アーチャー(Fate)

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アーチャー(Fate) - (2020/02/04 (火) 09:42:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/05/29(金) 22:44:21
更新日:2024/04/12 Fri 20:40:41
所要時間:約 29 分で読めます






了解した。地獄に落ちろマスター



Fate/stay night』に登場する人物。第五次聖杯戦争における弓兵のサーヴァント。マスターは遠坂凛

白髪と褐色の肌、赤い外套が特徴的な男性。
性格は冷静沈着だがキザな皮肉屋でもあり、度々皮肉混じりな発言を相手に突きつける。
だが根はお人好しであり、時々拗ねて子供っぽい一面を見せる。






乱暴な召喚で記憶が混乱して自分でも真名を思い出せないそうで、召喚者である凛も真名を知らない。また、聖杯にかける程の大層な望みはないと語り、願いをかけるつもりはないらしい。
もしも聖杯に願いをかけるのであれば、『恒久的な世界平和』を望むという。

英霊にも関わらず、何故か家事が得意(本人は否定)で紅茶を美味しく淹れたり、料理も美味いと多芸で仮に執事のランクがあるならA+。

「弓兵」クラスのサーヴァントではあるが、本人は主に双剣での接近戦を好み、弓矢を使うことはほとんどない。中華系の夫婦剣、ギリシャ神話の盾やケルト神話の剣など、統一性も何もない様々な宝具を使うだけでなく、普通のサーヴァントであればまず使わない壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)を積極的に使うなど、人の常識を超越したサーヴァントの中でも極めて異端な戦法を取る謎のサーヴァント。

衛宮士郎とは顔を合わせる度に険悪な雰囲気になり、彼の理想である「正義の味方」を「掃除屋」と吐き捨て否定するなど手厳しい態度を取り、互いに嫌い合っている。
その一方で誰にも理解されなかった彼の魔術の特異性を把握しており、適切な助言を行うといった奇妙な一面を持つ。

『Fate/stay night』のプロローグは士郎ではなく凛視点のものであることから、プレイヤーが最初に目にするサーヴァントはセイバーではなく彼。
召喚されて早々に凛の乱暴な召喚の影響で上空から家に叩き落された為に非情に不機嫌そうな顔で座り込んでいた。
当初は召喚方法の乱暴さから凛を未熟者と判断して聖杯戦争から遠ざけようと皮肉混じりに忠告するが、その言葉にキレた凛に令呪をもって強制的に彼女の指示に従って聖杯戦争を戦うことを余儀なくされる。

しかし、自身にかけられた令呪の効果で凛が魔術師としては突出した実力の持ち主であることを察し、凛を未熟者と侮った自分の判断が誤りだったと素直に謝罪。彼女を自分のマスターとして認め、サーヴァントとして彼女の力となることを約束する。

そして、単独行動をしていたランサーと遭遇し、凛のサーヴァントとして彼と戦う。これが、第五次聖杯戦争の最初の英霊同士の戦いとなった。
その戦闘は凛や彼女の視点から見るプレイヤーからしても人知を超えたレベルの戦いであり、サーヴァントという存在の規格外さを知らしめた。



※以下、アーチャーの真名(ゲーム最大のネタバレのため注意)

































真名は「エミヤ」正義の味方を目指した衛宮士郎のなれの果て。 
生前は己の理想である『正義の味方』になる為に修練を続け、ある事故にあった約百人の命を救う為に『世界』と取引し、死後は『守護者』となる契約をした。
その後、世界の危機をも救い、遂には英雄とすら呼ばれたが見返りを求めない彼の行為は人々の恐怖を買い、裏切られ続ける日々の中で最後は救った筈の人物に罪を被され、処刑された。
しかし、それでも彼に後悔はなく、満足げに死んでいったという。

死後は生前に交わした『守護者』になる契約で、更に多くの人間を救う事を望んだ。
生前は己の力が足りなかった為に"多数を救う為に少数を切り捨てる"やり方をせざるを得なかったが、英霊の力ならば"誰もが幸福な世界"を実現出来ると信じていた為に。
だが、守護者は彼の願った「人を救う」などという役割ではなく、ただ人類の滅亡を回避する為にその起因となった加害者と被害者の全てを皆殺しにして起きた事をなかった事にする「掃除屋」に過ぎなかった。何の因果か、この様な「大のために小を切り捨てる」方法は養父、切嗣と同じである。
信じ続けた己の理想にすら裏切られ、拒絶する事も許されずに虐殺を続けた末に彼の信念も遂に磨耗し、かつての自分を憎み、自らの手で殺す事で自身の消滅を望むようになった。
延々と守護者の役目を果たしながら、凛の召喚によって遂に第五次聖杯戦争に参加する機会を得、過去の自分である衛宮士郎を見定め自身と同じ道を行くのであらば殺害を目論んでいる。

とはいえ、英霊(守護者)となった時点で元の存在とは別物として、より高次元の英霊の座に記録されてしまっているので元となった人物を殺したところで英霊としての自身を消せる可能性はほぼ存在しないことは当人も自覚している。
それでもその可能性に賭けなければ自らを許容出来ず、自分の手で自分を殺す事という矛盾と歪みによって或いは起きるかもしれない自らの消滅の可能性にかけている。
この行動を本人はただの八つ当たりにすぎないと口にするものの、その内にあるのはかつて己の理想の為に奪ってきた命に対する自責の念とそれに対して自分が行える唯一の贖罪という罪悪感である。奈須きのこ曰く

「アーチャーが自分殺しを行おうとしているのは自身の救いの為や八つ当たりなどではありません。士郎が今後正義の味方の名の下に生み出すであろう犠牲者を生み出さない為、そして過去の自分を殺す事が罪人である自分が出来る唯一の贖罪だと思っているからです」

ゆえに本人自身に過ちと認めさせねばならず、ただ殺すだけなら何度も機会があったが実行に移さなかった。

触媒は凛のペンダント。アーチャーが生前に死に掛けた際に救ってくれた顔も知らない命の恩人の持ち物を肌身離さずに持ち歩いていた。
召喚者ではなく英霊側が触媒を持っているという極めて稀なケースであり、よほど強い繋がりを持つ触媒を用意しない限り、凛が召喚するサーヴァントはアーチャーになる。

実は序盤から、
  • ペンダントを士郎のところに置いてきたままだった凛にアーチャーがペンダントを「拾ってきた」と渡すが、士郎はペンダントを持ったまま(一つしかないはずのペンダントが二つある。当然片方はアーチャーが生前から持っていたモノ)
  • 士郎は元弓道部員で、申し分のない腕前の持ち主
  • ランサー戦で無限に剣を取り出すアーチャーに対し、士郎の魔術の適性の一つに「投影」が挙げられる
  • 士郎がアーチャーを生理的に嫌う一方で、彼の言葉に妙な納得を覚えたり、彼の言葉の続きがわかってしまう
……などなど、かなり伏線は張られていたりする。

未来の英霊の為に知名度補正は皆無。英霊の格も自身の力では足りず、守護者となる契約によって組み込まれた末端の英霊の為に、神代の強豪揃いの第五次聖杯戦争においては他のサーヴァント達と比べ、格で言えば数段劣る。
その為に「EXTRA」やその他作品では「英霊としてはそこまで強力ではない」と紹介される場面も。

それでも平均的なサーヴァントは優に上回るレベルのようで、並のサーヴァントとほぼ互角だという死徒二十七祖を相手にしても圧勝出来ることが挙げられている。
EXTRAでは少しパラメーターやスキルなどが上昇しているが、EXTRAマテには無銘として呼ばれたことで筋力と幸運が上昇したと書かれている。

宝具は所持していないが実質宝具として扱われるまでになった「固有結界無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)」とそこから零れおちた「投影」を駆使して戦う。前述の複数の宝具も投影で作り出した投影品であり、厳密には宝具ではない。
普段は二振り揃うことで防御力と対魔術が向上し、投影の負担も低い『干将(かんしょう)莫邪(ばくや)』を愛用。
無限の剣製も担い手のサーヴァントにとっては多少厄介な能力で必殺たりうるものではないが、培ってきた「技量」と「経験」、投影品の宝具を上手く使いこなす事によって他のサーヴァントと渡り合う。

弓兵でありながらも双剣による接近戦を好む変わった人物。しかし、その剣技は剣の英霊たるセイバーをして、清廉さを思わせる見事な剣と讃える程。
能力制限されていたとはいえランサーを相手に互角以上に渡りあい、ギリシャ最強の英霊たるバーサーカーをして、
「得難い難敵だった。惜しい事を、もし自らに理性があれば互いに存分に剣技を繰り広げ、より素晴らしい闘いになっただろうに……」と最大級の賞賛をさせた。特に守りに関しては鉄壁と称されるほどに優れているという。
その剣はセイバーのような才に満ち足りた剣とは対極にある、凡人が血の滲む努力の末に辿り着いた剣とされる。

記憶喪失というのは半分嘘で半分本当。召喚当初はホントに記憶が曖昧で、凛の事も覚えていなかった。
一晩経った事で記憶が戻り、漸く目的を可能とする機会を得たと確信。己の悲願を達成させる為にあえて記憶喪失のままという事にしていた。

凛の名前を聞いた時に、磨耗したはずの記憶がフラッシュバックの様に過ったとか。
「では凛と――――ああ、この響きは実に君によく似合っている。」
このセリフは狂おしい程の親愛の情が籠っている。

衛宮士郎としての記憶は焼ききれて磨耗しており、生前の事は殆ど覚えていないという。
しかし衛宮切嗣によって自身が助けられ、正義の味方を目指すキッカケとなった光景は覚えていると語っている。

生前の知人達に対して、何らかの思いを持っているようでセイバーを視認した時は体中に電気が走ったかの様に硬直している。

なお、本編のプロローグである士郎とセイバーの出会いだが実はコレは士郎の視点ではなくアーチャーの視点、つまり彼の回想によるもの。

『昔、ある出会いがあった。
 おそらくは、一秒すらなかった光景。
 されど。
 その姿ならば、たとえ地獄に落ちようとも、鮮明に思い返すことができるだろう。』

この光景は彼の記憶に美しいものとして刻まれた一枚絵のようなもの、彼にとってセイバーとの出会いの光景は自身の記憶よりも尊いモノだった。

今でもセイバーには特別な感情があるようで、度々気にかける発言をしている(凛は皮肉混じりだけど、セイバーを気にしての発言・忠告なんじゃないかと考察していた)。
またUBWルートでは、「君こそまだ間違えた願いを抱いているのか?」と発言したり、
士郎がアーチャーの気持ちを代弁して「お前を救う事がオレには出来なかった。」と語っていたりと、後悔の念や大切に思っていると伺える発言している。
だが、例えセイバーでも目的の邪魔になるなら容赦なく排除するリアリストでもあるようで、作中では下手すればセイバーを巻き込む広範囲攻撃を行っており、自身の前に立ち塞がった際には切り捨てようとした場面がある。
とはいえ、過去の自分がセイバーを庇う行動を読んでいた節もあり、結局それらは全てセイバーには傷一つつけることがなかった。
他作品でも円卓の騎士などと対面した際にはセイバーの事を口にしたり、サンタオルタなど普段とかけ離れた奇行を行う彼女になんとも言えない曖昧な表情で沈黙して困惑したりなど、敬愛やら友愛やら色々と入り混じった複雑な感情を持っている様子である。

イリヤには負い目を感じているようで、HFルートでは彼女に対して申し訳なさそうな目をしていた。
藤ねえこと藤村大河は今でも大切に思っており、UBWルートでキャスターに人質に取られた際は彼女の危機に真っ先に心配していたという(この際に「――無事か!?」という台詞を発しているが、実は凛ではなく藤ねえの安否を確認する為の言葉と解説されている)。
桜はHFまで聖杯戦争に関わらないため殆ど触れられず、そのHFルートでは世界の危機から士郎に殺すように忠告する場面がある。生前に間桐家の内情を知ることもなかったようで、アーチャー自身も個人的な肩入れをする気はないとコメントされている。
とはいえ、大切に思っているのは変わらないようで、CCCではそれなりに絡む場面もあり、彼女の面影があるアルターエゴ達に対して思う所がある様だ。

また、生前の聖杯戦争の経験もある程度は覚えているが、殆ど磨耗しているうえに詳細の多くは不明である。

Fateルートではセイバーを目にした為に驚きから膠着してしまった隙をセイバーに衝かれ重傷を負い、長期離脱。
復帰後、凛と共に攫われた士郎の救出に同行。バーサーカーから凛と士郎とセイバーを逃がす為に殿を務め、決死の足止めも行うも力及ばずに敗北。しかし、バーサーカーの12の命の内、6つを奪っており、士郎とセイバーの後々の勝利に貢献した。

HFルートでは黒桜の影によって霊核を破壊される致命傷を負い消滅寸前の事態に陥るも、ただでは消滅せずに片腕を失って瀕死の士郎に自らの腕を移植させる事でその命を救った。
その直前、意識を失っていた凛の黒い髪を優しい手付きで梳きながら、「ここまでか・・・・・・。 達者でな、遠坂・・・・・・」と、皮肉屋の彼らしくない親愛に満ちた声で凛に別れを告げていた。
尚、アーチャーの魂は、アインツベルンの小聖杯の護り手であるイリヤが近くにいたお陰か、彼女の方に回収されたと思われる。

UBWルートでは中心人物として大活躍。序盤から士郎に接触し問答の末に過去の自分と同じ道を行くと判断、抹殺を決意する。
中盤にて凛を裏切り契約を断ち、終盤で遂に士郎と激突。

魔力供給を失った為に能力が10分の1以下になる程の弱体化をしながらも士郎を圧倒し叩きのめす。

そして士郎の理想を切嗣から借りた『借り物の理想』と否定、自身の意思ですらないのに正義の味方を語る偽善者とし、彼を心身共に追い込む。
しかし、自らの信念を『借り物』と断じられ、半ば自覚さえしつつも、それでも諦めずに戦う士郎の姿に理想を目指し続けた昔の自分を思い出してしまう。
かつて誰にも譲らないと誓った理想。
例え、自分が偽者だったとしても目指したモノの美しさは変わることはないと信じ続けていた時の自分の姿を。


決して、間違いなんかじゃないんだから…!


そして、胸に剣の一撃を受けたアーチャーは静かに、自らの敗北を受け入れた。
その直後に金ピカの奇襲から士郎を庇って深手を負い、更なる追撃を食らい退場したかに見えたが……辛うじて存在を保ち、クライマックスでは士郎と凛をフォロー。
見事彼らを勝利に導き、昔の彼を思わせる少年のような笑顔を見せながら消滅した。


「答えは得た。大丈夫だよ遠坂。オレも、これから頑張っていくから」


尚、答えを得たがそれは召喚されている間まで、再び召喚されれば彼から記憶は失われてしまう。
やり直しを望み続け数え切れない程の後悔の中で彼はこの結末を恨み続けるとされる。しかし最期には全ての結果を受け入れていた。


それでも―――俺は、間違えてなどいなかった―――


コンマテ3によると第五次聖杯戦争時点で千を超える宝具を貯蔵していて、様々なサーヴァントから宝具と戦闘技術を習得しているとのこと。

ホロウでは凛の「誰にも橋を渡らせてはいけない」という命令から、弓兵として本領発揮。約4km離れたビルから超遠距離射撃を行いランサー(Fate)ライダー(Fate)でも橋を突破出来なかった。
その為、剣による接近戦より弓兵に徹した方が脅威ではないかとファンから指摘される時も。
しかし、士郎とセイバーの令呪を用いた奇策によって敗れた。

迷シーンに釣り勝負があり、高級ロッドに、品切れの十六個のボールベアリング、電動操作の巻き上げ式リールのフ○セスーパーオートメーション。
「本物を買えば」総額二十万三千円にもなる釣り竿を全部投影して、はしゃぎながらランサーを圧倒するキャラ崩壊ぶりを見せ付けた。


「フィィィッッシュ!!イィィヤッホォォォーーー!!」

「なあランサー、別にこの港の魚を釣りつくしても構わんのだろう?」


奈須きのこはこのネタはSNの頃からやりたかったらしいが、今は黒歴史とか…。

Fate人気投票は常に第三位にランクインし、男性キャラなら型月トップ人気。最近のTYPE-MOON人気投票でも3位で、Fateメンバー内では2位。とうとう凛すら上回ってしまった。
その人気の為か待遇は良く、アニメ第14話は専用EDが流れた。

奈須きのこ曰くFateの裏主人公はアーチャーでもあるとか。

因みに、ゲーム中の士郎とは違う「アーチャーになった生前の衛宮士郎」の人生がどのようなものであったかは詳しくは不明。
公式では「どのルートもエミヤになる可能性はある、ただ基本的に可能性は限りなく0に近い」と発言されている。凛が側にいる限りはエミヤとなる事はないと断言されている。
後の公式によると「セイバーと共に聖杯戦争を勝ち進むも彼女の事を理解はすれど、救う事は出来ずに聖杯を破壊して別れた。」と語られており、没になった「セイバールートのグッドエンド」が近いらしい。


Fate/EXTRA

赤セイバー狐耳のキャスターと共に、主人公のパートナーサーヴァントの一人として登場。
彼をパートナーとした時の難易度は「Normal」とされ、育て方にもよるがセイバーほどの攻撃力はないがキャスターほど脆くもない、まさしくノーマルなサーヴァント。
「投影魔術」を駆使した戦闘が基本だが、「投影準備」を重ねないと強力な投影は出来ず、こまめに準備してここぞという時に使う、ややテクニカルな運用が求められる。

SNからの続投組ということもあり、シナリオでは凛やランサー等とのイベントで思わずニヤリとしてしまうような台詞を言うことも。
パートナーサーヴァントとのイベントでは、SNでは詳しく語られなかった『エミヤとしての人生』も語られる。凛とは共にロンドンには行ったが、さほど長い期間一緒にいた訳ではなく、恋人と言える程の関係ではなかったようだ。

真名は『エミヤ』でなく『無銘』。
出自も異なっており、此方はムーンセルと契約をして代償に死後は正義の味方の概念が形どった者としてムーンセルに使役されているという。
尤も真名は違えど同一人物であり、ビジュアルファンブックの解説で無銘とエミヤは正真正銘同一人物と語られている。
しかし、EXTRAマテには無銘とエミヤはほぼ同一存在であって同一人物じゃないと書いてあり、公式でも扱いが別れているが詳細は不明。

「帰ってきた!ブロッサム先生 狐虎編」によると、
「アーチャーは抑止の輪側の英霊だけど今回は英霊の座から喚ばれたから抑止力の奴隷になってない」との事。Fate本編と若干性格等で差異があるのはそのせいなんだとか。
スキルも心眼(偽)となっている(説明文が同じなため誤植の可能性あり)。

本編より性格が丸くなった印象を受けるのは、「EXTRA」では士郎が不在であり、自分殺しの願望から解放されているからだとか。
また正義の味方を否定的だった「stay night」の時とは違い、自らを「正義の味方」「正義の体現者」と特に気負うこともなく名乗っている。
本人によると、主人公の影響で「以前の自分なら憎むだけの事だったが、自分でも信じられない話だが今はアレはアレで悪くない人生だったと思えている」との事。
しかし、自らは「正義の味方」ではあっても「英雄」ではなかったと語り、自らの所業を悪と断じている。

宝具は変わらず、「無限の剣製」で使用時には『エミヤ』のアレンジ曲が流れる。


続編の『EXTRA CCC』にもパートナーサーヴァントの内の一人として登場するが…なんとその新コスチュームは裸ジャケット。
当初は本人も不本意だと語っていたが、ちょっと褒めると「実はこんな格好をしてみたかった」とノリノリになり出す。ちょろいもんである。
ちなみにキャラクターデザインのワダアルコ氏は他のキャラの方がぶっとんでいたためにデザイン完成時は「まだマシになった」と思っていたが、後で冷や汗が出たとか。
そのコメントが書かれているマテ本には、「いかんでしょ…」とワダ氏を責めるかのように冷や汗をかいたアーチャーのラフ画も掲載されている。
海パン一丁になると自分の鍛え上げた肉体の自慢を始める。

男主人公の場合は兄貴分として、女主人公の場合は主人公の好意に気付けない朴念仁としての側面が強く出ている。

ネタの方面もなかなか強化されており、


「法律に反しないかぎり、男女交際は積極的に行うべきだ。
人間だって動物なんだから、そこは仕方ないだろう」

「可愛い子なら誰でも好きだよ、オレは」


だのと堂々と言い放っておきながら、自身の女難を嘆く。どう見ても自業自得です。本当に(ry
しかし、恋人が出来たとしても皆数ヶ月で別れてしまうらしい。サバイバーズ・ギルトの彼にとって幸せな日々を過ごす自分に罪の意識を感じるらしく、付き合った女性もまた彼の内面を感じ取って「この人は自分の手には負えない」と感じて別れ話を切り出されてしまうという。
更に厄介なワケありの女性ばかりで甘い経験も一度もない模様。

また生前に苦い経験でもあるのか敬遠するタイプに力ある魔術師を挙げていて、
「聖杯戦争に参加した選ばれた力のある魔術師なんてオレが一番敬遠する人種だよ。助ける事も認める事など有り得まい。」と辛辣に語っている。
故に記憶を失った状態で主人公と再開した際は聖杯戦争に参加している以上、魔術師であろう主人公に自分が協力するとは思えないと洩らしていた。

個別ルートに入ると(EXTRAの時間軸における)生前の彼自身が、目を覚ました主人公の本体と民間人用ボランティア団体のサバイバル教官として出会う。

また、ムーンセルが観測した時間軸の再現という形で、SNのそれを再現した凛とのパートナーとして現れる。サーヴァントとして経験してきたものが違うためか、若干声が重々しい。
曰く『守護者』ならこの手の衝突もあるとのこと。

そしてCCCルートでは彼が生涯、死後ですらも追い求めていた、子供の頃に誓った願いが本当の形で成就する事となる。主人公に生前は叶わなかった夢を果たさせてくれた事に感謝をつけて別れを告げて去っていた。
CCC発売前に語られた奈須きのこの「このCCCはFateのある人物の結論でもある」という発言はこの事と推察される。


Fate/EXTELLA』ではアルテラと入れ替わる形で主人公のパートナーサーヴァントではなくなり、サブサーヴァントとして登場。
赤セイバー軍の武将の一人となっているが、赤セイバー曰く「いつの間にか自軍の将となっていた」とのことで、ガウェインアサシン先生、ランサーと異なり、見覚えはあるが聖杯戦争で戦った記憶はないという。

実は『EXTELLA』とは別の編纂事象からのストレンジャー。そちらの世界においては主人公の同位体である女主人公のサーヴァントであったが、アルテラに敗北した。
しかし、「消滅」するはずだった無銘は『EXTELLA』の世界に「移動」し、自らの世界で見た破滅を回避するために主人公に協力している。
その為、並行世界へと自由に移動できるアルキメデスの事は最初から全く信用していない。その正体までは掴んでいないものの、信頼していい相手ではないと直感しているのである。


Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

クラスカード:アーチャー』として参戦。限定解放(インクルード)では「黒い洋弓だけで矢が無い使えないカード」扱いだったが、黒化セイバー戦でイリヤ夢幻召喚(インストール)し使用、干将・莫邪はじめ御馴染みの投影宝具を用いた他、なんと『約束された勝利の剣』すら投影。
劣化しているとはいえ、本家セイバーの約束された勝利の剣に押し勝った。

「2wei!」以降はクロエ・フォン・アインツベルンの核として使用されている為、イリヤや美遊は使用不可。
「3rei‼」でもそれは同様だが、過去編において「並行世界の衛宮士郎」が間桐桜から託された屑カードを、自身を触媒に英霊の座に繋げ、その世界の第五次聖杯戦争に参加した際に使用したカードであることが語られた。
また、士郎は「自分自身のカード」ともいえるこのカードを使い続けた代償としてカード無しでも力を行使できるが、存在が英霊エミヤに置換されており、途轍もない速度で寿命が削られて行っている。そのせいか髪は一部が白髪になり、皮膚は所々焦げ付いて浅黒くなっている。

アーチャー自身がこの士郎をどう思っているかは不明*1だが、大盤振る舞いともいえる程大々的に力を貸しているので、そう悪く思っている訳ではないのかもしれない。


Fate/Grand Order

スマホ版Fateにも当然参戦。名義は『エミヤ』となっている。酷いネタバレだがUBWアニメ放映後だし多少はね?
レアリティは☆4(SR)で、チュートリアルガチャで確定で出てくるサーヴァントのうちの一人である。

カード構成はArts3枚とArtsを得意とするキャスター寄りであり、スキル「魔術」によるArts強化も持つ。これは本人の本質が弓兵というより魔術師だからか。
回避スキル「心眼(真)」があるので生存性は中々で、生きてArtsを回してPT全体のNP効率を高めて地味に戦っていくスタイル。
攻撃モーションは干将・莫耶での斬撃。
弓は立ち絵では持っているが、戦闘では全く使わない。そのくせ自分の絆クエストでは「アーチャーとはその名の通り弓矢を主武装にする英霊だ」などと宣っていたが…
(元祖SNでは弓を使うアーチャーはまるでいなかったが、今回はアタランテなど結構な数がいる)

宝具は「無限の剣製」。使用時にはきちんと「エミヤ」が流れる特別仕様。Buster属性で、防御力無視と敵の攻撃力ダウンの効果を持つ全体攻撃。
比較的スターが出るBuster属性かつヒット数がかなり多いので、スター発生率を強化できる「千里眼」とあわせてそこそこスターが出る。

総合的には地味ながら堅実に戦えるそれなりの性能だが、よく取り沙汰された問題点が、Arts強化スキルを持つにも関わらず宝具がBusterであること。
Artsが最大枚数なので魔術が腐るというわけではないが、宝具に乗らないカード強化スキルは全体で見ても稀。*2

しかし1周年記念イベントに合わせて強化クエストが実装され、魔術がArtsだけでなくBuster・Quickもまとめて強化する「投影魔術」にパワーアップ。これは過去にない形式の強化であった。
どのカードを引いていても最大出力の攻撃を叩き込めるようになり、確実に強くなった。
さらに700万DL記念に実装されたさらなる強化クエストをクリアする事で千里眼が鷹の瞳に強化。スター発生率UPが強化されただけでなくクリティカル威力UPも追加され、しかも高い倍率に関わらず3ターン持続すると言った超強力スキルに変化した。
そのおかげで☆4アーチャートップの瞬間火力を手にし、単騎になれば宝具で星を大量生産→クリティカルアーツブレイブチェインでNP回収→再度宝具発動、スター大量生産…と言った荒技も可能となった。
最後まで育てるのはなかなか骨が折れるが、愛をこめて育てるとリターンはしっかりある男。

2016年11月2日のアップデートでバトルキャラ、モーション、宝具演出がリニューアルされた。
アニメで披露した高速移動からの斬撃が追加され、さらにEXアタックが「鶴翼三連」→干将莫邪・オーバーエッジに変更された。
何より、重要なのは 弓を使った モーションが追加されたことである。
しかも通常の矢だけでなく、偽・螺旋剣を使用した壊れた幻想、ホロウで披露した赤原猟犬も使用するという豪華仕様である。

メインシナリオでは序章に登場。なんとアルトリア・オルタに屈したことで聖杯の泥に飲み込まれ、狂化した姿で主人公達に立ちふさがる。ただし狂化と言っても言動はいつもと大差ない。
TYPE-MOONエースでの読み切り漫画では該当シーンが大幅に脚色されて描かれており、燃える冬木で狙撃手として猛威を奮う。
最後には半身を失いながらも「聖剣」を投影して主人公を追い詰めるが、マシュ・キリエライトの宝具によって阻まれ、最後っ屁で主人公を狙った一撃もキャスターに撃ち落とされて消滅した。
アニメ版ではキャスターとの一騎打ちに敗れて消滅。
このように、メインシナリオ上ではシリーズでも珍しい純粋な悪役として描かれた。

反面、期間限定イベントやマイルームではいつもどおりのアーチャー。
マイルーム会話では青色のランサー金ぴかに嫌悪感を示していたり、相変わらずの家事スキルを活用している様子がわかる。
特殊会話は金星の女神野生の獣に反応。いずれもある程度依代に言及するような発言になっている。
未熟ながら世界を守ろうという意志が強い主人公に対しては色々と助言したり、世話を焼いたりしているらしく、当人からは「オカン属性」と言われている。
ブーディカらと厨房に立って食事を作ったりもしており、子どもの姿のサーヴァントからは「厨房のおじさん」扱いされることも。
なお、マシュからは「エミヤ先輩」と何故か先輩付けで呼ばれている。後に魔神セイバーからも「(守護者の)先輩」と呼ばれかけたがそちらは固辞していた。

ぐだぐだ本能寺では長宗我部元親のポジションとして釣り野伏を披露。「フィィィィッシュッ!」の台詞が上手くハマっていた。

セイバーウォーズではExtraシナリオ本発売記念としてネロ玉藻と一緒に登場。すっかり2人の保護者と化していた。
なお菌糸類曰く、GrandOrderにおけるエミヤはExtra組と一緒にいる間は「無銘」として動くとのこと。

クリスマスイベントでは好敵手の一人であるロビンと釣り勝負をするために海に繰り出していたが、もう一人のアーチャーのせいで難破してしまい、ロビンとともにダビデの排除を狙う。
最終的にはサンタオルタに3人まとめてボコボコにされた挙句にアーチャーの天敵であるランサー(騒音公害)を投入され、オルタ曰く「カトンボのように落ちていった」とか。

ダ・ヴィンチちゃんジャンヌ・オルタが騒動を起こした『ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊』では主人公の相棒として活躍。フリーダムに暴れる贋作英霊達にツッコミを入れつつ、贋作使いとして事態の収拾に動く。
が、口を滑らせてカルデアの女性スタッフにコナをかけていることが発覚。何やってんだオマエ。

派生形として腐っている自分も実装。
向こうからは自分は「腐っていない自分から見れば殺したくなるほどに疎ましい存在だろう」と推測されているが、本人はあちらの使用する二丁拳銃に興味津々な模様。
またメタ的に言うと商業展開上仕方ないのだがカルデアには定期的に彼の関係者が追加されていく。特に2016年度中は義母妹っぽい姉のような妹その妹の分身にして同じ力使いマスターwithウルクジャガ村先生マスターwith冥界とただでさえ我が王が増え続けるのに凄まじいペースで関係者が増え続け、彼の胃が心配された。


◇余談

UBWルートの終盤。
ギルガメッシュの奇襲によって消滅したように見えたアーチャー。辛うじて生き延びていたのだがその後の立ち回りが色々と凄まじい。
まず魔力切れで能力1/10以下の状態で最初のバビロンで全身串刺し、実はこの時既に霊核が半壊する程の手傷だったという。
*3
続く2回目のバビロンで士郎を庇い直撃を食らって消滅したように見えたが、
これは空蝉によって回避しさらに土遁の術のようなものを使い地中に退避したとの(苦しい?)説明がなされている。
にも関わらず士郎を庇ってのローアイアス、更に凛脱出の援護の為の数百本の剣射出(アニメでは通常の矢になっている)と、
どこから魔力持ってきたと言わざるを得ない程の暴れっぷりの為によくツッコミが入る。
実はアインツベルンの森で獣を狩り生き肝を喰らう事で魔力を補充していたようで、そんな事をしてまで生き延びようとしたのは凛を勝利させる為だったとか。
さらには実はアーチャーは各地に人知れず礼装を用意して隠しており、それを回収して回ることでも回復をしていたとのこと。
とはいえ単独行動BどころかAですら主なしでの宝具使用は不可能であり、それはコンマテ曰く本人自身の生存能力の高さにもよるものらしい。
だがそれでもギリギリの状態であり、それでも消滅を免れたのは彼の凄まじいまでの意思の力があったからとの事。
インド屈指の英霊やギリシャ最強の英霊たるバーサーカーも意思の力で色々とやらかしている為にファンからは「ISHI」とネタにされているが、彼もまた並外れたISHIの持ち主だった模様。



追記・修正は正義の味方になろうとした理由を思い出してからでお願いします。

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