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望月(鉄鍋のジャン)

登録日:2012/03/19 Mon 02:27:38
更新日:2026/09/18 Fri 11:30:04NEW!
所要時間:約 9 分で読めます




望月とは『鉄鍋のジャン!』に登場しているキャラクターの一人。

CV:水中雅章



概要

フルネームは望月貢(もちづき みつぐ)。
五番町飯店で働いている実質モブキャラである。担当は鍋。中華鍋を振るい炒め物や煮物を作り、実質店の味の中心を担当している。
立ち位置から察せられる通り、漫画においてはジャンキリコ等の料理に驚く脇役キャラである。


……のだがこの男、言動も勤務態度も実に問題だらけなのである。
確かに傲岸不遜さ加減や悪辣さではジャンの態度も負けていないと思える。だが知っての通り、ジャンの場合祖父にしごかれた実力に裏打ちされた(それはそれでキリコに嫌な顔はされるも)曲がりなりにも料理へのプライドからくるものである。
実際、勤務態度も料理勝負に挑むサマも言動の悪辣さと裏腹に(万人に受け入れられるカタチでは決してないとはいえ)真面目かつ真剣そのものである。

それに引き換えこの望月は性格も勤務態度も本当に最悪で、仕事振りも勤務意欲も何故雇用契約が続いているのかわからないほど不勉強……要するに悪い意味で無能な怠け者なのだ。
不勉強な点は主要キャラ以外の五番町の料理人達にも言えるが、望月は輪をかけて本当にひどい。

先輩という立場から小此木を馬鹿にしたりパワーハラスメントも行うものの、自分自身の料理の腕もかなり酷い。あまつさえ成長も見せない分、正直小此木のことを笑えない身分もいいトコロ。
その結果、続編の『R』では担当の鍋を小此木に取られている。
ジャンが帰ってきた時に小此木の意図的なヘマにより一時的に鍋担当の座を奪還するが、その後描写はないもののジャンの帰還により「もうわざと失敗する必要はない」と小此木は本気を出しているので、即座に取り返されてしまっただろうことは想像に難くない*1
作劇の都合上、描写される料理の技術に驚いたり感心したり質問したり主人公に言い負かされるキャラが必要で、それに充てられていることはわかるのだが、場末の料理屋の先輩とかならまだしも 日本の中華料理界で最高峰の名店である五番町飯店 で部下や後輩が存在する立ち位置にいていいキャラではない。*2


以下、本編における望月の軌跡

  • 閉店時間が過ぎた時、訪れたジャンに作った炒飯に難癖付けられゴミ箱(←ここ重要!)に捨てられる
ジャン曰く「パサパサの卵─しょっぱい飯──火の通しすぎ塩もいいかげんそのうえバラけていない飯が3%もある──いったい何作ったんだ? これは──」
いくらなんでも適当に作り過ぎじゃないだろうか。
ちなみにジャンは他人の料理に対しては馬鹿にすることは何度もあっても、捨てるようなマネをしたのは全話通しても自身の料理の失敗作と望月の料理だけである。*3
加えて、ジャンが五番町飯店にやってきたのは、祖父の階一郎に「五番町飯店こそが中華の最高」と聞かされたためである。
ジャン視点からすると、祖父が太鼓判を押したはずの店の料理が最高どころか平均以下の代物であったと落胆させられたこととなり、亡くなった階一郎にとってもメンツを潰されたも同然。*4
事情を知らなかったとはいえ、望月の罪は単にいい加減な料理を作ったことのみに留まっていない。

  • その後、五番町飯店に勤めて洗い物をしているジャンに火にかけたての熱い中華鍋を投げ付ける。しかし『素手ではなく耐熱性のある調理服の袖を伸ばして鍋掴み替わりにしてキャッチする』という対処法で防がれた腹いせに近くにたまたま居た小此木に膝蹴り
何も言わずうずくまる小此木を罵倒しながら退散。因みに小此木の年齢は16、望月は22。正直ジャンと小此木への傷害罪で逮捕されなかっただけ奇跡ですらある。

  • 宴会料理で失敗したジャンをあざ笑って心を折る
この際「ジジィとマンツーマンでやっていたから大量に作る宴会料理は学んでなかったんだろうよ」とジャンの弱点を完全に見抜く。
おそらくジャンも立ち聞きしていたようで、上記の台詞が頭上に被さる形で泣き崩れてしまっていた。
望月の数少ない活躍(?)。なにせ作中で(直接的ではないが)傲慢不遜なジャンの鼻っ柱をへし折った初めての人物がこの男なのだ。*5
もっともジャンはこの挫折をきっかけに小此木との友誼を交わし、また小此木の何気ない一言がヒントになって宴会料理のコツも覚え、さらに強靭な料理人へと成長する。
で、望月の方は?
以下の「活躍」の数々からお察し下さい。これが失敗から学ぶ者学ばない者の差である。

また、これ以降ジャンは望月だけに対してやたら当たりがキツくなる*6のだが、この時に階一郎共々「秋山」を侮辱された恨みもあるのだろう。

  • 店で働くようになって間もないセレーヌ楊に貝柱と卵白の炒め物を「ただ皿に盛っただけ」「幼稚園児でも出来る盛り付け」と評される
他の従業員からも「望月のいいかげんな盛り付けが」と盛り付けのいいかげんさは周知の事実の模様。弥一ももう少し指導したらいいんじゃなかろうか。*7

  • 閉店時間過ぎに来た蟇目に作った炒飯を(以下略)→その後ビンタの洗礼
蟇目曰く「出来損ないのクソ炒飯」「油っぽすぎるし卵が炒めすぎ!味が均一に入ってない!とにかく全部お粗末」「これで料理のつもりかよ!」
まるで成長していない…
因みに調理場の床に雑に捨てられた。どっちみちゴミ扱いでも後述の唐揚げ含め、蟇目と違ってちゃんとゴミ箱に直接捨てたジャンの方がまだモラルがあるように見えるのがポイント。*8
この時相手が蟇目だとわかると手のひら返しでヘコヘコしてた。強い相手には媚び諂う。時すでに遅し
その後2戦目の魚料理では蟇目の料理を見て「大陸ボケしてんじゃねえの」と陰口を叩いたことを目ざとく聞かれ、「てめえあとでフクロだ」と制裁予告をかまされている。

  • ジャンに作ったチンゲン菜の炒め物にケチを付けられ鍋の中身を浴びせる
「塩が足りない」「塩の量ぐらい指先で覚えろ」「それでも料理人のつもりかよ」……まあ、これは多少ジャンにも否があると思う。きつく言い過ぎだがジャンとしては平常運転、というか言い方が悪かっただけであって発言内容自体は全くの正論。
なお中身浴びせた件は恐らく洗い物の際アツアツの中華鍋投げつけるも防がれた一件の意趣返しだろう。

  • オーナーの睦十自らがVIP用の春巻を作ると言い出したのに対し、代わりを申し出るも却下される
「春巻なんて簡単な物はオレが作りますよ」と豪語するも、「おまえに出来ればワシがこうしてはおらんのだよ」と逆に簡単な物すら作れない未熟者扱いされる。
具体的には短気な性格が災いして春巻を揚げる丁寧で繊細な温度調整が大分下手くそなようで、「ずいぶん長くあげてるぞ。いつまでやってんだ?」とまで愚痴っていた。
結果ジャンからは「黙って見てろ。だからお前は春巻ができねーんだよ」とダメ出しを喰らい、李さんからも「あの温度の使い分けは覚えておきなさい」と直に忠告されていた。
後述の唐揚げを踏まえると彼の場合揚げ物全般が特に出来が良くない可能性がある。

なおこのおかげで読者からは「五番町飯店はVIPにはオーナー自ら作った逸品が振舞われるが、一般客は望月のハズレ料理を食わされる差別待遇のひどい店」とネタにされることも。
周りの言葉から察するに、睦十が直々に作るまで極上の春巻の美味しい揚げ方を知らなかった模様。
主要キャラ以外の店員全員もだが。今まで客にどんな春巻出してたんだ……

  • 料理品評会に「ライスペーパーを使ったベトナム風春巻」を睦十に出すも口の中の春巻を吐き掛けられ→罵倒→肩にで一撃のコンボを食らう
具体的には、ライスペーパーという珍しい皮を選んでおきながら中身は普通の春巻の具だったせい。
この時オーナーに出して品評会を乗り切ることしか意識に無く、(彼に限ったことではないが)お客に出す料理という事を完全に失念していた事が露呈している。
吐き掛けられた時には「なにをするんだこのジジイ!」との言葉を残す。
目上の相手、それも自分が働いてる店のオーナー*9に対する発言ではないものの、流石に自分が作った料理を吐き掛けられたらこう言いたくなるのも仕方ないかもしれない。

  • 作ったまかない料理にケチを付けゴミ箱に捨てたジャンを蹴り飛ばす
ジャン曰く「ひでえ唐揚げだぜ てきとーに切ってるから大きさがバラバラで火の通りがめちゃくちゃだ」「キャベツの千切りは百切りくらいのいいかげんさだし……」*10
実際キャベツの千切りは特に酷く、ジャンの言う通り青椒肉絲みたいな太さになっている。
この時「のぼせてんじゃねぇよスグル程度のヤツに勝ったぐらいでよぉ」と言い放っている。
※この直前スグルはジャンには負けたもののフォアグラをキヌガサ茸に詰めてラビオリにして蒸すというアイディアと技術に富んだ料理を作っている。フランスの一流シェフにも負けないとも評されています。……表面上見た目と言動からして幼そう、つまり弱そうな相手と見下すあたり実に望月らしいというか……。
更に他従業員から「確かにお前の料理は旨くねーんだからよ!!」とまで言われている。ここまでくると根本的にそんな相手に鍋番を任せる弥一の指導力・管理能力の低さが悪いんじゃないかとさえ思えてくる。


その後は特に目立った事は無く驚き役に徹する。
…だけと思いきや終盤で、片付けの当番をいい加減にしてたために弥一を転倒させ、本人のいないところで最後まで他人に害を及ぼすに至った


続編では

『R』にもしっかり登場。
前作からある程度の間があるが、
  • 前述のように鍋役を小此木に取って代わられる
  • 小此木がジャンのサポートの為にわざと失敗を重ね鍋を明け渡された(つまり実力で鍋に返り咲いた訳ではない)のに調子に乗る
  • 小此木の作ったチョコレート味の回鍋肉(万人向けでない味だが、ジャンやキリコらには独創的な味とアイデアが認められ、弥一にも「ギリギリセーフな味」と少なくともマズいとは評されず、アイデア自体は評価されていた)の後に、オリジナルの回鍋肉を作るように言われ、(これ以上の回鍋肉が作れなきゃ俺達は小此木以下…)*11と自分の腕のなさからというよりも、プライドが先行し結局何も出来ない
  • その直後の蟇目らの乱入により、その場がジャンらの対決の流れに変わると、(ラッキー! 屈辱を味わわずに済んだぜ)と心中でほくそ笑む
  • リュウジに対して「今さら”XO醤のリュウ”なんて言われても……XO醤なんて珍しくもなんともないし」と無駄に悪態ついたせいで顔面に蹴り入れられた上にグリグリされて失神KO。そのせいで肝心の回鍋肉の試食ができてないが、ジャンが欠点を指摘したら「全くXO醤バカなんだから」とヤジる
以上のように、殆ど成長は見られない。


もっともコレは望月に限ったことではなく、五番町飯店の料理人達は一回りほど歳下のジャンやキリコ、楊に技量で負けたり料理の知識が残念だったりする奴ばかりである。
設定上、日本の中華料理界で最高峰の店であるはずの五番町飯店が読者から「長くないぞこの店」と揶揄されるほど料理人のレベルが低いのは謎。メタ的には料理漫画としての作劇の都合なのだが。

ただ『R』ではビッグ大谷日堂杯での十三龍との戦いがほぼ全てであまり出番が無く、『2nd』では登場しなかったので彼がどうなったのかは不明。とうとうクビになったか、ついていけなくなって辞めたんだろうか……*12


アニメ版では

上記の通り、作劇都合とはいえ五番町飯店の設定(いわゆるリアリティライン)にも影響するあんまりな描写が多いためか、本作がアニメ化されるとなった際に「望月の扱いどうするんだ」という変な方向での期待(?)の声もあった模様。
アニメ冒頭で時代背景を考慮した旨の注意書きがされているのだが、望月のパワハラまがいの言動&料理人としてのダメっぷりもこれに沿って忠実にされるのか、あるいは流石にアニオリで補完する方向に走るのか……

そして、実際に望月関連はアニオリの描写がいくつかなされたのだが、その内容が
  • ジャンに熱い鍋を投げつけるシーンの直前、原作では舌打ちしているところで唾を吐く(※厨房です)
  • その後小此木を蹴り飛ばした際に柏原から「おい望月!」と怒鳴られたが無視して出て行った
  • 大谷を迎え撃つ作戦に出る際にジャンに任せることを抗議してジャンに「三下」扱いされ黙り込む
  • 大会でデザートの課題に取り掛かろうとするジャンを中継で見て「デザートぉ!? ッハハハァ! 秋山のヤツ、これで終わったなぁ! ざまぁ~!」と罵倒する。めっちゃ嬉しそう
と、追加される言動の全てが情けなかったりさらなる問題行動だったりするというまさかのアニオリ下方修正という斜め上(下方だから斜め下?)の扱いを食らったのであった。
霧子の飾り切り回や、沢田や荀の店内での様子などをカットしてるのにわざわざこいつの出番を増やす辺り、どうやらあおきえい監督を始めとするアニメスタッフ的にも「望月はこうでなくてはならない」という認識だったようである……。


余談

ちなみにジャンファンの間では「ミスター」の愛称で呼ばれてバカにされている。
無印の上記の春巻の話の際、李さんが美味しい春巻の作り方を解説した際に「わかりましたかミスター望月?」と呼んだことが由来。
本来五番町の料理人全員に解説しているのに望月だけを名指しな上、李さんは普段は他人に「ミスター」などと付けて呼ばないため、明らかに馬鹿にされていると思われる。
これが読者にウけ、以降望月は「ミスター」と呼ばれることになった。

以上のようにすがすがしいほどヒドイ人間であるが、あだ名の件からもわかるようにその奇行や失敗シーンを楽しむファンも少なからずいる。なんという道化役


そんな望月の数少ない美点を挙げるとするならば……

いかなる状況でも終始一貫「自分は反省しない」姿勢を一切崩さなかったことと、たとえオーナーが相手でもどうどうと刃向かえるなにもかもが間違っているのはさておいて図々しいまでのふてぶてしい勇猛さなど、精神力そのものはホンモノだったということだろうか?
もちろん間違った意味でだが。まあある意味これくらいのメンタルの図太さがないと五番町飯店では務まらないというのも事実だとも思うが。

なおスピンオフ『鉄牌のジャン』シリーズ2作においても彼に相当する人物が登場している。名前だけでなく見た目もほぼそのまま。
こちらの望月に負けず劣らずのダメ人間であるが、雀荘のホールスタッフという立場上麻雀が特別に強い必要はないため設定に無理がないことや、イカサマをしようとしてジャンに負けてこき使われるなど制裁を受ける場面も多いことなどから、全体としては原典よりまだバランスが取れたキャラ造形になっている。
そして第2作『VR』では終盤、彼を巡るまさかの展開が描かれたりする……。




やってらんねーよ! このヤローは腕が治ったらまたいつもの秋山にもどっちまいやがった!
オレが作った項目にケチつけやがって
てめえなんか一生腕折っておとなしくしてろ!

はあ~?

秋山なに言ったんだ?

「追記・修正が足りない」と言っただけだ

………まだ他にも言ったろうが!

「校正やネタバレのチェックや言い回しくらい覚えとけ」と言った

まだあるだろ!

「それでもWiki篭りのつもりかよ」───

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最終更新:2026年09月18日 11:30

*1 小此木のことを抜きにしても、ジャンが帰還した上に彼より圧倒的に実力が上の蟇目・五行・リュウジまで雇われてしまったので、もはや実力不足が明白な彼を鍋に置いておく道理は全くないと言ってよく、彼の未来が明るいものではないことは容易に想像できる。

*2 何故雇用契約が続いているのかという疑問はもちろん、この際クビにした方が店の為にも望月本人の為にもよろしいのではないかという疑問もまた同時に生まれるほどである。

*3 捨てた、と断言はできないがダチョウ肉のステーキを「良い肉を調理で台無しにした」とその場に叩きつけている。ただしその後ちゃんと丁寧にステーキの焼き方を教えたり誠意のある振る舞いをしているが。

*4 アニメでは五番町飯店に行くことを命じた階一郎へ不満を言うジャンの独白が追加されておりわかりやすくなっている。

*5 もっとも、このような自分磨きを怠る甘さを棚上げし、他人の揚げ足を取ってマウントを取ろうとする態度から、周囲から白眼視される褒められたもんじゃないことであろうことは言うまでもないだろう。

*6 いくら望月が下手とはいえ周りから「言い過ぎ」と言われるほどに。改善しない望月も望月で正直自業自得、因果応報である。

*7 すでに見限られてると見たほうが妥当と思われるが、それならばますますお互いの為にさっさと解雇してあげたほうがいいんじゃないかとしか思えない…。

*8 というのもジャンはこれから勤務先になる場の従業員の掃除の手間をしっかり考慮できているのだ。ここが口調こそ露悪的であれ、なんだかんだで上から目線ながら仲間意識が篤いジャンの精神性を改めて再確認できる比較である。

*9 睦十はこの時点で不甲斐ない春巻を散々食べさせられていたため相当頭に来ていた。

*10 実際適当に切って大きさがバラバラになるのはタイミングが測りづらくなり、意図せずして満足に火が通ってないものも出てしまい、結果食中毒のリスクが跳ね上がるのは留意されたし。

*11 俺“達”と勝手に周囲を巻き込む責任転嫁に徹した自己中心的な心根がポイントである。

*12 五番町飯店は『2nd』時代では海外進出するほどに拡大しており、無印時代の店員だけでなくジャンや李のような本物の実力者も銀座の本店にはいなくなっているので、マトモに考えれば彼らも支店に異動したというところなのだが、何せ望月のことなのでそんな実力があるように感じられないというのが大方の読者の印象であろう……