SCP Foundation

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SCP Foundation - (2022/03/30 (水) 15:33:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/05/27 (火) 20:08:58
更新日:2024/03/17 Sun 14:39:12
所要時間:約 17 分で読めます






人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない。

他に我々を守るものはいない、我々自身が立ち上がらなければならないのだ。



人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、

我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。



We secure(確保). We contain(収容). We protect(保護).





「SCP Foundation」とは「SCP財団」という(架空の)組織、またはそれを軸にした怪奇創作コミュニティサイトである。
かつては「The SCP Foundation」だった。
ここではコミュニティサイトそれ自体を解説する。
組織についてはこちらを参照のこと。


【概要】


すごーく雑に説明すると、

「秘密組織『財団』にまつわる物語が集められているサイト」。

『財団』を大雑把に説明すると、「少年漫画だと間違いなく悪の組織扱いされることもやりながら「科学的に解明できないもの」を収容し、研究するたぶん人類の味方」である。

「異常な特性による社会の変化」を阻止するために、収容手順である「Special(特別) Containment(収容) Procedures(プロトコル)」を定め、総力を挙げて「Secure(確保)」「Contain(収容)」「Protect(保護)」する秘密組織。

そのよくわからないものが人類の発展やより良い社会のために極めて有効であったとしても、目的が「現在の『正常な』社会の維持」にある彼らがやることは変わらない。*1

そして、財団が収容する(完全にできているとは言わない)オブジェクトの説明を報告書としてまとめました、という体で行われる創作活動がSCP Foundationなのである。

【異常存在(SCPオブジェクト)】

財団が収容するはSCPオブジェクトとは、現代の科学や常識が通用しない異常存在………要するに「わけのわからないもの」である。
だが一口にそういっても、

などのマジックアイテムめいたものから

といった建造物そのものや異次元空間、

という危なっかしい生物(?)、さらには、

などの主人公か何かになっていたかもしれない人型の存在、果ては、

…………と説明してる側にもさっぱり訳がわからないものまで非常に多岐にわたる。

なお、その一覧はオブジェクト(SCP Foundation)(種類別)シリーズ(SCP Foundation)(番号順)にあるので、気になるものから読むといい。
文章だけでもえげつないものはえげつないが、元々が「ネット上に転がってる奇妙な画像にそれっぽいキャプションをつけてみたぜ」から始まった性質上、ものによっては人によってはグロいを通り越して生理的な嫌悪感を持つかもしれない画像やドッキリ画像が使われているので閲覧の際には注意するべきである。ただし、画像付きなのは少数派なのでご安心を。

まあ、要するに洒落怖みたいなもんだ。


【オブジェクトクラス】

そんなわけのわからない異常存在を収容する指標のために、オブジェクトクラス(SCP Foundation)というものがそれぞれに与えられている。

あるユーザーは喩え話で

「ロッカーに放り込んで、それで安全ならSafe、どうなるかわからないならEuclid、そのままにしておくと大惨事になるのがKeter」

と説明している。

基本的なクラス

  • Safe(セーフ)
最低クラス。
安全な収容方法が「一応」確立されていて、管理されている限り問題が起こらなさそうなオブジェクトが該当する。
ただし管理のしやすさで判定しているので、ぶっちゃけセーフとは言いつつ全然セーフティではない。やらかした場合は世界崩壊レベルの事態が起こるものも存在するので、既存の大量破壊兵器はここに分類されると考えるとわかりやすいだろうか。

  • Euclid(ユークリッド)
中級クラス。
収容してはいるがまだ予断を許さないオブジェクトが該当する。
人型オブジェクトと、とりあえず収容が完了したSCPはまずここに分類されることが多い。
由来はユークリッド幾何学ないしそれを提唱した古代ギリシアの数学者・エウクレイデスと思われる。

  • Keter(ケテル、もしくはキーターとも)
最高クラス。
由来は生命の樹の最上位のセフィラ「ケテル」(「王冠」の意)とだろう。
ほっとけば大量殺人や歴史の改ざんあたりまえ、あらゆる手段で被害を抑えても本質的に収容方法が確立できない、あるいは物理的に不可能などのオブジェクトが該当し、パニックを防ぐため伏字やカバーストーリーなどの隠蔽処理も滅茶苦茶多くなる。


使われたり使われなかったりするクラス

  • Neutralized(ニュートラライズド)
無力化済み。(要するに「壊れたor死亡した」)
収容中の事故や、職員などがをやらかしたことによって機能を失ったオブジェクトが該当する。

  • Explained(エクスプレインド)
解明済み。
現代科学で解明できたものや、広まって収容できなくなったりしたものが該当する。
このクラスに該当した場合、アイテムナンバーの末尾に「-EX」とつけて区別される。

  • Thaumiel(タウミエル)
最高機密。
「Keterクラスのオブジェクトを収容・無力化する」超チート的な『財団の切り札』。
さっきの喩えで言う「ロッカーそのもの」邪悪な存在(クリフォト)最高位(タウミエル)とはなんとも皮肉である。

  • Apollyon(アポリオン)
001提言SCP-3999など、「もはや打つ手がない、どうすることもできない、未だ収容できていないオブジェクト」に与えられるとされるクラス。
SCP-2317が有名になったことで、それ自体はApollyonではないが報告書内でクラスの存在に言及しているSCP-3301などの「ヤバ過ぎるSCP」が出ると度々比較対象にあげられる。

「公式のクラスじゃないけど実質公式」という状態が長らく続いていたが、大元のSCP-2317は「特別なクラスで脅威を表現するのが、後続の記事の増加で難しくなった」ということで後にクラス自体が削除された。
その後、本家にSCP-4005を始めとするApollyonクラスが複数投稿されるようになり、海外支部、特にドイツ支部では独自の制度である実績の中に「Apollyonクラスの記事を書く」というものがある。
2021年に満を持して正式に公式のオブジェクトクラスになった。


【特殊】

既存の物理法則などに当てはまらなかったり精神影響を持ってるが、オブジェクトとして登録するには至らない物体を念のため保存しておくクラス。
どうでもいいものや一般使用が認められているもので、他クラスに比べれば管理も甘い*2が、新たな脅威が発見され格上げされる例 故障しているが壊せない電話機→命の恩人と5分間だけ通話できる電話機)や、場合によってはKeterやThaumiel、Neutralizedだとに変更されることもある。

  • 壊れないランプ(本家初のアイテム)
  • いくら使っても勢いが落ちないダストブロワー(JP初アイテム、使用者数名が凍傷になった)
  • 元マリリン・マンソンのメンバーであるマリリン・マンソンが書いたマリリン・マンソンシリーズのパロディ小説(記述内の人名とグループ名がマリリン・マンソンに置き換わる)




他にも記事の中には独自に設定したオブジェクトクラスを使用しているものもあるが、基本的にはこれで全部。

シェアワールド「SCP Foundation」


「SCP Foundation」には上記の「オブジェクトクラス」を始めとして様々な用語や概念が登場するが、そのほとんどはこのアニヲタwikiに解説記事がある。
詳しくは タグキーワード「財団用語解説」でアニヲタwikiをタグ検索 するとして、用語(SCP Foundation)を適宜参照すれば、読解の一助となるだろう。
そして、忘れてはいけないのがこの「SCP Foundation」はシェアードワールドであることだ。
端的に言えば、両立しない事実を示す報告書があったり、報告書の中で 何度か世界が滅亡したりしている ので、それぞれの報告書は言及されない限り パラレルワールド と考えて良い。




【財団支部】

本家である英語版以外にも、後に有志らにより作成された世界各国語版の支部サイトが存在する。
RU,KO,CN,FR,PL,ES,TH,JP,DE,IT,UA,PTと表記され、
それぞれ、ロシア支部、韓国支部、中国支部、フランス支部、ポーランド支部、スペイン支部、タイ支部、日本支部、ドイツ支部、イタリア支部、ウクライナ支部、ポルトガル支部を指す。
これらの支部では英語版や他の支部の翻訳の他、支部独自のSCPオブジェクトや小説が作成されている。
支部で執筆された記事にはSCP-番号-〇〇(CN,PL,ESはSCP-○○-番号)の形で付く。要は○○語版を示す記号であり、オブジェクトクラスとは全く関係がない。

基本的に英語が読めればENで書くことが多いため、当該言語を習得しないと書けない支部は緩やかなことが多いが、
その分母語話者ばかりが集うため独特の世界観・文化が形成されやすい。
というか独特な要注意団体や違う財団職員が産まれるので設定上も相違が大きい。
そのため英語圏の財団職員も支部には注目を向けており、
EN世界観では絶対産まれないタイプのSCPは人気が高い。

なお支部は緩やかな発展と言ったが日本支部は別である。
むちゃくちゃ早いスピードで発展を遂げており、支部の中では唯一001から999までのすべての番号が埋まり、1000以降の番号の記事が存在している。EN職員をして「日本にはSCPを生み出すSCPがいる」と言わしめたほど。とか言ってたら本当にできちゃった

SCP-JPシリーズは大元のSCPシリーズによくあるグロテスクを重視したアメリカンホラーな仕上がりとは異なり、SIRENなどのような精神的にくる怖さを重視したジャパニーズホラーテイストのモノや感動を狙ったモノが多々存在する。またその関係上、収容プロトコルにオカルト的な手法を積極的に採用しているのも特徴(世界観設定的には、前身となった要注意団体・蒐集院の特徴を引き継いでいるため)。

もしも「俺こんなSCP思いついちゃったZE!」なんてことがあったら、SCP財団日本支部に誠意をこめて参加申請してみよう。
日本支部の博士、エージェントの皆さんはきっと快く君を迎えてくれるだろう。ただしDecommissionedは勘弁な!
そしてサイトでは「大人」として振る舞うこと。自分の考えが受け入れられなかったからと言って、フォーラムなどを荒らしまわったり他のユーザーを罵ったりするのは言語道断である。まあこのサイトだけに言えた事じゃないけども。

なお、日本語のサイトでは「SCP財団日本支部」と「SCP Foundation 非公式日本語訳wiki」の2つのサイトが存在していた。
前者が前述のSCP-JPであり、日本支部独自のSCPオブジェクト等の創作を主に行っていた。あくまでメインは創作であり、他国語版からの翻訳は後者から転載されたものだった。
後者はかつては他国語版のSCPの翻訳を集めたサイトであり、本家の英語版の翻訳の他、中国語版、ロシア語版、韓国語版、タイ語版などからの翻訳も存在していた。
現在は「SCP財団日本支部」に併合されており、創作も翻訳も同じサイトで行われている。
また、あくまで「非公式なSCPファンサイトであり、SCP財団とは運営者が異なる完全な別サイト」と言う扱いではあるが、「SCP-JP非公式ファンサイト」が存在する。
こちらはSCP Foundationの設定を用いた二次創作が主流のようである。

【SCP-173とライセンスについて】

なお、全ての始まりになったSCP-173は日本の彫刻がモデルになっており、ある意味SCPの発生と日本には深いかかわりがある。
元ネタ作品を作った彫刻家は「SCPがらみの創作であることを明記すれば画像の二次使用OK、ただし 営利目的の画像利用は一切禁止 の条件で許諾を出してくれているので、これを守って感謝しつつ存分にやろう。*3

制限はSCP-173の画像と意匠であり、他のSCPは「クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0(CC BY-SA 3.0)」に従って営利利用もOKである*4
つまり、「タイトル・初版作成者・URLの明記」「改変した場合は改変前と同じライセンスをつける」という条件を守ればよい。
実際、日日日氏によるライトノベル「鏡の国のアイリス -SCP Foundation-」や、複数のアンソロジーコミックが出版されるなど、徐々に商業を侵食し始めているが、それらの作品では上記3つのオブジェクトは出さないのがルールになっている。

【余談】

SCP Foundationの作品群をもとにしたフリーゲームが二つ存在する。
「SCP Containment Breach」Dクラスの視点から見た脱出ホラーゲーム。バグは多いが、SCPたちの性質をよく活かした良質なホラーに仕上がっているので、一度プレイしてみてはいかがだろうか。
「SCP Secret Laboratory」はオンラインでの財団・要注意団体・SCPオブジェクトの三つ巴の対戦がメイン。SCPオブジェクトの視点で虐殺プレイをすることができるぞ!

日本で2013年に公開されたドリュー・ゴダード監督のキャビン(映画)が、ややネタバレになるがSCP財団の実写化イメージに近い組織が出てくる。
ちょっと管理が雑な気がするが収容違反やK-クラスシナリオなどのイメージがしやすいので興味のある方はレンタルを。
一部ではキャビン財団やサイトキャビンなんて呼ばれている。

創作上のライセンスの複雑さから、SCPの影響を明言しつつも直接は関係ない(二次創作という体裁でない)フォロワー作品も多い。
当wikiに項目があるものではLobotomy Corporationなど。
2019年のゲーム「Control」はSCP財団のような施設で戦うTPSである。

ちなみに、「『放っておくと世界を滅ぼしかねない危険なシロモノ』を保護する目的の組織の奮闘」を描いた作品は日本にもある


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