勝利宣言 鬼丸「覇」

登録日:2012/09/11 Tue 14:00:54
更新日:2024/10/09 Wed 23:36:39
所要時間:約 8 分で読めます







──ガチンコ・ジャッジ──




デュエル・マスターズエピソード2から登場した
「攻撃時にお互いのデッキトップを表向きにし、コストの大きい方が勝ちとする」
というキーワード処理である


対戦を盛り上げることを想定され満を持して登場したガチンコ・ジャッジであったが

「効果を生かすには高コスト偏重の不安定なデッキ構築を強いられる」
「不安定さと見返りが釣り合ってない」
「なんで出した時ではなく攻撃時なのか」

とガチプレイヤー勢からの評価はなかなか厳しく
ガチンコ・ジャッジをメイン能力に据えたビクトリーレアカード《鬼無双カイザー「勝」》ビクトリーの中でも最弱とまで言われてしまう


そんな不遇な扱いを受けたガチンコ・ジャッジの筆頭《鬼無双カイザー「勝」》
相棒である《黄金世代 鬼丸「爆」》と共に封印されていた禁断の果実へと手を伸ばしてしまう…















今ここに、伝説の男が勝利を宣言する!


「オレこそがビクトリーだぜ!」
*1


勝利宣言 鬼丸「覇」》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DMR-06「エピソード2 ビクトリー・ラッシュ」に登場するカードであり、レアリティはビクトリーレア。


解説

勝利宣言(ビクトリー・ラッシュ) 鬼丸「(ヘッド) ≡V≡ 火文明 (10)
クリーチャー:ヒューマノイド/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 9000
スピードアタッカー
パワーアタッカー+5000
このクリーチャーが攻撃するとき、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。
T・ブレイカー

初登場から「使えない」「意味のない能力」「チ〇コ・ジャッジ」とさんざんな言われようだったガチンコ・ジャッジが、逆ギレクラスの本気を出したカードである。
というかもう《無双竜機ボルバルザーク》や《聖鎧亜キング・アルカディアス》《エンペラー・キリコ》といった歴代の壊れフィニッシャーたちの隣に立ってもいいくらい凶悪なスペックのカード
なんといってもまず注目すべきは、このカードのガチンコ・ジャッジ能力であろう。




ガチンコ・ジャッジで勝てば、エクストラターンを得られる




今までのエクストラターンといえば、《聖剣炎獣バーレスク》や《ザ・ユニバース・ゲート》のように専用構築を求められるカードやカードが大量に絡むコンボを使ってはじめて成功するものがほとんどで、
出しただけでエクストラターンを得られる例のアイツ「宿泊客第1号」として温泉旅館へと招待されてしまったりと、相手ターンに出来ることがほとんどないデュエル・マスターズにおいては、かなり調整が難しい能力てして認識されていた。
その点コイツはガチンコ・ジャッジで勝てばエクストラターンと一見良調整に見える。
問題はスピードアタッカーも一緒に持っているという点である。

つまり「覇」はバトルゾーンに出したターンでいきなりエクストラターンを手に入れるチャンスがあるのだ。
スピードアタッカーと強力な攻撃時能力が混在することの危険性は、前述した出しただけでエクストラターンを得られる例のアイツ青いアイツが教えている。

それでもガチンコ・ジャッジに勝たなければエクストラターンはないので大丈夫…と思うのは大間違いである。
《封魔アドラク》《悪臭怪人ゴキーン》といった「相手や自分のトップを操作するカード」はごまんと存在するし、
仮に何の準備もなしにガチンコ・ジャッジを仕掛けたとしても相手次第という前提条件ではあるが、構築の段階で重いコストのラインである6マナ以上のカードを多めに入れておけば、だいたい勝利できる。

そしてガチンコ・ジャッジを除いても、「覇」自身の種族が優秀。
ヒューマノイド、レッド・コマンド・ドラゴン、ハンター、エイリアンと優良種族の宝庫で、さらにデュエル・マスターズ初の4種族持ちクリーチャーである。
そのため、種族絡みのコスト軽減&踏み出し手段が数えきれないほど存在し、10という重いコストの割には恐ろしい速度でバトルゾーンに降臨することが出来るのだ。

ちなみにガチンコ・ジャッジの性質上、ミラーマッチではトップ操作しない限りどうしても他の相手以上不安定になりがちである。
また、上で説明しているようにガチンコ・ジャッジは基本的に運ゲーなので、どれほど高コストのカードをデッキに突っ込んで勝てる確率を上げても負けるときは負ける。
しかし、このカードの真に怖ろしい所はどんなに劣勢になろうとも1回ガチンコ・ジャッジで勝ってしまえばかなりの確率で試合にも勝ててしまうのと、踏み倒しやすさに物を言わせてとりあえずの感覚でエクストラターンGETの挑戦を狙える点である。
「坊主めくり」などと揶揄されたのはそこらへんが理由だろう。


相性の良いカード

デッキの上から4枚を見せて、その中からクリーチャーを相手に1体選ばせそのクリーチャーを出す、S・トリガー付き呪文。
まさにこのカードのためにあるような呪文。
相手が選ぶものの「覇」を早いターンにバトルゾーンに出せる=出せばゲームセットの可能性があるだけで大きな強みであり、
このカードを使用したデッキには他にも重量級クリーチャーがこれでもかと言うほどに詰め込まれるため、ガチンコ・ジャッジの成功率も非常に高い。
しかしあまりにも活躍をしたためこのカードは殿堂入りしてしまい、他のカードの力を借りないといけなくなった。
その後、《獰猛なる大地》《ホーガン・ブラスター》《ミステリー・キューブ》といったカードを採用して行ったが、その結果前2者は殿堂入り。
「覇」は数多の踏み倒しカードを巻き添えにしていったのだった。

  • 《アクア・インテリジェンス 3rdG》(7)
コスト7パワー7000のリキッド・ピープル/ハンターで、ガチンコ・ジャッジする時に見せるカードのコストを3増やしてくれる効果を持つ。
ガチンコ・ジャッジの成功率を飛躍的に上昇させてくれるため、水入りハンターGJデッキでは1枚刺されることもある。
相性自体は良いのだがより強いカードが多かったのであまり採用はされなかった。
名前がハンターで3rdGだが、モンスターを狩っているわけではないし、武器は本である。

  • 《ブレイン・ストーム》(2)
カードを3枚引き、手札2枚を好きな順番で山札の一番上に置く呪文。
ガチンコ・ジャッジ用の高コストカードをデッキトップに仕込んだり、「覇」を仕込んで《転生プログラム》(プレミアム殿堂)で踏み倒し→そのまま攻撃してガチンコ・ジャッジしたり出来る。
そこまでしなくとも「覇」と適当な高コストでも積み込めば次のターンの勝利は約束されるだろう。
ちなみにMTGに名前が同じで効果がほぼ同じカードが存在する*2

自身がドラゴンなので各種「バルガ」の効果で踏み倒すことができ、高コストカードが多い【連ドラ】もまた、「覇」の能力を最大限活かすことの出来るデッキである。
「覇」の登場により、只でさえ【連ドラ】にしか居場所のなかった《時空の神風ストーム・カイザー XX/奇跡の覚醒者ファイナル・ストーム XX NEX》は完全に立場を奪われるハメに…


派生カード

勝利龍装(しょうりりゅうそう) クラッシュ“覇道(ヘッド) SR 火文明 (10)
クリーチャー:ドラゴンギルド/ビートジョッキー 9000+
B・A・D 2(このクリーチャーの召喚コストを2少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりにこのクリーチャーを破壊する)
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがタップ状態で破壊された時、このターンの後に自分のターンを追加する。
バトル中、このクリーチャーのパワーを+5000する。

ドラゴンギルドとしてビートジョッキーの乗り物に組み込まれた「覇」。
《鬼丸》相当のビートジョッキーが《鬼カイザー》相当のキャタピラ付きの装甲車に搭乗している。

本家と同様にスピードアタッカーとパワー+5000を持ち、コストも全く同じ重量級だがビートジョッキーの専用キーワード能力「B・A・D(バッドアクションダイナマイト)」によって8コストまで軽減できる。
追加ターン効果も当然のように継承しており、このカードの場合はタップ状態で破壊される事で発動する。
コスト軽減と引き換えにターン終了時には自壊する「B・A・D」との相性は抜群であり、スピードアタッカーで攻撃してタップ状態に持っていけば次のターンには追加ターンが得られる。

効果発動のために自壊してしまう都合上、《ボルバルザーク》のように追加ターンにおける打点として持ち越す事は出来ないものの、追加ターン獲得の緩さから踏み倒しを前提とした【速攻】デッキなどで重宝されている。
【赤青覇道】や【チェンジザ覇道】に【ガイアッシュ覇道】など様々な派生デッキが生まれており、本家以上に環境で活躍している。


環境での活躍

当時のDM界隈におけるこのカードの入ったデッキの解説はこんな感じであった。
『デッキ:【「覇」】 内容:「覇」』
要するに『「覇」が入ってます。「覇」で殴って勝ちます』程度でデッキの説明がついてしまうのだった。

あまりにも強力なカードなので当然環境でも暴れまくり殿堂入りを希望するユーザーも少なくはなかったが、
どうも「覇」を踏み倒すカードの規制や様々なメタカードの投入などでなんとか抑えようとしていた。
「覇」がビクトリーレアであったのも理由かもしれない。
しまいには、限定プロモカードとして選ばれる始末。
ただ、かつての切り札達も最終的には制限を課せられてきたので…

そしてとうとう2014年5月24日を以って殿堂入りが決定
ビクトリーレア初の殿堂であるがまあ仕方ないね。お疲れさまでした。

その後2014年11月。
スーパーVデッキ「勝利の将龍剣ガイオウバーン」に収録が決定した。
DASHゴールデンリスト(再録制限)が明けたばかりの殿堂入りカードをスーパーデッキの目玉にするというのはこれまでもよくあったのだが、
このカードだけは正直もう少し考えてほしかったという人が結構いたらしい。
しかも再録で安くなるかと思いきや、あっという間に在庫が全滅。
「勝利の将龍剣ガイオウバーン」自体が転売厨の餌食になり、高値で取引されるという事態になっている。

再録されてもなお高騰するってどういうことなの…。

そして殿堂入りから実に9年後の2023年8月にて、なんと殿堂解除される事になった。
インフレが進んでも尚その決定力は健在であり、直近の拡張パックではハンター絡みで相性の良いカードも多数新録されている事から、更なる活躍が期待されている。


デュエル・マスターズ プレイス

勝利宣言(ビクトリー・ラッシュ) 鬼丸「(ヘッド) ≡V≡ 火文明 (10)
クリーチャー:ヒューマノイド/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 9000
スピードアタッカー
パワーアタッカー+5000
攻撃する時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。(ただし、それが追加ターンなら発動しない)
T・ブレイカー

DMPP-18「ゴールデン・ビクトリー -天頂開戦-」において、ついにデュエプレにも「覇」が降臨する…が、能力は当たり前だが弱体化が施された。
アタックトリガーのガチンコ・ジャッジでのエクストラターン獲得はそのままだが、こうして得たターンではガチンコ・ジャッジが起動しなくなっている。
そのため、TCG版で問題となっていた運次第では「ずっと俺のターン」は起こらなくなった。また、テキスト的に「覇」以外のカードによるエクストラターンでもガチンコ・ジャッジは起動しない。

ただし、テキストをよく見ると「追加ターンではガチンコ・ジャッジは起こらない」が、逆に言えば「追加ターンでなければ何度でもガチンコ・ジャッジは起こる」ということになる。
そのため、何かしらの手段で攻撃後に再度アンタップすることや2枚目の「覇」を並べるといった動きが出来れば2回目以降のガチンコ・ジャッジは起動し、そこで勝てば更なるエクストラターンが得られる。

ちなみに、DMPP-18では鬼丸のスキンが手に入るシークレットカードも存在する。


アニメでの活躍

デュエル・マスターズVS』では勝太が無くしていたようだが、洗濯していた時にズボンのポケットから出てきたのをカーチャンに渡され、DS環境でも使用することに。
なお「洗濯していた時に」とは言っているものの決してズボンごと「覇」を洗ったわけではないので注意。
ちなみに勝太が持っていたモノは普通の黒枠「覇」だったはずだがいつの間にか銀枠になっていた。
「四枚入っている《スーパー炎獄スクラッパー》を一枚抜いて…アレ?このカードこんな絵だったっけ?」
販促の都合故致し方なし。



追記・修正はカシラの意志を受け継いでガチンコジャッジで勝ってからお願いします。

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最終更新:2024年10月09日 23:36

*1 画像出典:pixiv イラストレーター村上ヒサシ氏 勝利宣言 鬼丸「覇」& 鬼丸シリーズ 2013年4月5日投稿 https://www.pixiv.net/artworks/34801156 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*2 このカード元ネタ。あちらはマナコストが1マナ軽い