小此木タカオ(鉄鍋のジャン)

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小此木タカオ(鉄鍋のジャン) - (2023/11/27 (月) 16:08:13) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/09/26(水) 20:10:14
更新日:2024/03/03 Sun 23:32:31
所要時間:約 4 分で読めます





だってプライドじゃ料理できないもーん!!

ボクみたいな技術のない料理人じゃおいしいものを作らなきゃならない時は、マネでも何でもするよ!!


鉄鍋のジャン!』に登場するキャラクター。

概要

日本の中華料理店の頂点に立つ五番町飯店で働いている見習い料理人。
常に笑顔で他人に気を使ういい人タイプ。ただ、頭はあまり良くなく天然ボケ気味で周囲からも呆れられている。
料理に失敗して落ち込んでいた秋山醤を励ましたことを切っ掛けに彼の親友となり、猪突猛進なジャンのサポート役に回ることが多い。
容姿はそこそこ整っている方であり、女装すると結構かわいい。

人物

作中登場する料理人の中では珍しくプライドなんて物を持っておらず、冒頭のセリフは大会予選で 横にいた大前考太の調理をそのまま見ながら真似して作った 際のセリフ。
もちろんただ真似して作った物が上手くいくはずもなかった……のだが、大前が皿を間違えて持って行った為、小此木の方が予選を通過した。大前は泣いていい。

まかないの野菜炒めさえまともに作れず、好き嫌いも多いなど料理人としては未熟も未熟。
その後、ジャンに指導を受けてからは実力を付け始め、後にジャンが海外修行の旅に出た時は、望月に代わり鍋(炒め物や煮物の担当)を任せられるようになった。
が、本人はそれではジャンが帰ってきた時にサポートできないと、ジャンが帰国したらわざと失敗を繰り返し、『R』では見習いに戻った。
そして望月が鍋担当に戻ったのと同時に、見習いも全員辞めてしまった。…理由はお察しである。

また発想力が優れており、蟹クリームコロッケピザなどの惣菜を具にした春巻チョコレート味の回鍋肉など色々とぶっ飛んだ料理を作り出す。
後に開かれた大会でも運が良かったとはいえ本選に出場して陸一族と戦った。もっとも、その結果はお察しである。
……が、実は単純な技術負けであり、発想そのものは対戦相手の陸一族と同じコンセプトの料理だった(=陸一族クラスの発想力はある)
ジャンの事を純粋に尊敬しており、彼と一緒に野外料理を作りに行ったり食材探しを手伝ったりもしている。
小此木の行動が料理のヒントになることも多い。
ジャンもそんな小此木のことを大切な親友であり、数少ない心を許せる相手だと思っている。
そのため丁寧に料理の基礎を教えたり、小此木を馬鹿にした相手を見返すために特訓をさせたりと面倒を見ている。*1

五番町飯店の見習いをする前の経歴は不明。
だが『R』で料理大会の会場の食材をくすねた時に楊から「そういうのひょっとして得意?」と聞かれたときに「昔ちょっとね」と答えていたあたり意外と黒い過去があるらしい。
案外、天涯孤独の身の上で五番町飯店に盗みに入ったところを睦十や弥一に見つかって見習いとして働かせられることになった、なんて経緯があるのかもしれない。
望月からイジメを受けても五番町を辞めようとしなかったのは、他に行き場がなかったから…なのだろうか?

Rから十数年の年月が経過した2ndでは、セレーヌ楊(結婚後はセレーヌ小此木)と結婚。
息子である小此木マリオが五番町飯店で見習いとして働いている。
マリオはフランス系の名前なので、勘のいい人はすぐ奥さんが誰か分かっただろう。
本人は五番町飯店を離れて、神戸にある楊の実家『シードラゴン(=五番町飯店神戸支店)』をマリオの妹である4つ子姉妹と一緒に夫婦で切り盛りしている。
彼の中華のセオリーに囚われない発想と想像力は、楊の「ヌーベル・シノワ」に通じるものがある為、腕が追いついた現在なら、店は繁盛間違いなしだろう。
…実は、逆算するとR時点で既に長男のマリオは産まれている。意外にやる事やっちゃっている肉食系である。小此木爆発しろ。


■作った料理

ジャンが小此木に中華料理の基本「連鍋」「泡油」「碗献」を叩き込むために作らせた料理。
鍋から煙が出るくらい強火で空焼きした鍋に汚れを溶かすための油を入れて戻し、次に料理に使う油を入れて炒めた物を鍋にこびり付かないようにする連鍋
下味を付けた牛肉や野菜を油通しする泡油
料理に使う調味料を一つの碗に混ぜて素早く使えるようにする碗献
ジャンはこの3つの基本を青椒肉絲作りを通して小此木に教えた。


  • 紅龍童魚
蟇目との料理勝負で両腕を折られたジャンの代わりに作ったもの(ジャンからは作り方を教わっている)。
60cm以上の甘鯛を使った料理でを美味しく食べられるようにすることに主眼を置いている。
調理法は塩、胡椒、老酒で下味を付けた甘鯛を手で逆さに持ったまま熱した油をかけ続けるだけと極めてシンプル。
3kgもある甘鯛で普通は手で持ち続けられるものではないが、ジャンが課した事前の特訓によって腕が硬直した小此木は何時間でも持っていられる。
その際相当ボコボコにされているが、ジャンが特訓の意図を事前にしっかり説明し、ミスった時にヘッドバッドの刑の流れだったので小此木も特訓への弱音こそ吐いてはいるがボコボコにされた文句は一切言わずに真剣に特訓を受けている。

低温の油をかけ続けたことによって鱗はフライの衣よりも軽くサクサクになり、身はしっとりとジューシーになった。
赤と青の唐辛子を使ったタレとマヨネーズにタバスコやケチャップを混ぜたタレがさらに味を引き立ててくれる。
空気のように軽く香ばしい鱗と甘鯛の身の旨みを存分に楽しめる。


  • 下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる春巻
新メニュー決定トライアルに出品したメニューで、おそらく作中初の小此木完全オリジナル料理。
様々な惣菜を買ってきて具として巻いた春巻(コロッケは中身だけ使って衣は廃棄。キリコ曰く「ひどい手抜き」)。
中身の選定基準は分からないが、ジャンは「自分の好きなもん無差別に巻きやがったんだ…」と引いていた。
蟹クリームや南瓜(カボチャ)コロッケ、ひき肉などの当たりもあるが、冷めたピザや酸っぱい中華サラダなどのハズレもある。
あまりの馬鹿馬鹿しさとそれを裏付ける名前から呆れられつつも先輩たちの笑いを誘うが、
弥一からは「下手な鉄砲というよりは『玉石混合』」「くだらん石コロの春巻もあるが、ちゃんと中華風に作れば、実にいい春巻になるものもある」と評価され、
睦十からも「作り方も簡単で、ユニークで気軽に食べられる春巻らしい春巻」と褒められた。
ただし、同時に弥一から「中身ぐらい自分で作れるようになれよ。肝心な具材が出来合いモノなのは酷すぎる」と酷評もされ、この点は先輩たちにも苦言を呈されている。
結局店に出すものは、弥一から「大人も子供も親しまれる」と推された中華風にアレンジした蟹クリームと、マッシュした南瓜(カボチャ)の2つだけに絞った。
作り方は普通の春巻と全く同じなので、実際に作ってみた読者もいるのではなかろうか。ぶっちゃけ候補に残った4つの春巻の中では、楊のスイーツ春巻と並んでお客さんに支持されそうである
調理法からして二重に春巻の皮を巻く必要があったジャンに至っては殺到する注文に調理が間に合わずヘトヘトになってたし

  • 温泉卵饂飩
消化の良い温泉うどんの組み合わせ。
楊からは「中華の料理人なのに〜?」と少し呆れられていたが、ジャンからは「卵の中で最も消化が良い状態だ」と褒められた。
ちなみに楊が直前に振る舞ったのはママン直伝の甘ーいオムレツ。オイ嫁。

  • チョコレート回鍋肉
反り返るまで炒めた豚肉、煮崩れしないように素揚げしたタロイモ、トック()。
それを大量のチョコレートとラズベリー、黒胡椒と岩塩で味付けした奇抜な回鍋肉。
一見すると完全にゲテモノだが黒胡椒とラズベリーでチョコレートの甘さを引き締め、さらに味の無いタロイモとトックを加えて甘さを半減、そして岩塩のしょっぱさによって全体の味をまとめている。
塩チョコをヒントに生み出されたものであり、店では絶対に出せないが味は及第点だと自由な発想を評価された。
1部では「クソ料理人」などと小此木を見下してた蟇目も褒めた一品。*2


追記・修正は中華料理店の見習いとして働いている人がお願いします

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