登録日:2009/08/06 Thu 05:15:53
更新日:2025/04/19 Sat 18:22:51
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わたしの能力『天国への扉』によって 心の扉は開かれる
能力
破壊力………D
スピード……B
射程距離……B
持続力………B
精密操作性…C
成長性………A
(画集『JOJO-A-GOGO!』同梱『STANDS』より)
故郷・杜王町で人気漫画家として執筆活動に勤しむ露伴が本編をさかのぼること約3か月前、
弓と矢を使い無作為にスタンド使いを増やして廻っていた
虹村形兆に射られたことで発現したスタンド能力。
『作品を面白くするために必要な要素とは自身の体験に由来するリアリティである』
…という露伴のクリエイターとしての大信念と自分を取り巻く世界のすべてを
『面白い漫画を描くための素材』としか認識していない
彼の貪欲かつ際限の無い好奇心を反映し、スタンド攻撃を仕掛けた対象を情報の象徴である
「本」に変える能力をもつ。
ニュアンス的には
相手を一冊の本そのものに変えるのではなく、
体の色々な部分がめくれかえってページ化すると言った方が近い。
一旦「本」にされてしまうと露伴が能力を解除しない限り対象の行動には大幅な制限がかかり、這って歩く程度の動作しかできなくなる。
「本」の各ページには対象の嘘偽りのない「人生の体験」が露伴にしか解読できない謎めいた文字(スタンド文字?)で
びっしりと記されており、それを読むことで対象の持つ身体的特徴や記憶や経験(覚えていないことでも載っている)、思ったことや感じたこと、
趣味や嗜好、密かなコンプレックス、人間関係などの正確な情報を逐一入手することができる。
「ファイルは嘘をつかない」という露伴の言葉にもあるように、この情報を隠すことは不可能で、個人のプライバシーは一切無視される。
ただし、人間1人の人生という膨大な情報量ゆえ、露伴が重要な情報を見落として結果的に情報が隠される形になる場合もある。
「記憶」という概念を持っているなら人間以外の生物にも使うことが可能で、その場合は人間ほど複雑な思考を持たないため簡単に「本」にできる。
また、余白の箇所に新規で「書き込み」(普通のペンでOK)を行うことによって対象を書き込んだ命令に強制的に従わせることができる。
例えば、「岸辺露伴を攻撃することができない」と書き込むと、対象は
露伴に被害が及ぶという結果に繋がるすべての事柄を考えることすら出来なくなる。
命令は対象の意志とは無関係なので基本的に無理強いの形になるが、
『「本」にされた記憶を忘れる』と書き込むことでアフターケアとするなど、意識や記憶もやろうと思えば改ざん可能である。
ただし、露伴自身が対象に過剰なウソの情報を追記することを(あくまで自身の作品のために)よしとしないことや、『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』では荒木氏に「人の心を読む能力を持っていても、それによってトラブル背負い込む可能性も大きいので、スタンドを使うのは本当に必要な時だけという分別も持っています」とも書かれていることもあり、基本は「取材」の手段として利用されるにとどまっている。
本となった肉体のページは積み重なった人生の記録そのものであり、
ページを破るなどして物理的に破損してしまうと
対象の存在そのものが体重の減少・疲労の蓄積という形で希薄化していき、
最終的には消滅=死亡してしまう。
能力を得て有頂天になっていた頃の露伴は、最高のネタと見做した
広瀬康一からページを破り取ることで
殺人も辞さないなど相当に邪悪な振る舞いをしていた。一応、能力を解除すれば破ったページも元に戻る。
しかし外伝では敵対者があまりにも身勝手で悪辣な場合、相手の美的価値観を覆すような記述を書くなどして制裁を加えたことがある。
また、この書き込みによる強制力は絶大で、対象が運動エネルギーを発生させるようなことができない状況でも
「時速70kmで自分の身体は背後に吹っ飛ぶ」と書き込めば本当に吹き飛ぶし、
全く外国語の知識がなくとも、書き込みさえすれば向こうの人が驚くくらいのネイティブな外国語をマスターすることが可能である。
絶対的な効果を持つ反面、登場時は「露伴の作品と波長の合った人間 が露伴が直筆で描いた漫画を読む」という、
効果の発動には面倒な条件の達成が必要であり、スタンドの像もなかったが、自分以外のスタンド使いとの接触を経験したことで、
1ページ見せるだけで能力を発動できる
↓
1コマ見せるだけで能力を発動できる
↓
空中に指を走らせることで軌跡が絵となって浮かび上がり、能力を発動できる
と脅威的なスピードで成長していった。
さらに「絵を描いて見せる」というプロセスは億劫なようにも思えるが、
本体の露伴の執筆作業のスピードと精密さはおよそ人間業ではなく、自己申告で時速300㎞を軽くマークする。
東方仗助のスタンド、
クレイジー・ダイヤモンドのパンチすら凌駕する動きで原稿を取って見せるなど、持ち前のハンドスピードをフル活用して隙を無くしている。
スタンド像も物語が進むと出現するようになった。
その姿は少年ジャンプで連載中だという露伴の代表作、『ピンクダークの少年』の登場キャラクターにそっくりで、
顔に奇妙な紋様の浮かんだ帽子とスーツ姿の小柄な少年の姿をしており、かなり豊かな感情表現も見せる。
これに伴い、(そもそもスタンドを一般人は目視できないので)絵を見せなくとも背後から能力を行使したり、
スタンド像で触れたり殴ったりするだけで波長が合わない人物も「本」にできるようになった。
その一方で、性質上射程距離が短く
近距離パワー型に分類されるスタンドではあるものの、
対象を「本」にしてからの絶対的な効果にスタンドパワーを割いているためか肉弾戦には不向き。
なおかつ、原稿を見せるだけでは不十分で、相手がそれを認識しないと発動しない模様。
また、問答無用で相手を「本」にすればその時点でほぼ勝利が確定するものの、
本体の露伴が好奇心でしょっちゅう要らぬトラブルを招きよせることもあり、作中では後手に回って不覚を取るシーンも少なくない。
本体も普通の(事によっては一般人以下の身体能力しかない)成人男性であり、一発殴られればあっけなく戦闘不能になりスタンドも解除される。
またスタンドの性質上無生物に対してはどうしようもなく、自宅が火事になってしまった時はなすすべなく全焼させてしまった。
更に対象が死んでいた場合は本の内容が全て「死」で埋め尽くされてしまい、生前の情報を読み取る事はできなくなる。
○余談
◎対象が「本」になっている間は著しく行動が制限されることや、
書き込みの強制力が絶大であることなどが要因で、最強スタンド議論スレや欲しいスタンドスレなどでは頻繁に登場するスタンドである。
但し、本編のように成長出来たのは本体がキ○ガイ天才漫画家「岸辺露伴」だったからこそであり、
仮に凡人が手に入れても露伴のように成長出来るかは微妙な所である(というかそんな性根の俗物にはそもそも発現すらできないだろう…)。
◎露伴が主人公(語り部)を務める人気
スピンオフ『
岸辺露伴は動かない』シリーズでは
回を追うごとに動かないはずの露伴が事件の当事者として怪事件に巻き込まれるケースが増していき、
それに伴って状況把握や危険回避のためにヘブンズ・ドアーを使うシーンも増えていった。
また、同シリーズは途中からスピンオフ元である第4部とはパラレル扱いとなっており、
画風の変遷も相まってヘブンズ・ドアーのスタンド像も、第4部連載時と比較して無機的なピノキオのような雰囲気に変化している。
記憶能力を持つということが科学的に立証されているタコに命令を書き込んだり、
知能などは失われているであろうフライドチキンを「本」に変えて原産地や消費期限のデータを表示したりと、まだまだ成長を続けているようである。
また本にしたページから変なものが出てきたり、
書き込みがスタンドとは別種の洗脳能力に押し負けたりと本編では描かれないようなピンチも描かれる。
◎ルーブル美術館の企画の一環として執筆されたスピンオフ作品『岸辺露伴 ルーブルへ行く』では、
初見の読者(特に美術館を多く訪れるであろう外国人)に配慮して露伴のスタンドについては設定が原作から変更されており、
矢に関係のない生来のスタンド能力として、デビュー前・高校時代の露伴が使用している。
◎実写ドラマ版『岸辺露伴は動かない』では、ヘブンズ・ドアーは露伴の「スタンド」ではなく彼が持って生まれた「ギフト」と紹介されており、
使用する際にはヘブンズ・ドアーのスタンド像などは現れず、登場初期のように露伴の漫画を1ページ見せる描写がある他、
露伴が対象を指差す(あるいはペン先を向ける)、まるで本を開くようなジェスチャーをする等により、能動的に能力を発動させることもある。
実際にスタンド像などはない露伴の持つ「超能力」の一種として描写されている、もしくはスタンド使いでない者(=視聴者)にはスタンド像が見えないことの暗喩という考察も。
対象の記憶を読み取る、命令を書き込めるなどは共通だが、原作では露伴が指差すだけで命令が書き込まれるシーンがあったのに対し、
ドラマ版では一貫してペンを使って対象のページに命令を書き込んでいる。
また、その他にも開かれたページのテイストがその人物の体験や人物像に反映され、各々異なった趣きになっている。
例)
- 元々はファッション雑誌志望だった編集者の泉京香=写真だらけで文字があまりないファッション雑誌のページ
- 山の神の使いである一究=古典単語で書かれた古典の文献
- くしゃがらによって血が上っていた志士十五=書き殴りの大学ノート
- 片平真依&真央母子=カラフルな飛び出す絵本
- 京香の彼氏・平井太郎=前半こそ随筆を交えた写真集だが途中で真っ黒なページ(心停止=「死」のイメージ)に変化、後半から真依&真央と同じ飛び出す絵本に変わる
- 大柳賢(ジャンケン小僧)=小学校でよく使われる「ジャポ〇カ学習帳」のようなテイストの方眼紙ノート
「ヘブンズ・ドアーッ!」ドシュドシュッ
「この項目を読んだwiki篭りは追記修正する…と」
- 油断して地雷を踏みに行っちゃうのがリスクだね -- 名無しさん (2014-04-21 12:38:27)
- 油断というか、露伴ちゃんはリアリティのために自身で体験しようとするからw -- 名無しさん (2014-07-31 18:05:06)
- ぶっちゃけこのスタンドなくても、勢いやうっかりでブレーキかけ損なって酷い目にはあいそうな露伴ちゃん。 -- 名無しさん (2014-07-31 18:08:33)
- 名前が能力バトル漫画しててかっこいい。流石は現役ジャンプ作家w -- 名無しさん (2014-09-27 17:48:33)
- 先生は地雷原の上を全力疾走できる人間だからね、仕方ないね -- 名無しさん (2015-01-22 16:41:43)
- まさかタコにも効くとは思わなかった -- 名無しさん (2015-05-24 23:42:06)
- ↑記憶を覗いてさらに行動に制限をかけられる能力だから、記憶ができる生物なら何でも効くとか? -- 名無しさん (2015-05-28 22:26:47)
- 本体が面白い漫画描ければいいって奴だから良かったけど悪人に発現したら余裕で世界征服できるな -- 名無しさん (2015-08-27 10:03:04)
- 某「王の力」よりも強力すぎるからな、使い手次第では世界をどうとでも出来る -- 名無しさん (2015-09-21 21:57:30)
- ↑ただし、本人としては世界の支配よりも漫画を描いたり目先の好奇心を満たすほうが重要だったりする。 -- 名無しさん (2015-09-21 23:15:05)
- スタンドの性質上、世界征服を考えたり、「こんなスタンドが現実にありゃあなあ」て考える人には発現し無さそうだ。 -- 名無しさん (2015-09-21 23:46:48)
- 露伴先生がリアリティを求めたから現実=記憶を読むスタンドか -- 名無しさん (2016-01-19 09:20:14)
- ちょっぴり追記。露伴のキャラも相まって、スタンドの成長性の高さに説得力があるのが魅力的。 -- 名無しさん (2016-01-19 12:07:24)
- 使い方次第ではとんでもない凶悪なスタンドになるが、本体があくまでも漫画の題材のために文無しになろうが構わないいい意味で変態だからなぁ。 -- 名無しさん (2016-04-07 22:04:51)
- よく欲しい言ってる奴いるけど、マンガを書くができないしそこから成長できない。成長しても絵をわざわざ書かなきゃいけないし、マンガ家ってより先生だから強くなるスタンド -- 名無しさん (2016-06-22 18:11:23)
- 間違いなくチートスタンドの一角だけど、「このスタンドでやりたい放題や!」みたいな考えの人間には絶対発現しないスタンド -- 名無しさん (2016-07-05 00:47:41)
- 神父がパクって使ったら進化して全人類強制的に覚悟完了させられそう -- 名無しさん (2016-07-05 08:31:31)
- 相手によっては間田くんのように自らの黒歴史を掘り起こされる…wある意味一番現実にあってほしくないスタンド。 -- 名無しさん (2016-07-16 15:06:34)
- 原産地や消費期限のデータを表示するって便利すぎるな・・・怪しい料理を本に変えて減産やどんなものが入ってるかとか見て食うこともできるわけだから毒殺とかもさけれるわけか -- 名無しさん (2016-07-16 16:08:47)
- チートスタンドの持ち主は出番を減らされるか本体を馬鹿にされるという法則があるが、露伴が漫画馬鹿で本当に良かったと思わせる能力。ガチで狡猾な悪人がこんな能力を持ったと考えると・・・ -- 名無しさん (2017-01-18 12:34:46)
- ピンクダークの少年が完結して新しい連載を始めたりしたら、スタンド像も変わるんだろうか -- 名無しさん (2017-02-07 14:34:02)
- 射程距離Bって何よ? あれ遠隔操作できるの? -- 名無しさん (2017-08-31 21:06:07)
- 大抵のことはホワイトスネイクでも再現できる気がする、あっちの方がはるかに攻撃的な分穏便な使い方は苦手そうだけど -- 名無しさん (2018-07-12 05:18:17)
- 効果が出たのはいいが、書かれている内容の意味が分からないみたいな展開が好き。 -- 名無しさん (2018-07-12 08:06:59)
- プッチやダービー兄弟と同じ、「魂」に干渉するスタンド使いなのかな -- 名無しさん (2019-08-23 21:35:16)
- ↑6デスノートになる -- 名無しさん (2019-08-23 21:35:43)
- 今更だがヘブンズドアーなのに"地獄へ行く"と書くとは皮肉が効いてるな -- 名無しさん (2020-08-16 18:12:43)
- だが本体の方が成長性:Aなのでこれ単体だけじゃあんまし強いとは言えない、露伴ちゃんの精神力あってこそのスタンド -- 名無しさん (2021-04-23 15:43:24)
- 精密動作:C……本体がドリッピング技法のサインができてもC……? -- 名無しさん (2022-01-04 11:27:48)
- 精密動作Aってのは至近距離で発射された銃弾を二本指で掴み取るレベルなんですよ -- 名無しさん (2022-02-24 23:29:40)
- これ矢で発現してたのね。てっきり技術を極めたタイプかと -- 名無しさん (2022-10-27 00:42:16)
- 破壊力以外Bばっか(成長性に至ってはA)って何気に高ステータスだな -- 名無しさん (2023-04-05 22:20:38)
- 強すぎてガチメタと戦わされてる -- 名無しさん (2023-10-21 21:12:50)
- 無理やり他スタンドの分類に当てはめれば、「物質同化型」→「スタンド像なし型」→「人間型のスタンド像を持つタイプ」と、かなり珍しい変遷をしている。 -- 名無しさん (2024-09-28 12:26:57)
- ↑最初期のヘブンズ・ドアーって、単に「波長の合う人間が直筆の漫画を読む」のが能力発動のトリガーってだけで、別に原稿自体がスタンド化してるわけではないのでは -- 名無しさん (2024-11-20 14:41:18)
- 実写版の本にされた際が人によってレイアウトが違ったりしてるのが面白い 強面の人が乙女チックなこと考えてたり細かいし -- 名無しさん (2024-12-06 13:07:10)
- 時の加速した世界で原稿を仕上げてたので第6部だとハンドスピードがさらに上がってるのかもしれない。 -- 名無しさん (2025-02-12 21:11:41)
- 無敵かと思えるほどの能力だが本体が好奇心の抑えられない性格でトラブルに首を突っ込むので物語に面白さがでる。 -- 名無しさん (2025-04-17 18:22:00)
最終更新:2025年04月19日 18:22