキを組んでおり、単純なカードパワーで対抗するのは厳しい。
  • だいたいの敵があからさまなルール違反をやらかしている。制限カードを2〜3枚積んだり初期フィールドが敵に有利なものになっていたりするのは日常茶飯事で、終盤になると当然のように初期ライフが8000越えになっていたりする。
    ちなみにラスボスはLP2万→4万の2連戦
  • ゲームテンポが非常に悪い。デュエル中に何らかの処理が入るたびにカーソルがフィールド上を動き回る上、永続効果持ちのモンスターが場に出ていると効果発動メッセージがその度に表示される。特にオシリスは効果発動のたびに咆哮を上げるため非常にうるさい。
  • 物価がかなり高いのに手に入るドミノ(通貨)が少ない。
    カードの買値は前作の10倍になっているのに売値は据え置きのため、買値が売値の20倍というとんでもないボッタクリ仕様に。
    パスワードで店に在庫を追加する機能も存在するがパスワード入力にドミノが必要。しかも間違えてもドミノが戻ってこない。

これらの要素が重なった結果、難易度はGBシリーズの中でもトップクラス……というか理不尽の域に達している。
異常な難易度(特にラスボス6連戦)で知られる『真デュエルモンスターズ』よりキツいという意見さえあるほど。


攻略のポイント

上で触れた通り本作はコスト周りが異常にシビアで、コストの重いカードを採用しようとすると途方もない時間を稼ぎに費やすことになってしまう。
そのため少しでも苦行から早く解放されたい楽にクリアしたいなら多少なりとも低コストで強力なカードを吟味して使っていくしかない。
幸いというべきか本作のコストはほぼ攻守の数値の高低とレベルのみを基準に決められている節があるため、効果モンスターはいい意味でコストに見合わない性能になっていることが多い。
例えば自分自身よりも強力なモンスターを特殊召喚したり罠を仕掛けたりできるトラップ・マスターマジック・ランプ、永続効果で敵全体の攻撃力を大幅に下げてくれるマンモスの墓場あたりは有用かつコスト的に比較的採用しやすい。マンモスの墓場には効果発動メッセージが死ぬほど鬱陶しいという欠点があるが。
また、DMシリーズ独自のルールとして好きなタイミングで任意のカードを手札から捨てることができるため墓地発動の効果を持つカードがかなり使いやすい。
この恩恵を最も大きく受けているカードのひとつがブラック・フレア・ナイト
本作では墓地に送られるとミラージュ・ナイトが場に現れ、さらに次のターンにはブラック・マジシャンと炎の剣士に分離するという効果を持っているため、比較的低コストでありながら捨てるだけで2800打点になるというなかなかのぶっ壊れカードとなっている。
比較的低コストとは言ってもデッキに入れようとすると100周近く稼ぎを行うことにはなるが、これでもまだマシな方なのである。
また、罠は全体的にコストが安めなのでうまく活用したいところ。序盤から中盤はデュエルロボがそこそこ高頻度で落とす除去罠のベア・トラップやコスト0で買値も安い割に割と実用的な単体遅延のメサイアの蟻地獄あたりがかなり役に立つ。

そしてゲームも後半に差し掛かる頃、ようやっと現れる救世主がラーの翼神竜
本作での神のカードは生け贄を3体必要とする代わりに除去・コントロール奪取への完全な耐性を持ち、召喚魔族の弱点を突かれることもなく、まず殴り負けることのないステータスを誇り、それでいてコストは0というチートじみた性能を持つ。
とはいえやはり生け贄3体というコストは重く、そう簡単に召喚できる状況は整わない……のだが、ラーだけは別。
というのも本作ではラーの3形態がそれぞれ独立してカード化されており、そのうちフェニックスモードが「墓地に送られるとバトルモードが特殊召喚される」という効果を持っている。
ぶっちゃけ「出せば勝ち」レベルの性能であるラーを、実質ほぼノーコストで即場に出せるようになってしまうのである。
結果どうなるかは言うまでもない。このゲームは「ラーを引いて手札から捨てるまでなんとか粘るゲーム」に変貌する。

とはいえ、フェニックスモードが解禁されるのは
  • 『サンダー・ボルト』『光の護封剣』『死者蘇生』等々、凶悪な魔法・罠カードを片っ端からガン積みしているマリク
  • HP回復不可・負けたら最初からやり直しの6連戦を強いてくる上、前座の千年守護兵達はバーンカード『革命』を多用、本人も『リフレクト・バウンダー』のバーン効果で止めを刺しにくる2代目ファッキン6シモン・ムーラン
という苦行を乗り越えた
そしてラストの2連戦は除去とコントロール奪取が酷すぎてそもそも神を出すくらいしか対処のしようがないため、本作でのラーの存在を「救済措置」と呼んでいいかは色んな意味で疑問。
あと神は除去とコントロール奪取以外には耐性がないので、護封剣による遅延+攻撃力デバフ効果の重ねがけなどを食らうと普通に殴り負ける危険がある。

クリア後には永遠の間が出現し、乃亜や闇遊戯など本編で対戦しなかったデュエリストと対戦できるようになる。
例によって全員制限ガン無視の凶悪魔法カードガン積みデッキ+20000〜60000の滅茶苦茶な初期LP持ちなので恐ろしく強いが、勝利時のデッキキャパシティの上がり幅ともらえるドミノは文字通り桁違いなので勝てさえすれば非常に高効率な稼ぎ場所になる。なんでそういうのをクリア前に用意してくれなかったんですか。

余談


  • GBシリーズではよくある話だが、本作ではOCGにおいてデメリットアタッカー扱いだった下級モンスターの大半がバニラになっている。そのため普段ネタにされがちな『秒殺の暗殺者』や『女邪神ヌヴィア(遊戯王OCG)』が普通に強力なカードとなっているが、こいつらは例外なくコストが重すぎるためプレイヤー側はまともに使わせてもらえない。

  • お遊び的な隠し要素として、本作には入力するとラスボスである大邪神レシェフのグラフィックがゴエモンインパクトになるパスワードが存在する。
    後にレシェフはOCG化されているが、「タッグフォースシリーズのモブデュエリストの1人である成田伸子はその縁からか「忍者義賊ゴエゴエ」を中心としたデッキにコイツを投入している。

  • 後の遊戯王Rにおいて、天馬夜行と言う本作の天馬太陽を彷彿とさせるキャラが出てきたり、この作品も主要な敵カードが邪神だったりするので、遊戯王Rは本作をモデルにしている説が存在している。


追記・修正はラー無しでラスボスを倒してからにして下さい。

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