アットウィキロゴ

陸一族(鉄鍋のジャン)

登録日:2012/05/31 Thu 07:55:12
更新日:2026/08/18 Tue 18:29:17
所要時間:約 12 分で読めます





いま───アジアの中華料理店でワシの力の及ばぬ店はない!

やがて世界中の中華料理店を支配下におく それが百蘭王(パイランワン)のなすべき仕事なのだ



鉄鍋のジャン!』に登場する一族。

【概要】

一族の長である百蘭王(パイランワン)を頂点に数千年前から中国料理界を牛耳る料理人一族。
日本を除くアジアの中華料理店は全て陸一族の支配下であり、一流料理店や一流ホテルだけではなく食に関する物流や販売に到るまでも支配下に置いている程その権勢は凄まじく、時の皇帝さえ逆らうことができなかったほど。
即ち作中世界における中国を影から支配するフィクサーのような存在であった。

次世代の百蘭王候補である陸一族の修行は非常に厳しく、生まれてから最初に口にするのは母親の乳ではなく料理の基本である『』。*1
まずはを振るうことを繰り返し叩き込まれるが半数が脱落してしまう*2
残った者は「百八厨房」に回され料理の五行を叩き込まれることになる。


作中では実孫の黄蘭青が選ばれたが他の百蘭王候補から物言いが付き、日本の『第2回全日本若手中華料理人選手権』で優勝したものが次世代の百蘭王となる事になることが決定。
ジャン達と勝負することになる。


【用語】

  • 百蘭王(パイランワン)
陸一族の頂点に立つ一族の長としての称号。
実力によって後継者が定められる襲名制であり、個人の名前ではない。

  • 百八厨房
百蘭王になるための修行過程の一環。
「木・火・土・金(属)・水を制すれば全ての料理を制する事が出来る」という独自の陰陽五行思想に則った、以下の中華料理の「五行」を叩き込まれることになる。
(ホオ):鍋の温度を中心とした、加減全般の扱い
(シュイ):どんなに質の悪い水でも料理を作るための、料理に適したの作り方
(ムゥ)野菜や穀物の扱い方
(ヂヌ)包丁や鍋を扱う技術全般
(トゥ):陸海空のあらゆる食肉の扱い方
これらを全て極める事の出来たほんの一握りの精鋭だけが『百蘭王』になれる資格を得る。
本編に出てきた若い陸一族の面々は皆この修行過程の途中で大会に参加している。

  • にぎり
陸一族秘伝の餃子早作りの奥義。
猛スピードかつ正確な等間隔で綺麗に並べた餡の上に素早く皮を置いて、仕上げに皮ごと餡を順手で掴むように握ることで掌の中で一瞬の内に餃子を完成させてしまう技巧。
通常の餃子製作には
  1. 手に取った皮に餡を入れる
  2. 餡を入れた皮を二つに折って包む
  3. ひだを作りながら皮を閉じる
の3アクションが必要な「餃子の包み」だが、「にぎり」を用いることで僅か1アクションで完成させることが可能になっている。
扱いには掌の精密な力加減が必須であり、にぎり加減が甘いと皮が閉じ切らないのがこの技巧の欠点。
『2nd』では瞬握包(シュンウォバオ)というかっこいい名前が付けられていた。


【一族紹介】

党首

  • 百蘭王(パイランワン)
百蘭王(パイランワン)の支配の外にある日本───
それはつまり日本人は百蘭王(パイランワン)の料理を味わえないという事だ
二流三流の日本人料理人がこれぞ中華と言わんばかりに未熟な鍋をふるっておる
これはワシにとってもなげかわしい事だ

作中の当代の百蘭王。
ジャンの祖父である階一郎やキリコの祖父である睦十と同世代であるため、登場時点で結構なご高齢であった。

権力欲の強い非常に傲慢な性格で、若いころから自分の支配下にない日本を不幸扱いして見下しながら憐れんでおり、上から目線で日本の中華料理業界を支配しようと目論んでいた。

全盛期だった頃の実力は凄まじく、階一郎と睦十が同時に挑んでようやく引き分けに持ち込めた程。
ちなみに勝負の内容は「餃子をどちらがより多く正確な形状で作れるか」というもので、味ではなく数で競うことになったのは「味での勝負だったら確実に自分の勝ちになってしまうから可哀想」という傲慢な理由。
僅か15分で600個を包んだその技量と超スピードは、若い頃の階一郎と睦十の度肝を抜いた。

また、1990年代の香港・九龍城で若い頃の崔会長・ 大谷日堂 伍行壊・五番町葉六と知り合っており、とある料理勝負の審査員を務めたこともある。*3
この時はあくまで審査員であり、勝負のルールも変則的だったので特に変わったこともしていない。 彼自身は
ただちょっと目の前で刺激的な現象を目撃したが、彼曰く日本の中華料理界は劣っているらしいので 日本人の美食家がひどい目に遭おうが あまり気にしなかったのだろう。

しかしそんな威勢も過去の話。今ではすっかり衰え「老いた麒麟は駑馬にも劣る」*4と揶揄されるほど。
後継者候補の子供達に虐待同然の修練を課して嬉々として笑うなど酷薄な面もあったためか*5一族の中でのカリスマ性は無きに等しく、一族は老いた百蘭王の意向を無視して勝手に後継者争いを始める有様で、長としての統率力すら喪失*6
最早権力と過去の栄光にしがみついている老害、いや老害ですらない時代遅れの遺物と化しているのが現状である。残念でもないし当然

なお、睦十は説明時に彼のことを「先々代」と言っているが、実際には上記の通り一応は当代である。記憶違い?
一方で「先代」呼びされてる場面もあり、黄にやるよう命じた時点で(当代は暫定的に黄or空席で)「先代」扱いになったのかもしれない。

『2nd』でもチョイ役として登場したが、点滴必須で死にかけの寝たきり老人になるまで老いさらばえる見窄らしい姿に転落。
おまけに今際の際になって階一郎と睦十が山下資金や一族の財宝を強奪した桃明輝の仲間であることに気づいてしまい、一族の財宝及び山下資金の奪還を黄に託して無念の内に事切れる冴えない晩年となってしまった。


いただけない焼きソバだねぇ
場所が後楽園だけにこおら食えん(・・・・・・)!なんちゃってハハハーーーッ

【料理は半歩先】
笑顔を絶やさず寒いダジャレを連発する、穏やかな物腰の青年。
普段は他人をおちょくるような言動と飄々とした態度で周囲を煙に巻いているが、その正体は当代の百蘭王の孫であり彼の次期後継者である。
そして無印時代での(事実上の)ラスボス
しかし黄本人は百蘭王の称号を継ぐ気など全く無く、自分の名前である黄蘭青を新たな称号として世界の食を牛耳るつもりでいる野心家。
料理は半歩先」という信念を掲げるように、普段の穏やかで飄々とした態度も実際は「自分が最も優れている」「食感を使い熟せない奴等に負ける筈が無い」という不遜な自信家の本性を隠す仮面に過ぎない。

無印時代は次代の百蘭王になる気はさらさら無いことを公言していたが、『2nd』で登場した際は次代の百蘭王の座を継承している。
詳しく個別項目を参照。


その他

  • (りく) 延雀(えんじゃく)
おまえら日本人には中華四千年の歴史は到底わからない!本物の中華料理は絶対出来ない!!
この陸延雀様が秋山ともども残りのヤツらも全滅させてやるぜ!!

上海出身の眼鏡の青年。
一見礼儀正しそうに見えるが、実際は日本の中華料理人を「サルマネ野郎」「心が無い形だけの中華料理を出す連中」として見下しており、基本ケンカ腰で接する高慢な性格。
上記の「にぎり」の技術の改良型を習得していたが、握りをさらに改良したジャンの秋山醤式ギョーザ包み改の速度には敵わなかった。
さらにジャンの技に動揺し自身の作った餃子の中に口が閉まりきらないものがあったことに気付かず、中身の臭みが他の餃子に移ってしまうという大失態を犯してしまい2回戦敗退。
会場から出て行こうとした所をジャン達に呼び止められ、尋ねられるまま前述の百蘭王についてを話してから失意の内に会場を去った。


名前の由来はおそらく「小者」を意味する「燕雀」、かませは運命か……
こんなんでも大会後でさえ黄から顔王・麗花と並んで百蘭王に相応しい人物として投げやり気味に名を挙げられている。
実は陸一族のレベルって相当低いんじゃ……


  • (りく) 顔王(がんおう)
下っ端料理人に勝ったくらいでいい気にならないほうがいいぞ
陸家四千年の技の前ではおまえの魔法など児戯に等しい!!

香港陸家の跡取りで、スキンヘッドかつ眼鏡の巨漢。コマによっては3m位ありそうに描かれることも……
延雀同様日本人を馬鹿にしている節がある。見かけによらず裕福な出であるらしく、高級料理志向。
ジャンの秋山醤式ギョーザ包み改を一目見ただけで習得してしまう程の実力を持っている。


調味料対決において尋常ではないインパクトと悪臭を誇る高級魚、ネズミハタから魚醤を作り出し、悪臭を全て消し去った上でウズラ肉のたたきと合わせた料理を制作。
生臭い魚と肉を上手く組み合わせた料理だと絶賛されるが、ジャンの「飲めるラー油」を使った誰にでも受け入れられる炒飯には及ばず3回戦で敗北した。


  • (りく) 麗花(れいか)
フフッ 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言っていたのは確か孫子だったかしらね
あたしは負けないわよ!対戦相手を調べて試合にのぞんでいるんだもの

【料理は傾向と対策】
台湾出身にして大会に出てきた陸一族の中では紅一点。
ちなみに彼女も眼鏡である。あとこの漫画じゃこれがデフォルトサイズだがかなりの巨乳。糸目で常に好戦的な笑顔を浮かべている。
陸一族の例に漏れずプライドと選民思想は強く、日本の中華料理人を初心者と呼んで憚らない。
「料理は傾向と対策」が信念で、対戦する相手の事を入念に調べて傾向と対策を練って挑むタイプ。この為「勝つ為だけに料理をしてる奴」とキリコの印象は悪い。
彼女も顔王同様ジャンの秋山醤式ギョーザ包み改を一目見ただけで習得する優れた技量を有する。


2回戦の餃子対決では小此木をコンセプト丸被りの上位互換料理で一蹴し、3回戦の調味料対決でキリコと対戦。
甘酸っぱい醤に鶏肉の揚げ物と昔から相性が良い組み合わせの料理を出したが、キリコの濃厚なアボガド*17醤と更に濃厚な仔牛の脳味噌という未来に繋がる新しい組み合わせの料理に敗れる。
でも狂牛病問題が起きた今じゃあ牛の脳味噌は食えんなあ。





「アニヲタ百八厨房」ではいわゆる陰陽五行の思想にのっとって「火」「水」「木」「金」「土」の扱い方を会得する修業をする

「火」───ネタバレや煽り、荒れそうな話題の対処法を学ぶ
「水」───起承転結、順序や時流に合わせた言葉選びを学ぶ
「木」───校正、追記・修正を学ぶ
「金」───コメント欄、他の利用者とのコミュニケートを学ぶ
「土」───項目作成のやり方を学ぶ

「火」から「土」までをすべて極めたもの
残りに残った者だけが Wiki篭り王の後継者となる資格を得るのさ

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月18日 18:29

*1 言うまでもなく乳幼児はまだ身体が出来ておらず、塩分の許容量もごく小さいので、実際の育児の際は絶対にマネしないように!

*2 この場面で出てくるモブキャラは北斗の拳の三兄弟そっくりである

*3 『五行クンの楽しい香港生活』での描写。無印本編では大谷は百蘭王の名に対し「その名前はたしかにワシも聞いたことはあるが」としか感想を抱いておらず、崔会長もノーリアクション。

*4 「どんな名馬も歳を取ればのろい馬にも劣る」転じて「いかに優れた人物でも歳を取れば凡人にも劣る」という故事成語

*5 黄の回想でも青竜刀の上で鍋を振らせた挙句に「お前の代わりはいくらでもいるがお前の足の代わりはないぞ」と大笑いしている

*6 黄を指名したのは単純に黄が一族の中でも抜きん出た料理の腕前と才覚の持ち主であるためだが、それに関しても「指名した自分の顔に泥を塗るな」と言い出してしまっている

*7 スズキ目ハタ科に分類されるハタの一種で、ハタの中では最も高価な食材。サラサハタとも呼ばれる。

*8 工程は鮒寿司に似た塩漬け。

*9 「丸蒸し」のこと

*10 鼻が敏感な特別審査員の麝香院に至っては臭さで倒れてしまった。もう化学兵器一歩手前である

*11 塩漬けにした魚を天日干しにして作った魚の干物

*12 ジャンの飲めるラー油炒飯は大谷が怒って0点を入れた結果のこの点なので、実質81対100の差。

*13 だからこそ丸蒸しにできる

*14 ペルカ目ハタ科に分類される巨大魚。体長は2mを超すものもあり、画像検索すればわかるが作中での姿そのまんま。ちなみに味はネズミハタに劣らず美味で絶品である。

*15 強いてフォローするならウコンはかなり種類が多く、ターメリックはその中の一種「秋ウコン」を指すものであるため、彼女や麝香院紫苑がウコンとターメリックを分けて表現したのもそれが理由……であるかもしれない。

*16 鶏肉の揚げ物にレモン風味のソースをかけた中華料理。「西檸煎軟鶏」とも呼ばれる

*17 正しくは「アボカド」だが作中では一貫して「アボガド」表記。この頃はまだこの表記が多く、美味しんぼ等でも「アボガド」呼びしている。