名蜘蛛(遊戯王)

登録日:2022/03/21 (月曜日) 12:40:12
更新日:2024/12/25 Wed 09:25:25
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オラオラー ガードがあいてんぞ!

バーカ…

お前のガードだよ!!

名蜘蛛(なぐも)は『遊戯王』の登場人物。

声:冨田真


【人物】

童実野高校の男子生徒で、目付きが悪い金髪の不良。
本名は「名蜘蛛コージ」。*1
蜘蛛の模様がプリントされたベストが特徴。おい、制服着ろよ

優れた腕前のゲーマーだが、ゲームを利用してゆすりやたかりをする卑劣極まりない性格。
相手から強奪したゲームを売り捌く極めて悪質な転売ヤーとしての一面もあり、その事については「商売の才能があるぜ」と自画自賛し全く罪悪感を抱いていない。
おまけに、ゲームに負けそうになると不意打ち気味にリアルファイトをするとんでもない奴で、はっきり言ってゲーマーの風上にも置けない悪人である。


【モンスターファイター】

腕相撲と格闘ゲームを融合したようなもの。
モンスターのフィギュアをコントローラー兼リングのファイティング・ガンにセットして相手のガンと合体すると勝負開始。
相手モンスターをKOするかリングから叩き落とせば勝ちである。
構造は単純だが、百種類以上のモンスターはそれぞれ能力値や得意技、ウィークポイントや必殺技が異なり、相手との相性の良し悪しもある。
相手の動きをよく見ながら、タイミングよく操作することが求められる。

実在のオモチャだと、「バトロボーグ」のような有線式のグローブと連動して動くボクサーのフィギュアで戦うオモチャ群にトレーディングフィギュアの要素を足したもの、といった感じだろうか。

モンスター一覧

  • アルティー
遊戯が最初に使用したモンスター。
グローブを装着した可愛らしいバボちゃんウサギ
遊戯曰く「コイツ ケッコー強いんだよ!」との事。
名蜘蛛は「身代わり羊(スケープ・ゴート)」と評して小馬鹿にしていた。
必殺技は「マッハ・トルネードパンチ」

  • キラー・エマーダ
城之内のモンスター。パワーが高く耐久力が低い攻撃型。前田ではない。
爬虫類系のアメリカンヒーローと言った出で立ち。
必殺技は「スペース・キャノン」。

  • ワイルド・スパイダー
名蜘蛛のモンスターで、戦績は無敗。
鈍足だが、攻撃力と耐久力が高く持久戦に向いている。
見た目は明らかに悪役であるが…。
必殺技は「スパイダー・デス・トラップ」


【活躍】

原作では第43・44話の前後編に登場。
遊戯と城之内が持ってきたモンスターファイターを流行らせた一方で、「負けた奴は勝った奴にゲーム機を差し出す」という無茶苦茶なルールを持ちかけて勝負を挑み、学校の倉庫で奪ったモンスターファイターを3万円で横流ししていた。

確実にモンスターファイターを持っていると推測した遊戯には、当初は単なるゲーマーを装って近づき勝負を持ちかける。
そして、勝負の最中に上記の俺ルールを明かして動揺して隙を見せた遊戯の顔面にパンチを叩き込み、彼のモンスターファイターを奪い取った。

その後、城之内からモンスターファイター「キラー・エマーダ」を借りた闇遊戯が現れ、闇のゲームを挑まれる。
最初は闇のゲームの意味がよく分からず、懲りずに闇遊戯を殴ろうとしたが、モンスターのガードががら空きになってしまいクリティカルヒットを叩き込まれ、リングアウトしてしまう。
すると、何故か名蜘蛛に激痛が走り顔にヒビが入ってしまった。
皮肉にもその傷は「蜘蛛の巣」のような模様であり、名蜘蛛の顔はまさしく「名は体を表す」状態となってしまう。

これはプレイヤーがモンスターの「身代わり羊(スケープ・ゴート)」となる闇のゲーム。
モンスターが受けたダメージはプレイヤーにフィードバックされるので、その気になれば全身が砕け散ることになる。

流石の名蜘蛛も闇のゲームの恐ろしさを知った時は冷や汗を浮かべたが、3セット勝負で2本先取した方が勝ちだからすぐに冷静になり、「正々堂々」と戦うと宣言する。
また、名蜘蛛には絶対的な自信があった。
このゲームは敵との間合い・技・テクニック・心理的駆け引きといったケンカにも通じる要素があり、ケンカ慣れしている自分がろくにリアルファイトできない遊戯に負けるはずがないと思っていた。*2

そして始まったセカンドセット。
名蜘蛛は序盤こそゲーマーらしく素早い攻撃やフェイントで翻弄していたが、すぐに立て直されウィーク・ポイントを攻撃されてしまう。
訪れた敗北の危機から逃れるために、何と正々堂々なんてクソ喰らえと言わんばかりに闇遊戯の腹に蹴りを入れた。
そのままモンスターに必殺技を当ててイーブンに持ち込むが、とうとう闇遊戯の逆鱗に触れてしまい、ゲームの「闇」モードをレベル3まで上げられてしまう。


ファイナルセットではまたしてもウィーク・ポイントを攻撃され、必殺技を撃たれそうになる。

それならもう一度ぉぉぉ!

てめぇの腹にケリをぶち込むぜ!!

りゃああオレの勝ちだ!!

しかし、名蜘蛛の足は動かなかった。
彼の足をモンスター達が押さえていたからだ。
その中には名蜘蛛のモンスターのワイルド・スパイダーまでいた。
この状況で卑劣な男に味方するモンスターなんて一体もいなかったのだ。
そして、フィールドにいる名蜘蛛のモンスターの正体は名蜘蛛の醜悪な「心」そのもの。
顔は自分のもので体はワイルド・スパイダーという、いわゆる「人面蜘蛛」が唯一の味方と知り、名蜘蛛は遂に絶叫する。
最期は、闇遊戯のキラー・エマーダの必殺技を一身に受けて敗北した。

闇遊戯は倒れた名蜘蛛に一言言ってから立ち去る。
「人の心は本人次第でどんな怪物にも姿を変える…だが最後には…闇に喰われるぜ!!」

ちなみに遊戯の言った「闇モードのレベルを3まで上げる」発言はこの回のみに出てきた設定であり詳細は不明。
強いていうならば「ゲームと現実の境目が薄くなり、最初のレベルではゲームのダメージがフィードバックされる程度が、3にもなるとモンスター達が現実のように心を持ち動き出す」というところだろうか。

他にもゲーム中に卑怯を働く相手は多かったが、そいつらは大抵勝負が決まった後もしくは卑怯な行為を働いたが為に自滅した者ばかりだった為か闇モードのレベルには触れられていない。
彼らがもし名蜘蛛のように「卑劣な行為で戦況を有利にした」場合も闇モードが上がったのだろうか。
けど結局この回にしか登場してないので詳細は不明である。

再登場

単発のゲストキャラと思いきや、バトルシティ編にまさかの登場。
そう、遊戯王ファンなら言わずと知れた名場面「こんなカードオレは36枚持っているよ…」である。
なお久しぶりすぎて読者の記憶になく、単なるモブと思った人も多いとか。
こんなガラの悪い奴ですらモブに思われる辺りおかしい。

どういう手段を使ったのかは不明だが、バトル・シティに参加していた。
しかし、闇のゲームでボッコボコにされたのにもかかわらず全く反省していない。『真理の福音』のコメントでは「今でもヒビの跡が痛むし、もうカツアゲはゴメンだ」と一時は懲りていたハズなのだがいつの間にか逆戻りしている。
イカサマ無しで対戦相手に勝利したが、デュエル前に双方賭け札に納得していたのに、「気が変わった」といちゃもんを付けて「自分のレアカードに釣り合うカードを差し出す」「10万払う」「二度とデュエルができない体にする」と脅す。
そこにモクバが運営委員会会長として現れ、「中立な立場から見てもアンティは成立している」と言っても意に介さず「ぶち殺されてぇか!クソガキ! 俺のルールに口出しするんじゃねえ!」と逆ギレする。
しかし、よりにもよってモクバを侮辱したのが運の尽き。
「オレの弟を侮辱することは…海馬コーポレーションを侮辱するに等しい」と憤る海馬瀬人ダイヤモンド・ドラゴンを破かれるとデュエルを挑まれる。
海馬のアンティカードはショーケース1個分のレアカードとオベリスクの巨神兵
しかもデュエル前に「ダイヤモンド・ドラゴンの詫び」としてレアカードで好きなだけデッキを強化していい嬉しいハンデ付き。昔は破り捨てたらフォローもなかったので「丸くなった」とかネタにされている。
名蜘蛛は願ってもない好条件にカードを破かれたことなどすっかり忘れて、海馬から渡されたカードで自身のデッキを強化する。

だが、神のカードの前には無力だった。
オベリスクの巨神兵の底知れない実力を目の当たりにし、茫然自失となって発狂する場面を最後に名蜘蛛の出番は終わった。
元々の性格からして問題児だが、なまじゲームの実力はそこそこあったのが彼の増長と破滅を招いたのであった。
以前闇のゲームで懲らしめられた人物故、神のカードに二度叩きのめされる光景はある意味罰ゲームインフレを表現する為のかませ犬とも言える。


【余談】

  • 続編の遊戯王GXには住民票に名蜘蛛の名前が書かれている。
  • 名蜘蛛にレアカードをシャークされた対戦相手はその後、茫然自失となった名蜘蛛のデッキから自分のレアカードを取り返しそれを破り捨てて何処かに去っていった。彼が何を思ってそのような奇行に走ったのかはわからないが、自分が敵わなかった名蜘蛛が瞬殺されたことでどうしようもないほどの力量の差を感じ絶望してしまったのだろうか。自らの相棒を捨てて立ち去る羽目になった彼は一番の犠牲者と言えるだろう。
  • 担当声優の冨田真氏はこの後もモブを演じ、遊戯王デュエルモンスターズGXでは万丈目準の兄である万丈目正司を演じている。とはいえ元々は舞台役者の為かアニメ、ゲームへの出演は少なめ。


オレって追記・修正の才能があるぜ…

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最終更新:2024年12月25日 09:25

*1 アニメでは「コウジ」

*2 なおゲーム初心者の城之内も遊戯相手に善戦出来ていた事から、彼の言うことは間違っていないと言える。